トリミングによる引き算

ページ名:トリミングによる引き算

構図のところで書くような話でもあるのですが、特に書いておきたいテーマでもあるので別ページにしました。

カメラの世界では、「写真は引き算」という言葉が昔からよく使われています。この言葉の意味を簡単に書くと、構図を考えるうえで自分が見せたいと思っているもの以外のものを極力取り除いていく(引き算していく)ことで、主題のしっかりした写真にする、という考え方です。

例えば綺麗な山が見えてそれを写真に撮りたいと思ったとき、手前にある電柱や、車、あるいはコンビニなどが写っていると、どうしても写真を見る人は、本来見てもらいたい山よりもそれら見せたいと思っている対象以外に目が行ってしまい、「綺麗な山」がぼやけてしまいます。撮る位置を変えたり、ズームしたりして電柱が写らないよう「引き算」して、山をしっかりと見てもらえる写真にするわけです。

では、ライブ撮影において、この「引き算」という考え方は必要なものでしょうか? そして現実的にそれはできるものでしょうか?

自分の考えは、前者は「Yes」で後者は「Yes and No」です。

「引き算」はライブ撮影でも有効な手段で、自分がその写真でなにを見せたいのかをはっきりさせ、それ以外のところに心を持っていかせないために、引き算を行うのは良い手だと思います。

では、どうやって引き算をすればよいでしょうか?

ライブ撮影では、特に満員の会場のかなでは動いて場所を変えることで引き算することは難しいです。また、そもそもステージ上でメンバーが動くので、移動できたとしてもその時にはまったく違う光景になっていることが多いですよね。

別の手として考えられるのは、ズームレンズのズーム機能を使って、見せたい領域に画角を合わせてしまうことです。これをされている方はとても多いと思いますが、なかなか難しいですよね。ズームしすぎて見せたい被写体が欠けてしまったりしたら元も子もありません。きっちり思った通りに短い時間でズームするのは、かなり慣れが必要だと思います。

そこで、手っ取り早く引き算する方法や、やっぱりトリミングということになります。広めの画角で撮影しておき、PCやスマホに取り込んだ後、左右上下の不要部分をカットすることで、引き算しようという考え方です。もちろん、画像サイズが小さいくなり、解像感が低くなったりノイズが目立つというトレードオフがあります。それでも、これが一番有効な方法だと思いますし、特に単焦点レンズで撮る場合(自分はほとんどこれに当てはまります)、移動もできないライブ撮影では唯一の引き算方法となります。

下の写真はトリミングで引き算した例で、左上の赤と白の物体、右端中央の滲んだ光、右下の他メンバーの衣装が気になる部分で、これらが入らないようトリミングしたのが下の写真です。

 

かなりシンプルになり、見せたいアイナさんの表情、髪それから手から指だけに目線が行く写真になったかと思います。

 

次は、被写体以外で目立つものを取り除いた例です。見せたいのはアユニの表情とマイクを持つ手や指なのですが、背中に目立つ黄色いライトが写っていて、どうにもこれが目立ってしまいます。この写真をパッと見たとき、10人に3人くらいはこの黄色いライトに目が行って、このライトは何なのだろう?右側にもあるな…みたいなことを考えてしまうのではないでしょうか? これもトリミングして消すことで、10人中10人にアユニの表情など見てもらいたい部分に集中してもらえる写真になるかと思います。

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コメント

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名無し
ID:NjZiMGQyN

>> 返信元

サイズは毎回違いますが、縦横比は3:2(縦だと2:3)から崩さないようにしています。

返信
2018-12-02 23:35:49

名無し
ID:OWVhZWE0Z

トリミング時のサイズは毎回同じになるように気にしますか?

返信
2018-12-02 23:31:27

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