かつて誰かであった何か[CEL-2-███~███/QAA]

ページ名:あるいは見知らぬ帰り人

CDCより注意

以下の資料は欺瞞情報「英雄たちの凱旋」を用いた隠蔽ののち
要監視団体の防衛省・自衛隊より提供された文章です。
この理由によりこの資料の正確性は保証できません。
加えて安全上の観点から資料の一部を黒塗りしています。
これらはCDCへの要請が許可され次第要請者へ開示されます。

また、このセルリアンをCDCでは以下のように分類しています。
管理番号: CEL-2-███~███/QAA
種別名: Quod aliquando aliquis
世代区分: 第
2世代
脅威度:
1(低脅威/隠蔽可能/駆除可能)
 


指定特殊生命体セ号-6に関する資料

 

 1.概説
指定特殊生命体セ号-6とは、小笠原諸島特別指定区域「ジャパリパーク」に出現する特殊生命体を指す。
この生命体は同施設運営社ではセルリアンと呼称されており、この資料内において特に指定のない場合セルリアンはセ号-6を指すものとする。

 

2.指定特殊生命体とは
指定特殊生命体とは、小笠原諸島特別指定区域「ジャパリパーク」に存在する未知の性質を持つ物質により発生するものである。この生命体は過去にも確認されており大量発生における「ジャパリパーク」の一時閉鎖は一般に"女王騒動"と呼ばれている。指定特殊生命体は有機物・無機物を問わず吸収しそのコピーを作り出す能力を持つ。
指定特殊生命体の性質は2種類が確認されており、形質を保存するものと性質を保存するものの2種類である。
前者は取り込んだものの形を保存することに特化しておりその能力と取り込まれたものの能力は一致しない。
後者は取り込んだものの取る行動を保存する傾向が強く、その見た目は取り込んだものと必ずしも一致するものではない。
いずれも銃器などにより対応可能であり、目下重大な脅威と判断されていない。

 

3.指定特殊生命体セ号-6とは
指定特殊生命体セ号-6は発見者の間では"英霊"と呼ばれている指定特殊生命体である。このセルリアンはジャパリパーク運営会社では「かつて誰かであった何か」と呼称されている。


4.セルリアンについて
指定特殊生命体セ号-6"英霊"は小笠原諸島特別指定区域近海より発生し同区域に存在する空港・港へ帰港するものである。
セルリアンは時代を問わず船舶・航空機の姿で発生し以下の行動を取る。
一.発生地点より「ジャパリパーク」へ向け1ノット未満の速度で接近する
 付記: これまでに確認されたどの個体も発見時には既に「ジャパリパーク」へと向かっており、セルリアンがどのようにして自身の位置と「ジャパリパーク」の位置を把握しているかは未だ以て判明していない。
二.「ジャパリパーク」を視認可能な距離へ近付くと信号による接触を試みる
 付記: この信号は手旗信号・発光信号・モールス信号・████が確認されている。とりわけ████について、セルリアンがどのようにこの信号を再現しているか不明である。
三.「ジャパリパーク」の反応如何に関わらず増速し、最寄りの空港・港へ帰港しようとする
 付記: この際セルリアンの着陸・着岸を阻止しようとすることは現在禁止されている。詳しくは次項における実験結果を参照すること。
四.着陸・着岸後即座に消滅する

 

5.接触記録及び実験とその結果
20██年: セルリアンとの初接触。これはジャパリ・インコーポレイテッドより提供されたデータであり完全性を保証するものではない。
20██年: 二度めの接触。海上自衛隊所属の哨戒艦がこれと接触、発光信号による以下の文を受け取る。

『ワレ ミナトヲミウシナエリ
 キカンニヨル ユウドウヲモトム』

対処とその結果: 哨戒艦にセルリアンへ以下の返答を行うよう指令する。
『貴艦の所属を述べよ。安全が保証されない限り港への誘導は不可能である』
結果: セルリアンは『フメイデアル ミナトハドコカ ユウドウヲモトム』と返答する。以後『ミナトハドコカ』『ユウドウヲモトム』の信号を繰り返す。哨戒艦にはこれを無視するよう指示、「ジャパリパーク」へより接近するようであれば物理的手段を以て阻止を許可する。
6時間27分後、当該不明艦が「ジャパリパーク」の港を発見し航路を変更後増速する。協議の結果、体当たりによる強制的な航路変更を許可し哨戒艦に実施させる。以下の文はその後当該不明艦より発せられた発光信号である。
『ワレニ テキイナシ ミチヲアケヨ』
セルリアンは以後も港への接近を試みたため哨戒艦による体当たりが行われる。結果、セルリアンは崩壊し消滅。以後、このセルリアンをセ号として記録する。

20██年: ジャパリ・インコーポレイテッドよりセ号がセルリアンと呼称されていることが開示される。

20██年: 三度めの接触。セ号との接触により哨戒を行っていた航空自衛隊所属機が航空機型セルリアンと接触する。これをセ号-2とする。セ号同様████による文面が送られる。以下はその文面である。

『当機機器不調により帰投地を失えり。貴機に誘導を要請する』

対処とその結果: 哨戒機に以下の文を返答させる。
『了解した。当機に続け。なお灯火管制中につき誘導灯は消されている。当機を見失わぬよう留意されたし』
これに合わせ「ジャパリパーク」航空自衛隊ホクリク基地の明かりをすべて消しセ号-2を誘導し着陸させる。着陸後セ号-2は痕跡を全く残さず即座に消滅。このため事後調査は行えなかった。

20██年: 四度めの接触。接触した自衛艦搭乗員による写真解析の結果、当該セルリアンは██型駆逐艦と酷似していることが判明した。これをセ号-3とする。セ号-3より以下の電文を受け取る。

『キカンノショゾクヲノベヨ コチラニテキイハナイ キカンニヨルスミヤカナルユウドウヲモトム』

対処とその結果: 要求を無視しセ号-3へ体当たりを行う。セ号-3はセ号同様崩壊し消滅する。

20██年: 五度めの接触。セ号-3に酷似した船舶(セ号-4とする)が哨戒にあたっていた海上自衛隊所属艦に接近する。
対処とその結果: 哨戒艦を停止させ、あえてセ号-4との衝突を許可し経過観察を行う。結果哨戒艦は██████し、██。セ号-4は「ジャパリパーク」████港へ着岸し即座に消滅。以後、セ号との物理的接触は禁止された。

20██年: 六度めの接触。セ号-4での事案により警戒状態となっていた航空自衛隊は早期警戒機を哨戒に当たらせていた。これがセ号-2とは違う機影を持つセルリアンを発見する。当該機をセ号-5とし、要撃編隊の発進要請を行う。
早期警戒機による発見時既にセ号-5は「ジャパリパーク」へ進路を取っていたため、要撃編隊はセ号-5に進路の変更を求める。以下の文はその際セ号-5より送られた電文である。

『邪魔をしないでくれ もう少しだ』

事態を重くみた要撃編隊により威嚇射撃が行われるも、セ号-5は進路を変更せず「ジャパリパーク」へ向かう。セ号-4の事例からセ号-5の撃墜が許可される。要撃編隊が19式空対空誘導弾2発を発射。セ号-5はこれに直撃し空中分解を始める。完全消滅の直前以下の文がセ号-5より送られた。

『どうして』
 

20██年: 船舶型セ号・航空機型セ号の大量発生。詳細と結果は別紙を参照すること。この結果はセ号へ敵対的行動を行うことによって発生したと断定され、以後発生するセ号を全てセ号-6と指定しその行動の全てを認可するよう徹底させることとなった。これによりセ号-6による被害は発生しなくなったため、以降この手段をセ号-6へ取るべき対処とする。


以上の資料より以下の規定対応手順が制定されました。
CDC職員はこの手順を完璧に記憶し、必要に応じ適切な職員へ指示を徹底するよう心がけてください。

規定対応手順: CEL-2-███~███/QAA(以下「かつて誰かであった何か」と呼称します)はこちらか敵対的行動を取らない限り、パークへ害を及ぼす事はありません。従って「かつて誰かであった何か」への対処に当たるCDC職員・パークガイド・警備員は「かつて誰かであった何か」の要求を例外なく許可してください。


「かつて誰かであった何か」は船舶型・航空機型の二種類が確認されています。共通して「かつて誰かであった何か」は空港・港へ帰ることのみを目的とするセルリアンであり、帰還と同時に痕跡を残さず消滅することから現状積極的な駆除は必要ありません。

しかし、セルリアンであることに変わりはなく「かつて誰かであった何か」は極力隠蔽されるべきです。従って、「かつて誰かであった何か」は可能な限り来園者の目に触れさせるべきではありません。この理由から「かつて誰かであった何か」は発見地点から最寄りの空港・港へ誘導することになりますが、「かつて誰かであった何か」が視認可能な距離に近付くまでに可能な限り来園者を退避させてください。
退避が間に合わなかった場合、欺瞞情報「戦史博物館による催し」もしくは「先進技術公開試験」の使用が認可されています。また、「かつて誰かであった何か」の信号は来園者はもとより、職員であっても不必要なものが知ることは危険視されています。CDC隠蔽班は「かつて誰かであった何か」の信号を受信した全ての人物へ接触し必要であれば記憶処理薬を使用し、「かつて誰かであった何か」に関する記憶を消去するよう徹底してください。

事案記録: 以下は防衛省・自衛隊より資料提供が行われた後「かつて誰かであった何か」と接触した際のログです。

20██年12月23日午後23時48分、航空自衛隊より船舶型「かつて誰かであった何か」が発見されたと報告がありました。CDC隠蔽班は哨戒艇を発進させこれと接触、発光信号による対話を行いました。
(注: 発光信号による対話は可読性を加味し書き直しています)

かつて誰かであった何か: 不明艦へ。我が方の港へ誘導を求む。
隠蔽班: 了解した。我に続け。
(発見地点から最も近い港は██港でした。規定対応手順に従い██港周辺の来園者を屋内へ誘導しました)
隠蔽班: 港が見えるか。あの港へ誘導する。着岸準備されたし。
かつて誰かであった何か: 了解。こちらでも確認した。明かりが見える。
隠蔽班: 貴艦を迎えるためだ。
かつて誰かであった何か: 配慮に感謝する。機関不調により速度が上がらない。
隠蔽班: 問題ない。安全な航行を行われたい。可能であるか?
かつて誰かであった何か: 可能である。到着予定時刻はマルサンマルマル以降になると考えられる。
隠蔽班: 了解。
(以降着岸直前まで発光信号は確認されなかった)
かつて誰かであった何か: これより着岸を行う。誘導に感謝する。
(ゆっくりと「かつて誰かであった何か」が██港に着岸する。「かつて誰かであった何か」は急速に崩壊を始める)
かつて誰かであった何か: 不明艦へ。協力に感謝する。ようやく帰ってこられた。ありが――(完全崩壊)


セルリアン 第2世代 脅威レベル1 自衛隊

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2017-11-20 16:40:47

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