幕原 徹 所属団体 及びその関連団体に関わる本人による諸説明・報告

ページ名:爪弾き連合

幕原 徹  所属団体 及びその関連団体に関わる本人による諸説明・報告

20██/██/██
資料番号:45██████-04


 

前文

誓約
私は、この説明・報告に関して、一切の虚偽を含まない事を保証します。
また、この説明・報告は、守秘義務に関わらない限り事実を意図的に記していない部分がないことを確認しました。
さらに、私はこの報告書の更新を指定された日程を私自身が行う事と、
記された事実の確認のために法令に反しない範囲での身辺調査、諸団体への取材を了承します。
20██/04/01 10:00:12  幕原 徹

説明・報告にあたって:
20██年█月からおよそ█年█ヵ月にわたって起こした「サンドスター化合物持ち出しインシデント」前後において、私の近辺で様々な後援組織に類するものが誕生しました。
これらが過日の事件との関係が必要以上に疑われることに関して、自業自得とはいえ一種の遺憾を覚えます。
そのため、それら諸団体の疑問点を解決すべく、説明及び報告を謹んでさせていただきます。
この報告が、今回の事件の正しい相互認識の一助となることと、これらの諸団体が、貴社にとって一見したところ有益ではないとしても、こうした動きが今回の事件を発端に表面化したことに対して、理事会から一般職員まで、広い階層で一考の対象となれば幸いです。
  を愛する者として。ー幕原

一章 市民団体「緑黄色ネットワーク」(イロネット)

 緑黄色ネットワーク(通称 イロネット)は、ジャパリグループや要監視団体、一般的にグループと関係の強い団体のうち、
穏健な構成員で組織される、「西之島・パーク問題に是々非々で取り組む」団体です。

 その起源は、20██年に、UNEPPC日本共生医療研究所長の若松 隆が設立したUNEPPC造反勢力、
「環境保護に関する新技術研究員の懇親会(通称 緑色ネットワーク)」と、
サンドスター化合物持ち出しインシデントと同時期に勢力を増した、当時、グループの上級研究員のポストにあった、幕原 徹を中心にしたジャパリグループ造反勢力、「議会ジャパリ(通称 幕原派)」が合同したのが始まりです。
 当初は、正式名称はUNEPPC系の物を使用し、通称に「二色議会」を使用していましたが、現在は、研究員以外の会員の増加や、会合が単なる懇親会以上の意味を持ち始めた事、世間的な認知度の急上昇を機に、より実態にそって、親しみやすい名前として、中心勢力である、UNEPPCのイメージカラーと、ジャパリグループのイメージカラーをとって、現在の名称となりました。

 以下は、緑黄色ネットワークと合流した団体・勢力を始めとした、主要な関連団体の一覧です。

・UNEPPC日本共生医療研究所(後に全職員が合流)
・小笠原諸島の自然を守る市民会議東海支部(大筋で合流)
・小笠原諸島の自然を守る市民会議北陸支部(大筋で合流)
・東洋タイムス社(編集委員の幹部就任・深い交流)
・日本革新新党(議員の幹部就任・緑黄色ネットワーク出身者が出馬)
・南関東環境保全協会(部分合流)
・2100年の環境災害を考える会(部分合流)
・のAの会[アクチャーズ・ホールディングス造反者集団](緑黄色ネットワークへの経済的支援・のAの会構成員の社会的保護)

 活動理念は
・会員同士の立場を超えた交流を行い、草の根レベルで、パークに対する各方面の宥和を求める
・新技術の過剰な露出と寡占を防ぎ、安全なその技術の活用路を拡大する事
・ジャパリグループの背後に国連の支持ないし黙認を取り付ける事により、パークのグループによる恒久的な管理を目指す
・AGに対する人権付与のために、群島の行政とパークの運営の分離を行い、AGの「民間企業所有物」のイメージを名実ともに払拭する事

 の四点で、その理念を達成すべく、ジャパリグループや、要監視団体などに対するロビー活動と、抗議活動、民衆へのアピールを行っています。

 現在の会員数は、一般民衆を含めると7400人に上るとされ、主力メンバーだけで1000人ほどであると発表されています。

 また、運営資金は50億円規模になるとされていて、資本家のみならず、一部の企業から援助を受けているとの見方もあります。
さらに、若松氏と幕原氏を始めとした、研究におけるビッグネームが私費を投入している事を鑑みるに、その経済的地盤は中小企業に劣らないようです。

 当該団体は、東洋タイムス社を中心にメディアへの影響力を増しており、当該団体の幹部が本土でワイドショーに出演するといった現象も手伝ってか、20██年現在、世論は当該団体を支持する動きを見せています。

 基本的にパークの運営には否定的ではありませんが、要監視団体との軋轢や、運営上の問題が表面化するたびにグループへ抗議がなされるので、注意が必要です。

 現在、緑黄色ネットワーク全体としての方針に大きな混乱は見受けられませんが、その内部は

・若松 隆や日本医研を枢軸に置く親ジャパリ派
・幕原 徹や議会ジャパリ(幕原派)が主導する水平派(もしくは早期交渉派)
・東洋タイムスや日本革新新党を最大勢力にするジャパリ懐疑派

の三勢力に分解され、発言権と多数の幹部を懐疑派が、実質的決定権を持つ議長や議会に置かれた役職を水平派、拒否権や議会解散を要求する権利、役職再選挙を要請する権利を持つ会長や団体運営に関わる役職を親ジャパリ派が保持することで均衡を保っています。

二章 UNEPPC日本共生医療研究所

 正式名称を国際連合環境保護推進委員会日本支部附属共生医療研究所といい、略称は「日本医研」です。
かつては国立大学院に附属する研究機関でしたが、財政健全化のために、貴社とほぼ同時期にUNEPPCがその権利を引き取りました。「サンドスター化合物持ち出しインシデント」に際して幕原 徹が情報や物資を受け渡した団体です。

 職員は100人強の小組織ですが、国連に対する影響力は強く、附属研究所としては常にトップを争う権威です。そして、附属研究所としては数少ない、「現状保守派」であり、決してグループの存在を否定しているわけではありません。

 しかし、国連付属機関という事もあり、やはりその主張は前章の緑黄色ネットワークに対して幾分か苛烈です。
グループの国際社会に対する門戸開放を進める諸勢力を抑えつつ、「商業団体以上の、慈善団体以上の、世界的な研究機関としての社会的責任を履行しない限りその存在は国際協調の妨げになる可能性が高い」という内容の声明を発していました。

 方針が急転したのは、前所長の ███ ██氏が国内における政争によって失脚した後、現在の所長、若松 隆 氏が就任したためで、氏の考えにより反グループの勢いは急速に衰えました。しかしそれは同時に国連における地位の低下に直結することとなり、アジア・太平洋地域の研究の主導権を、オーストラリア・中国・ロシア・アメリカなどの主要国と争う必要性が発生しました。

 過日の事件は私自身の半ば身勝手な理念の暴走は勿論ですが、その裏に、日本医研が地域の医療・生態・気象に関する主導権を保つための明確な切り札を手に入れたかったという思惑もあります。確かに日本医研が小笠原地域においてマウントを取ることは脅威ではありますが、日本医研の衰退は同時に貴社が国際社会(正確には外交政策・通商政策・環境政策などに代表される国家外務社会)に対する身代わり人形を失う事であると私は断言できます。

 先段でも少し触れましたが、日本医研の研究事項は環境保護推進委員会の直下であるがために、医療は人体に限らず、様々な動植物を相互に範疇に入れた「共生医療」、その関連としての生態系の保護・調査、そして気候の研究と多岐にわたっています。
先の事件によりサンドスター技術におけるマウントは確実に日本が上位を占めるようになったのは事実です。

三章 小笠原諸島の自然を守る市民会議

 小笠原諸島の自然を守る市民会議は、要監視対象に指定されている、小笠原の自然を守る島民の会の内外への求心力の低下により、中核となっていた構成員の一部が離反して、2030年代の批判旋風を再び巻き起こさんとする勢力でした。

 当初は島民会系勢力のうちで最も過激なアクションを起こしていた勢力で、警察当局やパークへの届け出なしに集会を行う事や、各地で過剰な宣伝活動を行ったり、貴社や、その提携各社、更には同業者に抗議や加勢を求めるような「公開質問状」を大量に送付したり、貴社の方針と歩調を合わせる地方議員の政務活動を妨害しようと、50人以上で議員を取り囲み、質問攻めにするなど、もはやその行動は島民会の手に負えるようなものではありませんでした。

 なお、一章に挙げた緑黄色ネットワークも活動当初は、パークの高位の職員(当時既に処分されていたが)を中枢に置いていたことから「鷹峰の犬」と手厳しい批判を受けました。

 しかし、成長期にあった緑黄色ネットワークが発展するにつれて、一連の流れは緑黄色ネットワークが勢いづく事があっても、市民会議に対しては無風、むしろ逆風であったため、やがて批判の矛先が散開し、内部抗争のような状況に発展し、僅か7ヵ月のうちにその原型をとどめることなく、ほぼすべての支部が小笠原島民会へと戻ることなく解散しました。

 一時のブームを巻き起こす事に成功したとはいえ、活動自体の品位と質を大きく下げた上に、内輪での小競り合いはもはや世間の興味を引くことには至らず、市民会議、ひいては島民会系勢力の埋没が危惧されました。

 離反後から一貫して日の目を見るに至らなかった北陸支部と、一定の勢力と一定の統率力で急場の勢力をまとめ、地域で若者の求心を確実に得た東海支部は、島民会へ戻ろうとしましたが、もはや今までのイメージが回復できないと判断した両支部は解散しました。その前後において、緑黄色ネットワークへの人員誘導が行われた結果、およそ組織の6割ほどが再結集しました。

 緑黄色ネットワークは、両支部のメンバーが属する分団を「監査処分」とし、同団の幹部候補者選出権と、メンバーの総会以外での議決権を凍結する事、団の独自行動権を永久に剥奪することを条件に合流を許可しました。

四章 日本革新新党

 日本革新新党は、2020年代に発生した、ポスト・リベラル派の系統を引き継ぐ国政政党です。

 政党自体は2003年より存在していましたが、いわゆる泡沫政党として全く注目を集めませんでした。
2021年に国会議員が規定人数以上政党に合流したことにより本格的に国政政党として活動を開始、最初の衆院選の結果はわずかに2議席をとどめるのみでした。
それから20██年まで衆参いずれかにおいて10議席以上を獲得することはなく、「噛ませ犬」以上の印象を国民に与えませんでした。

 パークが一時閉鎖された後、環境保護に関する国際会議において、日本が西之島と周辺の群島を擁し、環境保護に関する研究を盛んに行っている企業があるにも関わらず、その技術が「利益先行的な考えによって独占されている」(無論そんなことは知識あるものの中で誰一人として真剣に考えていないのですが)ことなどを根拠に、非常に苛烈な保護活動の義務と環境保護費の支払いを求められたことから、「もはやこの企業の技術は一企業だけに任せるには荷が重すぎる」という結論に達し、当時先行して存在していた有識者団体、「環境保護に関する新技術研究員の懇親会」に身を寄せました。
これ以降、緑色ネットワークはいくつかの市民に直接アプローチする形の外郭団体を持つようになりました。

現在の主要な政策は以下の通りです。

貴社への直接的な関連事項

 ・財政健全化と社会保障の充実のために、旧公社・旧政府機関などを始めとする、国内競争が起こりにくい企業に対する臨時税の導入
 ・国内において様々に存在意義のある地域を「政令特区」と指定して、それを振興しようとする企業を支援し、国際的な競争力を強化するとともに、「行政」と「運営」の分離を行い、官民一体で使命の達成を目指し、国際的な発言力に還元する。
 ・「アニマルガール」などといった法制上・国際慣用上未だ立場が明瞭ではないものに対して、法の下の平等を改めて強調し、その権利を最大限に保証する事とともに、「人権選択権」を主張する。更に、行政上の不均衡をなくすために、西之島地区の「行政分離」をいち早く進めること。

環境保全と外交・経済

 ・知的財産の保護と同時に国際的な協力体制に積極的な参加を推し進める。そのための国の技術買取の制度化。
 ・五大陸にまたがる新時代の友好関係の構築
 ・今までの「全面協力・全面依存」の構図ではなく「ケンカして仲直り出来る」外交政策
 ・環境回復で率先した役割を果たすとともに、各国に適切な要請を行い、「名誉ある使命」を果たす事。

現在の勢力は、
衆議院(400議席):27議席(野党第二党)
参議院(200議席):32議席(野党第一党)
都道府県議:約9%
党員数:約11万人
のようになっています。

五章 東洋タイムスグループ

 東洋タイムスグループ(以下東洋タイムス)は、全国13の地方紙、1つの専門全国紙、3つの専門誌を発行する「東洋タイムス社」「東洋タイムス出版社」を中心に置く企業連合体です。関東圏のテレビジョン放送に関しては在京キー局とその名前を並べる程度の規模を誇ります。

 開園より数年後に国内・海外ニュースのパークへの配信を始め、現在では複数社の合同によって、紙面・デジタル記事・テレビ・ラジオなどの媒体でサービスを行っています。
それと同時に、本土に主な拠点を持つ報道社に対して、西之島地区に関する報道においてある程度の優位性を持っています。東京・大阪に次ぐ支社をパーク内に位置させることによって初期報道の姿勢を確立しているためです。

 ジャパリグループのプレスリリースにいち早く反応するために「実質的に無料の広告塔」ではありますが、一時閉園前の混乱を対外的に大きく報道した後は、時折貴社の方針に疑問を呈する内容の報道を行う事も増えています。サンドスター化合物持ち出しインシデントの数ヶ月前よりその体制が大きく変わり、一転して西之島地区全体の問題に深く追及することが大きくなりました。この時期に前述の日本革新新党が衆議院議席を9から27へと増やし、大躍進したことは特記に値し、恐らくは日本革新新党への取材中にその「対・西之島政策」に感化されたものとみられます。

 「西之島地区干渉勢力」を平衡させる、もしくは緊張関係を緩めるという緑黄色ネットワークの方針に反し、東洋タイムス自体のジャパリグループへの反発心は強まっています。強くなる時期がありました。

 これを受け、20██/██/██に開かれた緑黄色ネットワーク定例食事会において、日本医研を始めとする親ジャパリ派の第一人者、若松 隆 が東洋タイムスの「偏向報道」に言及し、大きな亀裂が生まれました。

 現在は、緑黄色ネットワークの介入により、表面的には一般的な報道社よりも対決姿勢が弱い状態で体制が安定しています。個人的には無用な刺激は避けるべきだと考えます。


Tale 負の遺産 補足

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧