登録日:2011/03/26(土) 17:27:41
更新日:2023/10/16 Mon 13:27:14NEW!
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ライトノベル 富士見ファンタジア文庫 ハーレム 川口士 星導 メディア規制 某都知事に送り付けたい本 漂う書庫のヴェルテ・テラ 雛祭桃子
著者:川口士
イラスト:雛祭桃子
レーベル:富士見ファンタジア文庫
全五巻
【あらすじ】
『真昼の星空を刻み込め。そうすれば、お前は――』
かつて言われた言葉が蘇る。そう、あれはまだ外法星導師となる前のこと。祈りではなく手繰ることで、星を。そうすれば……。
「手繰りて星は――大地を穿つ!」不敵な笑みを浮かべたジグウォルの足元で星導術が完成した瞬間、空に閃光が走り大気が震えた――!
聖堂による焚書で多くの書物が失われつつある世界。聖堂が追う『万巻の書』と呼ばれる少女レジィナと旅を続ける目つきと口の悪い外法星導師ジグウォルは、究極の星導術が記された伝説の書の噂を耳にする。だが書物を求めるジグウォルの前に、かつての幼なじみで今は敵対する勢力・聖堂の騎士となった少女リシェルが現れ!?
(一巻作品紹介より)
ハイファンタジーというジャンルの中でメディア規制を主題とした異色の作品。タイトルのヴェルテ・テラには「断罪星導師」の字があてられている。
【用語】
○星導(ストラ)
天から降り注ぐ星の光を超常の現象へと転化する秘術の総称。使用者は『星導師(テラ)』と呼ばれる。
攻撃、補助、治療など多くの種類の星導が発見・周知されているが、天体の配置に影響を受ける性質上、個々に「正午」「夜明け頃」といった“使用可能な時間帯”が決まっている(少しくらい時間がずれても使えるが、そのぶん効果は減衰する)。
作中世界では「祈り」という動作をキーに星導を駆使する術式が一般的で、ほぼ全ての星導師がこれを用いている。
ただ、ごく稀に「手繰る」「望む」などの特異な発動方式を身につける者もおり、そうした星導師でなければ発現不可能な星導も存在する。「手繰る」術者の主人公ジグウォルが切り札とする、尋常でない破壊力を秘めた『星墜』はその一例。
○聖堂(シュテル)
星導師の集まりを基とする、現在では国家規模にまで勢力を拡大した組織。かつて存在した帝国に迫害されていた過去があり、逆に現在では帝国を徹底的に悪の象徴に仕立て上げる方針を採っている。
また、各地を巡回しては悪書と認定した書物を「焚書(イグニ)」と称し焼却して回っており、こちらはジグウォルに敵視される原因の一つとなっている。
教皇を頂点に据える組織図を持つが、先の教皇が崩御してからは遺言に従い三人の枢機卿により運営されている。
○五賢七書
かつて五人の優れた星導師が記した、七冊の星導術の奥義書。
一覧は以下。
『七渦海魔(セプテルム)』
『賢角愛姫(エンティス)』
『魂導王貴(ムスカール)』
『光天傲星(アステナ)』
『輝財富翼(デヴィティア)』
『放蕩情知(ルクスリオ)』
『輪環叛旗(オルティブ)』
同一の星導を連ねて発動、その威力を爆発的に高める『重ね撃ち』に始まり、それぞれ星導に関する高等技術が記されている。
だが、それらとは異なる意図の内容も密かに紛れ込んでおり、全てを揃えて別の視点から読み直すと……。
【登場人物】
○バール=ジグウォル
主人公。愛称はジグ。
あらゆる本を愛する文学青年にして、聖堂の行いに正面から立ち向かう外法星導師……という名の助平野郎。
孤児として聖堂で暮らしていたが、同じ境遇にあった親友オルトの死をきっかけに出奔、聖堂への反逆者となった。
聖堂時代では星導の才能が芽吹かず、しかし聖堂を抜けた後に「手繰る」術式を身につけたことで、その実力は並の星導師を遥かに凌ぐ域に至っている。
現在ではその力を活かし、「断罪(ヴェルテ)の星導師」を名乗って焚書に逆らい本を収集している。時には焚書の現場に殴りこんで書物を強奪することもあるため、半ば指名手配犯的な扱いを受けていたり。
口も態度も目つきも悪いが根っからの善人。そして若干ヘタレだが、身内が絡むと漢を見せる。
○レジィナ
聖堂を抜けたジグが過去に出会い、それから現在まで“書物の収集仲間”として連れ立つメインヒロイン。またの名を『書庫(レギオン)』。
見た目は10歳前後の銀髪美少女だが、その実態は人間ではなく、『万巻の書』と呼ばれる“書物を自らの内に記録する精霊”。
固有の能力として、一度読んだ書物の内容を完璧に記録し、自分の本体である黒い本に再現することができる。
また、そうした力とは別に本人の気質からして書物が好き……というか、ジグウォルと同レベルの本の虫である。新しい書物を入手しては読み漁り、読後の感想をジグと語り合うのが楽しみの一つとなっている。これはジグウォルの方でも同様らしい。
非常に毒舌かつ嫉妬深く、ジグウォルが親しい女性と話すだけで不機嫌になる。ついでにツンデレ。可愛い。
そしてはいてない疑惑あり。
実は星導師としてもかなりの実力者で、下手するとジグウォルより強い。
○リシェル=シセ
メインヒロイン。ジグウォルの幼なじみである金髪美少女。
かつてジグウォルに本の楽しさを教えた張本人だが、聖堂に所属する騎士という立場上、現在は敵対関係にある。
剣技・星導共に優れるがなかなかの堅物。ジグウォルが好きなのに互いの性格があって素直になれないツンデレ。
なぜか登場したイラスト全20枚でパンチラ四回、全裸一回、乳揉み一回とやけに色気描写が多い。
(一方その他キャラはほぼ皆無。レジィナ、サリナ、ラフィ、ティベリアが一回ずつ程度)
○ティベリア=リコリス
プルガトリア王国の王都ヴェルギルで弟と印刷所を営む美女。
苦労してジグウォルが集めた本や、レジィナが身の内に記録している貴重な蔵書などを複製・印刷しているが、猥本は基本扱わない。
ジグウォルとは一夜を共にした仲。
○アンジェリナ=ウィル=ハイム=プルガトリウム
聖堂とは異なる支配地を持つプルガトリウム王国、その年若き女王。
たびたび聖堂から「焚書に協力しろ」と迫られているが、それをのらりくらりとかわし続けている。
本人は読書に親しむクチで、個人的な知り合いであるジグウォルが集めた本を読むことと、ジグウォルをからかうのを趣味としている。
旧帝国の皇帝の一人であるファールスが開いたとされる槍術を密かに継承しているが、ファールスが聖堂に“暗黒皇帝”と叩かれまくっている現状では外聞が悪いので公言していない。
ちなみにこの『ファールス』なる名前、作者の同レーベル別作品ライタークロイスに登場する“ある人物(カイン=パルス)”の名が変じて本編の時代に伝わったものじゃね? ……と推測する読者もいる。あいつ槍使いだし。
○ラフィ=リルベ
元聖堂のスパイ。がいつの間にかジグウォルたちの友人に。
見た目は少年にもみえる幼げな少女だが、世渡りだけはうまい。
ちなみに小柄だが発育はいいほう。
○クリス=ソコート。
『虹目』と呼ばれる外法星導師。後述のデルミッシュとは同門で、よく行動を共にしている。
ジグウォルとは互いの師匠が知り合いという縁で親交があるものの、作中ではデルミッシュ共々、諸々の事情で敵になったり味方になったりする。
黒髪ロングの整った顔立ちで、どう見ても華奢な美少女にしか見えない……がれっきとした男性。
『虹目』というのは、時間ごとで異なる色を宿す左目に因んだ呼び名。普段は包帯で隠しているそれは、開放すると時刻に応じて星導の強化や催眠などの能力を発揮する。
○ドルフ=ズール=デルミッシュ
『模倣』の二つ名を持つ外法星導師。相手の動作・星導を見て瞬時に真似ることができ、それが二つ名の所以となっている。
筋骨隆々とした大男。怪力を活かした大剣での戦闘もこなし、総じてリシェルと拮抗するほどの実力を持つ。
泰然とした好人物ではあるが、男色家というのが玉に瑕。ただし「マッチョ限定」という条件も付くため、華奢なクリスは守備範囲外らしい。そしてジグウォルは微妙にかすっているっぽい。
○サリナ=ヴェルミント
ジグウォルやリシェルらの幼なじみ。
ジグウォルを兄オルトの仇だと思い込み、復讐のために二年間研鑚を積んでいた。
賭け事好きで、かつてジグウォルとの「結婚権」を手に入れたが、後にリシェルに負けたことで彼女に譲渡する。
ガチではいてないうえに丈の短い衣服を着て暴れまわる、ある意味かなり危険な人物。実際に“中身”をジグウォルに思いっきり晒す場面も……。
○セロ=タルドゥール
ジグウォルやリシェルたちの幼なじみ。事務方の人間で戦闘力には乏しい。
聖堂の助祭(中間管理職的な位置)の位にあり、上手いことジグウォルを利用して益を得ようとする強かな男。
場合によってはジグウォルを危険に晒す策すら平気で用いるものの、ある種、「あいつなら生き残るだろう」という成算があってのことでもある……はず。
そうした性格もあってか、剣呑な状況で出会おうともジグウォルとは往年のようなやり取りを交わしあう、という奇妙な仲がなんだかんだで保たれている。
○ガスパル=パラセンダル
聖堂の枢機卿の一人。
焚書や領土拡大を推進する急進派であるため、聖堂の中心人物の中でもジグウォルから特に敵視されている。
五賢七書『光天傲星』の所有者で、星導師としても桁外れの実力を持つ。
ラスボスかと思いきや……。
○ゴドー=レシティート
枢機卿の一人。
何を考えているか分からない中立派。星導の才は今一つ。
○リスニック=シェルフ
枢機卿の一人である穏健派のじいちゃん。
パラセンダル共々、過去にレジィナと交流を持っていた時期がある。
その当時は三人で今のジグウォル同様に書物を集めていたが、現状が物語るとおり、今では袂を分かっている。
五賢七書『放蕩情知』の所有者。
○ミルヴァ=クラーメル
パラセンダルの部下である女性。
分かりやすく言うとあの条例推進派的な思想の持ち主で、異常なほど焚書に積極的な姿勢から、聖堂にいた頃のジグウォルにとって恐怖の対象となっていた。
五賢七書『輝財富翼』の所有者。
○アルトメルン
ソコート、デルミッシュの師匠である外法星導師。『常強』の二つ名を持つ。
星導なしでジグウォルに圧勝する化け物。
いたって朗らかな人物だが、なにかと素っ裸で登場することの多い変人でもある。
○師匠
ジグウォルに「手繰る」星導を教えた女性。
男性的な苛烈な口調で話し、性格もやっぱり厳しい。
本名はヒルデガルテ。アルトメルンが「自分より強い」と認める化け物で、実力は恐らく作中キャラの中でも最強レベル。
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