現在の多くのカメラは3:2の長方形の写真を出力します。この比率は35mmフィルム(やAPSフィルム)からきていて、デジタルカメラのフルサイズ機やAPS機はそれを踏襲しているため、3:2になっています。マイクロフォーサーズ機は4:3で、3:2とは異なりますが、いずれにせよイメージセンサーは正方形ではなく長方形です。
写真が長方形ということは、長辺を横にするのか、あるいは縦にするのかの選択肢が生まれます。いわゆる縦位置と横位置というものです。縦位置で撮ってもいいし、横位置で撮っても、どちらでも自由なわけですが、自由と言われると途端に迷ってしまうものです。
人間の目は左右についていて、縦長ではなく横長の空間を見ています。しかし、人間の姿は縦長です。人間の目には横長の写真の方がしっくり収まりますが、立っている1人の人間を横長で写すと左右に多くな無駄な空間ができてしまいます。
山の風景を撮るならほぼ横位置でよいので簡単ですが、横長のステージの上に立っている人物を撮るライブ撮影はいろいろ要素があるので複雑になります。
少し場合分けをしましょう。
まずはステージ全体を撮りたい場合ですが、これは簡単ですね。ステージが横長なので横位置に決まります。
次に複数のメンバーを同時に撮りたい場合ですが、これも基本的に横位置になるかと思います。
そして、1人のメンバーだけを撮る場合ですが、これはとても迷いますよね。
もし、撮影ポジションがよくなく、狭い隙間から撮る必要がある場合は必然的に縦位置にすることが多くなったり、縦位置でしか撮れないこともありますので、迷う余地がないです。
どちらでも不自由なく撮れる場合には、その場その場の感覚で縦位置にしたり横位置にしたりしてもいいかと思いますが、1つ指針として自分が使っているのは、著名な写真家であるハービー・山口さんの言葉の1つ「横位置は被写体の周囲の状況を説明し、縦位置は被写体の本質に迫る」(ハービーさんの著書「良い写真とは?」より引用)です。
横位置で撮ると、撮ろうとしたメンバーだけでなく、ステージや機材が写り込み、場合によってはライブの状況からどの曲をやっているのかもわかったりします。
逆に縦位置で撮ると、メンバーのみがフォーカスされ、その人の表情が読み取れる写真になります。
これについてはどちらが良いというのはなく、どんな写真が撮りたいかという話になり、それは個人の好みということになるかと思います。両方をバランスよく撮るのもよいですし、ライブの雰囲気を伝える写真を撮りたいと思えば横位置の少し引いた写真を増やしたり、逆にメンバーのアップでその人に迫りたいなら、縦位置アップを増やすていけばよいのかなと思います。
斜めは? 自分は斜め構図では一切撮りません。構図のところで書いたように、斜め構図は難しすぎます。。。
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