第3話 行動開始!

ページ名:正義と共に

「で、今日はどこに行くんだい?」

ふと、エトランゼさんが俺に聞く。

「え?」

「え?って言われても...君たちは修学旅行でここにきているんだろう?」

「あ、ああ、そういう...」
「今日は...ホートクエリアの見学...だったはずです。」

「明日もね。」

咲良が補足する。そう言えば、パークは結構広いから何日かかけてそのエリアを回るんだった。
と、そこに...

「んもー、来るなら来るって言ってよー、心臓止まるかと思ったじゃん。」

Athenaが階段から降りてきた。

「ふふ、悪かったね。」

「全員揃ったみたいだし、行きますか。」


ホートクを移動するルートは特に決めていなかったので、Athenaに任せることにした。
LAS支部は、『オクバネ山脈』と呼ばれる山の中腹辺りにある。そこから、北の方向に下っていくと大きな湖が見えた。

「さ!ついたよ!!ここがフレンズ憩いの場でも有名な『アニマル湖』だよ!」

「おぉ...!」

「綺麗...!」

「すげー!あれ、泳げんの?!」

と、各々が声を上げる。...ん?

「おいまて優斗、お前マジに言ってんの?」

「あははー、まさかそんな」

とは言ってるものの目がガチだ。いやいや、今12月なんだけど。

「そういえば、なんでAthenaはここを最初の目的地に選んだの?確かに綺麗なところだけど。」

Athenaは唯の質問に対し、少し違和感のある態度でこう答えた。

「ん...まぁ...目的地って程でもないけど...山中だし歩き疲れてきたでしょ?次のバス停までもう少しあるし...」

あぁ、つまりは休憩の場所として選んだわけか。
...? なんか...今のAthenaの態度、彼女らしくないような感じがしたのは気のせいだろうか。

「鋼夜君、ちょっといいかい?」

後ろからそっと、エトランゼさんは俺に耳打ちをした。

「あ、はい...?」

俺たちはみんなが休憩してる場所とは反対側に移動し、そこで話をすることになった。

「で、話ってなんです?」

「まぁ大したことじゃないんだが...先ほどのAthenaの様子、違和感を感じなかったか?」

「違和感...ですか?確かにいつもと違って辛気臭い感じはしましたけど」

「ふむ...やっぱりか...」

「あの、どうかしたんですか?」

「...」

エトランゼさんは結局、僕の質問には答えてくれなかった。
ふと、みんなのほうを見るとAthenaがいない。

...もしかして、エトランゼさんとAthenaが俺たちに同行してる理由って...


 

アニマル湖付近、とある木々の中___

 

 

(...ルナ......)

(君の意志は...私が...必ず......だから、それまで.........)

Athenaは、一本の木の下にカントウヨメナの花束を置いた。

「およ?捨てちゃうんですか?」

長い耳を持ったフレンズがAthenaに話しかける。
Athenaはその姿格好に驚きつつも、こう返す。

「い、いや、捨てたわけじゃないよ!ただ...」

「ただ...?」

「...私の友達に対するメッセージみたいなものだよ」

「そうなの...あ!私!トウホクノウサギのバジル!よろしくね!!」

「ふふっ、私はAthenaだ。よろしくね!」

「もー!どうして笑うの?!」

「いや、あまりにも私の友達そっくりでつい」

「なにそれー!」

二人は笑いあっていた。

私達は、いつまでも笑いあえるだろうか?
 


Tale

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