地域詳細
氷の都ニールヘーム
ノルズリ地方の玄関口にある港町。機械技術に長けており、暖房機器の世界シェアを誇る。外見は何処か機械都市マシーネを連想させる造りとなっている。また霧が街全体を包んでいて視界が悪いが、これは暖房機器による蒸気である。
ヘルヘーム
ノルズリ地方の辺境の地にある村。スクーズの祖父が村長を務めていた。
ニールヘームと違い、暖房機器の技術者が殆どいない。働ける者も多くなく、毎日届く僅かばかりのマナや、狩猟での獲物を売って二束三文の資金を受け取って生活している。苦しい生活をしていく中で住人の心はゆっくりと、しかし確実に腐食。その村で巫女をしているスクーズ曰く、心の卑しい人間が多く住んでいる村。
ヘルヘームで生まれた子供は、一歳までは普通に育てられる。しかしそれを過ぎた子供たちは一度、村の定期会議で世界保護施設から来る研究員から品定めされる。
研究員は乳児の「血中マナ含有量」「血中マナ伝達量」を見て、身売りかヘルヘームの人身御供かを決める。それを調べるために、わざとマナを含んだ同じ型の血液を、乳児に注入する。そこで拒絶反応を示した場合は、一文にもならず親に返却される。その後最悪の場合は、その場で命を落とす。この選別から落ちた子供は殆どが、腹いせの為に虐待を受けて死に至る。そして、拒絶反応を起こさなかった乳児の中から「血中マナ含有量」「血中マナ伝達量」が一番高い乳児を人身御供に、それ以外は売買される。村ぐるみで行っている、タチの悪い闇市。
人身御供に選ばれてしまった子供は一度、世界保護施設に三歳まで預けられる。そこで投薬などをされ身体に異常なほどのマナを注がれ昏睡した状態で、ヘルヘームに戻される。その漏れ出してしまうマナを抑え込み、また村へ還元するために、氷の中に閉じ込める。そして子供をフヴェルゲルミルの泉の近くにある、氷の祠へ安置する。
ヒトの中で蓄えられたマナは死後、自然へ還元される法則を利用して、異常なマナを豊富に含んだ氷を溶かす。溶け出した氷は聖水に変わり、聖水が蒸発して気体になれば、マナが自然と漏れ出す。それを風に乗せてヘルヘームの村まで届けるという。
一時期その制度を廃止しようとした村長がいたが、村人たち全員の罠にかかり死亡。その村長はスクーズの父親であり、スクーズもろとも一家心中に見せて殺されそうになったが、スクーズには巫女ヴォルヴァの力があったため、村のシンボルとして生かされてしまう。
ギョール川
ヘルヘームを挟むように流れている。ニームヘーム側にある方には、昔は黄金で彩られた『ギャラ―ルの橋』がかかっていたが、心が腐り欲に目が眩んだヘルヘームの村の人間に目を付けられる。
村人の一人がそれを盗み売り捌くと、狩りの獲物とは比べ物にならない程の金を手に入れた。それが瞬く間に村中に広がり、一人、また一人と橋から黄金を剥いでいき、果てには少しでも傷がない状態で売りたいからと、敷き詰められている石をそのまま盗み出して売る人間まで出る始末。そのせいで橋は、美しさと荘厳さを失ってしまった。今現在ではすっかり見すぼらしい橋となっている。金がボロボロに剥がされ石膏の部分は丸見え。整えられていたであろうアーチは、かろうじて形を保っているようなもの。渡れる部分の一部はごっそりと抜かれ、大きな穴となっている。渡れないことはないが凄まじい荒れ様となり、金目になるものがなくなったからと、整備もされずに放置されている状態。
フヴェルゲルミルの泉
世界三大泉の一つ。別名『全てを癒やす奇跡の湖』運命の女神の一人であるウルズが棲んでいる。また、女神の巫女ヴォルヴァの一人であるヤクの潜在意識が、そこと繋がっている。またその泉には、ヘルヘームに伝わる古い言い伝えがある。
『フヴェルゲルミルの泉はノルズリに流るる全ての流水の根源である。其れに触れられるのは、女神に認められた継承者たちのみ。もし悪しき者、穢れた者が触れようものならば泉が怒りを叫ぶ。それは忽ちに沸き立ち、全てを飲み込む災厄となるだろう。残るのは癒しの泉ではなく、毒が蔓延る死の泉。災厄はそれだけに非ず。泉の奥に住まう黒き翼の龍が毒を啜り、禁忌を破りし者に裁きを下す。咆哮と共に銀の毛を持つ獣が、人々の前に現れる。彼らは、世界が終末を迎えるその時まで決してその爪を止めることはない』
この記述にある通り、女神の巫女ヴォルヴァまたは一般的な巫女ヴォルヴァ以外の欲に塗れた人物が泉に触ると、古い言い伝えである呪詛が発動する。黒き翼の龍はニドゥヘグと呼ばれ、いつもは泉の奥深くで眠りについているが呪詛発動と同時に目覚め、上陸することで泉を濁らせ異臭を放ち、空気も淀ませる。銀の毛を持つ獣はウルフと呼ばれている。また彼らは女神の巫女ヴォルヴァと巫女ヴォルヴァの眷属であるため、彼らの指示には従う。
泉の近くには、村人たちが勝手に立てた祠がある。ヘルヘームの人身御供にした子供を安置する時に、形式的にここに建てたもの。自分たちのしていることへの罪悪感を消すために建てられていたが、レイによって破壊される。
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