テーラーになるには

テーラーという職業は、細部へのこだわりと芸術的表現の両方を伴う、充実したキャリアパスとなり得る。一般的にテーラーというとお直し屋さんを連想しますが、コスチュームデザイナーやパーソナルスタイリストなど、テーラーの仕事は多岐にわたります。

パート1

教育

1. 高校卒業資格を取得する。テーラーになるための正式な学歴はありません。しかし、一般的なルールとして、特に大きなファッション会社でテーラーとして働くつもりなら、少なくとも高校卒業資格かGEDを持っている必要があります。

   • この分野に関連する授業があるかどうか、高校に問い合わせてみましょう。少なくとも、家庭科の授業は取るようにしましょう。高校によっては、ファッション・デザイン、手縫い、工業用動力縫製について学べる、より詳細な縫製コースがある場合もある。
   • 美術の選択科目を履修し、美的センスを磨くことで、色彩やスタイルを扱う準備ができる。
   • また、基本的な数学のスキルも身につけ、寸法を測りながら作業しても問題がないようにしましょう。
   • 自営業のテーラーになることを計画している場合は、ビジネスクラスも1つか2つ受講しておくと役立ちます。
   • 講師がファッション業界の誰かの仕事を紹介してくれるかもしれません。
2. 大学レベルのコースを受講する。大卒でなくても、ファッションやデザインに関する大学の授業を受けることは有益です。

   • 自分自身のレベルアップに役立つだけでなく、大学の授業や学位を持っていることで、雇用主があなたをよりレベルの高い仕事につける可能性が高くなるかもしれません。昇進して、スーパーバイザーとして他のテーラーを任されるようになるかもしれません。
   • 地元のコミュニティ・カレッジや専門学校には、4年制のリベラル・アーツ・カレッジよりも縫製、デザイン、ファッションのコースがある可能性が高いので、チェックしてみましょう。コミュニティ・カレッジや専門学校の授業は、学費も安くなります。
   • 初級、中級、上級レベルの様々なコースを提供している学校を探しましょう。
   • 服の構造、パターン、テキスタイルや生地、仕上げ、ディテール、フィット感などに関する事柄を学びましょう。
   • 授業では、教科書的な情報と縫い方の練習がたくさんできるのが理想的です。
3. ビジネスクラスの受講も検討しましょう。テーラーの多くは自営業を営んでいます。厳密には必要ではありませんが、自分のビジネスを運営する責任や職務に備えるために、カレッジレベルでビジネスやビジネス・ファイナンスのコースをいくつか受講することは有益かもしれません。

   • お住まいの地域のコミュニティ・カレッジでビジネス・クラスを探しましょう。一般的なビジネスのクラス、ビジネス・ファイナンスのクラス、起業家精神のクラス、マーケティングのクラス、その他スモール・ビジネスのトピックを扱うクラスには細心の注意を払いましょう。

パート2

経験

1. 見習いとして働く。プロのテーラーとして働くための準備としてできる最善のことのひとつは、すでにビジネスで成功しているテーラーの下で見習いとして働くことです。見習い期間では、この業界に入るために必要な技術を学ぶことができ、その経験は履歴書や職務経歴書にもよく書けます。

   • お直しテーラー、オーダーテーラー、ショップテーラーで見習いプログラムを見つけることができるかもしれません。お直しテーラーの見習い期間はおよそ4000時間、オーダーテーラーやショップテーラーの見習い期間はおよそ8000時間です。
   • 見習いテーラーは、縫製、繕い、お直しに関する簡単な仕事から始めます。技術と理解を示すにつれて、より複雑な仕事を任されるようになる。
2. 必要であれば、非公式なトレーニングを選択する。実際に見習いとして働くことは難しいので、テーラーやお直し部門でテーラーの仕事とは直接関係のない仕事をすることで、ちょっとしたトレーニングを受けることもできる。

   • 正式な見習いとして働くことができない場合は、洋服店などの手直し部門でアルバイトとして雇ってもらうようにしよう。電話応対や整理整頓、予約の取り次ぎなどをするだけでも、少なくとも自分が働くと思われる職場の雰囲気や、必要な用語や概念についての知識を得ることができる。
3. 小売の仕事を練習する。テーラーは一般の人を相手に仕事をする必要があるので、販売スキルや接客サービスを練習することは、長期的にあなたのためになります。さらに、小売業の経験があれば、プロのテーラーやお直し部門に応募する場合、履歴書や職務経歴書に記載することができます。

   • コミュニケーションスキルや対人スキルを身につけることで、採寸や衣服の改良方法について相談する際に、顧客が心地よく接することができるようになります。
   • どの小売業でも、一般消費者と接する経験は積めますが、より良い仕事もあります。百貨店、衣料品店、靴店、アクセサリー専門店などでのアルバイトは、ファーストフードや座敷のレストランでの仕事よりも好ましい。特に今挙げたような店舗での仕事は、一般的な小売業ではなく、ファッション小売業に慣れることができる。一方、ペットショップ、コンビニエンスストア、食料品店での仕事は、この業界とは無関係なので、あまり理想的とは言えない。
4. 自分でスキルを磨く正式なプロのトレーニングも役立ちますが、優れたテーラーになりたいのであれば、自分の時間も使って練習する必要があります。 自営業を予定しているのであれば、独学でも十分に始められるかもしれません。

   • 書店で新しい縫製技術や、生地の種類、ファッションデザインなど、テーラーに関連するトピックを学べるマニュアルを探すのもよい。
   • また、より正確なステップ・バイ・ステップの見本が必要な場合は、オンラインで実演ビデオを探し、さまざまな縫製テクニックを学ぶこともできる。
5. 仕事道具を使ってトレーニングするテーラーとしてのキャリアをスタートさせる前に、どのような方法でトレーニングや実務経験を積むにしても、その仕事で実際に使われる道具を十分に経験しておく必要があります。

   • 標準的な布製メジャーやその他の計測器具の使い方に習熟していなければなりません。メジャーは体の寸法を測るのに使いますが、短い定規はボタンホールの間隔や裾の長さを測るのに使います。フレンチカーブ定規は、テーラーが角度のついたシームラインを扱う際に役立ちます。
   • また、プロレベルのミシンやサージャーを扱う必要もあります。ミシンの設定や針の種類、糸の種類を使い分けることも必要です。
   • 裁ちばさみ、裁ちばさみ、ロータリーカッターなど、さまざまな裁ちばさみを使う。それぞれをいつ、どのような目的で使うかを知っておく。

パート3

仕事を見つける

1. 自分のために働くか、誰かのために働くかを決める。もちろん、どちらの選択肢にも長所と短所があるので、決断する前にそれらを検討する必要がある。キャリアに多様性を持たせるために両方の道を準備するが、自分が望む道に力を注ぐこと。

   • 誰かのために働くことで、事業の経営やマーケティングについてあなたが持つべき責任や心配事が制限されます。しかしデメリットは、自分が担当する仕事の自由度が低くなり、自分の仕事の収益を十分に得ることができなくなることです。
   • テーラーとして自営業を営む場合、マーケティングや管理業務に時間を費やす必要があります。しかし、時間や条件を自分で決めることができ、収益の多くを手元に残すこともできます。
   • テーラーの44パーセントが自営業で、26パーセントが小売業に従事していると推定される。残りの30％はその他のサービス業や産業で働いている。
2. プロのテーラーの仕事を探すプロのテーラーは、デパートやブライダル・ブティックなど、洋服のお直しをする人を必要としている衣料品店やメーカーに雇われることがよくあります。

   • 誰かの下で働くつもりなら、繊維・アパレル・メーカー、デパート、クリーニング店などの求人を探してみよう。ファッション業界に携わる店やメーカーなら、どこでも可能性があるかもしれない。また、既存のテーラー・ショップに、追加の人手が必要かどうかを確認することもできる。
3. .テーラーとして独立するのは難しいことかもしれませんが、そうすることで、引き受ける仕事をより自由にコントロールできるようになりますし、潜在的な雇用主の審査や面接を受ける必要もなく、すぐに始めることができます。

   • 起業に必要な法的・財政的要件を確認しましょう。事業が登録されていること、資金を確保できることを確認する。
4. ポートフォリオを作成する。ポートフォリオには、手直しやデザインの仕事も含め、あなたが行ったテーラーリング関連の仕事の写真やサンプルを掲載しましょう。このポートフォリオは、求人に応募する際や顧客を見つける際の貴重な財産となります。

   • ポートフォリオには、お直しをした洋服やデザインした洋服のサンプル写真を掲載しましょう。また、デザインスケッチも含めてもいいでしょう。
   • カジュアルからフォーマルまで、またメンズからレディースまで、様々なスタイルの服のサンプルを入れるようにしましょう。そうすることで、より多才に見え、あなたの才能をより魅力的に見せることができる。
5. プロの団体に参加する。テーラーや服飾業界関係者で構成される専門組織は、あなたをサポートし、さらなる教育リソースを提供してくれます。これは、どのキャリアを歩むにしても有益だが、自分でビジネスを始めることにした場合は特に役立つ。

   • チェックする価値のある専門組織には、Custom Tailors and Designers Association、Association of Sewing and Design Professionals、American Sewing Guild、Embroidery Trade Associationなどがあります。
   • 専門組織は、会員が継続教育コースを受講しやすくしてくれる。また、テーラーに専門家リストに参加する機会を提供してくれる場合もあり、多くの団体はマーケティング・リソースやネットワーキングの機会も提供している。
6. 顧客を引き付ける。顧客にしか仕事をさせないような百貨店に勤めているのでない限り、自分のキャリアを成功させたいのであれば、顧客を引き付ける方法を知っておくことは重要な知識である。

   • 新聞広告のような伝統的な広告や、ソーシャルメディアアカウントやビジネスウェブサイトのようなデジタル広告を活用しよう。さらに、「口コミ」広告の力を過小評価してはならない。満足した顧客は他の顧客にも伝え、それによってあなたのビジネスが広まっていくのだ。
7. 期待することを知る仕事に必要な情熱と才能があれば、テーラーとして働くことはとてもやりがいのあることです。しかし、この分野は比較的雇用の伸びが悪く、この仕事で大金持ちになれるとは思わない方がよいでしょう。

   • 2010年5月現在、テーラーの時給の中央値は12.77ドルで、年収の中央値は通常約25,850ドルです。
   • 2010年、米国では5万7,500人の仕立て職人が働いていたと推定されています。
   • 米国労働統計局は、2010年から2020年までの仕立て職人の雇用機会は1％しか伸びないと予測している。
   • 仕立て屋の需要不足に影響を及ぼしている側面としては、ほとんどの衣服が他国で安価に生産されるようになったことや、高価な注文服の需要が減少し続けていることなどが挙げられる。

この記事は、CC BY-NC-SAの下で公開されている「 How to Become a Tailor 」を改変して作成しました。特に断りのない限り、CC BY-NC-SAの下で利用可能です。