ジオブリーダーズ

ページ名:ジオブリーダーズ

登録日:2019/11/05 Tue 23:21:23
更新日:2024/05/13 Mon 10:49:55NEW!
所要時間:約 15 分で読めます



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神楽総合警備は人間社会の裏側に暗躍する
魑魅魍魎を撃退すべく設立された民間企業である。
先進のコンピュータ・プログラムを駆使して敵に挑む、
有給休暇なきサラリーマンたち――
社会に安寧と秩序をもたらすため、彼等は今日も出勤する!




『ジオブリーダーズ』とは、月刊ヤングキングアワーズで連載されているアクション漫画。副題は「魍魎遊撃隊」。
作者は伊藤明弘。
既刊16巻。また外伝全1巻、OVA1期全3巻、OVA2期全4巻が制作されている。




■ストーリー

時は昭和70年、主人公・田波洋一は”割の良い警備会社”『神楽総合警備』に入社した。
しかしその会社は「化け猫退治」を専門とする、美女5人の目茶苦茶な会社だった!


現代の化け猫――実体化した磁気情報の封印は、毎回が死の危険と隣り合わせ。
「こんな会社辞めてやる!」と言いつつも仕事をこなしていく田波の前に、一匹の化け猫と一人の少女が現れる。
彼女――化け猫との監視という名の同居を始めた田波は、化け猫や神楽の謎の中にもう引き返せないほど踏み込んでいることを悟る。
それでも、神楽総合警備と化け猫の戦いは今日も続いていくのだった。





■概要

人に化け、情報の中に潜む現代の魑魅魍魎『化け猫』の退治を業務にしている
『神楽総合警備』で働く美女5人と1匹+男1人の、活躍と受難の日々を描いたアクション除霊バトル漫画。


現在第3部まで連載されており、

  • バカ騒ぎのような、化け猫退治の日々を描いた第1部
  • 大きく変化していく情勢と、化け猫や神楽総合警備の秘密、そして訪れるバカ騒ぎの終わりを描いた第2部
  • 時が過ぎ、次の世代が現れる第3部

で、物語が構成されている。
単行本では1~10巻が第1部、11~16巻が第2部となっており、2部からは単行本のデザインが変わっている。


連載しているヤングキングアワーズが、ヤングキングの増刊として創刊した時から連載している古株の漫画で、
トライガン・マキシマム』や『エクセル・サーガ』などと並び、長年同誌を引っ張ってきた作品の一つとしても有名。
ちなみに『HELLSING』のヒラコーもファンらしく、1巻のまだ比較的まともだった頃の作者コメントでは同じ掲載誌で連載できることを喜んでいたり、
最終巻のヘルシング10大ニュースでは7~5位がジオブリ2部終盤の話題で埋まっていたりする。



妖怪退治というだけあって、人間に化けて悪事を働く化け猫をお札で封印していくという伝奇物――などではなく、
銃器やら戦車やら軍用ヘリやらで武装した化け猫相手に派手にドンパチをやらかすという、バリバリのガンアクション漫画


なので『化け猫』という妖怪は出てくるが、ホラーの仄暗い雰囲気はまったくもって一切ない
弾丸が飛び交い、車は宙を舞い、建物は爆発して崩壊していくという、西部警察やハリウッドのアクション映画のような作風であり、
毎回死にそうな目にあいながらも、大きなケガもせず息も絶え絶えで仕事をこなしていく登場人物たちの強運もあって
どちらかというとアクションコメディに近い空気を醸し出している。


また主要人物は主人公を除いて全員が美女であり、パンチラしたり脱いだりコスプレしたりすることも多いため
アクションありコメディありお色気ありと、中身は良い意味でB級映画のノリ。
作者である伊藤が武器マニアであるため、登場する兵器群は基本的に実在するものであり、やたら凝った武器や軍隊などの組織の描写なども特徴の一つ。
一方で、第2部からは化け猫と社会の謎や組織の暗部など、社会の裏側にある闇の暗さを描いており少々雰囲気が変わっている。





■メディアミックス

メディアミックスとしてOVA1期・2期。別作者による外伝漫画・アトミックアタック(以下AAと略)が制作。
またドラマアルバムとして、OVA版キャストで『ラ・ジオブリダーズ』全2巻が発売。


OVAは原作のアニメ化や外伝ではなく、本編をアニメ媒体で制作するという方式をとっており、原作の展開にもがっつり関わってくる作品となっている。
なので原作漫画だけ追っていると、ここら辺の大事件*1をすっ飛ばしてストーリーが進んでいるので、初見だとかなり混乱しやすい*2
また4~6巻の間で起こった事件の時系列が、外伝AA・ドラマアルバム・OVA1期の出来事を挟んでいるため、とてもややこしくなっている。


とりあえずOVAは両方ともストーリー的にとても重要で、アニメ作品としても出来が良く
原作未読でも楽しく見られるようになっているので、見ておいて損はない。


+ ややこしい時系列まとめ-

第1次真浜原発攻略戦(4巻ラスト)

綾金ラボラトリ依頼(4巻ラスト・ドラマアルバム1「電脳大捜査線」・AA冒頭)

(立山地獄の行軍→綾金市全域停電事故(5巻)は、ここから第3次真浜原発攻略戦までの間で発生)

第2次真浜原発攻略戦(AA)

第3次真浜原発攻略戦(AAラスト・OVA1期冒頭)

ちびねこ奪還作戦(OVA1期)

ナージェンカ核弾頭争奪戦(6巻~)






■休載と第3部について

+ ネタバレを含むため格納-

第2部が終了し、アワーズ本誌ではそのまま第3部の連載が始まっていたが、その矢先に作者である伊藤明弘の体調が悪化。
それにより、現在作品は無期限の休載に入っている。


病状に関しては詳しく明かされていないが、半身に後遺症が残り、4か月近くの入院+リハビリ生活を行うという
とても漫画家を続けられないほど重いものだったらしく、利き手も使えなくなってしまったらしい。
当時サンデーGXで連載されていた同作者の『ワイルダネス』も同じく休載に入っており、同時期に連載されていた漫画は全てストップした状態になっている。
その後病状は幾分か回復したらしいものの、再び連載できるほどの回復ではなく、2009年の休載から長く経った現在でも再開の目処はたっていない。



連載途中だった第3部は、掲載本数が少ないため未だに単行本化されておらず、現在追えるストーリーは16巻の第2部終了までとなっている
また形だけ見れば第2部ラストで最終回を迎えた風にも見えるため、本誌連載の3部を知らなければ連載が終了したと勘違いしているファンも多い。


内容的にも、2部終盤でこれまでの伏線をあらかた回収しており、神楽総合警備の破滅で全てが終わるという
作品としてある意味ではまとまっているため、これが最終回と言われても違和感のないラストになっている。
そのため休載ながらも「作品にはとりあえずのエンドマークが打たれており、ある程度体をなしているためこのまま終了してしまっても問題がない」
という、再開を望むファンにとっては何とも苦い状況になっている。


しかしアワーズ本誌では、ある程度回復した伊藤本人によるジオブリの新規一枚絵を現在でも毎月掲載しており、
イラストという形ではあるが連載は続いている、という姿勢を取り続けている*3
そのためアワーズ編集部内でも、アワーズに『ジオブリーダーズ』という作品の枠を残そうとしている動きが見られ、ここ最近では2018年夏のTwitter企画『うらめしや少年画報社』内で(描写から見て第2部後と思われる)掌編『ジオブニ』が発表される等、短編ではあるが伊藤の新作が掲載されることもある。
また2021年には同じくストップしていた『ワイルダネス』が連載再開し、2022年には新刊である第8巻も発売しており、
作者である伊藤の漫画家としての活動が徐々に復調してきているため、現在でも回復と第3部再開を待ち望んでいるファンは多い。





■用語

  • 化け猫

現代社会に適応した、高い知能を持つ魑魅魍魎。
体を磁気情報化(霊体化)することで、人に化ける・電子機器を自在に操るなどの能力を持っており、鋭い爪や牙と軽い身のこなしによる格闘能力も高い。
人に化けているときは体が霊体化しているため攻撃を受けても瞬時に自己再生し、更に物体を透過する事も可能。
そのため銃火器などの物理攻撃は短時間の足止めにしかならず、封印や同じ霊体による攻撃などの特殊な方法でないと倒すことが出来ない。
ちなみに12巻でのある人物の考察によると、本来なら時代の流れで消えていくはずだった「魑魅魍魎」が「化け猫」として現代に残ったのは、第二次世界大戦に従軍したラバウル帰りの男(の作品)が「明確なイメージ」を与えたからだそうな。


情報機器の発達に合わせて能力も進化していく他、知能も高いため組織的な行動も得意。
散発的に暴れる個体も多いが、人に化けての銃火器等の武器調達・それによる人間社会へのテロ活動など、
組織的な化け猫グループの行動は過激化傾向が進んでいる。



  • 神楽総合警備

綾金市を拠点にしている化け猫退治が業務の警備会社。
ちなみに警備と名がついているが、警備活動はほとんどやっていない。


化け猫退治を専門にしていて、なおかつ依頼をすれば動いてくれる唯一の化け猫専門家であり、
依頼を受ければ空だろうが海だろうが駆けつける、小回りの利く零細企業。
なお契約の際には「化け猫退治における施設の損害および人的損害(あと弾代)は全て依頼者負担」という割とヒドイ条件がついている。


銃弾と爆発が日常の危険な現場だが、社員たちの謎の強運によって人的損害は奇跡的にほぼ皆無。
一方で車両等を含む各種装備の損耗は激しく、上記の契約にもかかわらず会社は常に金欠気味で、
酷い時はオフィスごと壊滅するため、その場合はファミレスや公園を仮拠点にする野良会社と化す。
またこんな仕事が勤まる人材がそもそも少ないため、社員は片手に収まるほどしか所属しておらず
社員も社員でここ以外行く場所がないという、ハッタリと押しの強さで社会を渡り歩いているようなダメ人間の集まりとなっている。



  • 厚生省

国内における化け猫案件を扱っている省庁。
ちなみになんで厚生省が化け猫退治を担当しているのかというと、わけのわからない案件を抱えたくない各省庁が互いに押し付けあった結果、
猫の駆除という『害獣駆除』の名目で最終的にこれは厚生省の領域ということで押し切られたという、何とも悲しい理由だったりする。



  • ハウンド(衛生二課)

厚生省が組織した、対化け猫専門の治安維持部隊。
化け猫の動きを察知すると、厚生省からの要請を受け出動する。
正規の訓練を受け、各種対化け猫装備を有するプロ集団だが、民間や個人からの依頼などは受けていない。


化け猫の存在は社会で公表されていないため、出動の際にはごみ収集車などに偽装して現場へ急行し
また急造部隊なので銃撃戦を行うにもかかわらず装備が軽装だったり、訓練場も自衛隊のものを間借りしているという世知辛い部署。
それでも隊員たちの士気は高く、日夜訓練と任務に励んでいる。


現場でかち合うことがよくあり、作戦の無視して暴れる神楽総合警備は目の上のたんこぶ。
神楽も神楽でハウンドに獲物を横取りされた場合、依頼料や各種被害の補填が出来ないので、両者は犬猿の仲になっている。
一方で現場での手が足りない時には、ハウンド側から神楽に依頼をすることもある。



  • 綾金市

中部地方にある架空の大型都市。
都市高速、地下街、複数の地下鉄を持つ他、海に面しているため綾金港という港もある。
モデルは名古屋市


神楽総合警備の本社があり、化け猫の活動も活発なためハウンドの出動も多い。
そのため街では銃撃戦や爆発が頻繁に起こり、空から旅客機は墜落し、海ではタンカーが爆発し
挙句の果てに市内には核弾頭が持ち込まれるという、西部警察もびっくりの危険地帯。
ちなみに伊藤作品ではちょくちょく出てくる名前であり、同作者の『LAWMAN』『ワイルダネス』にも地名として登場している。




■登場人物


・神楽総合警備

  • 田波洋一

CV:三木眞一郎
神楽総合警備唯一の男性社員にして、貧乏くじ担当。
愛称は「田波くん」(高見ちゃんのみ「田波さん」)。
入ろうとした会社が次々潰れたせいで会社の実態をよく知らずに神楽総合警備に入社してしまい、以来高いところから落ちたり爆発に巻き込まれたりと受難の日々を送るハメになった不幸な男。
化け猫グループのボス・黒猫からは、「目撃者」として全ての事態を見届けることを依頼され、否応なしに人と化け猫の抗争に巻き込まれていく。
口癖は、「こんな会社辞めてやる」


化け猫退治の際には、ボウガンを得物としてよく使う。
また何度も死ぬような目にあっているが、他の社員と並んで悪運が異様に強く、重傷は滅多に負わない。
第2部の11~14巻では突如単行本の表紙に登場しなくなるが、その理由は……。



  • 菊島雄佳

CV:こおろぎさとみ
小学生にしか見えない神楽総合警備社長。詳細な年齢は不明だが14巻で描かれた昭和51年時には「生まれていなかった」らしいのを考えると、少なくとも作品開始時は10代と思われる。
社長だが、見た目も中身も小学生なのでほぼ威厳はない。
とてもフレンドリーな性格をしており、社員に対しても大体友達感覚で接している。だが一方で蘭東に封印プログラムの出所を問われても一切黙秘する等、何か秘密があるようで…。
お金にならない仕事はしないスタンス。


人手不足なので社長であるにもかかわらずしょっちゅう現場に駆り出されており、現場での指示に手慣れているのは流石のベテラン。
よく使う得物は田波くんと同じくボウガンで、新人のフォロー…と見せかけて田波くんといちゃつくのが目的でコンビを組むことが多い。



  • 梅崎真紀

CV:久川綾
違法が服を着て歩いているような、神楽の戦闘部門担当。
全身男物の白スーツと帽子で身を包んでおり、裏の世界では『紅の流れ星』の異名で名が通った拳銃使い。
ちなみに日活映画が大好きで、赤木圭一郎や渡哲也のファン。なので彼女メインの8・9巻はそっち系のムード全開の化け猫ほぼ関係ないアクション大作『ダイナマイトが105屯』と化していた。
「戦闘は火力」が信条で、武器はモーゼルM712二丁、対戦車ライフル*4、その他諸々を所持している。
変な知り合いも多く、怪しいルートで武器調達したり特注で対戦車ライフルのドラムマガジンを作ったりもしている。


車両や銃器で武装した化け猫を相手にするときには、ほぼほぼ必須の人材。
豊富な火器による制圧から封印までの足止めの他にも、遠距離からの狙撃による援護、
対戦車ライフルによる装甲車や航空機相手の大立ち回りなど、銃器による荒事に関しては神楽随一の専門家。
ハウンドが対装甲戦闘車両相手の人員が足りないときには、彼女の対戦車ライフル目当てに現場で依頼が来ることもしばしば。



  • 桜木高見

CV:矢島晶子
神楽の事務&プログラマー担当。
封印プログラムや封印した化け猫の管理、神楽の情報機器の防壁の構築などを担っている小動物系女子。
現場での施設へのハッキングや、場合によってはオペレーターなどの業務も担当している。
田波くん曰く「唯一まとも」で、神楽の数少ない常識人かつ話が通じる相手として仲が良く、本人も田波くんに対して明確に好意を持っている。
実は隠れオタクで過去に銀英伝のやおい本を出していた他、軍事関連の知識なども豊富なのでそっちの方面の情報を頼りにされることも。


戦闘スタイルはローラースケートを使った移動と、バタフライナイフ&手りゅう弾の投擲を組み合わせたもの。
また現場に出るときは眼鏡からコンタクトによく変えている。
メンタル面が弱く、急な事態に思考が対処しきれなくなると「ふにゅう」の一言とともにフリーズする事が多い。



  • 蘭東栄子

CV:今井由香
神楽の経理&契約担当。
会社の財布事情を握っているため、社員はもちろん社長も逆らえない実質上のナンバーワン。
お金にうるさく備品を次々ぶっ壊す社員にお説教し、どこからか安く買い叩いた備品を調達するがお仕事。
外見が一番大人かつ交渉事も得意なため、顧客との契約交渉も一手に担っている。


格闘術に覚えがあり、現場に出るときはメリケンサックを装備して化け猫をぶん殴る。
また高見ほどではないがプログラミングの知識があり、簡単な起爆コードくらいなら手持ちの端末を使って解除できる。



  • 姫萩 夕

CV:日高奈留美
神楽の運転手担当。
「運転手は運転がお仕事」がモットーの、車とたばこを愛する女。
ハンドルがついていれば車から飛行機まで運転できるが、それ以外では全く役に立たない。
普段は神楽社屋に住み着いており、地下の駐車場で車と共に日々ごろ寝をしている。
ダメ人間ぞろいの神楽でも屈指のダメ人間。


化け猫退治では出張くんシリーズ(神楽のお仕事用車両)を運転して、社員を運んだり追跡するが主な役割。
出張くんシリーズが流れ弾等でしょっちゅうぶっ壊れるため、何もやることがないときは梅崎について武器の荷物持ちをすることが多い。



  • まや

CV:飯塚雅弓
黒猫の命令で、神楽の監視と田波の護衛を勤める化け猫の少女。
黒い服を着ていて、あまり喋らない。
化け猫側では「間諜一〇七」と呼ばれており、「まや」は名前がないと不便ということで田波くんから命名された。
化け猫だが、特に害はないのと神楽はお金にならない仕事はしないスタンスなので、いつのまにか神楽&田波くんのペットとして定着している。
当初はほとんど喋らなかったが、神楽メンバーと打ち解けるに連れて少しずつ喋ることも増えていった。


とある理由から田波くんのことが大好き。任務ということあるが、基本的に四六時中いつも一緒にいる。
化け猫退治には参加しないが、ハッキングや潜入活動など能力を駆使した情報収集に加え、護衛を務めているだけあって戦闘能力も非常高い。
神楽に来てからは料理も勉強中。エプロンがやたらと似合っていて可愛い。
そして8巻では化け猫間の内紛で黒猫が姿を眩ます際、安全のため彼から同行を誘われるも拒否し街への残留を選択。危険を日に日に感じつつも田波と共にいる事を選んだ。


ちなみにOVA1期では実質ヒロインだったのだが、無口な時期だったため声優がついたにもかかわらずほとんど台詞が無かった。
そのためか2期では大幅に台詞が増えており、制作側もついにまともな台詞がでてきた&飯塚雅弓さんごめんでしたとコメントしている。




・化け猫

  • 黒猫

CV:堀勝之祐
組織的に動いている化け猫グループのリーダー。
黒いコートを着た壮年の男性の姿をしており、情報戦で人間側を圧倒し武装化による対抗手段を進めたその手腕から
人間・化け猫双方から最重要視されている人物。
ロシアから買い付けた武器による化け猫の武装組織化と、各種電子機器へのアップデートなどを推進している。


真浜原発の占拠や原潜を強奪し核弾頭を手中に収めるなど、何かの計画ために組織を動かしているが詳しい目的は不明。
田波くんに「目撃者」になることを依頼し、部下であるまやを護衛につけるなど意図の読めない動きが多い。
また田波との初対面時、「田波がこれまで遭遇した化け猫達」に対して意味深な言葉を発していたが…。



・厚生省

  • 入江省三

CV:山寺宏一
厚生省で化け猫に関する案件を担当している男。
黒スーツに七三分け・メガネと特徴の無い外見をしており、丁寧だが掴み所のない性格をしている得体の知れない人物。
部下に冴えないおっさんサラリーマン風の、「壊し屋」と呼ばれている荒事専門の工作員四人組*5を連れている。
ハウンドの出動要請や化け猫に関する各種兵器の開発、他機関との交渉などを一手に担っている。


肩書は厚生省衛生二課の人事担当となっているが、何故か隊長である矢島と同等以上の立場を持ち、
化け猫対策に関して圧倒的な権限を持っている謎の男。
当の厚生省でも正体が掴めておらず、公安部外事二課からの出向して現在の所属になっているが
それ以前も各省庁を転々としており、今では本来どこに所属しているのかすら把握できていない。
秘密主義で身内相手でも情報の統制と秘匿を平然と行う姿勢や、他機関への妨害などの裏工作で
有利な状況へとコントロールを行うやり方から矢島隊長からは毛嫌いされており
厚生省内でも、素性が不明なことや上を無視して秘密裏に事を進める姿勢から不信を買っている。


作者の別漫画『LAWMAN』では外見・名前共に同じの男、入江省三が主役を務めているが
こちらは大蔵省の入江省三であり、ジオブリーダーズの厚生省の入江省三とはあくまで別人。
4巻での一コマや新装版『LAWMAN』書き下ろしによると、各省庁の数だけそれぞれの汚れ仕事を担当する、同じ外見の『入江省三』が存在しているらしい。
また14巻では本編の入江の「前任者」である別の入江省三が過去回想に登場、さらに「過去の入江」の前化け猫事案を担当していた人間も「同じ顔の男達」(名前はそれぞれ異なる)を配下として従えていたが、なぜ同じ顔の人間が複数存在しているのかは謎である。


  • 文庫本の女

物語の端々に登場する謎の女。文庫本をよく読んでいる。
化け猫が身柄をハイジャックを行ってまで、生きたままどこかへ移送しようとしてたり、
神楽でも出回っていない最新版封印プログラムを所持していたりと謎が多い。
入江からは『あの方』、各省庁の関係者からは『あの女』と呼ばれており、菊島社長とも知り合いのようだが…。

+ -

正体は菊島雄佳の姉で、入江の上司。
神楽創業者である菊島家の長女・菊島雄麻


厚生省衛生二課に技術顧問として所属しており、神楽並びにハウンドで使用されている封印プログラムは彼女の開発によるもの。
封印プログラムの開発によって国内での化け猫案件に関する全ての権限を握っており、また雄佳も彼女に逆らえないため、
実質的にハウンドと神楽総合警備、官民双方の真のトップを務めている。
人と化け猫の闇の全てを知り、また闇の中心にもいる人物。


・ハウンド(衛生二課)

  • 矢島宏國

CV:大塚明夫
衛生二課課長であるハウンドの隊長。元陸上自衛隊教導団所属の幹部自衛官。
冷静な判断と銃器やヘリの扱いなどの高い技術を持つ、プロの軍人。
加えて統率力も高く、現場に到着するだけで隊員たちの士気が上がるほど慕われている。


急造部隊ではみ出し者の集まりであるハウンドのことを半ば押し付けられた形だが、部下や部隊のことを第一に考えている。
一方上司の顔すらわからない不透明な厚生省の動きや、裏で工作を続ける入江には不信感を抱いている。



  • 依田 薫

CV:大川透
衛生二課課長補佐であるハウンドの分隊長。
部隊のお説教役で、はみ出し者である隊員たちの綱紀を引き締めたり
現場を荒らした挙句目標を横取りしていく神楽と怒鳴りあうのが主なお仕事。


矢島隊長と同じく元陸上自衛隊の幹部自衛官で、自衛隊時代からの直属の部下。



  • 成沢あゆみ

CV:長沢美樹
ハウンドの新米にして、唯一の女性隊員。
元々は厚生省でハウンドに関する事務仕事をしていたが、とある理由により自分から入隊をしている。
田波くんとは化け猫退治の新人同士でウマが合い、現場やオフで少しずつ交流を重ねていくが……。


2部終盤で、なんと田波くんと肉体関係になる。




・黒猫の部下

  • ヴァシュカ

黒猫の部下で、主に武器の買い付けを進めている女化け猫。
ロシアで活動していることが多く、また黒猫の信頼も厚いため
核弾頭を確保した原潜の責任者も任されている。



  • タキ

CV:尾形雅宏
黒猫のグループの一員。人間時の姿は、サングラスをした男性。
飛行機をハイジャックなどの大きな作戦の指揮を任されていたが、突如黒猫から離反。
その後は反黒猫一派に付くなど、独自の行動を取り始める。


まやには何か恩があるらしく、窮地を救ったり田波くんに言伝を頼む等色々と気にかけている。




・その他

  • 柊 巳晴

6巻で登場した神楽総合警備の新社員。
神楽メンバーが占拠していたファミレスの元ウェイトレスで、蘭東の嘘まみれの求人を見てやってきた。
天然が入っている明るく素直な性格で、海外映画の言語版を頭から最後まで再現する一発芸が持ち味。


神楽社員にふさわしい悪運の持ち主だったが、初仕事が綾金市核弾頭争奪戦における厚生省の予備戦力という
あまりにもハードな現場だったためか、ヘリと一緒に海中に落ちたままどこかへバックレてしまった。

+ -

正体はデカルトにスカウトされたアメリカ海軍の上等兵で、CIAのスパイ。
化け猫の封印プログラムの入手を目的にしており、そのために神楽に新入社員として潜入していた。
再登場した際はCIAの職員になっていたが、そこでの仕事のせいか性格が変わっており
表面上は明るいながらもどこか虚無的な人間になってしまっていた。



  • ルガーの竜

CV:松尾銀三
梅崎の師匠にして元相棒にして元恋人。
異名の通りルガーを得物にしている凄腕の拳銃使いで、梅崎と同じ2丁拳銃スタイルが得意。
梅崎とは互いにナンバーワンだと認め合っており、いつかどちらが上か決着をつけようとしている。
ちなみに元恋人だが、梅崎本人は彼に未練タラタラ。


実は神楽総合警備の前身で雄佳のもう一人の姉「梨佳」が率いていた「神楽警備保障」の元社員。雄麻とも面識があり、神楽の本当の姿を知ってなお生き残っている唯一の社員。彼が梅崎との再会時に(神楽からの離脱のを勧め拒否された後)託した「鍵」は、神楽の運命を変えることになる。



  • 深水陽子

CV:冬馬由美
『蒼き流れ星』の異名を持つ拳銃使いの女。
梅崎を一方的にライバル視しているが、当の梅崎本人からは異名すら覚えられていない。


初出のOVA2期では三枚目風のギャグキャラだったが、原作に登場した際には普通に格好良くなっている。




●AA

  • 嶋崎

陸上幕僚監部調査部第2課別室(通称・調別)の女事務官。
防衛省幹部より真浜原発奪還のための作戦立案を任され、第二次真浜原発攻略戦を指揮する。
嶋崎班と呼ばれる部下がいる。


+ -

入江の妨害により、出動の名目だった災害派遣依頼を潰されたため原発からの撤退を余儀なくされ、
さらに上層部のトカゲの尻尾切りによって、全責任を背負わされて左遷。以降閑職へと回されることとなる。
その後、「N目標」の確保の任務を負った海自の護衛艦の現場指揮官として、原作で再登場。
神楽発祥の地へ行くため海を渡ろうとする神楽メンバーと鉢合わせ、彼女たちの動向を監視する入江と再び対峙する



●OVAシリーズ

・ちび猫奪還(OVA1期)

  • デカルト

CV:中田譲治
アメリカ海軍の部隊を引き連れているCIAの職員。
化け猫に奪われた「ニコライ」と呼ばれる何かを探しており、その手がかりを得る為に神楽総合警備を襲撃してまやを拉致する作戦を実行する。
「デカルト」はコードネームで、本名は不明。


その後、綾金市内に持ち込まれた「ニコライ」を奪還するための指揮官も兼任。
また化け猫に関する日本における諜報活動を開始する。
なおOVAの事件でのケガにより、その後は人工声帯に喉が変わっている。



  • ルド

CV:長嶝高士
ロシア船籍のタンカー・ナージェンカ号で、とある積み荷を運んでいた黒猫一派の化け猫グループのリーダー。
原作では5巻にて登場。




・乱戦突破(OVA2期)

  • クロ

野仲早苗の飼い猫。
実は黒猫の元にいた化け猫であり、少年の姿をしている。


体内に何か膨大なデータを隠しており、それにより記憶や自己修復などの能力に障害が出ている。



  • 野仲早苗

CV:大野佐和
東海北陸道で装備のほとんどを失い、岐阜山中を遭難していた神楽の面々が出会った少女。
田舎のおじいちゃんの家に里帰りしている。
クロのことが大好き。



  • マービン

クロを連れて逃走していた反黒猫一派の化け猫。
コートを着た中年男性の姿をしており、両袖に仕込んだショットガンでの不意打ちが得意。



  • アーバート

CV:辻谷耕史
反黒猫一派の化け猫。
短髪の青年の姿をしており、スーツ姿でいることが多い。
冷淡な態度が多いが、その実気性はかなり荒く、気に入らないことがあると部下を恫喝したり
クロやまやに対して無用な暴力を振るうなど、粗暴かつ残忍な振る舞いが目立つ。


黒猫が用意していた「何か」を起動させる為、キーとなるプログラムを内部フォルダに隠しているクロを追っている。




■装備

  • 封印プログラム

化け猫をフロッピーディスクやMDなどの記憶媒体に封印できるプログラム。
相手の周囲をお札四枚で囲んだうえでこれを起動させると、お札が爆発して磁力結界を展開、化け猫を高高圧縮して封印することができる。
封印する記憶媒体は当初はFDだったが、時代が進むにつれてCD、MD、フラッシュメモリと変化していった。
なお封印は、化け猫を記憶媒体にコピーしたうえでお札の爆発によって本体を破壊するという仕組みになっている。


ちなみに神楽の必殺技なので、封印するときは「消去(デリート)!」と叫ぶのがお約束。



  • お札

化け猫の封印に使うお札。
端子がついており、封印プログラムを作動させると磁力結界を発生させ、四方に配置した場合は円周圏内、
一枚だとお札の直近の物質を分解ないし吹き飛ばすことができる。
これにより動く磁気情報である化け猫を攻撃できる他、爆発力も高いため周辺施設を破壊するのにも便利。
また壁に貼ると化け猫の磁気化による透過を制限でき、化け猫本体に貼ると動きを止めることができる。


当初は効果範囲は半径1.2mほどだったが、新型は3mに拡張。
起動も初期は有線接続で行っていたが、赤外線ポートにより無線起動も可能になった。



  • スウィープガン

ハウンドで使われている封印兵器。
線式射出弾頭を発射し、神楽のお札と同じく磁力結界を発生させて目標を封印する。
お札と比べると、4枚で相手を囲む手間がなく相手に直接撃ち込むだけで封印出来るのがメリット。


初期はH&K HK69を改造したグレネードランチャー型やM72A1を改造したバズーカ型のものが使用されていたが
後にTACウェポンと合わせた小型化されたものが開発され、携帯性並びに取り回しが格段に向上した。



  • TACウェポン

正式名称『IRDA TACTICAL WAPON』
ハウンドが使用する対化け猫用電子兵装で、化け猫にコンピュータウィルスを赤外線レーザーによって撃ち込むことで麻痺させることが出来る。
ウィルスは一定時間で無効化されてしまい、一度撃ち込んだものは耐性ができてしまうため、内蔵しているウィルスの種類=弾丸数となっている。
ユニットを交換することでサブマシンガン型やスナイパーライフル型などへの換装も可能。


化け猫に対して有効打を与えられるが、赤外線レーザーを使うため雨などの条件下では水によって無効化してしまう他
「パソコンに引き金がついている」と言われるほどの脆いのが弱点。



  • 磁界防護装置DAX

ハウンドの所持する広域磁気遮蔽システム。
特殊な電磁場を周辺に展開することで、範囲内の化け猫の能力を封じることが出来る。
強力だがとんでもなく電力を食うため、大型のバッテリーによる使用でも15秒ほどしか維持することが出来ず
長時間の使用には電源車などの大型設備が必須。



  • 改造化け猫

厚生省が封印した化け猫のデータを改竄して作り出した生物兵器。
巨大な2足歩行の猫の姿をしており、電子情報化の化け猫の能力をそのまま保持したうえで圧倒的な戦闘能力と暴力性を誇る。
反面、一度ロードすると最初に下した命令以外のコントロールが出来ないという欠点があり、
一定時間で自己崩壊するようプログラミング処理がなされている。


+ 登場個体-
  • M1号

OVA2期『乱戦突破』に登場。
通信会社を占拠した化け猫グループに苦戦するハウンドを秘密裏に支援するために投入。
司令部にいた一団を全匹駆除したのち自壊プログラムによって消滅した。


材料になった化け猫は、5巻のDAX起動実験でロードされた美女化け猫。



  • M2号

同じく『乱戦突破』に登場。
アーバートの計画の要である通信衛星「ギャラクシー4」の破壊のために投入。
ロシアからもらい受けた衛星を外部空間から直接操作し、衝突させて自らと共に自爆させた。



  • M3号

10巻に登場。
更なる実戦データ収集のために、某所に集結していた化け猫に投入。
目標を達成したのち自壊。



  • M4号

11巻・12巻に登場。
神宮司重工防衛戦にて、電撃作戦を展開する化け猫に対してハウンド・神楽両戦力を投入しても被害の拡大を防げないと判断した入江がロード。
侵入した化け猫の一部戦力を殲滅した後自壊するようセットされ、命令通り作戦を実行する。


しかしハウンドが使用したDAXの電磁波でフリーズが起きるという予定外の事態が発生し、再起動後全ての命令がリセットされ完全に制御不能になってしまう。
コントロールを離れた後は封印された恨みから神楽メンバーを執拗に追跡し、
ハウンド部隊の一斉射撃を受けても瞬時に自己再生して、神楽の封印プログラムも無効化するなど絶望的な強さで暴走。
さらに生き残った通信アンテナを使って、外部へ逃走を図る可能性が生まれるという最悪の事態が発生する。
が、神楽・ハウンド・神宮司重工のエンジニアらによる決死の連携作戦の前についに沈黙。活動を完全に停止した。


材料になった化け猫は、乱戦突破で田波に封印されたアーバート。





■外伝・OVA

・AA(アトミックアタック)

原作5巻の裏で起こっていた第2次真浜原発攻略戦と、第3次真浜原発攻略戦(OVA1期冒頭)までの流れを描いた外伝。
作者は今掛勇。


主に真浜原発を占拠した化け猫や、原発を占拠されるという非常事態に本来化け猫駆除担当である厚生省を無視して
事態の収拾を図ろうとする政府や自衛隊に焦点を当てて描かれており、神楽の面々や厚生省の入江などの出番は少な目。
また化け猫の武器調達ルートに関する描写や、国内での武力を用いた自衛隊出動に関する作戦の立案の流れなど、かなり渋い内容となっている。
巻末には、作者である今掛と原作者である伊藤の対談が掲載されている。



・ストーリー

綾金ラボラトリの依頼も終えた神楽の次の依頼は、真浜原発を占拠した化け猫退治。
原発に突撃する神楽だったが、厚生省の圧力により依頼はキャンセル。
キャンセル料をもらった神楽は早々に撤退を決め込み、旅館で宴会と洒落こむのだった。


そのころ防衛庁内では先の第一次真浜原発攻略戦の失敗を取り戻すべく、
次の奪還作戦が動き始め、その責任者に調別の女・嶋崎事務官が任命されていた。
にわかに動き出す自衛隊と、次の作戦に向けて動き出す化け猫たち。
そしてついに、第2次真浜原発攻略戦が始まるが……。




・ちびねこ奪還(第1期OVA)

正式タイトルは『ジオブリーダーズ 魍魎遊撃隊 File-X ちびねこ奪還』
1998年に制作され、LD・VHS全3巻で販売。後に一本に再編集されたDVD版も発売された。
また2004年にフジテレビの深夜アニメ枠にて、4話に編集されてTV放送されている。


時系列としては原作5巻と6巻の間の事件で、5巻のラストでこちらの予告が入り、6巻でそのままOVA1期の続きに入るという構成になっている。
そのため前述のとおり本編扱いの作品なので、5巻と6巻の間で状況がかなり変わっている*6
ちなみにキャストに関しては、黒猫役・堀勝之祐氏が原作者である伊藤の要望が通り*7、姫荻役・日高奈留美女史が伊藤の推薦で決まったらしい。
黒猫の台詞は二言くらいしかないが、それでも目ん玉飛び出るくらいのギャラだったそうな*8


なおラストでは
化け猫たちによって本物の核弾頭が綾金市内に持ち込まれるが、これが6巻の厚生省・化け猫・CIAによる核弾頭争奪戦につながることとなる。



・ストーリー

化け猫が占拠を続ける真浜原子力発電所。
ハウンドの包囲をかいくぐり、発電所に突入する神楽総合警備だが、化け猫の反撃に会い、ほうほうのていで撤退する。
しかし、何故か化け猫達は、いともあっさりと原発を放棄してしまうのだった…。


数日後。神楽のオフィスを謎の武装集団が襲撃する。
その火力に圧倒される神楽。そして、彼らは神楽に居候する化け猫少女・まやを拉致してしまう…!
彼らの目的は? そして、化け猫たちの仕掛けた新たなる罠とは…!?



総監督:もりやまゆうじ
脚本:黒田洋介
音楽:中川幸太郎


OP「RISING SOUL」
歌:青木沙羅
ED「ダイナマイト マンボ」
歌:神楽総合警備のみなさん




・乱戦突破(第2期OVA)

正式タイトルは『ジオブリーダーズ2 魍魎遊撃隊 File-XX 乱戦突破』
2000年に製作され、DVD全4話で発売。


時系列としては原作7巻と8巻の間の出来事。
OVA1期の続編となり、間に6~7巻で起きた出来事を挟んでいるが、そこらへんはよく知らなくても問題ないようになっている。
8巻で言われている『東海北陸道遭遇戦・岐阜山中決死の行軍・謎の宇宙人による遊星爆弾攻撃』などは、今回の事件の事である。



・ストーリー

前回の事件で破壊された事務所のリニューアルが終わりお祭り気分の神楽。
だがそこを新たな謎の敵が急襲、再び事務所を破壊されてしまう。


途方に暮れる神楽に届いたのは、仕事の依頼らしき一通の電子メール。
発信地が岐阜らしいことをつきとめた一行は予算をはたいて岐阜に向け出発するのだが…。



総監督:三沢伸
脚本:黒田洋介
音楽:中川幸太郎


OP「RISING SOUL」
歌:青木沙羅
ED「マキシンの神楽やんなっちゃった節」
歌:牧伸二
コーラス:神楽総合警備のみなさん







+ ■崩壊の時(第2部ラストネタバレ)-

元・神楽の生き残りが託した「鍵」からもたらされた、一枚のFDと先代神楽総合警備メンバーの最期。
それと前後して明確になった、本来なら片方だけで良い筈の「消去」と「封印」を同時実行する封印プログラムの矛盾と、いつのまにか神楽のコンピュータから消えていた封印データの行く先の謎。
急変する事態。
そしてたどり着いた人と化け猫の契約と、社会と安寧と秩序をもたらす神楽総合警備の真の役割。
誰が敵で誰が味方か分からなくなった社員たちは、散り散りとなって身を隠すが
人と化け猫が構築した社会システムは、これまでと同じく神楽総合警備のリセットを進め始める。
社会から切り離され、テロリストとして社屋に追い詰められる社員たち。
そして……。




・消滅

  • まや

約束の時間が近づき、制圧部隊突入へのタイムリミットが迫る中、
オフィスのサーバーに保存されている化け猫たちを自分が説得・修復し、脱出の手助けをしてもらう作戦を発案。
短時間でこれを行う為に、自分を封印してメインサーバーに送り込むよう田波に提案する。
田波は悩みながらもまやの必死の説得によってこれを承諾し、自分の手で封印。
まやに全員脱出への最後の望みを託し、封印されたまやは田波の姿をした化け猫の総意に対し説得と修復を開始する。


しかし説得に成功して帰還しようとしたその矢先、突如外部からのハッキングによりサーバー内部データの全消去がスタート。
防壁を組んで対抗しようとするも封印の際のデータロスによって能力が失われており、完全に打つ手がなくなってしまう。
そして化け猫を含む全てのデータがサーバーから削除され、同じくその中にいたまやも田波の似姿に抱かれ消滅した。



・消息不明

  • 桜木高見

前の事件のケガで雄佳と共に病院に入院していたが、10巻ラストの怪我で入院中の田波が梅崎・蘭東・姫萩・まやが「鍵」が切っ掛けで分かった「場所」へと向かうのに合流するため飛び出し訳も分からないまま取り残された後、
彼らが戻る前にどこかの諜報機関に拉致されてしまい、雄佳共々病院に存在した痕跡も抹消されてしまう。
その後、他神楽メンバーが追われるように社屋に立てこもるその裏で、雄麻の息のかかった部隊によって、拷問(状況からみて水責め)を受けて廃人寸前の状態になっていた所を確保。
入江が指揮する部隊の突入準備を整えるために、言われるがまま神楽社屋内のプロテクトの解除とサーバーの全消去を実行する。
それからの消息は不明。




・死亡

  • 梅崎真紀

神楽内部に残った化け猫のデータの削除を終え、社屋に突入してきた入江の部下相手に、
いつもの白スーツスタイルに着替えて愛用のモーゼル二丁と共に単独で迎撃。
かつての神楽でのバカ騒ぎの日々を再現するかのような、激しい銃撃戦を繰り広げる。


が、地下へ脱出に向かおうとしたメンバーの目の前で、別口から侵入した相手から頭部に銃撃を受け、射殺される。
最後に手元にあったのは、愛用していたモーゼルとかつての相棒が使っていたものと同じルガーだった。



  • 蘭東栄子

脱出と社屋自爆までの時間を稼ぐため、梅崎を排除した入江の部下たちと地下で交戦。
人数比と技量の差から苦戦を強いられるが、相手の梅崎戦のダメージと田波の援護もあって、ギリギリまで時間稼ぎに成功する。
しかし脱出口まであと一歩のところで足を撃ち抜かれ、行動不能に。


地上で爆発が始まり必死に脱出を促す田波を前に、そのまま脱出口を封鎖。
直後に爆発に巻き込まれ、神楽社屋と運命を共にする。



  • 姫萩夕

田波と共に爆発・崩壊する神楽総合警備社屋から、地下水道に隠してあったバモスで脱出に成功する。
警官隊を振り切り行く当てもない逃走を続けるが、陸橋で待ち伏せしていた入江の銃撃からとっさに田波を庇って致命傷を負い、死亡。


死の間際に田波ととある約束をし、死体は横転したバモスの爆発の中に消えた。




・生存

  • 菊島雄佳

神楽の闇に勘づき秘密を知ろうとする田波たちと、神楽のリセットを実行しようとする姉の双方を止めるために必死に奔走するものの、
目的の地へ行こうとする彼らに追いつけず、状況の変化を察知したCIAに身柄を拘束されてしまう。
その後身柄は(綾金から離れた地で)解放されるものの、既に事態は取り返しのつかない所まで悪化しており、
再会した姉に自らの甘さと怠慢を指摘され、そして社長最後の責務として立て籠ったメンバーの推移をただ見つめることに。


やがて社屋の自爆と共に全てを悟って諦め、なにかの糸が切れたように次の神楽の社長になることを姉に打診。
条件として前の神楽メンバーのことを二度と思い出さないことを提示されると、「……その人たち誰?」と虚ろな表情で言葉を返し、
一転して毅然とした態度で次の社員の選定に入る。



  • 田波洋一

崩壊の前日(ずっと前ハウンド入りを勧められた際貰った名刺を使って)入江と電話で会話し「封印データの行く先と使い道」について答えを得るも「雄佳と高見の安否」については諦めろと一刀両断され、
決死のダイブを敢行したまやが消滅し同僚たちが次々と死んでいく絶望的な状況の中、成沢の援護や黒猫による情報攪乱によって、ただ一人逃走に成功する。
第2部および単行本最終話は、泣きながら必死に逃げ続ける田波をバックに、いつもの冒頭のフレーズが書かれ、物語の幕が下りる。






神楽総合警備は――



人間社会の裏側に暗躍する魑魅魍魎を撃退すべく
設立された民間企業である


先進のコンピュータ・プログラムを
駆使して敵に挑む


有給休暇なき
サラリーマンたち――



社会に安寧と秩序をもたらすため
彼等は今日も出勤する




GEOBREEDERS
ジオブリーダーズ
魍魎遊撃隊




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■第3部(単行本未収録)

  • 波田洋一

精密機械を扱うとある中小企業に勤めるサラリーマン。
仕事ができる男で、後輩のフォローも上手い。
外見はごく普通の青年だが、ただ一点左耳に銃創があるという特徴がある。

+ -

その正体は、神楽のリセットから唯一逃走に成功した田波洋一本人。
名前を変えて生活していたが、化け猫に居場所を知られ社内にて手持ちの残りの装備で戦闘に入る。
たまたまその場に居合わせた後輩を守りながら善戦するものの徐々に追い詰められ、絶体絶命のピンチになるが…。


余談だが2018年の掌編『ジオブニ』では「16巻後の世界で、レストランで仕事をする田波」が映し出されていたが、その彼が「羽田」となった後なのかは不明。


  • 神楽総合警備

新しい社員を補充した新生神楽総合警備。
やはりメンバーは女性で構成されており、波田のピンチに突如化け猫駆除に現れ封印作業に突入する。
彼女たちが波田の前に現れたところで、作品は休載に入っている。






追記・修正は、神楽総合警備にお金をくれる方がお願いします。


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  • 「また形だけ見れば第2部ラストで最終回を迎えた風にも見えないため」ってとこ、「見えるため」か「見えなくもないため」の間違い? -- 名無しさん (2019-11-06 00:52:19)
  • ↑修正しました。 -- 名無しさん (2019-11-06 00:55:44)
  • 頑張って3部再開してほしいんだがなぁ…。もう神楽の面々は帰ってこないにしても、田波くんと菊島社長の行く末は見たい -- 名無しさん (2019-11-06 01:30:49)
  • 聞いた話によると、作者は脳卒中だったらしい。右手に麻痺が残って今は左手で描いていると。 -- 名無しさん (2019-11-06 02:28:11)
  • 東京マ○イで実銃を調達するんだ! -- 名無しさん (2019-11-06 10:55:24)
  • 3部、ipodで封印プログラムがアプリ化されてて、驚いたもんだったが、普通になってしまったな…今の時代だと4G時代の化け猫はいたるところで暴れてそう。元々携帯電話で転送できてたし。 -- 名無しさん (2019-11-06 12:56:52)
  • 最近の別作コミックスも買いつつ今でも再開待ってるわ。 -- 名無しさん (2019-11-07 09:11:40)
  • 崩壊前夜→崩壊の日→崩壊の時をリアルで読んでた時はホント戦慄したな。状況変えられそうなキャラから退場していくから絶望感半端なかった -- 名無しさん (2019-11-08 23:26:17)
  • 正直神楽全滅は伏線から予想通りだったが、まやまで死ぬとは思わなかった。というか死亡確定したのか? 生きてなかったらホントにルガーの竜の世代の繰り返しなんだが。 -- 名無しさん (2019-11-08 23:45:03)
  • 黒猫が状況監視してたからギリギリで救出できた可能性はなくもないけど、今の所消滅したと考えるほうが妥当なんじゃないか -- 名無しさん (2019-11-10 11:16:36)
  • ↑2 繰り返しを田波(読者)視点でもやった上で、それを解決する3部をやるつもりだったんじゃないかなぁ -- 名無しさん (2020-03-02 12:52:17)
  • ジオブリピンナップは今でも続いてるんだな。漫画家としては復帰できてるけど、本調子じゃないって事なのかなぁ -- 名無しさん (2020-06-18 09:16:14)
  • ↑4 うらめしや少年画報社のジオブリのショート漫画で死んだ3人と一緒に幽霊になってたから死んでると思われる -- 名無しさん (2022-03-03 10:44:12)
  • ワイルダネス13年ぶりに新刊出るし、ジオブリもどうにかなんないかなぁ… -- 名無しさん (2022-12-19 00:52:37)

#comment

*1 オフィスが吹っ飛んで全員野良社員になる・反黒猫派の一部グループが壊滅するetc…
*2 一応回想の形である程度補完されてはいる
*3 刊末の作家コメント欄にもきちんと名前がある
*4 ラティ L-39 対戦車銃
*5 通称、オヤジカルテット
*6 この時の事件で神楽オフィスが壊滅したため、メンバーがファミレスで追加注文し続けて無理矢理居座っている
*7 ギャラの関係で他のキャスト全員声優学校から呼ぶことになるぞと脅されても通したらしい。ちなみに入江→安原義人 依田→玄田哲章は却下された
*8 作者によるとジオブリ原稿料丸々一回分くらいで、要望しておいて本気でビビったとのこと

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