登録日:2016/12/08 (木) 20:06:36
更新日:2024/02/01 Thu 13:41:30NEW!
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小説 仮面ライダー龍騎 東條悟 仮面ライダータイガ 虫 変身 バイオハザードリベレーションズ2 冒頭の一文 フランツ・カフカ グレゴール・ザムザ
「ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した」
という冒頭の一文がとても有名な小説。詳しいあらすじは本家wikiが詳しい。
チェコ生まれのドイツ語作家フランツ・カフカが1912年に完成させ、1915年にクルト・ヴォルフ社から出版したが、ほとんど売れなかった。
登場人物が人間以外のものに変身する物語や小説は数多くあるが、本作は「「虫」に変身した理由」には一切書かれず、登場人物たちもそのこと自体には何の疑問も見せない。
変身後のザムザとその家族である父親と母親、妹との様子が淡々と描写されるという特徴がある。
また、彼の変身した毒虫の全体像がつかめる描写は描かれていないため、読者によってイメージにばらつきが大きいのも特徴。
(例えばある者は「ザムザが変身したのは甲虫である」とし、またある者は「ザムザが変身したのは蜘蛛である」としている)
約90ページと短く文章も難しくないため、読書感想文で「異邦人」(アルベール・カミュ)と共にお世話になったor読んで文学の世界に興味をもったor読んだが訳がわからなかった人も多いのでは?
仮面ライダーにおける「変身」という表現・単語はこの小説が由来であることを知っている特撮好きの人も多いだろう。ちなみに初代仮面ライダーが1971年から放送に対して、「変身」の最初の日本語訳(ドイツ語文学者の高橋義孝氏による)が1952年に発表されている。
日本語訳は本記事作成者が確認しただけで13種類ある(2016年11月現在)。おそらく1900年以降に書かれた小説の中ではいちばん日本語の翻訳数が多いだろう。
翻訳者一覧
- 高橋義孝(新潮文庫、上で引用した一文はこの版から)
- 中井正文(角川文庫)
- 山下肇(岩波文庫)
- 高保国世(講談社文庫)
- 辻ヒカル(中央公論社の世界の文学セレクション36)
- 山下萬里(岩波文庫の改訳、山下肇の子)
- 原田義人(筑摩書房の世界文学大系、青空文庫に収録)
- 川村二郎(新潮社の決定版カフカ全集)
- 城山良彦(集英社ギャラリー「世界の文学」)
- 池内紀(白水社のカフカ・コレクション)
- 丘沢静也(光文社古典新訳文庫)
- 浅井健二郎(ちくま文庫)
- 多和田葉子(集英社文庫のポケットマスターピース、題名には「うつしみ」とルビをふってある)
- 種村季弘(河出文庫の世界幻想名作集、一部のみ訳出)
- 三原弟平(平凡社から出版された「カフカ「変身」注釈」、一文ずつを訳してそこに注釈している)
- 酒寄進一(長崎出版の絵本版)
冒頭の一文の謎
カフカの小説には多くの謎があるが、上であげた冒頭の一文にも謎が3つある。
1、高橋訳ほかほとんどの訳で「夢」と単数形あるが、原文では「夢」は複数形である。
2、「虫」「毒虫」と訳される単語は原文で”Ungeziefer”、直訳すると「害虫」となるが、元の意味は「生け贄にできない生き物」と何か意味ありげである。ちなみにドイツ語にも「虫(昆虫)」という意味の”insekt”という単語はある。
3、いくつかの訳で反映されているように、原文では「変身した」ではなく「変身しているのに『気がついた』」である。
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▷ コメント欄
- 今でいうとニートのメタファーなんだろうかとちょっと思ったり -- 名無しさん (2016-12-08 20:20:08)
- 読んでて鬱になれる作品 -- 名無しさん (2016-12-08 20:31:48)
- 本人も周りも恐ろしく淡々として話が進むのが怖い -- 名無しさん (2016-12-08 20:41:03)
- リンゴを投げつけろ!! -- 名無しさん (2016-12-08 21:38:03)
- カフカはこれを朗読する時始終笑っていたらしい。カフカ的にはこれはコメディなのか? -- 名無しさん (2016-12-08 22:00:25)
- 仮面ライダータイガこと東條悟が劇中で読んでる場面があったな -- 名無しさん (2016-12-08 22:09:56)
- 作中では「虫になる」ことで今までのような生活や待遇が得られない理不尽を描いていたため、どこかでは「虫になる」=「事故か何かで大怪我をして要介護者になる」と置き換えるとしっくりくる、という説があったな。 -- 名無しさん (2016-12-08 23:04:10)
- 唯一の働き手として尊重(家族の奴隷に)されてたのに邪魔者になって、これを機に家族はそれぞれに働きはじめてザムザだけは思い出にすがり付きながら死んで行く……。家で見つけて有名な作品だから読んどくかと思って読んで割と後悔した作品。 -- 名無しさん (2016-12-08 23:46:23)
- 男がドアの前で顔を覆っている有名な挿絵があるが、これは作者が「毒虫自体は描かないように」という注文から出来たものらしい。 -- 名無しさん (2016-12-09 00:01:05)
- 他にも笑いながら読んだみたいな意見を何度か見たんだけど、やっぱ感受性って人それぞれなんだなあと。 -- 名無しさん (2016-12-09 01:46:56)
- 作中に引用したりしてるの何があんだろ? バイオリベ2とか -- 名無しさん (2016-12-09 10:42:15)
- ↑東京喰種とか -- 名無しさん (2016-12-09 11:02:57)
- 生産性を失った人間がどのように扱われるか。ニートに限らず、入院患者や高齢者も潜在的にあてはまってしまうのかもね。一種のブラックコメディ。 -- 名無しさん (2016-12-09 12:58:11)
- ↑4 それは これを読んで笑える俺カッコイイィィ‼︎!って自分に酔っちゃってる厨二病の子だろ -- 名無しさん (2016-12-09 19:36:47)
- タイトルにつられた仮面ライダー大好きっ子たちは多いはず…俺もそれで鬱になったのよ… -- 名無しさん (2016-12-09 22:37:38)
- 「変身!」って、何度聞いてもいい響きだよなぁ。 -- 名無しさん (2016-12-10 01:51:23)
- ↑2実際にその掛け声の由来なのが笑えるよなあw -- 名無しさん (2016-12-10 08:19:43)
- 「謎の巨大毒虫、グレーゴル・ザムザは変身人間である。彼が変身した毒虫は、異形の姿に葛藤しながらも戦う正義の怪物である。グレーゴル・ザムザは、自らの同胞ともいうべき変身人間たちと、市民の自由のために戦うのだ!」みたいな続編あれば鬱にならなかったのになんて思ったことあったなぁw -- 名無しさん (2016-12-10 21:30:32)
- ↑お前が書くんだよ!って3年以上も前の書き込みに言ったって仕方ないか… -- 名無しさん (2020-04-04 16:17:42)
- 妹萌えを初めて知った作品 -- 名無しさん (2020-08-11 12:01:03)
- アレに萌えるのか…… -- 名無しさん (2020-08-11 14:27:32)
- 本作執筆当時、カフカは労働傷害保険局に勤めてたらしい。ある日突然、働くことも外に出ることもできなくなった人や、その末路を聞く機会は多かっただろうね。 -- 名無しさん (2020-08-11 15:27:47)
- 映画が予告編を見る限りかなり忠実っぽかったけどどうなんだろう -- 名無しさん (2020-08-11 15:44:20)
- オカルトホラーな話期待して読んだけど、主人公が虫になった以外はただ単に介護に苦しむ家族の話って感じでリアルで生々しいなって思った -- 名無しさん (2021-03-18 21:51:08)
- せめて変身したのが哺乳類とかだったら結果は変わっていたのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-12-24 12:34:08)
- はだしのゲンの政二さんの話がこの作品に似ているが、実話だったのか、オマージュだったのか -- 名無しさん (2023-04-21 04:00:03)
- ↑はだしのゲンといえばゲンの親戚の剛吉が戦地で腕と脚をもがれた芋虫姿になってたな(周りから称賛されるなか本人は殺してくれと繰り返しぼやいている)。そのせいか働けなくなる=虫の解釈が妙にしっくりくるんだよね -- 名無しさん (2023-05-27 09:54:48)
- ↑剛吉も実話だったんだろうか………そういえば江戸川乱歩の芋虫は嗜虐されていたけど、もしかしたらグレゴールもそうなっていたのかも・・・ -- 名無しさん (2023-11-16 15:06:17)
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