「うーん……こっちで良かったんだっけ……」
榊原 智紀
9歳
冒険好きな少年である
「ええっと……確かここに行けば……あれ?あれ?」
「……迷っちゃった…………おかしいな………」
なんと奥の奥に入っていく内に地図すら当てにならない場所に来てしまったようだ
「でもパークの奥ってこうなってるんだ………家の裏山とも違う……」
「………どう戻ろう」
(……!誰かがきた……)
人影を察知する鈴蘭
「おやおやぁ、だれでしょうか?」
「!?」
智紀は近づいていく人の気配に気づく
そして振り向くと………
「……き、きみは……」
(あれ…おとこのこ?)
(なんで?…どうしよう、このままじゃ、おにいさんたちに………)
(なんとかここから遠くにいってもらわないと……)
考える鈴蘭
「え、あの……」
(なんでこんな女の子がこんなところに………でも)
(かわいい……かも)
顔を赤くする智紀君
「……」
(あ、そうだ……たしかあの道ならおにいさん達に気づかれずに表に出れるかも……)
「えっと……」
「な、なにかな?」
「………ついてきて」
「あ、うん……」
鈴蘭ちゃんについていく智紀君
段々草も生い茂り、木のようになった雑草も増えていく……
「あの……きみはなんでここに……」
「………」
「…………」
(聞いちゃいけないことだったかな………)
「………」
鈴蘭ちゃんは黙りたくて黙ってるわけではない
(いっても………おにいさんたちに知られて……)
「…………」
言いたくても言えない……
智紀君に事情を話したところで、「おにいさん」たちに狙われる可能性があり
危害が及ぶ可能性がある。
ぐっと噛みしめる
「………」
「………あの」
「……かわいい………ね」
「………え」
まさかの(ある意味での)不意打ちを食らった鈴蘭ちゃん
歩きを止めてしまった
「…………」
「………な、なんでもない!!」
「…………」
再び歩き始めた
「……ここをいけばでれる」
「……うん、ありがとう」
「………」
無言で鈴蘭ちゃんは立ち去って行く………
「…………」
「………」
(かわいいって言われたの……はじめて、かも……)
顔を少しだけ赤くした鈴蘭ちゃんであった
あの後、知っている道に出た僕は
なんとかお父さんたちが待つホテルに戻ったんだ
まだ夕暮れ時だったから、特に何も言われなかったけど
父さんから「おお、いかにも冒険して不思議なことを発見した顔だな」と言われてしまった
確かに不思議だったけど………
(あの時のかわいい女の子……)
(どこかで見た気がするけど………)
「また、会えるかな………」
窓の外を見ながら呟く智紀君であった……。
続く…?
Tale制作・「榊原智紀」キャラクター設定・・・ダイヤモンド
「鈴蘭」キャラクター設定・監修・・・sakamata
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