Aと (士)

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K博士「そうか」

魅来『残念ね、貴女の軽率な行動が……全てを失わせたのよ』

K博士「いや、君は本当に可哀想だ」

魅来『……?何を言っているの』

K博士「魅来の家は君という万が一のバックアップを利用したんだろうが……君には君の人生があっただろうに」

魅来『その代わりに、あの家は私の願いを叶えてくれたわ』

K博士「だろうね、だから君はかわいそうだといったんだ、その程度の押し付けがましい善意のせいで君は窮屈だ」

魅来『私は、私の意思でここにいる』

K博士「だったら、そう思ってるなら……ちゃんと目を見て話しなよ魅来くん、スマホの画面に私はいないよ」

魅来『……っ!? どうして私の行動を』

K博士「ほら、私って天才だから。ちょっとした推理さ」

魅来『だからなに!貴女のお仲間は今頃殺されているのよ!』

K博士「そもそも、それさえ怪しい。相手は巨大な施設、相手取るには強大すぎる企業だ、特攻覚悟の奴らで果たして攻略できるのかい?」

魅来『だからこそ完璧な作戦を立案し、確証があるからこそ潜入させたのよ』

K博士「それが本当にしろ、私を弄する虚言にしろ、君は一つ大きな間違いを犯してしまった。やってしまったねぇ魅来くん」

魅来『なにを……言って……』

K博士「あははは! 大部隊でないんだろう、数人の少数精鋭、事前に見つかるか見つからないかのギリギリのラインを攻めたんだろう?」

K博士「ナメすぎだよ。彼ら彼女らを。不具合を。ほら、チャンネルを繋いでご覧。現地の声を聞いてご覧よ」

魅来『阿鼻叫喚の地獄が……そこに』


『ほ、報告します!!弾が!銃弾が全く通用しません!!』

『神よ!!我が体躯は貴女の為に!!全ては美しき未来の為に!野性解放を!救済を今ここに!!』


K博士「君達はちょっと間違えていたね」


『ば、化物が……!なんで死なねぇんだよ!!』

『あは。ただ死ぬだけの凶器で死ねたら苦労しませんよ――――野性解放(ハレルヤ)』


K博士「いかに完璧な作戦でも間違いはあるものさ」


『なっ!?閉じ込められていま、急に扉が閉まって!!』

『あーあ、遂にパークにハッキングだよ。どー言い逃れする?』

『管轄外だ。我のプラン通り追い込んだだろう、さっさと無力化せよ』

『クク……我の貪欲なる9999該の能力(アビリティ)その一つ!とくと披露(イマジネーション)しようか!』


K博士「なに、そんな複雑な間違いじゃない。簡単だよ」


『ま、待て!俺は味方だ!!何故銃を向け……ガっ…!』

『フン!やはり筋肉は正義だな!絞め落としにはぴったりだ!』

『結構変装とは通用するものですね。嬉しいにぃ☆』


K博士「君達は私達を、頭のネジが外れたのけもの達を見くびりすぎたんだね」


『グ、がぁああああっ!!』

『おねーちゃん、ギターって人を殴る為じゃなくない?』

『これも私の音楽だ!さぁ今からライブするぞ!不具合の奴らも手伝え!!』


K博士「――――あぁ、本当に」


『私をこうやって囲っても、何をしても……その凶器を仲間に、大切な人に向けるなら』


K博士「世界はなんて、面白いんだろう!」


『かつて世界を蹂躙したこの力で『絶滅』させましょう――――野生開放』

 

魅来『くっ……な、なら、だったら!!!!貴女だけでも!!!!』

K博士「あっはっは!そういう事じゃないんだよねぇ」

魅来『システムダウン!?そんな……こんな時に!?』

K博士「もうダメー、そのシステムは根幹からぶっ壊しましたぁー!」

魅来『ふざけないで!一瞬もそんな動作もなく!』

K博士『でも私を連行する時、いくつかモニターや重要そうな機械類通り過ぎたよね?コントロールパネル的な』

魅来『そ、そんなの不可能よ!!人間じゃない!あの一瞬でクラッキングなんて!!』

K博士「だから私は天才なんだ。私に不可能は無いんだよ魅来くん、現代技術も便利になったものだね」

魅来『き、規格外すぎる……!!でも、だったら私が直接――――』

K博士「そろそろかな?」

魅来『な、何……何が起きてるの……貴女……なんで』

魅来『厳重に何万通りのセキュリティ!!並行感覚を失わせ思考も鈍らせる薬の貸与も!何十人にも及ぶ監視体制が!!』

K博士「それが明確な君達の失敗だよ」

 

K博士「単純に、天才二人を敵にまわして勝てるワケないだろ?」

民川はなび『そういう事だ。寝起きに質の高い準備運動をありがとう』

 

魅来『くっ……その銃をおろしなさい、私の…………負けよ……』

民川『どうするー?』

K博士「とりあえずコッチ連れてきてー」

民川『ほーい。おら!早く歩くんだよ!』

魅来『(……拷問か、暴力か……どちらにせよ、これが私には相応しいわね)』

K博士「マダカナー」

民川「来た!久し振り!」

K博士「おひさ!ではまず、その魅来くんを目の前に」

民川「はい」

魅来「……くっ」

K博士「次に、はなびちゃんを殴りますオラァッ!!」

民川「なんでぇ!!?」ズザァ!

魅来「世紀の頭脳があああああああああ!!!?」

K博士「次に、はなびちゃんを殴ります」

民川「待って!確かに心配させたのは謝」

K博士「はよ貸した漫画返せやぁああああああああ!!!!!」

民川「そっちかぁああああああああああああ!!!」ズザァッ!!

K博士「私は借りパクを許さない」

魅来「ちょ、やめなさい!漫画くらい買い直せばよかったでしょう!?」

K博士「純粋に奴に返してもらえないという事実が私にとって屈辱だったからセーフ」

魅来「アウトよ!!」

民川「ねぇこの人、私監禁したのに私かばってて怖い……」

K博士「たぶん好きの裏返しだよ……」

魅来「違うわよ!!」

民川「嘘つくな!!自分に正直になりなさい!」

魅来「この上なく正直だけれど!?」

K博士「このおでんの煮玉子が!!恥を知りなさい!」

魅来「意味が分からないわ!?」

K博士「私も意味がわからん。でも一応みんなを危険な目にあわせたし怒っておこうかと」

民川「あーそういう季節だもんねぇ」

魅来「頭が……頭がおかしくなる……」

民川「ところで不具合ってなに?」

K博士「教えてやんなーい!」

民川「はぁ??許さん武力行使も辞さない」

K博士「逆ギレだ……いい年こいた大人が逆ギレしてる……」

民川「ずっと植物状態だったからまだ子供ですぅ」

K博士「サンタさんって実は大人なんだよ」

民川「いや当然でしょ」

K博士「ねー魅来くーん、このガキ可愛げがなーい」

民川「ねー魅来ちゃーん、この人子供のまんまで精神おかしーいー」

魅来「離れなさい!二人共それぞれやるべき事があるでしょう!!」

K博士「漫画返せやああああああああああああああああ!!!!」

民川「記憶にこざいませんけどおおおおおおおおおおお!!!!」

魅来「そうじゃないわよ!!K博士はパークの仲間に連絡と今後についての方針立て!民川はなびは一度博士に匿ってもらいなさい!一時期は身を潜めておかないと貴女の頭脳が再度狙われるわよ!」

K博士「えー、こいつ来るのー?」

民川「おじゃましまーす」

K博士「じゃあ魅来くん、車だしてー」

魅来「もう分かった!分かったからひっつかないで!!しゃんとしなさいよぉ!」

K博士「よっしゃ言質ゲット!!君の『不具合』入りを歓迎しよう!!」

魅来「はぁ!?私は貴女の敵で」

K博士「えーでも私天才だし知らないけど」

民川「はなびもそう思う」

K博士「あのクソみたいな家にいるのがいいか未来ある我らと共に来るか!選べ!」

魅来「で、でも私は……」

民川「レッツゴー!」

K博士「おー!!」

魅来「どうして先行するのよ!分かったわかったから勝手に動かないで!」

K博士「そうだ、途中コンビニ寄ってね!お菓子を所望するよ!」

民川「でないとここを爆破する」

K博士「天才をナメるな」

民川・K博士「「我々は本気だ」」

魅来「仲いいのか悪いのかどっちなのよ……」

K博士「あははは、ようやく毒気が抜けたようでなによりだ」

魅来「……これから大変ね」

K博士「やるべきことが山盛りだ。たくさん隠蔽してたくさん偽装してたくさん謝罪の言葉を考えなきゃ、我らの頼もしい仲間達は人の命は奪っていなくても、たくさんの痕跡や証拠を残しているだろうからね」

魅来「……えぇ」

K博士「ま、なんとかなるさ。天才に任せ給え」

魅来「なるべく、頑張ってはみるわ……お手柔らかに」

民川「私も楽しみだなぁ!」

K博士「あぁ素晴らしく楽しいところさ! では、魅来くん、はなびちゃん」


K博士「Welcome to ようこそジャパリパーク! 今日も明日もどったんばったん大騒ぎだ!」

 


Tale

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