少女研究者とお嬢様

ページ名:少女研究者とお嬢様

ここはジャパリパーク動物研究所、アニマルガールや動物の研究を総合的に担当している所である。
そのエントランスに少女とそのお付の執事がいた。

「急なお願いで申し訳ありません…」

この方は石田、執事である。

そして

「どんな研究をしているのか楽しみだわ……」

この子はアメリカの日系財閥として有名な斎条財閥の御曹司「斎条 水咲」……ではなく「ユートリアム・斎条」
11歳くらいの女の子である。

「いえいえ、こんな小さい子が研究について興味を持ってくれるとは……将来は大物になりそうですね」

広報局の案内役がそう呟く

「大物になりそうじゃない、大物になるのよ!そしてジャパリパークをまるごと買収するわ!」

「そのための下調べよ、今は」

「左様でございます、お嬢様」

「こりゃ本気で買収しそうだな……まあともかく案内させていただきます」

「頼んだわ」

「ではまず1階から………」

 

 


「というわけでありまして、第4研究室ではこのようなことをしております」

「お嬢様、どうでしょう?」

「ふん、なんの発展性もない研究じゃない……つまらないわ」

「こりゃ手厳しい……」

案内役の人も苦笑いする

「最後まで見るのは時間の無駄ね…」

「お嬢様、どんなことでも最後まで見るのは大人としては大事ですよ」

「わかってるわよ……」

「というわけで案内の方、次をお願いします」

「わかりました、次は第3研究室です。」

 


「全く、財閥の御曹司か何かは知らんが急にここを見学したいと来たか」

「はぁ……」

宮本総悟、第3研究室の室長

「室長、せめて見学者相手にはきちんとしてくださいね?この前の一般公開はひどかったんですから」

そしてこの少女はシャーリィ・K・クラーク
11歳にしてハーバード大学卒業のエリートにして研究者であり
第3研究室主任を務めている。

「はいはい……」

コンコン

『案内役の鈴木です、通して宜しいでしょうか?』

「ああ、いいぞ」

「では…」

ガチャ

「失礼致します……」

「ふんっ……」

「ここが第3研究室です」

「いかにも整頓できない研究者の部屋ね…」

(あの子がユートリアム・斎条?……私とあまり変わらないかも…)

「私がこの研究室の室長の宮本総悟です。そして……」

「そして第3研究室の主任研究者のシャーリィ・K・クラークです、よろしくお願いします」

二人が挨拶する

「ん?ここって子供連れこんで研究できるのかしら?」

開幕一発目でこれである。

(む…)

「いえ、この方は……」

石田が解説しようとすると……

「私はこう見えてもハーバード大学卒の立派な研究者です!」

先程の発言にイラッと来たのか強く言うシャーリィ

「お嬢様、この方は9歳でハーバードを卒業した本物の天才少女です」

すかさず石田が解説する。

「ふーん……まあいいわ、早く研究内容教えて」

「では宮本さん、頼みます」

「ああ…ではまず……」

 

 

「ということを経て、このことを今は研究しています」

「以上です」

研究の発表を終える宮本室長

「どうでしょうか?お嬢様」

石田が尋ねる

「どうもこうも……やっぱりどの研究室も面白みが欠けてるわ」

「そもそもこのDAの案は……」

(………………)

「あとこの研究内容も………」

「………斎条さん、一ついいですか?」

シャーリィが話し始める

「何かしら?」

「そもそもあなたの知識が間違ってます!」

「!?」

「!?」

「………」

案内役の鈴木さんと宮本室長が驚く
一方執事の石田は黙っている。

「な、なんですって!?」

「そもそも333のモノはすでに78の研究で否定されてるし」

「77のモノは1000通りの実験の結果、ただの空想と認定されましたし!」

「おい、シャーリィ」

「室長は黙ってて!」

宮本室長の制止すらはねのけるシャーリィ

「じゃあサンドスター・Vの法則はどうなのよ?」

「あれはすでにQの法則で覆ってます!」

「でも……」

「事実です!」

「…………」

しょんぼりするユートリアムさん
そのままシャーリィの怒りの会話突撃(?)が続いていった……

 

 

数時間後

「というわけで、サンドスターのこの理論は覆ったのです」

「へー……だったらあの法則も覆ったってことなの?」

「いえ、あの法則は一部は間違っていましたが、大部分はそのまま通用したようなので引き続き正しいとされています」

「なるほど………」

シャーリィの怒りも薄れ、ユートリアムもいつの間にかシャーリィの話を聞き入れていた。

「お茶のおかわりです、どうぞ」

「石田さん、ありがとうございます……」

一方案内役の鈴木と執事の石田と宮本室長はお茶を飲んでいた。

「すみません、うちのシャーリィが……」

「いえいえ、お嬢様にはこれくらいの活がたまには必要ですから……むしろ助かりました」

「お嬢様にはあれくらいの友達もいませんし……やはりここに来て正解でしたな」

「石田さんまさか……それのために……」

「いえいえ、私は特に………」

「ですが、こうして同年代の子と交流するお嬢様を見ると……この石田、感激いたします」

 


「おっといけません、もうこんな時間です」

時計の時刻は午後7時を指していた

「お嬢様、ホテルにお戻る時間が……」

「仕方ないわね……じゃあねシャーリィ、また会いましょう」

「ええ、ユートリアムさんもまたどこかで……」

(やれやれ……)

宮本室長は心の中でそう呟いたのであった。

終わり

作・ダイヤモンド


Tale

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