登録日:2017/10/15 Sun 17:17:20
更新日:2024/04/13 Sat 15:09:09NEW!
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名探偵コナン 後味の悪いオチ 名探偵コナンエピソード項目 密着 特番 コーヒー ケーキ 後味の悪い話 マンション 不可能犯罪 密室殺人 雨 悲しい結末 裁くべき被害者 救うべき加害者 鬼畜な被害者 コナン恒例「クズなメディア関係者」 殺意はコーヒーの香り 東都テレビ キックバック 青酸カリ 悪質プロデューサー
…だとしたら答えは1つ…
悲しい真実が…たった1つだけ…
『殺意はコーヒーの香り』とは、『名探偵コナン』において、江戸川コナンが解決した事件の一つ。
単行本では第60巻に収録。テレビアニメでは、第513~514話として2008年9月1日・9月8日に放送された。
コナンの話の中でも悲しい結末を迎えることになった話の1つである。
アニメ版においては放送時間が月曜日19時台後半として放送された最後のエピソードでもある。
以下、ネタバレにご注意ください。
【ストーリー】
東都テレビで夜9時放送予定の特番「毛利小五郎密着24時」の制作依頼を受けた小五郎。
ナレーションが大ファンのアイドル・沖野ヨーコだと聞いて二つ返事で承諾する。
後日、打ち合わせのためにコナン・蘭・小五郎が、番組制作会社の社長・染井彰吾と共に、プロデューサーの中目頼策のマンションを訪れた。
しかしインターフォンを押しても反応が無く、染井によれば中目が最近自殺をほのめかすような言動をしていたことから、
管理人を呼び、鍵を開け、チェーンロックを切断して部屋に入る。
そこにあったのは、中目が口から血を流して倒れ、既に亡くなっていた姿であった。
テーブルの上ではコーヒーカップが倒れ、コーヒーの染みがテーブルに広がっており、毒物を摂取したものと思われた…。
【事件関係者】
※名前の元ネタはテレビ番組の製作関係。
- 染井彰吾(そめい しょうご)
CV:中村大樹
テレビ・ビデオ番組制作会社「染井企画」の社長。35歳。
小五郎の元を訪れ、密着特番の依頼をする。
中目が自殺をほのめかすような言動をしていたと語った。
中目の死亡推定時刻と思われる18時半頃は、体調を崩して家で寝ていたが、小五郎からの確認電話で中目との打ち合わせを思い出し、19時半頃にマンションに着いたと語るが…。
名前の由来は「照明」。
- 中目頼策(なかめ らいさく)
CV:仲木隆司
東都テレビプロデューサー。52歳。
今回の被害者で、青酸カリが混入されたコーヒーを飲んだことにより死亡。
マンションの20階の部屋に在住。海外暮らしが長かったとの事で、部屋は土足OKだった。
視聴率低迷で打ち切りになったドラマの穴埋め番組として、小五郎の密着特番の企画を進めた(その点、小五郎には伏せた)。
染井に対し、キックバック(制作費の水増し請求および横流し)を要求し、また久住を秘書として手元に置きたいと希望していた。
名前の由来は「カメラ」。
なお、アニメ版ではこの事件に先駆けて、第512話『砕けたホロスコープ』で名前のみ登場している。
- 久住舞子(くずみ まいこ)
CV:大本眞基子
「染井企画」社員。29歳。
染井とは交際関係にあり、また会社設立当初から染井を助けていた。
美人でスタイルが良く、仕事もできる才色兼備の女性。
それゆえ、中目に秘書になるよう求められていた。
名前の由来は「マイク」。
【レギュラー陣】
ご存知主人公。
今回はいつもの「あれれー」のフレーズを3回も言って小五郎に突っ込まれた。
今回の事件であらゆる可能性を考えるが、行き着いた“答え”は悲しいものだった。
ご存知蘭姉ちゃん。
染井と久住のペアウォッチを見て交際関係を見破る、染井がやつれていた事を指摘するなど、洞察力の鋭い所を見せた。
ご存知迷探偵。
自身の密着特番について、最初は難色を示していた。最近依頼が無いらしく、昼間からビールを飲み、競馬中継を聞き、
夜は麻雀という自堕落な生活を送っており、密着のネタとしてやらせまで提案するほど。
沖野ヨーコがナレーションを務めると聞いて、即座に承諾したが。
ご存知警部殿。
事件の第一発見者がまた小五郎だと知り、「連続モノのミステリーじゃあるまいし、何で毎度毎度都合よく…」
というメタ発言をしかけるが、アホらしくなってきたということで取り止めた。
ご存知高木君。
【その他の人物】
- 社員
CV:坂東尚樹
「染井企画」の男性社員。
小五郎の密着特番は企画そのものが既に無くなっていたと語った。
また、18時半頃に染井をドラッグストアで見かけたと証言した。
- ドラッグストアの店員
CV:真山亜子
「染井企画」の近くにあるドラッグストアの店員。
18時半頃、胃薬を買いに来た染井に応対。
いつもは買うのが栄養ドリンクなので印象に残ったと語る。
また、店内で染井が2本電話を受けており、小五郎からの電話の他に、染井が相手を「舞子」と呼ぶ電話もあったと証言した。
【以下、事件の真相。さらなるネタバレに注意】
犯人はこの密室からどーやって抜け出しどこへ消えたか…
その答えがあの世…
我々の手の届かない黄泉の国へ逃げてしまったという訳ですよ…
- 久住舞子
今回の事件の犯人。
18時半前に一人で中目のマンションを訪れ、コーヒーに毒を盛って中目を殺害。その後、20階のベランダから身を投げて自殺した。
染井がキックバックの要求を蹴ったため、中目から特番を潰され、更には根回しをして業界から干すと脅され、
日に日に染井が悩んでやつれていくのを見るに見かねて独断で犯行に及んだ。
恐らく会社に直接迷惑をかけないためか、犯行前日に会社を辞めていたが、染井にはその件を黙っていた。
ベランダから身を投げる直前、染井に電話をかけ、雨音に消え入るようなか細い声で自分の気持ちを伝えたという。
『ピアノソナタ「月光」殺人事件』の浅井成実の件以降、
本作品では基本的に犯人の自殺例というのは黒の組織の一部ぐらいしかいなかったのだが、数少ない例外のひとりが彼女*1。
ただし、今回は推理に追い詰められてのものではなく、コナン達が事件を知った時点で既に自殺していたという異例なケースである。
- 染井彰吾
もう一人の犯人。
中目からの要求と脅迫に思い悩んでいた。胃薬を買っていたため、ストレス性の胃炎などにも陥っていた様子。
久住からの電話を受け、急いでマンションに駆け付けるも、そこで見たのは、
自身の恋人であり仕事のパートナーでもある久住が投身自殺を図った後の遺体であった。
その後、彼女の遺体を車のトランクに寝かせ、中目の部屋を管理人に開けさせた後、
久住を殺人犯にしない為、コーヒーやケーキなどの「久住が中目の家を訪れていた痕跡」を消して中目が自殺したように見せかけ、
わざと証拠であるフォークを隠し持つ事で、いざとなったら自分がその汚名を被る覚悟をしていた。
ただし、前述のように「犯行時刻に現場から離れたドラッグストアで買い物をしていた」という明確なアリバイがあったので中目殺害犯にはなり得ないのだが、
それを指摘されても「薬を買いに行ったのは17時過ぎ」「暗くなるのが早いから時間を勘違いしたのでは」と強引に言い張っていた。
しかし、小五郎(コナン)が車のトランクにいる久住の遺体の事に触れると泣き崩れ、
救急車に乗せられる久住の遺体を哀しげに見つめた後(※アニメ版追加シーン)、捜査撹乱罪などに問われる事となり静かに警察へと連行されていった。
- 中目頼策
非人道的な被害者。
私欲のために制作費のキックバックや久住を秘書として差し出す要求をし、それらが染井に断られると、特番の企画を潰したのみならず、根回しにより業界から干すと宣言した。
事件前に染井の会社について「一度干した弱小制作会社」と言っており、前にも何らかの経緯で仕事を回さなかったらしい。
久住を要求したことについては、「美人でスタイルも良いしな!*2」と頬を染めながら言っていることから、
単に有能な女性秘書としてだけでなく、「女性」として欲しかったのでは?と邪推できなくもない。
仮に中目が生きていて、この事が世間にバレてしまった場合は手掛けた番組のスポンサー企業は降板するだろうし、中目自身も関連会社に左遷される可能性はあるだろう。
テレビプロデューサーが被害者になる例としては『テレビ局殺人事件』があるが、あちらは「自身の立身出世のために司会者を降板させた」だけのため、比較するならば悪辣性は中目の方がはるかに上である。
しかし、後に登場するテレビプロデューサーの中には盗賊団の一員だったり、過去の犯罪を隠すために仲間の抹殺を企てたり等中目よりも悪辣な者もいる*3。
【エピローグ】
翌日、雨の探偵事務所。
英理が買ったケーキを、小五郎は3人が揃う前に自分の分を食べてしまったという。
箱の中にケーキは1つだけなのを不審がる蘭に、よく見れば2つあると告げる小五郎。
しかし、よくよく見てみればケーキはやや薄く、おまけに余ったセロファンやクリームのついた包丁と、1ピースを2つに切った証拠が出てきた。
それもそのはず、小腹の空いた小五郎が2切れ食べてしまっていたのである。
小五郎に2人がかりで詰め寄ったが、コナンはお腹が空いていないと言ってケーキを蘭に譲り、蘭もまた父にケーキを渡す。
そして窓辺の2人は、切なく後味の悪いこの事件のことを思い返すのだった。
当分、追記・修正は出来そうにない…
少なくとも…この雨が止むまでは…
コメント欄
- 法律に関して素人だが染井はどんな罪なんだ? -- 名無しさん (2016-03-22 23:50:33)
- ↑闇の男爵の前田さんの時のように、捜査撹乱の罪とか? -- 名無しさん (2016-03-22 23:51:58)
- ↑2多分証拠隠滅罪に当てはまっちゃうと思うよ -- 名無しさん (2016-03-23 08:29:50)
- 久住さんの遺体を勝手に移動させて車のトランクに入れたのも罪に問われるんじゃないかな?(気持ちは痛いほど解るが)。多分(捨ててはいないけど)死体遺棄罪相当かな… -- 名無しさん (2016-03-23 09:13:23)
- アニメの染井社長が泣き崩れるシーンは、中の人の熱演で良い意味で悲壮感出てた -- 名無しさん (2016-03-23 10:33:22)
染井社長にしても闇の男爵の前田さんにしても、大切な女性を庇うために罪を重ねてしまってるのがなんとも…気持ちは痛い程わかるんだけど、警察にしてみればこーいうのは『仕事のジャマでしかない友情ごっこ』で片付けられるんだよね… -- 名無しさん (2016-05-10 00:02:50)
- 犯罪の成否と刑罰の軽重は別の話だからねえ。情状酌量は刑罰の場面の話で、裁判官のお仕事。まあ名探偵が颯爽と解決したのも有って、重い罪にはならないんじゃない? -- 名無しさん (2016-05-10 07:05:15)
- また犯人自殺か。…と言っても今度は推理には追い詰められてはいないし。 -- 名無しさん (2016-11-30 22:05:47)
- ↑またって言うほどやってない -- 名無しさん (2017-02-03 16:47:42)
- 染井は何とか情状酌量が認められるといいのだが -- 名無しさん (2017-06-26 11:17:36)
- 故人には申し訳ないけど、被害者は自分の中でコナン史上一番の悪人面。序盤の事務所のシーンのコナンと蘭が小五郎をいじるところが和んだ。 -- 名無しさん (2019-02-25 23:03:41)
- ↑6 捜査の邪魔なのは確かだが、「友情ごっこ」は言い過ぎだろ、もうちょいオブラートに包んだ表現にしてくれよ -- 名無しさん (2019-05-22 17:32:06)
- コナンの世界に登場するテレビ局のプロデューサーってこんな人達ばかりなの? -- 名無しさん (2020-03-22 01:05:19)
↑秘湯雪闇振袖事件の阪東京一とか、広島宮島七不思議ツアーの上諏訪幹彦とか良いプロデューサーもいます -- 名無しさん (2020-03-22 06:58:35)
- ↑ いい人探すほうが大変かも。 -- 名無しさん (2020-03-22 09:20:15)
- 蘭も号泣してた。 -- 名無しさん (2020-04-27 17:20:04)
- それにしても凄く良い「不可能犯罪・密室トリック」使ってると思う。 -- 名無しさん (2021-04-21 17:29:45)
- ↑12 まあ、同情の余地があるので執行猶予が付くって事もあり得るけど。 -- 名無しさん (2021-12-11 18:27:16)
- わからねーな… どんな理由があろうと… 殺人者の気持ちなんて… わかりたくねーよ… -- 名無しさん (2022-02-17 07:34:15)
- 情状酌量の余地が十分だから染井は多分起訴猶予 裁判までも行かないだろう -- 名無しさん (2022-08-26 02:09:51)
*2 本編ではハートマークだが、環境依存文字なので「!」で代用。
*3 というより、「コナン」の世界に登場するプロデューサー、カメラマン、ジャーナリストなどのメディア関係者は特に問題のある人物が多く、プロデューサーで良心的だった人物は『秘湯雪闇振袖事件』に登場した阪東京一や、のちに放送された『広島宮島七不思議ツアー』などに登場した上諏訪幹彦など数えるほどしかいない。
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