時々Twitterなどでも、「今日のライブは〇千枚撮っちゃったよ~」みたいな書き込みを見ます。多くの場合それは、その日のライブが良く、いつも以上にシャッターチャンスがあったからいっぱい撮りました、というような意味だったりするのですが、本人が多いと思っても実際には大して多くないことが多いです。「それって自分の半分じゃん」みたいなことも。
少し前、友人のアマチュアバンドのライブを撮る機会があったのですが、ライブ後「いっぱい撮りました? もしかして300枚くらい撮りました?」と聞かれたけど、実際にはその10倍撮ってた、ということもありました。
写真がフィルムな時代は、撮れる枚数が少なく、35㎜フィルムなら1本で36枚、フィルムを10本持っていても合計で360枚というレベルでした。それこそ中版フィルムで路上スナップを撮っていたころは、フィルム1本で12枚しか撮れず、2本24枚撮ったらその日は終わり、なんて時もありました。
デジタルの時代になり、メモリカードも安くなった今、撮ろうと思えば1日1万枚撮ることもできる世の中です。さらに連写機能も発達し、1秒間に8枚やさらには10枚を超える枚数が撮れるカメラもありますので、1本のライブで撮る写真の枚数は数千枚のオーダーになっています。自分も1時間半のライブで4000枚から多い時で6000枚撮ってます。おそらく多い方だと思いますが、多く撮る理由が1つあります。
以前写真を勉強していた時、あるプロ写真家のワークショップに通っていたのですが、その写真家が頻繁に言っていた言葉に「量があってこそ質がある」というものがありました。要するに質の良い写真を求めるなら、数多く写真を撮る必要があるという話です。アマチュアはいっぱい撮らないといい写真が得られないけど、プロは狙って撮ればいい写真が得られるんだと思っていたのですが、プロもやっぱりいっぱい撮っているんだと、ちょっと目から鱗な感じがしました。実例として、あるスナップ写真で有名な写真家が、1年に2000本フィルムを使う、なんて話も聞きました。
実際いろいろ写真を撮ってみての経験では、いい写真と思えるのは100枚に1枚です。つまり、いい写真が10枚欲しければ、1000枚撮る必要がある、ということです。これは意外とどんな被写体を撮るときにも通用する数字のようで、ライブ撮影でも、それが通用する気がします。もちろん、どのレベルで「いい写真」と考えるかにもよりますが。
いろいろごちゃごちゃと書きましたが、ここで言いたいことは、「ライブでいい写真を撮りたいならいっぱい撮りましょう」ということです。もちろんそのために容量の大きいメモリーカードや予備のバッテリーを買う必要がありますが、それは1度買えば長く使えるものなので小さい投資として(チェキ数回あきらめてw)買いましょう。撮りすぎるとあとから見返すのに時間がかかるのも事実ですが、ま、そこはいろいろ工夫ができるところではありますので、まずは撮りましょう。ライブ撮影は、数打てば当たる撮影でもあります。
さて、連写についてですが、撮れる枚数はカメラ次第ですが、最近のカメラの多くは1秒間に6コマくらいは撮れますよね。8コマあるいは10コマ以上撮れるカメラも多くなりました。
連写のいいところは、撮りたいシーンを逃さず撮れることで、このシーンを撮りたいと思って撮ったのに、メンバーが片目をつぶってた、とかマイクが顔にかぶっててなんてことが避けられることだと思います。動きがある被写体なので、1シーン1枚しか撮らないのはちょっとリスクは大きいなと感じます。
では何枚くらい連写するか? あまり撮りすぎて、バッファがいっぱいになると、次のシーンが撮れなかったりしますので、ちょっと悩むところですが、自分はこんな感じで8枚程度撮ることが多いです。
もちろん、いいシーンが続いていればそのまま撮り続けたりもしますが、時間にして1秒くらい撮って一呼吸入れるという感じが多いような気がします。
ここで1つTip的な話になるのですが、ここで連写をストップしようと思ったところからあと1~2枚撮っておくと、意外と面白い写真が撮れたりもします。例えば自分のパートを歌い終わって、ふっと表情が変わるところが写ってるとちょっとうれしかったりしますよね。
そんな感じで連写をしていると、あっという間にメモリーカードの空き容量が減り、バッテリーもなくなってしまうのですが、そこへの対策としては、撮るシーンと撮らないシーンをしっかりわけることかなと思います。自分の場合、赤や青の原色ライトが強く点いている時は、経験上あまり好きな写真が撮れないので撮らないし、あとライティングがとても暗い時も無理に撮らずに明るい時に集中して撮るようにするようにしています。
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