PRYDE カブト祭り2005

ページ名:PRYDE カブト祭り2005

登録日:2018/04/17 Tue 20:09:42
更新日:2024/02/19 Mon 13:55:45NEW!
所要時間:約 13 分で読めます



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フジテレビで放送されていた番組トリビアの泉のコーナーのひとつ、「トリビアの種」で2005年2月9日に開催(放送)された企画。



きっかけとなったのは、一通の視聴者投稿からであった。


・神奈川県:大リーグボールさん(12)からの投稿
「タモリさん、こんばんは。僕は小さい頃からカブトムシが大好きで、図鑑をよく見ます。
世界中には色々なカブトムシがいますが、もし日本のカブトムシが
世界中のカブトムシと戦ったらどのくらい強いのでしょうか?
これってトリビアになりませんか?よろしくお願いします」


八嶋くん「このトリビアの種、つまりこういう事になります」



・世界中のカブトムシが戦ったら、一番強いのは□□□カブトムシ・



番組スタッフは東京農業大学 昆虫資源学研究室の教授・岡島秀治氏を元を訪ね、意見を求めた。



岡島教授「1999年に植物貿易改正法により規制が緩和され、世界中のカブトムシを日本で手にいれる事が可能となりました。しかし、どのカブトムシが一番強いのかは、私は聞いたことがないので分かりません」


八嶋くん「素っ気ないなぁ」



と、いうわけで




実 際 に 闘 わ せ て み た




・PRYDE カブト祭り2005開幕



約1300種類に及ぶ世界中のカブトムシの中から、岡島教授の指導により8匹を選抜。
企画名を放送当時に人気を博していた総合格闘技イベント「PRIDE 男祭り」をカブトムシの角に見立ててもじり、「PRYDE カブト祭り2005」として、
本物の格闘技イベントさながらの豪華なセットをこさえ、さらに本家「PRIDE」のナレーションベースを担当していた立木文彦
同じく入場コールを担当していたレニー・ハートを迎えるという予算をかけた割に微妙な結果と空気に終わる事もよくあるこのコーナーにしては豪華な布陣。


いつもとは本気度が違うこの熱の入れようにタモさんも食いついたところで、普段は絶対に交わることのない者達による、最強のカブトムシの称号を決める熱き戦いの火蓋が切って落とされたのだった。


簡単に言うと、「リアル版ムシキング



・出場選手紹介



「大和魂」を胸に秘めたご存知日本の夏を代表する昆虫の王者。
だが、世界のカブトムシと比較するとその体格は非常に小柄。
果たして、強豪ひしめくこの大会で栄冠を掴むことは出来るのか?



  • アメリカ代表:グラントシロカブト

南北戦争で活躍したユリシーズ・S・グラント将軍の名ではなく、近年は産地であるアリゾナ州の地名「Fort Grant」に由来するという説が有力であるを冠する「アメリカの白き英雄」
雪のように白く美しい体色が特徴だが
アメリカ=ビッグサイズというイメージに反して、その体格は国産カブトムシと並び出場選手中最軽量。
その戦闘力のほどはいかに。



漆黒に塗り込められた巨大な体に特徴的な3本角を持つ「アジア最強の暴君」
アジア圏出身のカブトムシでは最大の体長を誇り、さらにその気性は非常に凶暴なことで有名。争った相手をバラバラに解体してしまう事さえある。
本大会においても優勝候補の一角を担う強豪。



  • タイ代表:ゴホンツノカブト

その名の通り、大小合わせて5本の角を持つという規格外の「戦慄の五刀流」。
気性は大人しく争いを好まないが、足の力は他の大型種に負けないほど強いタイの戦士。
ほとんどのカブトムシはクヌギやコナラなどの樹木に生息するが、本種は竹林に生息する珍しい習性を持つ。



約50gという世界最重量の体重を誇る「南米の重戦車」
並のカブトムシでは持ち上げる事すら叶わないその巨体から生み出されるパワー・突進力は他の追随を許さない。
現地では、光に誘われて飛んで来た本種が体当たりした電球や窓が割られることも。



  • カメルーン代表:ケンタウルスオオカブト

アフリカのケンカイズムをその身に宿す「アフリカの格闘王」。
小型種のスピードと大型種のパワーを併せ持つバランスの良い体格とフォルムで、
コメンテーターの八嶋智人には「スタミナがありそうだ」と評された。



ギリシャ神話の英雄・ヘラクレスの名を冠する世界最大のカブトムシ。
2本の角で相手を挟み込んで持ち上げるリフトアップを主体とした豪快なファイトスタイルは「残虐なる巨人」と呼ぶにふさわしい。
コーカサスと並ぶ本大会優勝候補の一角。



ローマ神話の海神・ネプチューンの名を冠するヘラクレスオオカブトの近縁種にして最大のライバル。
「世界最長のツノ」によるリーチは圧巻だが、ヘラクレスの存在により常にNo.2の座に甘んじている。
その雪辱を本大会で晴らせるか。



・大会ルール


  • 勝負は抽選によるトーナメント方式
  • 闘いのリングとなるのは番組が用意した切り株。場外に出なければ表面でも側面でも、どこで戦ってもよい。
  • 時間無制限1本勝負
  • 切り株の表面に背中をつけたら負け
  • 切り株の場外に出たら負け(お互いに一度も競り合わずに外へ出てしまった場合は仕切り直し)
  • リング中央に餌となるゼリーを配置し、互いの闘争本能を煽る

基本的なルールは自然界におけるカブトムシ同士の争いに準拠。相撲を連想してみると分かりやすい。



・1回戦第1試合 カブトムシvsグラントシロカブト


本大会のオープニングを飾ったのは、我らが国産カブトムシとアメリカのグラントシロカブトによる日米対決


体格はほぼ互角の両者。
開始当初は互いに様子見と言ったように静かな物だったが、その間にカブトムシがシロカブトの体の下に角を潜り込ませ
機を見計らってそのまま体当たりの形でシロカブトの懐へと飛び込んで足払いを決め、転倒させてノックアウト。
電光石火の早業でシロカブトを秒殺したカブトムシが、準決勝進出一番乗りを決めた。



・1回戦第2試合 コーカサスオオカブトvsゴホンツノカブト


インドネシアとタイのアジア勢対決


体長差約5cmのハンデをゴホンツノがいかに覆すかが注目されたが、対するコーカサスは寄ってくる小虫を払うかのごとく足でゴホンツノを牽制した後にその3本角で抱えあげた。
これを何とか脱したゴホンツノであったが、圧倒的な力の差に戦意を喪失。自ら後ずさったかと思えば、そのまま切り株の下へと落下して自滅してしまった。
前評判通り、コーカサスが順当に準決勝に駒を進めた。



・1回戦第3試合 アクティオンゾウカブトvsケンタウルスオオカブト


前試合同様に体長差は約5cm、体重は全く階級の違う両者のぶつかり合い。


2本角で挟み込みに来たケンタウルスを、全く動じず1本角で迎撃して体の下に潜り込ませたアクティオン。
これをかわし、アクティオンの正面からは分が悪いと判断したのか、ケンタウルスがアクティオンの体に乗っかり側面に回り込もうとしたところ
何故かあっけなくケンタウルスは場外へと落下してしまった。
リプレイで確認してみると、ケンタウルスが側面に回り込もうとしたその時、わずかにアクティオンが中足でケンタウルスを振り払っていた事が判明。
重量級らしからぬ技ありの勝利で、アクティオンが準決勝へ進出。



・1回戦第4試合 ヘラクレスオオカブトvsネプチューンオオカブト


1回戦のトリを飾ったのは世界最大vs世界最長の「これぞカブト祭り」ともいうべき見た目も豪華な注目の一戦。
近縁種のライバル意識か、互いに闘争本能を剥き出しにしてゴングが鳴る前からがっぷり四つのぶつかり合いに発展。
序盤こそネプチューンががぶり寄りで圧してヘラクレスを場外へ引きずり落とすかと思われたが
ヘラクレスは土俵際でそれを受けきり、得意技のリフトアップでネプチューンを持ち上げた。
そのまま切り株の縁から横へ倒れ込むようにしてネプチューンを切り株の側面に叩きつけ
最後は切り株に足がかからない位置で拘束を解いたヘラクレスにより、ネプチューンは場外へと落下して勝負あり。


試合終了のゴングが鳴った後も戦意を失ったネプチューンに対して、ヘラクレスがさらに執拗に攻撃を仕掛ける一幕もあり、世界最大級に恥じないパワーと残虐性をまざまざと見せつけた。



・準決勝第1試合 カブトムシvsコーカサスオオカブト


1回戦に続き日本vsインドネシアのアジア勢同士の激突、同時に事実上のアジア最強が決する一戦。


試合開始のゴングが鳴り響くが、なぜかカブトムシもコーカサスもお互いに背を向けてしまい、このまま膠着状態か?と思われたその矢先。
先の試合で戦意を喪失し自滅したゴホンヅノの影響でも受けたのか、おもむろにコーカサスが羽を開いて場外へと飛び去ってしまい、規定により無効試合となった。(この時、コーカサスの羽音に驚いてビクッとなるカブトムシが可愛い)


気を取り直して仕切り直しの一番。だが、先程とは打ってかわり勝負の分かれ目は一瞬にして訪れた。
カブトムシとコーカサスがリングに降り立った瞬間、カブトムシはコーカサスが臨戦態勢を整える前の一瞬の隙をついて懐へと飛びこむ。
虚を突かれたコーカサスは成す術なく土俵際へと押しきられ、そのまま場外へと転落。


カブトムシが優勝候補の一角・コーカサスを打ち破る大金星を挙げてアジア最強の座を勝ち取ると共に、決勝戦へと名乗りをあげた。



・準決勝第2試合 ヘラクレスオオカブトvsアクティオンゾウカブト


世界最大vs世界最重量。ヘラクレスvsネプチューンに引き続き、またもビッグスケールな組み合わせとなった対戦カード。
アクティオンはヘラクレスの長いリーチに阻まれ、ヘラクレスはアクティオンの体の太さと重量で挟み込んでも持ち上げられず、互いに攻めあぐねたまま切り株の端へと攻防の舞台を移す。
地の利を得たヘラクレスは好機と見て攻め立てようとするも、やはり自らの倍もあるアクティオンの重量に阻まれ、逆にアクティオンの角を腹下に潜り込ませることを許してしまう。
このままアクティオンがヘラクレスを場外へ投げ捨てて勝負ありかと思われた次の瞬間、ヘラクレスは投げ飛ばされる前に自ら切り株から足を離し、その全体重をアクティオンの角にぶら下がる形で預けた。
自身の半分ほどとはいえ、それでも決して軽くはないヘラクレスの重量を投げ飛ばす体勢の整っていないうちに角一本に集約されたアクティオンは体勢を崩し、すかさずヘラクレスはその側面へと回り込む。
正面からの攻撃には重量と長い角による堅牢な防御を誇るアクティオンだが、ケンタウルスも試みた通り、体高が低いため側面から挟み込まれる攻撃には弱いという弱点があった。
それを本能的に理解していたのか、ヘラクレスは下から突き上げるようにアクティオンの側頭部を挟み込むと、そのままバックドロップの如くアクティオンを引き剥がし、場外へとその巨体を叩き付けて決着。


パワーだけでなく、テクニックにおいても隙のない強さを見せつけたヘラクレスが、カブト祭り屈指のベストバウトを制し決勝へ進出した。
攻防が目まぐるしく入れ替わる展開、そして最後のヘラクレスのテクニカルな立ち回りを観たタモリと八嶋は「技もあるねぇ!」「ヘラクレスすげぇ!」と感嘆の声をあげるのだった。



・決勝進出者


・日本代表:カブトムシ
1回戦でグラントシロカブトとの日米対決を、準決勝で優勝候補と名高いコーカサスオオカブトとのアジア最強決定戦を制し、国産カブトが遂に決勝の舞台へと登り詰めた。
倍以上の体格のヘラクレスを相手取り、「勝てるはずがない」という大方の予想を果たして覆すことは出来るのか。


「あと一戦、もうやるしかない。神風に乗り、国産カブトいざ出陣!!」



・ブラジル代表:ヘラクレスオオカブト
対するは世界最長の角を持つ最大のライバル・ネプチューンオオカブト、世界最重量を誇るアクティオンゾウカブトという名だたる強豪をことごとく切り株に沈めたヘラクレス。
幾多の強敵を葬った「残虐なる巨人」の二本角が、国産カブトへと牙を剥く。


「腹が減った。今度の俺様の生け贄は、どいつだ!?」



・決勝戦 ROUND1


決勝戦は2ラウンド先取制の特別ルール。
試合開始直後、カブトムシは間合いを計るためかすぐには攻めにいかずに様子をうかがうが、それを知ったことかと言わんばかりに
ヘラクレスが長いリーチを生かして強引にカブトムシの足元を掬い上げ、一瞬のうちにカブトムシは背をつけてしまった。


解説の岡島教授も「格の違いですね。」と容赦なく評しつつも舌を巻き、まずはヘラクレスがカブトムシを圧倒して1本を先取。



・決勝戦 ROUND2


後がなくなったカブトムシはROUND1の反省を生かしてか、ヘラクレスの正面から当たるのは不利とみて距離を取りつつ横を取る作戦に出る。
しかしヘラクレスもそれを見通しているように、カブトムシを常に正面に据えるように睨みを効かせる。
距離を詰めるヘラクレスに対して、カブトムシはジリジリと後ずさって遂に切り株の端へと追いやられてしまう。そのまま一瞬、カメラの視界からカブトムシが消えてしまう。
場外で勝負ありか?と思われたが、すんでのところでカブトムシは側面にしがみついて事なきを得ていた。
ヘラクレスの視界からはあたかもカブトムシが消えたように見えたのか、ヘラクレスは困惑したようにしばらくキョロキョロと辺りを見回していた。
カブトムシはそこから切り株の側面を、呼吸を整えつつヘラクレスの背後へと大きく迂回。だがヘラクレスがそれに気付き、再びカブトムシはヘラクレスの正面から対峙することとなる。
切り株の中央でまたも静かににらみ合う両者。ヘラクレスがわずかにカブトムシににじり寄ろうと体を起こした次の瞬間、突如としてヘラクレスの巨体が宙を舞い、場外へと吹き飛ばされた。


手前のカメラからは死角になっていたため別アングルからのリプレイで見てみると、ヘラクレスが動きを見せたその瞬間
カブトムシが自身の角の枝分かれした部分にヘラクレスの角を乗せ、まるでテコの原理を利用するようにヘラクレスを突き上げていたのだった。
転がり込んできた一瞬の好機を見事に物にして値千金の勝利を挙げたカブトムシ。勝負をイーブンへと持ち込んだ。



・決勝戦 FINAL ROUND


世界最強の座が決まる運命のファイナルラウンド。
焦りを見せず、再びカブトムシは静かにヘラクレスの隙をうかがう。その間に、ヘラクレスはしきりに鋏を開閉させてカブトムシを威嚇する。
自身の半分以下しかないこの小さな挑戦者を、ここまで全く相手を寄せ付けなかったヘラクレスが最大限に警戒していることの表れだろうか。
しかし、ラウンド開始からまもなく、勝負は早くも佳境を迎える。
カブトムシに攻める気が無いと見るや、ヘラクレスの二本角がカブトムシを挟み込む。とうとうカブトムシにヘラクレスの必殺技・リフトアップが炸裂した。
小柄なカブトムシを容赦なく締め上げるヘラクレス。しかし、小柄な体格が幸いしてか、カブトムシはわずかな隙間を縫ってこの拘束から脱出。
だが、ヘラクレスもこの好機を逃すまいと執念で食らいつき、再びカブトムシを挟み込む。
もはや勝負あったか。誰もがそう思ったがカブトムシは諦めていない。ヘラクレスの拘束が緩くなった瞬間に再び抜け出し、ヘラクレスの長い角をスルスルと上へ登り始めた。
なんとか状況を打開しようともがくカブトムシであったが、ヘラクレスの角の先端にたどり着いたところで力尽き、角から手を放して落下していき・・・。


「国産カブト無念!背中を着いてしまいました!!」


こうして、この世界に新たなトリビアが生まれた。


・世界中のカブトムシが戦ったら一番強いのは、ヘラクレスオオカブト・


見事に優勝を飾ったヘラクレス。惜しくも決勝で敗れた国産カブトムシ。
そして、この大会に参加した選ばれし強者達に惜しみ無い賛辞が送られ、カブト祭り2005は閉幕した。
スタジオのタモリたちは国産カブトムシの惜敗を惜しみながらも見応えある激戦に大いな満足感を示し、このトリビアの種は言うまでもなく最高評価の「満開」を獲得した。そして高橋はこの大会をDVD化させて一儲けすることを考えていた。



追記・修正は切り株の中央でぶつかり合いながらお願いします。



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しかし、このカブト祭りには、もう一つ幻のカードが存在した。







・大会終了後


国産カブトムシとヘラクレスオオカブトの激闘を見届けた後、岡島教授はこのようなコメントを残していた。


岡島教授「ヘラクレスオオカブトが世界最強で問題ないと思います。しかし、世界最長のヘラクレスオオカブトと、アジア最大のコーカサスオオカブト、対決していたらどうなっていたか、見てみたかった気持ちはありますね。」



岡島教授のこの鶴の一声により、ヘラクレスオオカブトvsコーカサスオオカブトによるエキシビションマッチが実現。
カブト祭り2005決勝同様に2ラウンド先取ルールによる勝負が行われた。この特別試合は、カブト祭り本戦が放送された回の翌週(2005年2月16日放送)の回にて放送された。



・特別試合 ROUND1


試合開始直後から攻めに入った王者ヘラクレスが早くもがぶり寄るがコーカサスはそれを逆に振り落とそうとする。しかし、更に逆にヘラクレスが堪えてコーカサスの巨体を宙に浮かせる。が、コーカサスも更に踏ん張るのだった。
逆転に次ぐ逆転。ここでヘラクレスが切り株側面の上方、コーカサスが下方に陣取る。刹那、コーカサスはヘラクレスの頭を三本の角でガッチリとロックし、その巨体を完全に切り株から引き剥がした。こうなってしまうと流石の王者と言えどその抵抗も虚しく、コーカサスに己の力を誇示するようにしばらく持ち上げ続けられた後、ヘラクレスは成す術なく地面に背をつけさせられるのだった。
ROUND1からいきなりトーナメント王者のヘラクレスが先制を許すという波乱の幕開けとなった。



・特別試合 ROUND2


ROUND1を先取されたヘラクレスだが、全く怯む様子もなくコーカサスに襲い掛かる。だがコーカサスはそれを難なく振りほどく。そんな両者を俯瞰していた岡島教授は「両者の実力はほぼ互角と言っていいでしょう。」と見解を示した。
ここで不意にコーカサスは、まるでトーナメント本戦での国産カブトムシを思わせるかのようにヘラクレスの背後に回り込み、その隙を狙う。だがヘラクレスはそれを許さず、両者は切り株の淵でつばぜり合いを始める。ふとヘラクレスの角がコーカサスを捉え、このままリフトアップするかと思われた矢先、


岡島教授「ロック外れましたね」


ヘラクレスの呪縛から逃れたコーカサスだったが尚もヘラクレスの攻撃は続き、ここでROUND1の終盤と同じくヘラクレスが切り株側面の上方、コーカサスが下方の態勢になる。ヘラクレスがROUND1の悪夢を繰り返すのか・・・と思われた矢先、ヘラクレスがコーカサスを捕らえ、無理矢理切り株から引き剥がした。
と、ここで突如ゴングが鳴る。実はヘラクレスに引き剥がされた拍子に、コーカサスの後足が地面に接触していたのだ。
お互い1ラウンドずつ取り合ったこの試合。勝負の行方は最終ROUNDに託された。



・特別試合 FINAL ROUND


正真正銘、カブト祭り最後の大一番。
先程の借りを返さんとばかりにじりじりとヘラクレスににじり寄るコーカサス。だがヘラクレスも負けじと押し返し、両者は激しくぶつかり合う。
そして、決着の時は早くも訪れた。激しいぶつかり合いの末コーカサスがヘラクレスを持ち上げ、切り株の外へと投げを打つ。そして両者が正面カメラの死角に入ったところで突如ゴングが鳴り響く。
何と切り株の側面で踏ん張ったヘラクレスが、コーカサスを切り株から引き剥がし投げ飛ばしていたのだ。
この最後の最後まで続いた両者の激しいぶつかり合いと、それを制した王者ヘラクレスの底力には、スタジオの八嶋たちも大きな歓声を上げた。



・世界中のカブトムシが戦ったら一番強いのは、やっぱりヘラクレスオオカブト・


こうして、本戦トーナメント及び特別試合の両方を制したヘラクレスオオカブトは、名実ともに最強のカブトムシの称号を得たのだった。



・余談


小さな昆虫達による熱き戦いの模様は大きな反響を呼び、番組後期のトリビアの種総集編でもカブト祭りは屈指の人気企画として紹介された。


優勝したヘラクレスオオカブトは、番組内では国産カブトムシを主人公、そして最後に立ちはだかるヘラクレスを最強最悪のラスボスとして扱いたい番組の意向もあってか、さも凶暴な虫のように取り上げられているが、実際はとても穏やかな性格で、ブリーダーの間ではカッコいい・大きくなりやすい・飼いやすいと三拍子揃った非常に人気の高い品種である事をヘラクレスの名誉のために追記しておく。
こうした点においても、彼は最強のカブトムシと呼ぶに相応しい事だろう。




追記・修正は最強の甲虫(おとこ)の称号を得てからお願いします。


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  • 作成乙。タモさんが決勝ファイナルラウンド直後のいつもの種の演出で「こんなカットいらないよ」とかぼやいてたくらいに熱中してたのが妙に印象的。 -- 名無しさん (2018-04-17 20:34:14)
  • 旧ムシキングが大ブームになってた時だっけかこれ放送されたの 何度見ても面白かったなぁこれ…クワガタ版もやってほしかった -- 名無しさん (2018-04-17 21:09:39)
  • クワガタの場合はパラワンを筆頭にヒラタクワガタ系統の気性が荒すぎるから放送事故が起こりやすかったんじゃなかろうか……最悪相手を殺しかねないし -- 名無しさん (2018-11-14 00:49:48)
  • トリビアの種はこのカブト祭りといい日本刀シリーズといいどうしてこんなに名勝負が多いのか -- 名無しさん (2019-09-05 18:20:27)
  • 日本産カブトムシの試合巧者ぶりが忘れがたいが、こうして解説でじっくり見るとヘラクレスもかなり手札が多いんやなって -- 名無しさん (2020-04-13 15:55:56)
  • これの海外の反応を見てみたい -- 名無しさん (2020-04-13 17:59:39)
  • 規制の多くなったテレビから人が離れてネットの方がエンタメの主流になりつつあるけれど、こういう企画はネットじゃなかなかできないよなあ。 -- 名無しさん (2021-03-30 22:44:01)
  • ヘラクレスオオカブトは心もヘラクレスなんやな... < 実際はとても穏やかな性格で ブリーダーの間ではカッコいい・大きくなりやすい・飼いやすいと三拍子揃った非常に人気の高い品種 -- 名無しさん (2021-03-30 22:51:40)
  • TVチャンピオンでも似たような事やってなかったっけ? -- 名無しさん (2021-06-26 19:46:59)
  • エキシビションのヘラクレスvsコーカサスの対決は本当に凄い。最終戦でカメラの視界から消えてコーカサスがヘラクレスをぶん投げたのか?と思いきや画面外でヘラクレスが踏みとどまっててカウンターで投げ飛ばすとかいうバトルマンガみたいな展開は鳥肌立った -- 名無しさん (2021-08-08 21:30:37)
  • ↑×3 一説では単なる滑り止めと言われている、あの角の毛も、実ははさんだ対戦相手をみだりに傷付けないようにというやさしさの表れという説もあるんだけど、真偽はともかくそういうのちゅき♪ -- 名無しさん (2021-08-22 15:47:16)
  • しかし某仮面ライダーではヘラクレスよりコーカサスが強いんだよな -- 名無しさん (2021-08-22 16

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