キャノンガンダム

ページ名:キャノンガンダム

登録日:2014/05/12 Mon 21:03:26
更新日:2023/12/18 Mon 10:41:17NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



タグ一覧
ガンダム f91-msv msv ms 試作機 サナリィ 地球連邦軍 フォーミュラシリーズ ガンキャノン 先祖返り キャノンガンダム 高性能量産試作機 後方支援機 サナリィ版フリーダイヤル




『F91-MSV』、『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』に登場するMS。



【スペック】

型式番号:F70
頭頂高:14.8m
本体重量:8.2t
全備重量:22.5t
出力:3,850kW
スラスター総推力:27,440kg、113,300kg(異説)
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材
アポジモーター:48基


【武装】

バルカン砲×2
3連マシンキャノン×2
ビームキャノン×2
150mm高速レールキャノン×2
ダブルビームガン×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
ハードポイント


【パイロット】

ジョブ・ジョン
ハジメ・タスカー


【概要】

フォーミュラ計画」でサナリィが造った地球連邦軍試作機
ガンダムF90 Sタイプの量産試作型であり、後のGキャノンのプロトタイプにあたる。
そのため「プロトタイプGキャノン」と呼ばれることもあるがAA級軍機として開発された為、一般に公開されたのはGキャノンのロールアウト後。


再設計するにあたって原型機から不要な機能を排除し、オプションだった装備を固定化するなどして砲撃による支援仕様に寄らせてはいる。
そのせいか、F90の面影は腕や脚などで僅かに見る事ができる程度で、全体的なシルエットはむしろ後のGキャノンに近い。
8000系ニューロコンピュータ及び疑似人格OSも搭載されていないが、サナリィの優秀なアビオニクスのおかげでそれ無しでも火器管制能力はF90と同程度になっている。
スラスター総推力は当初は27,440kgと ボール並みの数値に されていたが『F90FF』での設定で「113,300kg」に改められたものが存在する。
ただし、よく勘違いされているが展開当時の初出資料では「スラスター総推力」ではなく各スラスター推力の内訳の設定で表記されていて
その内のメインスラスターと思しき数値が「2,860kg」と明らかにメインスラスターの数値とは言いがたい数値が記載されておりこれが誤植と疑われている。
先述の「27,440kg」の数値は当時の設定に準じて合算して出された数値である。
ちなみに当時の誤植を訂正したとされる物に基づいた場合のスラスター総推力は「78,920kg」とGキャノン(「89,260 kg」)より僅かに劣る程度。
後者の資料ではアポジモーターとの組合せでドッグファイトと一撃離脱の両方で高い性能を発揮することができたとされる。


またバックパックや脚のスラスターなどには開発途中だったガンダムF91に採用されている技術などを反映している。
コクピットもF91と同じく胸に設置されているが、これは耐弾性を考慮した結果らしい。


「ガンダム」と冠されているが、頭部センサーはバイザーに覆われておりV字型アンテナも持たない。
外観にガンダムタイプの特徴は少なく、F90にあまり似ていない要因の一つとなっている。
ちなみにこの頃の連邦では「ガンダム」という名前は「抵抗とニュータイプの象徴である」と考えられるようになっており、
その名を付けるのは憚られていたとされているが、開発に関わっていた技術者(おそらくジョブ・ジョン直属配下陣)達は「古い時代に抵抗していく」という気概から敢えて「ガンダム」と名付けたらしい。


ミッションパックシステムについては不明だが、オプション装着用のハードポイントが存在していることから採用されていない訳ではないようだ。
このため、汎用性もかなり高い。
両肩に装備された3連マシンキャノンはオプションとして用意された150mm高速レールキャノンやビームキャノンへの換装(後述)が可能で、緊急時にはパージもできる。
ビームライフルやビームサーベルはヘビーガンと同じ物を使用する。


こうして完成した本機は一部で原型機以上の性能を持った非常に優秀な機体となり、早速この機体の量産を開始……と行きたかったのだが、とある問題にブチ当たる。
サナリィにはMSの大量生産が出来る様な設備がなかったのである。そしてそうした設備を持つのは連邦軍の軍工廠か、ライバル企業であるアナハイム・エレクトロニクス社にしかなかった。
しかも、キャノンガンダムは確かに高性能ではあったが、構造が複雑であり整備性や生産性が悪く、燃費を含むランニングコストも高い。また一部動作しない機能もあるなど確実性や信頼性に欠けていた。
さらにサナリィはキャノンガンダムに汎用型並みのスペックを出せる様に設計開発していたが、当時の連邦軍の仮想敵は暴動レベルの反政府勢力だった。
つまり要求に対してオーバースペックだったため、当然そこを削ってでも安くできるなら安くしたかった。


結局、連邦軍はこうした問題点からキャノンガンダムを差し戻し、再設計した物をアナハイム社でOEM生産を行うように指示。
サナリィ視点からすると権力でごり押しされた形だが、上記の通り実際の運用を考えると問題が色々とあったことも確かだった。
(F90から始まる小型MS開発の主眼は「膨らむコストの削減」にあるため、高性能高コスト化なキャノンガンダムは問題大ありであった。それでなくても、整備性の高さは初代ジム以来、連邦が量産型MS開発の重要項目としてきた要素である)
仕方なくこれを受け入れることにしたサナリィは結局嫌々ながらアナハイムの技術力に合わせて再設計することになってしまったのであった。


【作中の活躍】

『FastestFormula』で登場し、サナリィ本社の演習場でジョブ・ジョンが乗り込んでテストを行った。
その後、FastestFormula隊に配備されてハジメ・タスカー少尉が搭乗。
放棄されたコロニーに潜んでいた宙賊の掃討任務などで運用されたが、最後はMSA-0120と遭遇してメガブーストによる急接近で懐に入られ、ビームサーベルでコクピットを貫かれてしまった。


【バリエーション】

◆ビームキャノン搭載型

重爆撃仕様。F90 Bタイプの武装が追加されており、バックパックにビームキャノン、腕部にグレネードランチャー、肩と脚にミサイルコンテナを装着している。あと、地味にビームキャノンやグレネードランチャーのカラーリングがBタイプから変わっている。


Bタイプ自体が拠点攻撃用の重爆撃仕様だったため「これ程の重武装は低強度紛争には要らん」と言われてしまい、Gキャノンでは採用されなかった。


◆レールキャノン搭載型

重砲撃仕様。F90 Sタイプの武装が追加され先祖返りしたモデルで、腕には4連装ビームキャノンと2連装ミサイルポッドを持つユニット、脚にクルージングミサイルを装着。背中のキャノンはメガビームキャノンではなくレールキャノンに変更されている。


こちらもGキャノンでは不採用となったが、後に勃発したコスモ・バビロニア建国戦争が激化した際、これを再設計した機体が産み出されたという説があるという。


【関連機体】

Gキャノン

  • 型式番号:F71

キャノンガンダムの再設計機にして、連邦軍が採用を決めた完成品。
再設計自体はサナリィによるものだが、OEM生産を請け負ったアナハイム側が勝手にヘビーガンとのパーツ共用化のための更なる設計変更を行っている。


完成した本機を見たサナリィ側のスタッフ達は露骨に嫌そうな顔をしていたという。
アナハイムが設計の変更をしたのはサナリィが製造に必要な技術提供を渋ったため仕方がなかった面もあり、
この件についてはサナリィにも非があるが、おいそれと重要な技術を開示しないことも至極当然の話であり、こういう場合は現実でもどちらかがどうにかパーツを用意することが多い。
連邦としては信頼性や整備性、生産性が上がるためむしろ喜んでいたようだが。


一方、アナハイムの開発部もキャノンガンダムに対して批判的だったらしい。
特にMSA-0120の設計者の一人だったロメロ・マラべル*1からは
「パーツは全部特注かつ異様な程の高精度品だから下請け工場では手に負えないし、現場でもサナリィから訓練された技術者がいないと修理できない。アビオニクスのチップとOSもブラックボックスだらけで特別な許可がないといじれない。レーシング・マシンをファミリー・エレカとしてそのまま売りたがっているとしか思えないような現実的じゃないプラン」
と酷評したのだとか。
……この批判は、明らかに色々盛ったMSA-0120の問題点をそのまま指しているのだが、そういう経緯と反省点があったからこそAEとロメロにはキャノンガンダムの失態がよく見えたのかも知れない。
そもそも連邦はコスト削減のため小型機開発を依頼したのであり、製造・修理・運用に多大なコストと労力と手続きを要するスーパーマシーンを提出されても、採用できるはずがなかったのである。
その意味では「ヘビーガンとの共通化」という選択はむしろ合理的であった*2


ちなみにアナハイムで生産されたタイプとサナリィで後発生産されたタイプが存在し、
サナリィ仕様はV.S.B.R.の搭載が可能などスペックがキャノンガンダム寄りのアッパー調整になっている。



ガンダムF90 サポートタイプ

  • 型式番号:F90S

キャノンガンダムの原型機。
ガンダムF90の遠距離支援用装備で、砲撃性能に優れる。


ハーディガン

  • 型式番号:RGM-111

シルエットフォーミュラプロジェクトで造られた機体。
キャノンガンダムの概要仕様の内、主力汎用機として必要な部分を自社の主力汎用型であるヘビーガンの改良型に盛り込んで開発した機体。
ぶっちゃけダーティなことをやらかしている上でのパクリなのだが、こちらは汎用主力量産型として連邦軍から開発受注されているという違いがある。
性能もGキャノン・マグナ以上のスペックとなっている。
表向き開発されていたジェムズガンジャベリンに主力量産機の座は譲るが、特殊部隊用に後述のマグナ同様秘匿された形で生産供給された模様。


Gキャノンマグナ

  • 型式番号:F71B

シルエットフォーミュラプロジェクトで造られた機体である意味真の「アナハイム版Gキャノン」。






追記・修正をお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)

[#include(name=テンプレ3)]


*1 『機動戦士Vガンダム』を知っている人ならばリガ・ミリティアのロメロ爺さんと言えばピンとくるだろう
*2 ヘビーガンは基本設計が古いと言われがちだが、「量産機の設計」としては枯れた技術の完成形とも言える。単一機体としてはともかく、その基本設計は最終的にはジャベリンまで伸びる素地があったので、110年代の情勢のきな臭さを加味してもヘビーガン系への統合が悪かったとは言いがたいところ。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧