20██年█月
今日、パークの職員とPROTECの職員がやってきた。
フレガータ号からサンドスターの反応があったとか言っていた。何を言っているんだ?
モビィに反応したんだろうが、念のためフレガータ号のサンドスター除去を徹底しろと言われた。 ...フレガータ号がおかしいとは思えない。変にこういう事が漏れると人が減るんだから勘弁してほしい。
20██年█月
最近はフレガータ号の調子がいいらしい。 整備士曰く、故障個所や要修理箇所がここの所全くないのだとか。
嬉しいと言えば嬉しいが、あんまりにも調子が良すぎると気味が悪くもなる。
20██年█月
調子がいいと思ったらこれだ。
どうも操縦系統がおかしい感じだ。遊覧飛行をしていると時々、すごい微妙にだが勝手にヨーイングがかかる。
垂直尾翼の問題か、操縦桿か...一度しっかり調べないとな。
20██年█月
特に問題はなかった。 妙だと思ったが操縦系統の点検をしてからヨーイングはなくなった。
何だったのかさっぱりだがまぁいいか。
20██年█月
始めてデカいセルリアンを見た。モビィと彼女の友達のフレンズ達の尽力で倒せはした。
この事は口外できないらしいからここにだけ記しておく。
20██年█月
セルリアンによる死亡事故の影響で、パークは一時休園になるらしい。
遊覧飛行もしばらくお預けだ。...ま、許可をとりゃ自費で飛ばす分には構わないだろうが、だいぶ寂しくなるな...。
20██年█月
信じられないことが起きた。
前に書いた通りの、申請しての飛行をやってみた。
まず飛び始めて20分くらいで気づいたのが、燃料メーターが減ってなかった事だ。
これでは残量が分からん、という事で引き返そうとした...んだが。
突然フレガータ号が操縦を受けつけなくなった。
もう頭真っ白だ。最新鋭の旅客機のオーパイがぶっ壊れたとかならまだしも、コンピューター制御なんて全く突っ込んでいないこの機体でそんな事は起こりえないはずなんだよな?
全員大混乱と恐怖に呑まれそうになった。
ただまぁ、操縦を受け付けない以上何もできないから進路を見ていたら、真っ直ぐサンドスター火山に飛んでいくんだ。
なにが目的なのかサッパリわからない。
...そこから見た事は、もう想像を絶するモンだった。
まず、火山の上空を見た事もない、超デカい全翼機みたいなのが飛んでいた。
B-2なんか比じゃない、ものすごい大きさだ。
そこで気づいたのが、フレガータ号が3000mの高度で飛んでいる事だ。最早スペックすらあてにならない。どうなってるのか意味不明だ。
それと...いつもは寄ってくる鳥のフレンズ達が、全く寄ってこない。
いつも見る空の景色じゃなかった。正直現実なのかと思ったよ。
...最終的に、最後まで操縦こそ受けつけなかったが帰ってこれた。
だがもう全員疲れ切ってたし、何よりフレガータ号はもう普通の飛行艇じゃない。 こいつには何かある。
当分フレガータ号は飛ばさない事になった。
20██年█月
一体何年ぶりかわからないジャパリ群島、リウキウエリアだった。
あの災厄を生き残ったフレンズ達に案内された。 建物の多くは爆撃で吹き飛んだり、ボロボロの廃墟だったが、フレンズ達がまだ使ってる施設は割合綺麗だった。
そして、モビィもいた。 無事だった。
フレガータ号も、残っていた。
...だが、俺の知っているフレガータ号ではなかった。
全身が影のように黒く、コックピットの窓があった辺りに目があった。
なにより自我を持ち、海上を気ままに動き、時に離水して飛んでいた。
モビィ曰く、あれは俺たちがパークを去った後でああなったそうだ。
どうしてなのかフレンズには襲いかからず、それどころか周辺のセルリアンを叩きのめして守ってくれているらしい。
...しばらくそこで過ごしたが、最終的に俺たちは島を離れることにした。
ここにいる理由はない。 モビィもそれで納得した。
フレガータ号と、これからもここで暮らすそうだ。
この島はもう、人の暮らす島じゃない。
俺たちは俺たちの住む場所を探す。
フレガータ...島を、頼む。
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