防衛省旧硫黄島保存施設「イオウミューじえいム」(Iwo-ex-island JSDF Museum)は、東京都ジャパリ群島特別区ホッカイエリア旧硫黄島地区に所在する防衛省の施設です。
旧硫黄島は、ジャパリ群島の隆起に伴いその島としての姿を広大な陸地へと変容させました。
島のあった場所は、太平洋戦争で沈んだ軍艦や航空機、そして数多くの人のなきがらが眠っていましたが、海岸線の後退とともにその姿が目に見えるようになりました。
当施設は、当時の遺物や遺構、そしてこれまで自衛隊で使用されてきた装備を保存・継承し、平和の尊さや人間の愚かさとそれに対する尊厳を後世に伝えるために、海上自衛隊硫黄島航空基地のあった地区を改装して設置されました。(これに伴い、海上自衛隊は硫黄島航空基地を廃止し、新たにリウキウ航空基地を設置しました)
施設
硫黄島ヒストリカルロード
硫黄島の歴史を、順を追って解説する施設です。展示品は太平洋戦争時に実際に使用された装備品や携行品、復元品などです。最大の見どころは、アメリカ軍が使用していた上陸艇と、その周辺の壁面に投影された硫黄島の戦いの再現映像です。
硫黄島ヒストリカルロードを抜けると、旧硫黄島航空基地の管制塔が正面に現れます。
旧イオー・タワー
旧硫黄島航空基地に存在していた管制塔です。イオウミューじえいムのランドマークになっていて、壁面には「硫黄島 IWO TO」と書かれています。この建物に接続して、航空自衛隊の飛行場管制シミュレータとレーダー管制シミュレータが設置されています。
自衛隊パビリオン
イオウミューじえいム最大の展示面積を持つ施設です。陸海空自衛隊の歴史や古い装備品を展示したり、実際に自衛隊の様々な職種の業務を体験できるコーナーなどがあります。
陸上自衛隊ゾーン
陸上自衛隊の装備品が展示してあります。実際の戦車やヘリコプターを改造した操縦シミュレータがあり、また、光線銃や水鉄砲によるサバイバルゲームフィールドも設けられています。
海上自衛隊ゾーン
海上自衛隊の装備品が展示してあります。現在最新鋭の航空機搭載護衛艦かつらぎ型の離着艦や、大深度再現プールによる潜水艦の操艦などの体験コーナーも充実しています。
航空自衛隊ゾーン
航空自衛隊の装備品が展示してあります。実際の戦闘機や輸送機などを改造した操縦シミュレータ、防空指令所を簡易化した防空戦闘シミュレータ、国土交通省航空局監修の航空管制シミュレータなどがあります。
隊メシ食堂
自衛隊各基地等で出される食事を再現し、提供しているフードコートです。週替わりで様々な基地等のカレーライスを再現して提供したり、携帯糧食や非常糧食の試食会を実施しています。
滑走路広場
旧硫黄島航空基地にあった滑走路は、度重なる火山活動や地震により、航空機の運用に耐えられなくなり、硫黄島航空基地廃止の決定打となりました。しかし、当施設を建造するにあたり、この立派な滑走路を残し、空に思いを馳せてほしいという隊員の願いにより、滑走路を修復し、憩いの広場として開放することとなりました。
航空機の運用には耐えられませんが、普段立ち入ることのできない滑走路を自由に歩くことができます。また、夜間は実際に硫黄島航空基地で使用された飛行場灯火を点灯し、昼間とは違った一面も見ることができます。
飛行場灯火は、飛行場灯台(ABN)を除く全ての灯火が再現されています。時刻と営業時間に合わせて点灯又は木戸の調節を行います。
慰霊碑
太平洋戦争中、硫黄島の戦いで命を落とした全ての霊を慰め、平和への誓いを新たにするための碑です。あわせて、靖国神社の分社も存在し、参拝することができます。
立入禁止区域
旧硫黄島周辺には、太平洋戦争時に使用された弾薬が不発弾となって数多く存在しています。現在はそのほとんどの位置が判明していますが、処理が完了するまでの間、当該位置周辺は民間人・アニマルガールについてはもちろんのこと、特別に任務を付与された自衛官以外の自衛隊員でさえ、立ち入ることはできません。また、未だ判明していない不発弾がある可能性もあるため、落ちていたり埋まっていたりする金属製品については、それを発見したら速やかに、最寄りの自衛隊事務所に連絡してください。
追記
不発弾が突然爆発する事象が発生しました。犠牲者・負傷者や破損物はありませんでしたが、立入禁止区域への侵入をより厳に防止するため、現在コンクリート壁の建造が進められています。壁は同時に展示品の掲示にも対応できるものになる予定です。
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