デジカメのセンサーサイズには、(実際にはもっとありますが)1/3型、1/2型、1型、マイクロフォーサーズ、フォーサーズ、APS-C、APS-H、35mm(フルサイズ)、中版とあるわけですが、中でも35mmは特別な存在として扱われることが多いですね。
ややどうでもいい話ですが、フルサイズという言葉には違和感を覚えたりします。それ以下のセンサーはフルより劣るものという感じがするし、逆にフルを超えている中版センサーなんなのか? いや、ほんとどうでもいい話ですが、もともとライカがコンパクトなカメラを作るときに採用したフィルムサイズが35mmで、それがあまりにも長く使い続けられてきたから(なにかとちょうど良いサイズということもありますが)、80年後の今になってもセンサーの標準サイズとして使われています。
デジカメ聡明期は、35mmサイズのイメージセンサーを製造するのが技術的に難しかったので、デジタル一眼レフ用のセンサーはAPS-Cサイズ(やそれより小さいサイズ)が使われることが多く、昨今35mmセンサーの製造コストが下げられるようになってから、いわゆる”フルサイズ”が差別化の材料となり、高級機=フルサイズという構図ができてきました。
さて、今のデジカメに最適なセンサーサイズはどれなのか? という話になるのですが、それはカメラの使用用途によると思います。風景をほんとに綺麗に撮りたいならフルサイズより、より大きな中版デジカメを使うのがベストだし、カジュアルにスナップを撮ったりするならフルサイズよりマイクロフォーサーズや1型のコンパクトなカメラが最適のように思えます。フルサイズはバランスが良くオールマイティに風景からスナップまでこなせ、屋外ポートレートなどにも最適かと思います。
では、ライブ撮影に向いたセンサーサイズは? と問われたら、これも一概には答えられないのですが、やはり35mmフルサイズは有利だなぁとは思います。ボディもレンズもかなり大きい中版デジタルはちょっと置いておくとして、暗いライブハウスで撮ることを考えると、最近のフルサイズ機のノイズ耐性が高い点は大きなアドバンテージですね。とは言え、一世代前のフルサイズと最新のAPSセンサーを比べたら、ノイズ耐性は近いものがあるし、同じレンズを付けた場合にはAPSは1.4倍のズーム効果があるので、離れた場所から撮るならAPSが有利な場合もあります。さらに、その点はフルサイズならAPSクロップ機能を使えばAPSセンサーとして使えるので、やっぱりフルサイズは有利か、とか思考がどうしても行ったり来たりしてしまいます。
APSセンサー搭載機の大きなメリットの1つは、ボディもレンズがコンパクトな点ですね。センサーが小さければ、(一眼レフ機の場合)ミラーもペンタプリズムも小さいので、軽くて小さくなるし、レンズもそれ用に設計したものはコンパクトで軽くなります。下の写真は自分が使っているAPS-C機のX-T3(富士フィルム)に、50mm f2の単焦点レンズを付けた状態ですが、バッテリー込みで740gしかないですが、十分綺麗に撮れます。カジュアルに、あるいは沸きながら片手で撮るには最適なサイズだと思います。
ま、ごちゃごちゃ書きてきましたが、センサーのサイズだけで議論するのは難しくなり、カメラ全体で考える必要があるなぁ、となってしまい、センサーサイズだけに絞って考えることにはあまり意味はないように思えますね。
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