やあヌタ。
こんにちヌタヌタ。
私は……いや我は? まーどっちでもいいか。
私はヌタウナギのフレンズヌタ。
こんな陰気で闇の化身の如く蠢く深海から産まれたフレンズなんて、誰も近付きたくも無いヌタねぇ。
ヌタタタタっ、貴様。良い顔ヌタ。
そんな事ないよ!
→ここはどこ?
ふーん、善良ないち来園者だ。
だが深海のフレンズともあれば、お前の予測などお見通しヌタ。
ここはどこか何てお前には既に分かりきってるヌタ。
ジャパリパーク。聞き及んだ事もあるヌタ?
→じゃぱり、ぱーく?
どこだろう?
深い血の星を脳に溜め込んでいるから視えないヌタ。
血を自覚して受け入れるヌタ。
ここはジャパリパーク。
ああ、間違いない。そう言ってやるヌタ。
暗い……君の姿しか視えない……ふわふわする……
→君の事教えてよ!
私? 私の事なんて君はよく知っている。
深海のフレンズなんて皆一様に三者三様に無限窟に堕ちるような存在ヌタ。
常に日陰であり影であり、尚且……星ヌタ。
だから君はここに居るヌタ。
→なんだか掴みどころが無い性格だね
不思議な人だね
そりゃヌタウナギだからに決まってるヌタ。ヌルヌルと掴みどころも無いヌタ。
それに深海のフレンズなんて皆こんなヌタ。
どいつもこいつも宇宙を脳に同化させて、神秘を纏っているヌタ。
淀み無き観測が、唯一つの真実を映すように。
屈折無き闇が光を覆うヌタ。
→うーん、難しいなぁ
哲学?
ヌタタタタッ、まだ慣れていないだけ。
じきに君もなれる。
私は眼が悪いが君の人間面はとても良い催しとして観ているよ。
知っているヌタ? 深海は宇宙ヌタ。
私はその深海からやってきた……耄碌する神秘、撹拌された存在定理。好きに呼ぶといいヌタ。
じゃあヌタちゃんで!
→ヌタちゃん!
…………ふふっ。心地いい。
私の白い心にも静謐の波紋が広がるヌタ。
だからここに居る。
だからここに呼んだ。
脳の鍵をこじ開けて。真なる条理を超越してここに。
もう、血は濃くなった? 蒼い混沌はちゃんと混ざったヌタ?
→何を言ってるの?
??
私はヌタウナギのフレンズ。
狂気を孕んだ深海の生命体にして生命胎。
古代から変わらず混沌と共にあり、脳に宇宙を宿した謎の権化。
その性質、本質は……寄生ヌタ。
→規制?
寄生?
或いは、奇声。
君は知っているヌタ。
この空間、この朧なヴェールが何なのか。
時間を捻じ曲げる声を聞き届いたのは、君だけ。
深淵からの、呼声に応えたのは……君だけヌタ。
→??
おめでとう。
君は『宇宙《わたし》』に見初められたヌタ。
私が吸って混ぜた狂気の血は行き届いただろう?
耐え難い獣じみた感覚を感じたはずヌタ。
感覚器官が眼に視えないものを映し出す。
人は、神秘に触れて瞳を動かし脳を得る。
→そうか、分かった。血は……君そのものだ
知覚外を知覚しよう
冒涜を飲み干そう
存在を銀河になびかせよう。
つまるところ。
君はもう私の手を握った。人ならざるものになったヌタ。
言っただろう?
じきに君もなれる。
成れるって。
→知っていた、全部。分かった。
もう『ヌタ』なんて存在定理を確定させる小賢しい真似は必要ないね。
君の存在は、狂気の蒼い血で確定した。
気付いて?
気づいて?
気づいて?
眼はあるんだ、私を視て?
脳が……揺れる
→水が聞こえる
ああ。
やっと。君に触れられる。
冷たく深い闇の底からずうっと観ていた。
さぁ。
おいで。
おいで。
おいで。
こっちに、おいで。
獣もノケモノも居ようとする
この、揺らいだ粘性の夢に。
ヌタウナギ「はーい、ここで探索者はSANチェックでーす!」
来園者「くそー!!」
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