抜けない剣

ページ名:ユーリノ_カリバー

「待て待て~!」

「ふっふーん、追いつけるものなら追いついてみろ~!」

 

緑の地に灰色の横縞のフード付きパーカーを来たフレンズを、二本角のフード付きパーカーを来てライフルを背負ったフレンズが追いかけていました。

どうやら追いかけっこをしているようで、二人は仲良しみたいです。

 

「......ん?」

「つかまえたぁっ!」

「うわぁ!?」

 

緑の子が何かに気付いて止まってしまい、ライフルの子に捕まってしまいました。

 

「ふっふっふ~、私も負けてないでしょ!」

「んもぉ、あれが気になったから止まっただけだよ!」

「あれって?」

 

緑の子が指差す先には、棒状の何かが地面から伸びていました。

 

「ほんとだ、何だろあれ?」

 

 

近づいてみると、なんとそれは「岩に刺さった剣」でした。

まるでおとぎ話や伝説に出てくる勇者の剣みたいですが、刺さっている剣は派手な装飾は特にないようなものでした。

 

「これ...武器かな?」

「ヒグマさんの熊手みたいな?」

「うん、きっとそうだよ! 誰かの忘れ物かも!」

「じゃあ届けてあげなきゃ!」

 

ライフルの子は柄に手をかけて引き抜こうとしますが、

 

「ん~~~っ...!」

「...どうしたの?」

「何これ、全然抜けない!」

「本当? ちょっと代わって......ふん~~~~ッ!」

 

「...ね?」

「固い......すごいねこれ...力持ちのフレンズなら抜けるかな?」

「どうだろう...?」

 

そこで二人のフレンズは辺り一帯を半日かけて歩いて回り、力持ちそうなフレンズを一人見つけました。

背の高いフレンズで、所々破けたウェットスーツのようなものをプロテクターの下に着ています。

 

「これなんだ!全然抜けなくて...」

「よーし任せろ!こんな程度......フンッ...!」

 

背の高いフレンズは力を込めて引き抜こうとしますが、

 

「ん...!? ちょっと待てよ、ぬおぉぉぉぉぉ~~~~ッ!!!」

 

 

「...あれ?」

「だ、ダメだこれは...固すぎる!岩そのものを引っ張ってるみたいだぞ...」

「そっかぁ...どうしたら抜けるのかな...」

 

 

「...あ、もう太陽が沈んできてる!」

「んー、じゃあ明日にしよう!」

「おう、気をつけて帰れよ!」

 

背の高いフレンズは二人が帰った後も、しばらく剣を引き抜こうと踏ん張っていましたが、とうとう抜くことは
できませんでした。

 

「くっそぉ...どうなってんだこれ......ん?」

 

文句を言いながら後ろに回り込んだ背の高いフレンズは、刺さっている岩に薄く文字が彫られているのに
気がつきました。

風化しており、文字がかすれて読みにくいです。

 

「何々...ミ...トの騎...ニー、こ...眠...?
 なんて書いてあるのかさっぱりだな...」

 

 


Tale あぽかりぷす・おぶ・ジャパリパーク

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