十二大戦

ページ名:十二大戦

登録日:2017/02/06(火) 01:21:48
更新日:2024/02/02 Fri 11:21:24NEW!
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西尾維新 中村光 小説 どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い ノベライズ 17年秋アニメ 戦わなければ生き残れない 十二大戦 十二支 アニメ



『十二大戦』は西尾維新の小説作品。2015年に集英社より発売された。
挿絵は中村光が担当。



西尾原作の短編漫画オムニバス作品『大斬』の中の一話である「どうしても叶えたいたった一つの願いと割とそうでもない99の願い」(作画:中村光)の前日譚であり、
当作で触れられていた「十二大戦」を描いている。つまり、決着が既にわかっている状態の過去編。


十二章に分かれており、基本的にはそれぞれ章題に干支名が組み込まれている戦士の主観となっている。
各章の最初に、戦士達の来歴や日常での生活、人間性を解説し、
章題になった戦士は死ぬという中盤を読んでいる頃にはネタバレになっているという構成。



2017年には新編『十二大戦対十二大戦』が刊行。



◼︎メディアミックス

漫画版が2017年9月23日より『少年ジャンプ+』で連載されている。
作画は過去に『めだかボックス』、『症年症女』で西尾と組んだ暁月あきらが担当。
漫画版オリジナルの登場人物・ナビィが追加されている。


グラフィニカ製作でアニメ化。2017年10月3日から放送開始。



◼︎十二大戦

十二年に一度の周期で行われる、干支を名に冠する十二人の戦士が殺し合う儀式。
国をチップにするような権力者が、代理戦争として賭けの対象にしているという裏事情がある。


試合の度にルールは変更されているようだが、作中では宝石状に固めた毒「獣石」を全員が飲み込み、
化学反応が起こり死ぬまでに12個集め解毒剤と交換するという内容で実施された。


優勝者には、どんな願いでもひとつだけ叶えられる権利が与えられる。しかも、死者の蘇生さえも可能な様子を見せている。



◼︎登場人物

十二支の戦士

亥の名を冠する戦士。本名「伊能 淑子」
欲しいものは『愛が欲しい』。肩書きは『豊かに殺す』。
「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」で35億人に囲まれるハーレムと恥ずかしい願いを叫んでた人。
鉄拳制裁も辞さない虐待的なまでに苛烈な教育方針を持つ父親に戦闘技術を叩き込まれ、一方で母から超がつくほど溺愛されてきた。相反する両者の期待を公平に応えた結果、ドレッシーな服装だが、両手に機関銃を持っておくという現在のスタイルになったという。


重火器の扱いに長け、二丁の機関銃「愛終」と「命恋」を肉体の一部のように使う戦士。また、湯水のごとくノンリロードという能力を持ち、名の通りリロードせずに湯水のごとく弾丸を撃ち続けられる。
簡単に言えば無限バンダナ装備。



  • 怒突どつく(声:西村朋紘)

戌の名を冠する戦士。本名「津久井 道雄」。
欲しいものは『勝ちが欲しい』。肩書きは『噛んで含めるように殺す』。
凶悪な面構えだが、実は評判のいい保育士。一方、社会不適合者予備軍みたいな子供を裏社会に卸す人身売買業も請け負っている。
養女の養育費を稼ぐために表の顔の保育士と戦場での戦いに精を出していた戦士。
『狂犬鋲』という噛みつき技を隠れ蓑にしているが、実際には体内で構築した毒を感染させる『毒殺師』こそが真の能力。
この能力を応用して体内の毒を解毒することも可能。
また特殊な毒により生物の身体能力を増幅させる秘薬「ワンマンアーミー」を奥の手として隠し持つ。
ちなみに、アニメ版では彼の身の上話を聞いた寝住からはなぜか「死んでいていい奴」にカウントされていた。



酉の名を冠する戦士。本名「丹羽 遼香」。
欲しいものは『自分が欲しい』。肩書きは『啄んで殺す』。
下着にしか見えない露出過多な服装が特徴。
苛烈な虐待により記憶と、生きる目的も自身も見失い、それでいて自己中心的な戦士。
非力であることを自覚しており、自分を守るためなら裏切りも含めたあらゆる行為をも厭わない「強かさ」を持つエゴイスト。
あらゆる鳥類を操作し操作している鳥と視覚共有を行える『鵜の目鷹の目』という異能を持つ。ただし、見返りとして餌の提供が必要。
武器は「鶏冠刺とさかざし」という鋤。



申の名を冠する戦士。本名「柚木 美咲」。
欲しいものは『平和が欲しい』。肩書きは『平和裏に殺す』。
三人の仙人により物質の三相を自在に操る仙術を習得した戦士。
極端な平和主義者で、ありとあらゆる手段を使って500近くの戦乱を収めてきた。
十二大戦も犠牲を出すことなく平和裏に解決しようとしている。



未の名を冠する戦士。本名「辻家 純彦」。
欲しいものは『時間が欲しい』。肩書きは『騙して殺す』。
婿養子。角が特徴的だが、これは辻家家に婿入りする前からあった。
十二大戦優勝経験者。宇宙ステーションを爆破して勝利をおさめ、「孫の顔が見たい」という願いを叶えた。
孫の代理として大戦に再び参加した。アプリゲームのトップランカー。
参加者の下調べや、「獣石」を飲んだふりをして懐に忍び込ますなど、ルールに反する行為も行う老獪な老人。
元武器商人として爆薬の扱いに長け、自作の超強力小型爆弾『醜怪送り』が切り札。
ちなみに、孫は漫画版とアニメ版で性別も年齢も異なる。



午の名を冠する戦士。本名「早間 好実」。
欲しいものは『才能が欲しい』。肩書きは『無言で殺す』。
人体ではあり得ないような強度の肉体を持つ戦士で、自慢の肉体強度を利用した防御術『あぶみが武器。
その強度は、出鱈目な切れ味を誇る失井の斬撃をほぼ防ぐ、というさらに出鱈目なレベルである。
ただし、そのまま攻撃に転じられないのか、結局は敗走している。
失井に防御術を破られたことで心が折れ、戦いから逃げ隠れていた。
なお本人は防御術の名前を「鎧」にするつもりだったという。



巳の名を冠する戦士。本名「積田 剛保」。
欲しいものは『金が欲しい』。肩書きは『遊ぶ金欲しさに殺す』。
爬虫類マニアでブログは愛好家から高く評価されている。死んだ爬虫類は食って供養する。
周囲の状況を地面からの振動によって把握できる能力『地の善導』の使い手で、火炎放射器『人影』を武器に使う。
大戦開始前に首を斬り落とされ既に死んでいた。



辰の名を冠する戦士。本名「積田 長幸」
欲しいものは『何も欲しくない』。肩書きは『遊ぶ金欲しさに殺す』。
実はいい人のふりを楽しむ退廃的な戦士。氷冷放射器『逝女』を武器に使う。
空中に浮遊し留まる通常技であり異能『天の抑留』により、成層圏に隠れ、戦いの推移を観察していた。



卯の名を冠する戦士。本名不明。
欲しいものは『お友達が欲しい』。肩書きは『異常に殺す』。
戦士の中で唯一解説のない、詳細不明な戦士。ウサ耳サスペンダーを付けた以外はほぼ全裸の男と外見からしてヤバイ奴。しっぽでけぇ。
殺した相手を意のままに操れる(本人曰くお友達になれる)死体作りネクロマンチストの能力により大戦を引っ掻き回す。



寅の名を冠する戦士。本名「姶良 香奈江」。
欲しいものは『正しさが欲しい』。肩書きは『酔った勢いで殺す』。
自身を弱く見せる技法に長け、十二大戦参加者の中ではランキング最下位。
真面目さゆえに世界の矛盾や汚れを受け流せず自ら曲がった過去を持ち、戦いの中で出会った、とある人物を心の師とし正しさを探していた。
酔った動きを模した拳法『酔拳』を酒を飲む建前に習得している。



  • 失井うしい(声:梅原裕一郎)

丑の名を冠する戦士。本名「樫井 栄児」。
欲しいものは『助けが欲しい』。肩書きは『ただ殺す』。
スペインの闘牛士のような服装の青年。「あるがね」と語尾につけることが多い。
「皆殺しの天才」と称される十二大戦参加者の中で最も有名な戦士。ただ出鱈目に戦闘能力が高い。
ふるっているのは量産品のサーベル「牛蒡剣」なのだが、人骨をやすやすと切り裂き、コンクリートを無いかのごとく貫く。
特殊能力や特殊な武器などがないため、切ってどうにかできないものに対しては弱い。
正しいことを、ただ正しく行う冷静な性格。



  • 寝住ねずみ(声:堀江瞬)

子の名を冠する戦士。本名「墨野 継義」。
欲しいものは『夢が欲しい』。肩書きは『うじゃうじゃ殺す』。
全戦士中最年少で戦士らしさを持たず、どこにでもいるただの少年のような戦士。
ビジュアルはプロテクタースーツを着た銀髪の高校生。年齢の割に非常に達観している。
本作の内容は「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の回想とは描写が異なる場面が多々あるのだが…?



運営

  • ドゥデキャブル

第十二回十二大戦の審判員を務める謎の老人。
戦士である寝住を理解さえもさせずに殺す力量を持つ。
漫画ではルール説明の際に何事もないかのように自身の腹を切り開いており、
アニメでは幻のように姿を消す描写をされている。


  • ナビィ

コミカライズオリジナルの登場人物。十二大戦のナビゲーター。
読者目線で戦士達の動きを観察し感想を述べている。単行本に追加された、各話間の感想はおそらく彼のもの。
「コピー&ペースト」という能力を持ち、複数の場所に自分という場所を同時に存在させることができる。
そのすべてが自分であり、それぞれが得た情報はすべて共有され、どれだけ殺されようと一人でも残れば死ぬことはない。
一方、「時間経過」という情報すら共有してしまうため、増やした自分の数だけ老化が加速してしまう。











以下、ネタバレ















第12回12大戦優勝者・寝住の能力ねずみさんハンドレッド・クリック
それは確率世界に干渉して分岐した100の平行世界を作り出し同時に活動を行い、好きな世界をたった一つだけ真実として確定できるというもの。
選ばれなかった99の世界は消滅し、寝住の記憶の中にしか残らないが、他の人間にも断片的に残りデジャヴのように感じ取ることもある。
また、ある前提を元に試行を行った場合、その前提を破棄することで101番目の選択肢とすることができる。
大戦中、常に眠そうにしていたのは100の施行を処理する脳は一つだけのため。


能力だけ見ればチートであるが、実はそうでもなかったりする。
というのも、そもそも寝住のスペックがさほど高くないのである(常人よりは高いのだろうが)。
なので、100回やっても死ぬときは死ぬ。そうなると、100回試行してでも達成したい目標は諦めざるを得ない。
語られた話でいうと、好きな子への告白・十二大戦への参加回避・終了後の勝者インタビューの拒否は100回やっても駄目だった。
しかも、試行の中で受けた痛みや恐怖といったものはすべて引き継がれてしまう。その上で駄目だから諦めるというのは相当な絶望である。
そのため、彼自身もこの能力はじゃんけんくらいにしか使えない能力と思っている。あんたが強くなればいいんじゃね?



どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願いと矛盾が生じているのも当然
本作で描かれなかった99の十二大戦が彼の記憶の中にだけは残っているのだから。
そう例えば、こんな分岐も







追記、修正は、たったひとつの願いを持つ人にお願いします。


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  • 「どうしても〜」を先に読んでたから、寝住の欲しいものが分かった時はちょっと感動した -- 名無しさん (2017-02-07 10:11:03)
  • ルビ振っといた方がいいのでは? -- 名無しさん (2017-02-08 14:50:44)
  • まさかのアニメ化 -- 名無しさん (2017-04-08 19:27:13)
  • 映像見るにあっさり死んだ肉が戦闘してたし戦闘水増ししたり過去回想をじっくりやったりすれば尺確保出来そう。でも怒突はどうやってもさっくり死にそう。と言うかぶっちゃけ能力知られてないとタカくくった故の自爆だしなあ。 -- 名無しさん (2017-05-31 23:55:07)
  • ↑寝住の能力的に、小説とは全く別の内容ってのもありえるかも -- 名無しさん (2017-06-01 00:17:25)
  • 「十二大戦対十二大戦」十二星座か… -- 名無しさん (2017-10-03 03:34:15)
  • ↑発売日が12月12日とねらっている感 -- 名無しさん (2017-10-04 06:32:41)
  • どうしても叶えたいたった一つの願いと割とそうでもない99の願いの前日譚つうか前座だよなあ。面白いんだけど、あくまで前座は前座で99の願いもアニメ化されるんだろうか -- 名無しさん (2017-10-04 16:29:02)
  • 断罪兄弟のビジュアルはポール・ベニターという俳優を意識して描かれた -- 名無しさん (2017-10-24 11:55:17)
  • アニオリて回想シーン水増ししたから、バロン・スー関連が矛盾しちゃってるね -- 名無しさん (2017-12-19 06:29:57)
  • 「大斬」という小説にこの話の後日談が書かれているのだがまだ見つからない。 -- 名無しさん (2017-12-19 10:07:31)
  • なぜか自分がねずみ年生まれでよかったとおもった。 -- 名無しさん (2017-12-19 10:08:38)
  • ↑2大斬は確か小説じゃなくて漫画だぞ。西尾原作(漫画原作)で、いろんな漫画家が作画やった短編集。そのうち1つがこれの後日談 -- 名無しさん (2017-12-19 11:52:54)
  • 砂粒、脱ぎます! -- 名無しさん (2018-04-12 15:59:28)
  • そんなえっちな身体してんのに脱いだらだめだろw -- 名無しさん (2021-01-15 02:34:00)

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