登録日:2019/11/03 Sun 15:21:25
更新日:2024/05/13 Mon 10:48:54NEW!
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トムとジェリー 遺産相続 牛乳風呂 マンション トムとジェリーエピソード項目 ニューヨーク 夢と消えた百万ドル トム勝利回 パークアベニュー 高層マンション ベーコンエッグとトーストが食べたくなる回 たとえネズミでも
「夢と消えた百万ドル(原題:The Million Dollar Cat)」とは、アニメ「トムとジェリー」のエピソードの1つである。1944年初公開。
【ストーリー】
いつものように、ジェリーをからかって遊んでいたトム(今回はジェリーにリンゴを被せ、そこへダーツの矢を投げるというもの)。
その時ベルが鳴り、一通の電報が投げ込まれる。
そこに書いてあった内容とは...
「ニューヨーク市より奥様へ。あなたの伯母上が、猫のトーマスに百万ドルの遺産を残して亡くなりました」
最初は「何だ百万ドルか」とお決まりの反応を見せるトムだが、「待てよ、百万ドル!?」ともう一度電報を読み返し、狂喜乱舞するのだった。
金魚にキスをする、花をばらまくと言った奇行を見て、「トムがついにおかしくなったのか」と思ったジェリーも、自分で電報を読み飛び跳ねる。
「遺産を相続したのは自分なのに」とジェリーに掴みかかるトムだったが、ジェリーはあくまで冷静に、電報の最後の一文を見せる。
「たった一つの条件は、トーマスがたとえネズミでも、何か生き物に害を加えたら、この百万ドルは与えられません」
「たとえネズミでも」
そう、ジェリーは「これでもうトムにいじめられることはない」と踏み喜んでいたのだ。
……ともかく、トムが百万ドルを手に入れたことは、連日世間を騒がせた。
「猫が大金相続!?」
「金持ち猫は牛乳風呂に入る!」
「ニャンと素敵な社交界」
「高級マンションへお引越し!」
...パークアベニューの高層マンションへ引っ越したトム。
しかし、そこへはなぜかジェリーも付いて来ていた。
その上、捕まりそうになるたびに「たとえネズミでも危害を加えてはいけない」という相続条件を突きつけ、トムを引き下がらせる始末。
以下、そのシチュエーション
- 置き去りにされた筈なのに、トムが乗った高級タクシーにトムより先に乗車。葉巻の火を用意してあげたり、トムのネクタイを引っ張ってからかう。トムは車から降りるも直後電柱に激突。
- 家に帰ったトムが食べようとしたケーキ(一度トムが舐めた)をテーブルクロスを使って引き寄せ、(トムがせめて食べようとしたイチゴも、トムの口にフォークを突っ込んで)一瞬で平らげてしまう。その後乗っていたクロッシュをテーブルクロスでぐるぐる巻きにされ、家具でドアを封じられるもなぜか脱出。
- 疲れたトムが寝ようとすると、すでにベッドに寝ておりいびきを立てていた。シーツをトムに取られると、すぐさまトムの尻尾をシーツ代わりにする。その後シーツの取り合いに勝利し、トムをベッドの端に追いやって落とす(どうしようもなくなったトムは、自分の頭をバットで殴った)。
- バスルームを長い間占拠。トムのタオルケットも奪ってしまう。
しかし、トムもただ黙ってやられているだけではなかった。
窓に「Fire Exit」の張り紙を張ると、バスルームの前でゴミを燃やし始める。
「助けてぇぇー!火事だぁぁぁ!」
驚いてバスルームから出てきたジェリーは、マンションの高層階から飛び降りてしまい...
「ついにジェリーをマンションから追い出した!」と、再び狂喜乱舞するトム。
ちょうど朝食の時間が来たため、席に座って「ジェリーがいるかもしれない。」と、慎重にベーコンエッグのクロッシュを開ける...
確かに、そこにジェリーはいなかった。
しかし、紙ナプキンを付けようとしたところ...
そこには先ほど高層マンションから飛び降りたはずのジェリーが座っており、(これ見よがしに遺産相続の文書を立て掛け)目玉焼き、ベーコンと付け合わせのトーストを一瞬で平らげてしまう。
さらに追い打ちとばかりに、オレンジの果汁やバターを飛ばし、ネクタイを引っ張ってトムをからかうジェリー。
...さすがにトムも堪忍袋の緒が切れたのか、顔を真っ赤にして耳から蒸気を吹き出し、遺産相続の手紙をビリビリに破り捨ててしまう。
ジェリーは破られた文書の中から「たとえネズミでも」というお決まりの文言を探してトムに見せるが、もはやそんなもので黙るトムではなく、紙をジェリーの口に突っ込んで飲み込ませてしまう。
その後もトムは、皿やテーブルといった家具を破壊しながら、これまでの鬱憤を晴らすかのようにジェリーを追いかけ回し・・・
「あーあ、これで百万ドルはパーになっちゃったなぁ・・・ だけど最高に幸せぇぇぇぇぇ!!!」
遺産相続の話は無しになってしまったものの、トムはいつものように生き生きと(?)ジェリーを追い回すのだった...
余談
このエピソードはトムとジェリーでも珍しい、トムが最後に勝利する話となっている。
また、亡くなった伯母上という人物がなぜ(恐らくこの話におけるトムの飼い主であろう)「奥様」(姪)ではなく、猫のトムに遺産を受け継がせようとしたのかは永遠の謎である(当然ながら、日本の法律では犬や猫に相続権は発生しない)。
…と思いきや、「後見人を通じれば動物にも相続が可能」という制度を利用し、(飼い主が亡くなるなどした)犬や猫が遺産を受け継いだ例も世界にはあるようである。
(特に、2018年イタリアで400万円相当の遺産を相続した猫は「ジェリー」という名前である。)
追記、修正は「生き物に危害を加えない」ことを条件に百万ドルを相続してからお願いします。
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▷ コメント欄
- 懐かしーい! ジェリーも仲良く同居してやれよなんて思ってしまった幼少期を思い出す -- 名無しさん (2019-11-03 16:21:01)
- この回とねずみ取りの本の回はやたらMAD素材で優秀なイメージ……あと、肝付さんの吹き替えでは「あーあ…せっかくの100万ドルがパーになった…でもいいさ!!」になってましたね -- 名無しさん (2019-11-03 16:31:59)
- これに類似したタイトルの話に「夢と消えたバカンス」というのがあるが、その話ははこの話とは真逆の結末になってんだよな… -- 名無しさん (2019-11-03 20:11:22)
- 冒頭の金魚の下りは、嬉しいことがあったときにtwitterで貼られてるイメージ -- 名無しさん (2019-11-03 22:12:35)
- 大体ジェリーが負ける時はジェリー側が悪い時だね。最後のセリフとオチは「お金があることが幸せとは限らない」をうまく表現していて好き。 -- 名無しさん (2019-11-04 07:03:43)
- ジェリーを追いかけ回すことこそ値千金以上っていうオチがなんとも素晴らしい -- 名無しさん (2019-12-27 19:13:39)
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