ランド・オブ・ザ・デッド

ページ名:ランド_オブ_ザ_デッド

登録日:2020/1/19 (日曜日) 09:22:00
更新日:2024/05/16 Thu 11:01:32NEW!
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「ランド・オブ・ザ・デッド(原題:George A. Romero's Land of the Dead/直訳:ジョージ・A・ロメロの死者の国)」とは、2005年に公開された、アメリカ・カナダ・フランスの合作ゾンビ映画である。
監督・脚本は人食いゾンビの創造主たるジョージ・アンドリュー・ロメロ
特撮はトム・サビーニの弟子グレッグ・ニコテロ。



概要

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ゾンビ」「死霊のえじき」と世界観を共有している、シリーズ四作目。
上記の通り、ロメロ監督のデッド三部作からのまさかの続編・・・・・ということでマニア層のファンを驚かせた。
だが既に世間に溢れていた粗製乱造も含むゾンビ映画の氾濫に飲まれた部分もあり、決して注目を集められた作品とはならなかった。


……しかし、下記の通り本作に於いてもジョージ・A・ロメロのゾンビ観が貫かれており、単なるモンスターや舞台設定に留まらないゾンビのキャラクター性と世界の変容が描かれている。


ゾンビ発生により文明が崩壊した世界で人間の狂気や愚かさを描いていた前三部作と違い、本作ではゾンビが蔓延した世界ながら人間達が過去作とは比べ物にならないほど文化的な生活をしており、ヨーロッパ中世時代並の格差社会が描かれる。


また、過去作でのゾンビは悪意を持たない災害の一種としての側面が強かったが、本作ではヒエラルキーの最下層にいる虐げられし者達の象徴として描写されているのも大きな特徴。


ただし、ロメロ作品では時系列が降る毎に最初は元が人間でおりながら野生動物程度の知能しかなかったゾンビが徐々に“新しい種”として人間とは別の生命体へと成熟していく様子が描かれてもおり、本作でのゾンビの姿は前作(「死霊のえじき」)を象徴する“学習させられたゾンビ”であるバブの姿から更に発展した描写である。*1


ストーリー

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」から三年後。
人間達はペンシルベニア州ピッツバーグ市ダウンタウン、通称「ゴールデントライアングル」で暮らしていた。
ここは三方を川(アレゲニー川とモノンガヒラ川、二つの川の合流地点)に、一方を電気柵「スロート」で囲まれゾンビを恐れる必要が無い理想的な立地にある。
少数の富裕民は高層タワーマンションフィドラーズグリーンで優雅に暮らし、大多数の貧民達はスラムに追いやられていた。


一方、ピッツバーグの近くにある街ユニオンタウンでは
自我に目覚めたゾンビのビッグ・ダディが他のゾンビ達と共に人間時代の行動を模倣しながら平和に暮らしていたが、そこへ物資調達のために遠征してきた傭兵達が現れた。
彼らによって仲間のゾンビ達が一方的に虐殺される光景を目の当たりにし、復讐を決意したビッグ・ダディはフィドラーズグリーンを目指し、ゾンビの大群を従えて行軍を開始する。


一方で傭兵の一人、チョロ・デモーラは街の最高権力者ポール・カウフマンに擦り寄る。
自分をフィドラーズグリーンに住まわせるよう頼むが、拒否された上に殺されかけ、こちらもまた復讐を決意。
報復として対ゾンビ用装甲車デッドレコニング号をビッグ・ダディ達による襲撃のどさくさに紛れて強奪し、500万ドルを要求。
断ればミサイル攻撃してビルを粉々にすると脅す。


それを受けたカウフマンは、傭兵部隊隊長のライリー・デンボらにチョロ暗殺を命じるのだった


三つ巴の「革命戦争」が始まる…


デッドレコニング死の報い

大型トラックを改造して生み出された対ゾンビ戦用装甲車。
多数の重火器を荷台に載せており、物資の回収をしつつ乗員による迎撃が可能。
他にもサイドに固定銃座付きの機関砲、面制圧用迫撃砲、正面2門のガトリング砲、12連装ミサイルポッドを装備。
ミサイルの破壊力はエグく、高層ビルを倒壊させられるレベル。劇中ではたった3発でゾンビの群れを消し飛ばした。
ノーズを長く、ゾンビをかき分ける除雪車の如く装甲板を増設しており、ゾンビの攻撃では傷一つつかないどころか、銃火器が当たっても弾くほど硬い。
無限軌道ではないが強化タイヤとホイールを採用しているのか、ゾンビの群衆をまとめて轢き殺しても平然と突き進める。
更にゾンビに気を惹きつけ無防備にする、大型打ち上げ花火発射器も備わっており、ゾンビが相手では過剰とも言える無敵の強さを誇る。
ゾンビ相手には不要なほどの重装備がゆえに、これを押さえれば実質『無敵』に近い。*2



登場キャラクター

主役

ライリー・デンボ

演者:サイモン・ベイカー
物資調達任務のために雇われた傭兵達の隊長で、本作の主人公。
主人公だけに出演シーンは最多で場面の中心は彼だが、前作のサラと同じくゾンビに翻弄される役回り*3
頼れる賢いナイスガイで人望が厚く、仲間は多い。世界が一変するまでは幸せな人生だった。
ちなみに弟がいたがゾンビに噛まれてしまい、一時間も掛からずゾンビ化した事を語っている。*4
スラムの盛り場で買った車を渡そうとしなかったチワワと争い、銃撃戦を起こしてしまう。
さらにゲームでゾンビの餌にされそうになっていたスラックを救ったことで、治安維持部隊に逮捕された。
その後、カウフマンにより釈放され、車と武器を条件に反逆者となったチョロの暗殺を命じられる。
しかしそれは罠であり、カウフマンは邪魔になったライリー諸共反乱分子を始末するつもりだった。
同年の映画では洋風貞子に殺される社長役。ついてねえな。武器としてベレッタ92FSを所持。


チョロ・デモーラ

演者:ジョン・レグイザモ
本作の副主人公‥‥だが、物語を能動的に推進するという意味では真の主人公と言える。物資調達部隊の副隊長兼暗殺者。
フィドラーズグリーンに住む事を夢見て汚れ仕事をし、酒を上納するなどカウフマンに媚を売ってきた。
しかしいくら金を払っても自分を住まわせる気がない事に怒り、秘密をばらすと脅すも拒否された上に暗殺されそうになった。
復讐の為にビッグ・ダディらの襲撃のどさくさに紛れてデッドレコニング号を盗み、ミサイルを突き付けてカウフマンに500万ドル要求する。
その後、自分を殺しに来たライリー達と対峙するも、命を救ってくれたライリーと結果として和解。
ゾンビがダウンタウンを襲撃したことを知ると、最早カウフマンへの報復は不要と判断し計画を変更。
デッド号と交換にライリー達が乗ってきたワゴン車で相棒のフォクシーと共にクリーヴランドを目指す。
しかし道中でゾンビに噛まれてしまい、フォクシーと別れてカウフマンに復讐するため一人でフィドラーズグリーンを目指す。
前世はルイージ。そしてラテン農民のラッパー
彼の結末はこちらを参照。オーイエイエイエふざけんな


ビッグ・ダディ

演者:ユージン・クラーク
もう一人の真の主人公である、ゾンビと成り果てたスタンドマン。アフリカ系アメリカ人男性。
自我に目覚めたイレギュラーな存在。生前よりも多少劣る程度のゾンビとしては高い知能と人間並の感情を有している。
過去作のベンやピーター、ジョンと並ぶ「強い黒人」に相当する。
ペンシルベニア州ユニオンタウンに棲息するゾンビ達のリーダー。
仲間達が突然やって来た傭兵達に一方的に殺される様に怒りと悲しみを抱き、復讐のため奮起する。
傭兵から奪った自動小銃ステアーAUGを携え、ゾンビの大群を率いてフィドラーズグリーンを目指すゾンビの革命家
詳しくは該当項目を参照。


ポール・カウフマン/ミスター・K

演者:デニス・ホッパー
本作のヴィラン。ダウンタウンの最高権力者(というか独裁者)である元共和党員。フィドラーズグリーンの所有者でもある。
富裕層に快適な暮らしを提供し、貧困層をドラッグや娯楽を与えスラムに押しやった張本人。
保身のために一人だけ脱出しようとしたり部下をあっさり切り捨て、時には暗殺までする非情且つ自己中心的な性格。
チョロの要求に対しても二万ドル以上を受け取っておきながらも、フィドラーズグリーンには住まわせず、邪魔と見なし暗殺しようとした。
殺されかけたチョロが謀反を起こすと彼をテロリスト扱いするなど、明らかにブッシュJr.大統領を風刺したキャラクター
尚、チョロが言った「ゴミの中には死体もある」というのは、彼にとって都合の悪い人間を(チョロの仲間であろうと)殺して処分させていたから。
スラムにいるチョロやライリーなど貧困層を物資調達させる為に飼い殺し、スラムから出れないように仕向けている。
前世はクッパ。後、アヒルちゃん。……アメリカを代表する名優への認識がこれでいいのか日本のヲタク。
彼の結末はこちらを参照。


スラック

演者:アジア・アルジェント
本作のヒロイン。元傭兵の娼婦。男勝りで粗っぽい性格で射撃や格闘が得意。
マリガン率いるレジスタンスに関与したために盛り場でゾンビの餌として闘技場に放り込まれるが、ライリーに救われるも共に逮捕される。
その後、カウフマンから釈放する代わりにライリー、チャーリーと共にチョロ暗殺を命じられる。
演じたのはロメロとビジネスでのパートナーでもあったイタリアのホラー映画の名匠ダリオ・アルジェントの娘で、彼女自身も映画監督である。*5



チャーリー・フック

演者:ロバート・ジョイ
ライリーの部下にして右腕、狙った獲物は必ず仕留める狙撃の名手。顔の半分が火傷により爛れている。
この火傷の原因である火事の際、ライリーに救われた事から彼に恩義を感じており、彼の事を第一に考えている。
ちなみに天国の存在を未だに信じていて、自分のことを「いてもいなくても一緒なやつ」と自嘲している。
少々頭が弱い所があり傭兵仲間からは馬鹿にされているが、気が小さいので言い返せない。しかし感が鋭い所もありライリーは誰より彼を信頼している。
ライフルの銃口に唾を付けて狙いを定めるという独特の狙撃法を持つ。
スラックの背後のゾンビを間一髪で倒したが、後に背後から迫る花嫁ゾンビをスラックが撃った際は「僕はケガさせなかったぞ!」と左耳を押さえて痛がっていた。
来世ではエイリアンとプレデターの戦いに巻き込まれている苦労人。


物資調達部隊

デッドレコニング号をはじめ、バイクやジープといった乗り物、そして大量の銃で武装した傭兵達で構成された部隊。
廃墟と化した郊外での物資調達が任務で、全員、スラム街で生活する貧民である。
ストレス発散の捌け口としてゾンビを利用しており、必要以上にゾンビを虐殺したり、逆さに吊るして射撃の的にしたりと人間の残虐性を露にする。
ゾンビ』のヒャッハーな暴走族と本質的には大差ない。


マイク

演者:ショーン・ロバーツ
新入隊員。チョロが酒を調達に入った先でゾンビに襲われた際、その場に居合わせた。
ばつが悪くなったチョロに、八つ当たりのような嫌がらせでばら撒いた葉巻を拾わされる。
しかしそこに潜んでいた警官ゾンビに噛まれ、ライリーが助けに来るも己のゾンビ化を悲観し自害。
来世はアルバート・ウェスカー。大出世である。ちなみに同じくロメロ作品の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」にも出ている。


フォクシー

演者:トニー・ナッポ
チョロの相棒。額が禿げ上がった口髭の男。
チョロと共にワゴン車でクリーヴランドを目指すが、途中でチョロが噛まれ、彼がカウフマンとの決着をつける為に介錯を拒否した為、彼を街の近くまで送る。
当初は自分も一緒に行くつもりだったが、チョロに「いい暮らしをしろよ」と乗ってきたワゴン車と物資を託されたため別れた。
コルトM1911A1とウィンチェスターM1300を携行している。


プリティー・ボーイ

演者:ジョアンナ・ボーランド
チョロの部下の金髪美女。呼び名の意味は「可愛い男の子」だが女性である。
デッドレコニング号のミサイル射手であり運転手。特に脅された描写も無く、当たり前の様にチョロの謀反に加担していた。
だがやってきたライリーにあっさり投降、仲間になった。
ライリーの仲間になった後半はデッド号を運転してゾンビを轢き殺しまくる。


アンカー

演者:トニー・マンチ
チョロの部下の男。花火の打ち上げを担当している。
プリティー・ボーイと同じくライリーに速攻で投降した。
来世ではキューブに閉じ込められた挙句に焼却処分される人。


マウス

演者:マクスウェル・マッケイブ・ロコス
チョロの部下。拳銃一挺渡されて桟橋に待機させられた可哀想なやつ。マウス(鼠)だけに小屋で出会ったドブネズミと仲良くなった。
呑気にヘッドホンで音楽を聴きながらスケボーで遊んでいたらゾンビに襲われた。バカ。
前世はデスランド住人。


◆ディーク

演者:エルドリッジ・ハインドマン
デッドレコニング号の乗組員の一人である黒人男性。
チョロの謀反にハブられた。呼び名の意味は「嘘つき」。


基地守備隊

前線基地やダウンタウンに常駐する兵士達。各方面からの寄せ集めであるため、軍服がバラバラ。


ブルーベイカー

演者:アラン・ヴァン・スプラング
ダウンタウンに通じる橋の入口に設けられた前哨基地の司令官。元ペンシルベニア州軍所属。
デッドレコニング号を戦力の要として管理していて、チョロはこれを奪うつもりだった。
ビッグ・ダディ率いるゾンビ軍団の襲撃に遭い、交戦の末戦死。ゾンビ化した。
後に公開された過去編である『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』及び『サバイバル・オブ・ザ・デッド』にも登場。
作品毎に「ブルーベイカー」、「カーネル(大佐)」、「サージ(軍曹)」とエンドクレジットに記されている役名が違うが、これは大人の事情で、ロメロ曰く同一人物。その証拠にいずれの作品でも着ている軍服のデザインが同じである。
因みに、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』ではタバコ中毒であるため脚本上で「ニコチン・クロケット」という渾名をつけられている。


◆ガス&バレット

演者:ジェイソン・ゴートリー&クリストファー・ラッセル
ブルーベイカーが管理する基地に配属されている兵士二人組。
巨大なバルーンを標的に射撃訓練していたところをビッグ・ダディに襲撃され、「悲鳴訓練」する羽目になった。


◆スティール

演者:リチャード・クラーキン
変電所の警備員である白人中年男性。
ライリーから跳ね橋を降ろすように指示されるがビッグ・ダディ達との戦いでそれどころでは無かったため、「電気は通ってる」ことを伝え断った。


◆兵士達

演者:ティナ・ロメロ(ロメロ監督の娘さん)&クリストファー・ネルソン&デブラ・フェリステッド&ブライアン・レンロフ&ジェームズ・ビンクレー
ゴールデントライアングルの守備隊員の皆さん。
「ゾンビには川も電気柵も越えられまい」と油断していた結果、ビッグ・ダディ達の奇襲を受け壊滅した。

・“ハイ・ヌーン”・ソルジャー

呼び名の通り「12時の方向!」という台詞を発した兵士。ロメロ監督の娘。

・ベテラン・ソルジャー

呼び名通りベテラン兵士。新人隊員と視聴者にゴールデントライアングルの構造を教えてくれた。

・フィメイル・ソルジャー

見ての通り女兵士。

・ナンバー9ズ・ヴィクティム

呼び名通りゾンビ側のヒロインであるナンバー9の犠牲者。バットで殴り倒された上に自動小銃で射殺された可哀想な兵士。

・グレネード・ソルジャー

手榴弾を投げようとしたら肉屋ゾンビに豚切り包丁で手首を切断され、突き飛ばされて落ちた手首と手榴弾の上に転倒し、爆発で胴体が真っ二つになった可哀想なやつ。
ゾンビ映画ではいかにゾンビを変な方法で倒すかが見所の一つになりがちだが、本作はゾンビ側に肩入れした作風も相まって人間側がユニークキルされがち。


◆ガーズ・アット・ザ・“スロート”

演者:コルム・マグナー&スコット・ウィックウェア
白っぽい軍服とキャップを着用した電気柵「スロート」を監視する番人達。映画終盤では前述のスティールと行動を共にしていた。


カウフマン直属の傭兵

チョロ暗殺任務を受けたライリー達への増援としてカウフマンが送った三人の兵士。
ゾンビとの戦闘経験に乏しいことから、使用人同様の富裕層に属していると思われる。


マノレッティ

演者:サッシャ・ロイズ
カウフマンからチョロとライリー暗殺の密命を受けライリー達に同行する傭兵のリーダー格の男。闘牛士の名前らしい。
物資を取りにゾンビがうようよいる外に行かされる遠征部隊と違って、あまりゾンビと出会わないのかかなりビビっている。
首の筋一本で頭が繋がった神父ゾンビに「頭がない」と余裕ぶっこいて噛まれ、スラックに射殺される死亡フラグの人。
来世では魔物と人間のハーフとして刑事をやっている。何気にイケメン。


モニカ/モータウン

演者:クリスタ・ブリッジス
マノレッティの部下の女性兵士。モータウンは愛称。
早々に噛まれて退場したマノレッティの代わりにライリー達を殺そうとするが、ライリーには見抜かれており武器を取られた。
その後、自分達の見張りをスラック一人にし、隙を突こうとピルズベリーにアイコンタクトするも、裏切られて殴り倒され気絶。
目を覚ました直後にチョロを射殺しようとしたがゾンビに噛まれ、更にスラックにヘッドショッドされるなど散々な目に遭う。


ピルズベリー

演者:ベドロ・ミゲル・アルセ
マノレッティ、モータウンの同僚だが彼らを裏切りライリーの味方になる。サモア出身。
力士を思わせる肥満体型の大巨漢であり存在自体が死亡フラグだが、フラグをへし折るほどの最強キャラ。
後に人気テレビドラマシリーズの「ストレイン」や「ロストガール」などにも出演している。


スラムの住人

ゴールデントライアングルに住む人間の大多数が相当する。傭兵達も同様。
食糧や抗生物質が満足に行き届いておらず、ゾンビに襲われないとはいえ過酷な生活を強いられている。
ストレス発散のため、ゾンビを見せ物にしている。


ローチ

演者:アール・パストコ
見世物小屋でゾンビを戦わせる賭博をやっている男。後述のチワワの手下。呼び名は英語でゴキブリの意。


チワワ

演者:フィル・フォンダカーロ
スラム街の酒場を取り仕切る、テンガロンハットをかぶりジョーカーのような紫色のスーツを着た小人症の男。
ライリーに車を売ったが、カウフマンに命じられて隠した。
怒ったライリーを酒場の騒動のどさくさに殺そうとしたが、チャーリーに射殺される。


マリガン

演者:ブルース・マクフィー
富裕層に対するレジスタンスのリーダー。元傭兵だったが、スラム街に全てを押し付けて搾取するカウフマンに反旗を翻した。
しかしそれを嫌ったカウフマンに逮捕されて投獄。ゾンビ襲撃時のどさくさで仲間に助けられ、後に町の指導者になる。


◆ブライアン

演者:デヴォン・ボスティック
マリガンの息子。病弱で抗生物質が必要。死亡フラグが立ったまま最後まで生存した。


◆ホーボー

演者:ロン・ペイン
本名不明。騙されたライリーを馬鹿にした浮浪者。老年の白人男性。


◆ベッター

演者:ダーリン・ブラウン
本名不明。ゾンビ同士を戦わせる賭け事で、黒いペイントのゾンビに賭けた白人デブ。モブ中のモブ。


◆パペッター

演者:ジョージ・A・ロメロ
本名不明。スラムの人形遣い。声のみで姿は登場しない。我らの監督。


◆トップレス・ダンサー

演者:ドーン・ヒューレイ
本名不明。盛り場で上半身裸で踊る白人美女。
ライリー達が起こした乱射騒ぎで逃げ出す。


◆キッシング・ウーメン

演者:サンディ・ケラーマン&ドナ・クローセ
本名不明。読んで字の如くキスしあっていたレズカップル。ビッグ・ダディ率いるゾンビ抵抗軍の奇襲を受け死亡。


富裕民

ゴールデントライアングル内で暮らす人間達のヒエラルキーの頂点に相当する人々。
高層タワー「フィドラーズグリーン」でライリー達が集めた物資でゾンビ発生以前と変わらない裕福な暮らしを満喫している。
多分、ブッシュ政権の風刺。


ビル・サザーランド

演者:ジョナサン・ウィッタカー
カウフマンの部下の一人である元共和党員の白人男性。将来的にはカウフマンの後任者となる予定だった。
チョロの謀反に理解を示したり、人命を軽視するカウフマンに異議を唱えたりと比較的まともな倫理観をもつ。
一人で大金を手に脱出しようとしたカウフマンを咎めたが、直後に騙し討ちで射殺された。


◆クリフ・ウッズ

演者:ジョナサン・ウォーカー
カウフマンの部下の一人である元共和党員の白人男性。ビッグ・ダディらの襲撃から逃れるも電気柵で立ち往生してしまう。
その後、押し寄せたゾンビに追い詰められたが、ライリーらが打ち上げた花火でゾンビ達が注意を逸らされた。
しかし花火が罠であることを学習したゾンビ達は再び生存者達に向かい、彼らは絶望的な表情を浮かべながら消息不明となった。
(ちなみに直後のシーンでライリーらが駆け付けた時にはすでに全滅してゾンビだけになっていた)


◆スタイルズ

演者:ピーター・アウターブリッジ
カウフマンの部下の一人である元共和党員の白人男性。空気。大した台詞もない。


ニップ

演者:ジーン・マック
カウフマンの執事。肥満体型の黒人。ゾンビに執拗におびえている。
カウフマンがビッグ・ダディに襲われた際は、車のキーを所持したまま逃走し、主人を見捨てた。富裕層一番のグッジョブ


◆カウフマンズ・セキュリティ・ガード

演者:マット・バーマン
本名不明。カウフマンを警護する警備員。
チョロ暗殺を命じられるも不用意に近付きすぎたせいであっさり返り討ちにされて気絶。
その後、カウフマンの命令でライリーを釈放した。
演者は本作のスタントマンを兼任。


◆ウーマン

演者:ハイジ・フォン・バレスケ
本名不明。フィドラーズグリーンの住人である白人女性。夫の自殺を嘆いていたが、「ゾンビにならない」と現実逃避する。ディレクターズカット版のみ登場。


◆ヤングマン

演者:デビッド・スティンソン
本名不明。前述の女の息子である青年。首を吊った父を助けようとしたところをゾンビ化した父に喰い殺された。ディレクターズカット版のみの登場。


◆セキュリティマン

演者:トレバー・ベイン
本名不明。チョロがゾンビ化した上述のウーマンの夫を倒したところへ駆けつけた警備員。ディレクターズカット版のみ登場。


◆ウェポンズ・ストレージ・ガード

演者:テッド・ルージック
本名不明。チョロ暗殺を命じられたライリー達に武器を与えた武器保管室のガードマン。白人男性。チャーリーを馬鹿にする。


◆アリーナ・ポリスマン

演者:デビット・スパロウ
本名不明。スラックを救うため闘技場のゾンビ(アリーナファイトゾンビ)を射殺したライリーを逮捕した白人男性の警官。


ゾンビ

過去三部作のゾンビと同じく

  • 走らない
  • 喋らない
  • 知能が低い
  • 人肉を食らう
  • 生前の記憶や習慣が僅かにある
  • 頭部を破壊しないと死なない
  • 死んだ人間は死因を問わずゾンビになる
  • 噛まれた人間は短時間で衰弱死する

…という特徴をもつ。
また、過去作と違い炎を嫌がらない反面、流水を本能的に恐れる他、花火を打ち上げると見とれてしまい棒立ち状態になる弱点がある。*6
過去作では「自然災害」や「愚かなアメリカ国民」の象徴として描写されていたが、本作ではヒエラルキーの最下層の象徴である。


ユニオンタウンのゾンビ

ビッグ・ダディをリーダーとする統率の取れたコミュニティが形成された、ユニオンタウンに棲息するゾンビ達。


◆ブッチャー

演者:ボイド・バンクス
肉屋(ブッチャー)のゾンビ。大きな肉切り包丁を持っている。ビッグ・ダディの側近的存在。


◆ナンバー9

演者:ジェニファー・バクスター
赤い野球のユニフォームを着たバットを持った青年期の白人美女ゾンビ。背番号9。ビッグ・ダディの側近的存在。


◆タンバリンマン

演者:ジャスミン・ゲリョ
タンバリンを持ったゾンビ。縦縞柄スーツと蝶ネクタイを着用。


◆ブレイズ/マチェーテゾンビ

演者:トム・サビーニ
第二作『ゾンビ』に登場し、ピーター・ワシントンに射殺された暴走族のサブリーダー、ブレイズの成れの果て。マチェーテを持ったゾンビ。約28年ぶりの再登場。
演者はブレイズ役の他に、「ゾンビ」「死霊のえじき」で特撮やスタントマンも担当している。
権利上の問題から本作での名称は「マチェーテゾンビ」。


◆デッドティーネイジボーイ&デッドティーネイジガール

演者:マイケル・ベリサロ&ララ・アマージー
常時手を繋いでいる10代後半の白人カップルゾンビ。
ビッグ・ダディ達と行動を共にするも、ずっとデートしてるだけ。


◆デッドチューバプレイヤー&デッドトロンボーンプレイヤー

演者:ウィルバート・ヘッドリー&ロス・スフェラザ
タンバリンマンのバンド仲間。チューバとトロンボーンの奏者であるゾンビ二人。


◆チアリーダーゾンビ

演者:エリカ・オルセン
チアリーダーのコスチュームを着て両手にポンポンを持った若い白人女性のゾンビ。
花火に夢中になっているところをヒャッハーな傭兵に殺られた。


◆ゾンビマザー&ゾンビドーター

演者:リーズ・キーリング&ソニア・ベリー
ゾンビの母娘。二人とも花火に夢中になっていたが、ビッグ・ダディによって物陰に突き飛ばされ銃撃から守られた。


◆リフリジェレーターゾンビ

演者:チャド・カミレリ
酒屋の冷蔵庫内に潜んでいた、バブに似たゾンビ。
チョロに奇襲を仕掛けるが、スピアーガンで返り討ちにされた。


◆ポリスマンゾンビ

演者:ジノ・クロニャール
酒屋のカウンター裏に潜んでいた警官ゾンビ。マイクに噛みつき、駆けつけたライリーに射殺された。


◆チャイルドゾンビ

演者:ジェームズ・カントン
タキシードを着た男の子ゾンビ。小屋で待機していたマウスに襲いかかりビビらせた。


◆クラウンゾンビ

演者:エルメス・ブララシン
小屋で待機していたマウスに奇襲を仕掛け地獄へ送ったピエロのゾンビ。


通常のゾンビ達

知能が低い作中世界では一般的なゾンビ。


◆フォトブースゾンビズ

演者:サイモン・ペッグ&エドガー・ライト
盛り場で写真撮影されたゾンビ。演者は『ショーン・オブ・ザ・デッド』の主演と監督。


◆アリーナファイトゾンビズ

演者:ケビン・ラッシュトン&ニック・アラチョティス
盛り場の賭け事に利用された男性ゾンビ二人組。
共食いはしないため、餌として放り込まれた人間(スラック)をどちらが殺すかを賭ける。
ライリーに始末された。


◆ブリッジキーパーゾンビ

演者:グレッグ・ニコテロ
呼び名の通り、跳ね橋の制御室に居たゾンビ。
ライリーに襲いかかり追い詰めるも、跳ね橋のギアに挟まれ斬首される。
生首となって川に沈み消息不明となった(死んではいない)。
演者は本作の特撮担当で、前作「死霊のえじき」でトム・サビーニの助手と軍人の一人、ジョンソン役を兼任していた。


◆レッグレスゾンビ

演者:デビッド・キャンベル
デッドレコニング号に両足を潰されながらも根性でしがみついていたゾンビ。
最後はアンカーに奇襲を仕掛けるもピルズベリーに倒された。


◆ニック

演者:不明
『ゾンビ』に登場したサンタクロースのコスプレをした暴走族の成れの果て。いつの間にかゾンビになっており、ブレイズ共々28年ぶりに再登場を果たした。


ハングドマンゾンビ

演者:デュウェイン・マククリーン
ディレクターズカット版のみ登場。本名不明。白髪がかった初老の男でフィドラーズグリーンの住人。
チョロが高級酒を持ってきた際には、この世界を悲観してすでに首を吊って自殺していた男。*7
妻子がおり、妻は「彼はゾンビにならない」と言っていたが、遺体を下ろそうとした際にゾンビ化し、息子の首に噛み付いた。
その後、チョロによって鈍器で撲殺された。
因みにカウフマンとチョロによる
「ユニオンタウンはどうだった?」
「死んでました」
という会話は、このゾンビのことではなくピッツバーグの隣町「ユニオンタウン」の惨状についての比喩表現となっている。


◆フェンスフライゾンビ

演者:シェーン・カードウェル
電気柵で感電しているところをロメロの娘さんに蜂の巣にされたビジネススーツを着たゾンビ。


◆ヒルサイドゾンビ

演者:ジェイク・マッキノン
チョロを狙撃しようとしたモニカに背後から噛みついたGJなゾンビ。ピルズベリーとスラックにモニカ共々射殺された。


◆テンパレンスストリートゾンビ

演者:スーザン・ブロスチュナ
曲がり角から現れた瞬間、チョロにスピアーガンで倒されたゾンビ。


評価

米国の最大手レビューサイト「Rotten Tomato」では「伝説的作品である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』には及ばないが、とても良いゾンビ映画」と高評価であり、映画評論家達から74%もの好評を得た*8。また、各レビューサイトや著名な映画評論家も肯定的な評価を下している。


AVGNことロルフも、「ロメロの先行三部作には及ばないが、とても良い映画」「2000年代のゾンビ映画としてはお気に入り映画の一つ」と好評である。


利益

予算1500万ドルに対し、興業収入は4600万ドルであり、大成功と言える。
‥‥‥‥が、何故か日本では興業的に失敗したと言われることが多い。WHY!?


ジョージ・A・ロメロのデッドシリーズ関連項目



追記、修正は先導者ビッグ・ダディに次いで川底を歩いて渡ってからどうぞ


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  • 面白いことは面白いけど、正直ちょっと説教臭いというかなんというか -- 名無しさん (2020-01-20 15:00:06)
  • 個人的には金を持って逃げるカウフマンは、その金品をどこで使うつもりだったのかという…北斗の拳みたいな世界じゃ金なんて「ケツを拭く紙にもなりゃしねぇのによお!」が正論だと思うんだ -- 名無しさん (2020-01-20 15:11:52)
  • ↑某オウムの尊師も警察に発見された棺桶サイズの隠し部屋に数百万の札束を持ち込んでたらしい……そういう人種にとってはそういうもんなんだろう。 -- 名無しさん (2020-01-20 15:17:46)
  • 死人全てがゾンビになる世界なら、死者に対する敬意とか尊厳とか無くなるよなあとちょっと納得してしまった。人が死んだら急いで燃やすか捨てるかで、葬式も概念自体なくなっていそうだし -- 名無しさん (2020-01-21 20:50:34)
  • ↑4 ロメロ監督の視点はSF的というか哲学的なものまで含めて世界観を構築するからエンタメホラー期待すると厳しいかもね。だからこそ演技指導までして現在に続くゾンビ像を確立させた第一人者になったんだろうけど。 -- 名無しさん (2020-01-21 21:05:24)
  • なんつうか、人間コロニーの設定が『東京ゾンビ』と被るなあ。 -- 名無しさん (2020-01-22 17:37:49)

#comment

*1 因みに、企画の実現はしなかったが元々、ロメロが当初に挙げていた四作目の構想は“ゾンビが腐ってしまって動けなくなった世界”という、時間は空いたが実際の四作目である本作ランド~とは、ある意味で真逆のものであった。
*2 カウフマンもミサイルなんて載せなきゃ良かったのに、圧政を強いている実行部隊に核爆弾を与えるようなもんである。
*3 物語に大した影響を与えておらず狂言回し的な存在と言われるが、ゾンビ映画の主人公としてきちんとしていると言える
*4 なお、最後はライリー自身が弟にとどめを刺した。
*5 アーシアとされることが多いが、日本贔屓の父ダリオがアジアと名付けたと証言している。
*6 もっとも花火はゾンビの気を惹く大きな音と強烈な光を発するので、一般的なゾンビ対策としては結構有用と思われる。
*7 登場時点ですでに死んでいたので、富裕民の項目ではなくこちらに記載
*8 当サイトでは60%以上の肯定的な評価を得ると「新鮮」、60パーセント未満だと「腐っている」と評価される。本作は「新鮮」と評価された。

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