天和・地和(麻雀)

ページ名:天和_地和_麻雀_

登録日:2018/08/08 Wed 23:06:00
更新日:2024/03/21 Thu 13:21:36NEW!
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麻雀 役満 天和 地和 アガリのち沈黙 房州 2の2の天和 狙っても出来ない←運次第で誰でも出せる ツキの究極形 33万分の1 強運 運否天賦









いや~それがよ。 アガってんでぇ。





まいっちゃうよなァ、こりゃ天和だ。











麻雀の役の1つで役満である。
読みはそれぞれ「テンホー」「チーホー」と読む。



基本的には同じ役なので、主に「天和」にスポットを当てて話していく。









概要



天和は親の手牌が配牌14枚で既に和了の形が完成していた、あるいは配牌13枚で既にテンパイ状態になっており、そこからの第1ツモで和了の形になった場合にできる役。
第1ツモ牌を天牌(テンパイ、聴牌と同じ読みだが別物である。)と呼び、この牌でしか天和の上がりは認められない。


地和は子の手牌が13枚でテンパイとなっている状態から第1ツモで和了の形になった場合にできる役。要は天和の子バージョン。
ただしそれまでに鳴きが入ってしまった場合無効になってしまう。しかも自分の前の打ち手が九種九牌で流局などしようものならせっかくの聴牌も水の泡と化す。



見れば分かる様に鳴きによるツモ順操作などが不可能なので100%配牌で決まる。
どちらも文字通り運のみで作られた役でこれを出せれば相当運がいい。
出た瞬間、和了った人も和了られた人も唖然とすること間違いなしな役満だろう。
狙って出すには積み込みのイカサマをやるしかないが、全自動卓ではそれも不可能になる。


天和は親しか上がれないので必然的に48000点であり、一方地和は子しか上がれないので32000点となる。
地和は勿論のこと、天和についても和了り牌がどれかによらず、どちらもツモ上がりになる。



和了の形についてだが、4面子1雀頭の基本形さえできていればそれらに役が無くても上がれる。(もっとも手牌に役があっても無くても、門前ツモなので上がれることに変わりはないが。)
もちろん七対子国士無双の形も和了の形なので上がれる。




ちなみに役満の複合を考える際に四暗刻→四暗刻単騎や九蓮宝燈→純正九蓮宝燈、そして国士無双→国士無双13面待ちといった様な、待ち次第では元の役の上位役としてダブル役満とする様なルールもある。
地和の場合はツモ牌が分かっているので問題ないが、天和の場合は14枚を1度に手牌にするルールなどでは、どれが第1ツモ牌かを(自分は分かっていても)他家に示せないという少々厄介なことになるが、このあたりの扱いはまちまちになっている。



なお、その性質上配牌14枚から暗カン、そして嶺上開花で和了っても天和・地和は付かない。その為四槓子とは絶対に複合しない。





確率




4人麻雀における天和の確率を考えると、計算方法自体は単純で親の人物の「配牌14枚の全パターン」の内「14枚で和了系になっているパターン」がどのくらいあるのかを割合として出せばいい。


計算はかなり長い上に桁数も非常に大きくなるので割愛するが、確率はおよそ33万分の1となる。


より分かりやすい表現をすると、4人麻雀の半荘戦の勝負で自分に来る親番が3回(東場・南場の計2回 + 1本場)であると仮定して、毎日5回麻雀を打ったとしても61年に1回しか出せないという超低確率である



一方地和は1人1人の和了れる確率は天和と同様だが親1人に対して子3人の為、全体で見れば大体3倍のおよそ10万分の1になる。(ただしこちらは九種九牌や鳴きと言った不確定要素による不成立の場合があるので天和の様には確率を確定できない。)




配牌に完全依存する役なのでどんなに経験があっても狙って出せるような役ではない。しかしそれは逆に言えば「経験等に関係なく意図せずいきなり出てくる」ということであり、見ようによっては超初心者でも出せる役という事でもある。もちろん容易ではないが。
そういった点では狙わないと絶対に出せない超高難易度役満、四槓子に比べてみればまだ易しい部類と言えるだろう。



ちなみに3人麻雀の場合は使う牌が少なくなる分天和も4人麻雀の時の地和と同じくらいの確率まで上がる。





玄人技



天和や地和はその性質上、100%運でできることは前述した通りだが、手積み麻雀における玄人(バイニン)達の積み込みなどを駆使する麻雀となると話は変わってくる。
ここでは特に有名な「2の2の天和」と「燕返し」についてを見ていく。



当然だがどちらも立派な不正行為なので自動卓でない手積みの麻雀などでもやらないようにしてほしい。






2の2の天和





\ トンッ /




九 八 七 六 六 伍 伍 四 四 三 三 三 二 一

萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬 萬






!? これは……!!




「2の2の天和」。よく覚えときな。





コンビ打ちによって意図的に狙って天和を出す玄人技、それが「2の2の天和」である。
「コンビ打ち」とある様に2人いることが前提になる。
また他の条件としては



  • 上がりたい人物の下家の位置にコンビとなる人物が座っている。
  • サイコロで狙った目を出すことが出来る。(一見不可能そうだが、投げ方等を習得すれば可能である。)
  • 山を作る際に狙った牌を特定に位置に置ける。(所謂「爆弾」と言われる技。)


となっている。これらを踏まえてやり方を見ていく。


①:親番の人が取る箇所に2人で牌を事前に積み込む。
②:親となる人物がサイコロで1・1、つまり2を出す。
③:その結果サイコロが回ってくる下家(南家)も同じく1・1で2を出す。
④:目の位置に従って積み込まれた牌を取っていく。
⑤:天和完成。



積み込みをしてある自分と下家の牌だけを取るのに2を連続して出す訳だが、「山の位置を決める下家はともかくなぜ自分も2を出すのか?」「下家に順番が回るなら6や10でもいいのでは?」と疑問に思った人もいるかもしれないが、昔の手積みの麻雀ではイカサマ防止の為に「二度振り」と言って山から取る牌は1投目と2投目の賽の目の合計になるというルールがあったのだ。
その為下家に回すにしても賽の目はなるべく小さくしないと積み込まれていない上家側の牌まで取ってしまう事になる。
その為、下家に回す賽の目で1番小さい目である2を出す必要があったのだ。
なおこの場合、積み込む位置は下家は右から5-6番目、13-14番目の8枚、親は右から4-5番目、12番目と14番目の上山(所謂「チョンチョン」の場所)の6枚に固定される。





燕返し





よく見てろよ。




\ ガッ! /




これこそ玄人技の真骨頂、「燕返し」!



二 二 三 三 四 四 六 六 八 八 八      

索 索 索 索 索 索 索 索 索 索 索 發 發 發




……!!





こちらは単独で行う玄人技である。
手順は以下の通り。



①:親番の人が自分の位置の山の下側の17枚中14枚に牌を並べるようにして事前に積み込む。
②:自分の山が他家に取られない位置になるようにサイコロを振る。
③:目の位置に従って牌を取っていく。
④:その後、自分の位置の山の上側17枚と下側の不要牌3枚を崩さないように持って手前に動かして③で取った14枚と①で仕込んだ14枚をそっくり入れ替える。
⑤:動かしてできた山を再び手前に戻し、手牌を整理する。
⑥:天和完成。




こちらは2の2の天和とは逆に下家にサイコロを振らせると目の値に関係なく自分の側の山から牌が取られてしまうので、賽の目は対面か上家に行くようにする必要がある。
積み込み以外にも他家にバレないようにして山を動かさないといけない上に、上側と下側で牌がアンバランスになるため、かなり難しい。
もしも山を崩してしまうと目も当てられないことになる。


そういったリスクからあまり使われることはないが、見た目がかなり派手なため、フィクション作品では多く使われる。



なお地和の聴牌状態も同様にして作れるが、子は最初のサイコロを振れないなどの不確定要素があるため確実な地和が狙えるとは限らない。



Youtubeにミスター麻雀こと故 小島武夫氏の燕返しの動画があるので興味がある人は見てみるといいかもしれない。



ちなみに「燕返し」というローカル役も存在し、「他家のリーチ宣言牌でロンする」ことでつく1翻役になっている。




関連役



  • 人和(レンホー)

「天地人」という言葉に倣って天・地に続いてできる役。
配牌の段階で既にテンパイしており、自分の第1ツモが来る前に他家が捨てた牌でロンした場合につく。ただし地和同様に鳴きが入ると無効になってしまう。
その性質上子しかできない。


ローカル役であり、扱いも採用ルールによって役満だったり満貫・跳満・倍満のどれかだったり、そもそも役として認めなかったりと扱いはまちまち。
理由としては天和と地和はツモ和了りなので高得点とは言え、前者は16000オール、後者は8000 - 16000の点を他3人から均等(?)に取る。
それに対して人和は子のロン和了りなので放銃した人物からいきなり32000点をブン取ることになる。東一局0本場でそれが起きた場合、大抵各家の持ち点は25000~30000点なので1巡目で飛んで勝負そのものが付いてしまうという、非常に性質の悪い「東一局オーラス」状態になる為、こういった事態が起きにくくするためだと思われる。



  • 十三不塔(シーサンプーター)

親の場合は配牌時の14枚、子の場合は配牌+第1ツモの14枚の中に対子1つ以外出来面子が1つもない状態の時に和了れる。役満。
なお面子が出来ていないという条件だが、正確には面子以外では塔子もあってはいけない。
国士無双も14枚に使われる牌を1・9・字牌に限定したものなのでこの役の特別な場合である。*1
形の待ち方によってはあの国士無双13面待ちを超える22面待ちにもなりうる。


ローカル役なのであまり見かけることはないだろうが、その性質上天和・地和と同じ和了り条件になっている。しかしどういう訳かこの2つの役は複合しない。
なお上記の内容から分かる様に国士無双もこの条件を満たしているが、これも複合しない。



  • 十三無靠(シーサンウーシー)

上の十三不塔の類似役でこちらは面子、塔子どころか対子もない完全にバラバラの役である。
こちらはその形から十四不塔(シースープーター)とも言われる。
やはりこれもローカル役満になっている。


十三不塔の類似役という事でやはりこちらも天和・地和とは複合しない。



  • 頭槓和(トウカンホー)

概要部分での説明で「暗カンからの嶺上開花では天和・地和は付かない」としていたが、では「嶺上開花と門前ツモ以外に何か役が付くことはないのか?」という事でこの役が出てくる。
1巡目でカンをして、嶺上開花で和了ると付く役。役満になる。
「暗カン、明カン、加カンどれでも可」とするルールもあれば「暗カンのみ」とするルールもある。
こちらは四槓子とも複合可能。言うまでもなく物凄く難しいが。


こちらもローカル役満なので採用されている事はあまり多くない。









余談


  • 元々天和は天牌によって和了る事でできる為、「天から与えられた和了」を短く纏める形でこう呼ばれる。しかしそんな縁起のいい意味とは裏腹に、あの九蓮宝燈と同様に和了ると運を使い果たして死ぬのではないかと不安がる人もいる。

  • 地和については昔は親の第1打を地に降り立った最初の牌という事で「地牌」と言い、それによってロンする事で付く、今でいう人和に近い形での和了りがこれに当てはまった。

  • 国士無双もかつては十三不塔と同様に天和または地和の形でしか和了ることが出来なかった。

  • ある意味ロマンともいえる天和・地和と他の役満の複合だが、日本では大正時代に天和を大三元で和了ったという記録が残っている。しかしデータとしてはそれしかなく、天和自体が難しい役でそこに役満を複合させるとなるとどれだけ難しくなるかがよく分かるだろう。

  • 放送された競技麻雀の中では天和はRMU所属の月島ひかるが、地和は日本プロ麻雀連盟の猿川真寿、佐々木寿人がそれぞれ和了っている(ただし猿川は3人麻雀での和了り)。



  • 安永萬が見た走馬灯における最期の親番。
    配牌から一萬~四萬待ちでテンパイしていて残り一牌は盲牌で萬子だと、半ば天和だと感じ取っていた。
    だがその対面に座るは伍萬~九萬待ち、そうでなければ人和であった。
    その結果はどうなったのか、誰も知ることはない…









追記・修正は33万分の1の確率を通した上で運を使いすぎて死ぬことの無いようにしながらお願いします。





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  • 2の2の核分裂は… -- 名無しさん (2018-08-08 23:21:15)
  • ↑続き 関連はすれど確かに麻雀の役ではないがw -- 名無しさん (2018-08-08 23:22:36)
  • 三麻でアガったことあるんだけど、凄え!で終わってしまって達成感も何も無かったな・・・俺なにもしてないし -- 名無しさん (2018-08-09 01:09:35)
  • バードの自動卓での天和トリックはしびれたな(蛇視点でも) -- 名無しさん (2018-08-09 01:54:18)
  • 玄人技の真骨頂 ツバメ返し -- 名無しさん (2018-08-09 02:27:49)
  • 麻雀ゲーでCPUにやられるとクレジット返せ!と言いたくなるやつ -- 名無しさん (2018-08-09 10:01:28)
  • 電気を消して暗闇の間にすり替える -- 名無しさん (2018-08-09 10:30:10)
  • 哲也の別れの天和はアニメでも名エピソードだった -- 名無しさん (2018-08-09 23:29:13)
  • 完全に運なので、役として採用してない団体もある。梶本琢程は形は天和なのに、不成立だったという話をしたことがある -- 名無しさん (2018-09-15 11:47:10)
  • 天和+国士無双(十三么九)を十三龍門というとか見たことある -- 名無しさん (2019-04-04 03:36:28)
  • 怖いですね、麻雀って・・・ -- 名無しさん (2023-07-03 06:16:58)

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*1 国士無双は十三么九(シーサンヤオチュー)と言う別名を持つ役である事からもこの役から派生した役満である事がよく分かるだろう。

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コメント

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