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日向 冬樹(ひなた ふゆき)は、吉崎観音作の漫画『ケロロ軍曹』およびその関連作品に登場する架空の人物。アニメ版の声優は川上とも子。第232話以降は川上の病気療養による長期休養に伴い、劇場版第4作を除き桑島法子が代役を務めている。
テンプレート:ネタバレ
ケロロの居候している日向家の長男で、彼のパートナー。夏美という姉がいる。この作品における準主人公的な存在で、ケロロから没収したケロボールの管理をしている。誕生日は不明であるが、姉の誕生日とアニメでの学年(年齢差)を考えると、早生まれ(1月から3月)であると思われる。
小学4年生のときに四鷹小学校(原作1巻では「市立」だが、18巻では「私立」の小学校とされている)へ転校という形で入り(原作第146話より)、その後吉祥学園中等部へ入学し、現在は同校の1年B組である。部活動はオカルトクラブに所属している(原作では当初漫画研究部に所属していたが、これを退部し西澤桃華と共に非公認ながらもオカルトクラブを自主的に設置した)。なお、原作では当初小学6年生だったが、アニメでは初めから中学1年生である。一人称は「僕」(ボク)。
上記のように、冬樹には夏美という姉が一人いる(詳細は日向夏美を参照)。この姉弟には対照的な面(具体例は下記に記述)がいくつかあり、たまに喧嘩もするが総じて姉弟の仲は良好である。
原作単行本の人物相関図において、12巻までは夏美に対して冬樹は「絶対服従」とされているが、本編を見る限り適切ではない。13巻からは夏美との関係が「ケンカしたり、ささえあったり」という言葉に変わった。夏美のことは「姉ちゃん」と呼んでいる。
髪と瞳の色は青みがかった黒(または紺色)で髪にはアホ毛がかかっており、後頭部の髪の先端が尖っている。原作初期はアホ毛が太いものと細いものの2本があったが、現在では1本になっている。外見も初期の物と現在の物とではかなり作風が変わっている。また、このアホ毛と紺色の髪は母親・秋譲りである(母親似と思われる)。
身長は152.5cm、体重は45kg(『ケロロ軍曹 ひみつ超ひゃっか』及びアニメ210話Bパート<身長のみ>より)。ちなみに超劇場版での設定資料では冬樹が144.2cm、夏美が151.3cmとなっている。
身体は丈夫だが、姉の夏美とは反対に運動が苦手(当初はギロロの調査によると平均的レベルという設定だったが、後のガイドブックではがんばれば何とかなると解釈が変更された)で、中でも跳び箱が特に苦手な様子(アニメ第123話Aパートより)。また「水泳は人類の進化を逆行する行為」「スキーは不毛な上下運動」というように、スポーツに関して嘆きながら批判することがある。ただしボウリングは得意で、夏美曰く「冬樹に一度も勝ったことはない」らしい(ボールが彼にとっては重過ぎるためなのか本来の投げ方が出来ず、両手で抱きかかえたボールを転がすように投げる為ボールは非常に遅いのだが、なぜかガターになりそうでならない軌道を描いたまま最後にはポケットを捕らえ、ストライクになる)。また水泳に関しても、「泳げない」というより「息継ぎができない」というのが、より正確である様子。
運動会の時期になると、非常に憂鬱そうな顔をして落ち込む様子が描かれる。しかしごく稀に、たとえば身の危険が迫った場合などには驚異的な身体能力を発揮することがあり(桃華を引っ張って全力疾走など。超劇場版2ではケロロを連れて階段を駆け上がったり、自転車で全力疾走したり、ケロロをハンマー投げのように投げ飛ばしたりしたことがある)、周囲はこれを「日向の血の覚醒」と呼んでいる。
勉強は人並み(私立の吉祥学園へ入るだけの学力はある)だが非常に博識で、作中においても様々な事柄について調査・解説している。四字熟語に関してはこれを口癖とするモア以上に使い方がわかっており、間違えて使用している彼女に正しい使い方を指導したこともある(アニメ第74話)。
また母親譲りの旺盛な好奇心を持ち、興味の対象に対しては優れた洞察力・鋭い観察力を発揮する(その好奇心の強さは、ケロロ曰く「侮り難い」とのこと)。その反面、学校の勉強には興味が薄いため(むしろ嫌がっているらしい発言もある)夏休みの宿題をギリギリまでため込んで、新学期直前に焦りだすことも多いらしい。
アニメでは、上記の優れた洞察力・鋭い観察力を生かして友人の探し物を見つけるのが上手な「名探偵」としての設定が追加されている。その点を見込まれて、探し物以外でも事件の調査を依頼されることがある(といっても、依頼される事件には冬樹自身も「どうってことない」と評する程度のものが多かったりする)。
非常に穏和な平和主義者で、友情を大切にする性格。ケロロがこの世から消滅してしまいそうになった際本気で泣いたり(アニメ第23話)、ガルル小隊に記憶と思い出を消去され本来の冷酷残忍な性格になってしまった時も泣きながらケロロのことを信じていると訴え続けた(アニメ第103話)など、そのことが伺えるエピソードは多い。
また周囲が大騒ぎしているなかで悠然と(のほほんと)しているなど、意外と冷静(あるいはマイペース)な人物でもある。ただしオカルトが関係すると目の色が変わり、新しい宇宙人(特にケロロの仲間)の来訪を聞くと興味を示す(目を輝かせたり、よだれを垂らしたりすることもある)。オカルトに関しては下記を参照。
幼少の頃は現在と違い、やんちゃな性格だった。体が子供に戻ってしまう話では、我侭で暴力的な性格(ケロロに「女は敵だ」と言わせるなど)も描かれ、ケロロたちを翻弄してしまう。また、「(国会を征服して)日向冬樹帝国を作る」とか「世界征服する」というのが、将来の夢だったらしい。とはいえ、世界征服したら「おもちゃ屋のおもちゃを無料にする(アニメ第94話の冬樹が小1の頃の作文)」あるいは「日本に住む人々におもちゃを持ってきてもらい、そのなかで良い物のみ売る」ことによって、「みんなが楽しく暮らせるようにする」とされていることなどを見ると、幼少の頃から根は穏やかな性格だった様子である。ちなみに、この「征服によってみんなが楽しく暮らせるようにする」という考え方は、奇しくもケロロと同一のものである。
幼少時からオカルト、超古代文明、未確認動物や宇宙人といった話題に並々ならぬ関心を示し、「学校の宿題より大事」とか「運動会をやるならオカルト大会も開くべき」「オカルトは自分のすべて」と発言するほどのオカルト好きで、原作・アニメ共にオカルトクラブを作るほどである。アニメでは『モンスター大百科』という本がきっかけでオカルト好きになった。オカルト界では小学生の頃からちょっとした有名人で、どこか学者のような言動を見せる。
オカルトに対する好奇心の強さはアンチバリアの効力をなくし、日向家に侵入したケロロを見抜けるほどである(なお、日向家に侵入していたケロロが発見された理由については原作において若干の変更がある。当初の理由はケロロ小隊の地球侵略を参照)。
自他共に認めるオカルトマニアだが、オカルトなら何でも妄信しているというわけではない。星座占いを「大雑把すぎる」と評し、ほとんど信用していないなど、論理的・科学的な考察に基づく理論・実証を優先するタイプであり、非理論的な説を騒ぎ立てるのは嫌っている。このため、捏造写真を多用する吉祥学園新聞部とは対立が絶えない。
数多くのオカルト知識を活かして怪談話をするのが非常に上手く、クルル作成の「恐怖BOX」よりも怖かった(恐怖カウンターの反応より)ため、かつて夏美が恐さの余りに気絶してしまい「二度とやるな」と言ったほどである。ただし霊感は全くなく(日向家の幽霊ちゃんは見えるようであるが)、自身は霊的な体験をしたことがない。この点でも夏美(オカルト否定、かなりの霊感体質)と対照的であり、冬樹は夏美が霊感を持っている事をうらやましく思っている。
宇宙法などで明確に規定されたわけではないが、事実上、地球唯一の「宇宙外交官」という立場にあり、外交面で地球の平和を担っている(冬樹自身も「宇宙外交官」を自任している様子)。
温和な冬樹は宇宙人に対して、まずは「対決」でなく「友好」で臨む場合がほとんどで、結果的にケロロ小隊をはじめとする多くの宇宙人たちと親しくなることに成功している。特にケロロは、冬樹との間で強い絆と友情を誓い合っており、彼の「友達じゃないか」という台詞に異常なほど弱い。原作10巻でガルル小隊が地球侵略の任務交代に来た際に、ケロロは完全に地球人と過ごした記憶や思い出を全て洗い流されたが、肉体の浄化までは完全に出来ず冬樹の涙ながらの必死の言葉によって元に戻った、ということがあり、これがケロロと冬樹の強い絆を裏付けているといえる(たまにケロロと喧嘩して絆が揺らぐこともある(第226話や、劇場版第一作など)が、すぐに仲直りする点を考えると、やはり強い絆といえる)。またガルルに対しても、一度は対決した相手でありながら、彼が休暇を利用して、ある意味の観光とてやって来た際には歓迎しており、自宅へあがるように勧めていた。
その一方で、したたかな策略家としての顔も持っており、時々その手腕を発揮する。普段は興味があるから見逃している宇宙人の活動に対しても、本当に危険と判断した場合は交渉・駆け引き・策略を通じて、それなりの対応をとっている。相手の性格・性質に合わせた策をとるのが冬樹のやり方で、例としては以下のものがある。
また冬樹と対立する吉祥学園新聞部も、彼の策略の結果「大衆をなめるな」と読者に言われるほど信用を損なって売り上げを大幅に下げてしまった(自業自得の部分も多分にあるが)。さらにウェットルマン戦における解説(?)では「友好的と見せかけて何をしてくるかわからない狡猾な人物」といった、冬樹本人には少し不服そうな紹介がなされた。
このように、冬樹は多くの宇宙人との友好・信頼関係を築き、また外交官らしく(?)策略の手腕もあるが、彼自身の戦闘能力は非常に低いため、問答無用で来られると簡単に拘束されてしまう場合も多い(あるいは猛獣のような、交渉が通用しない相手だと非常に弱い)。
冬樹の弱さを補っているのが、姉の夏美である。戦いが苦手な冬樹が、夏美の活躍で助けられた例は多い。
対ガルル小隊戦・対ウェットルマン(アニメではウェットルキング)戦・対ゼゼゼットトトソ戦などの例外を除けば滅多に戦うことのない冬樹だが、行いが度を過ぎたとき(友達を大切にしなかったり、過度の悪戯をしたり、人に迷惑をかけたのにも関わらず同じ行為を繰り返ししようとしたときなど)には非常に凶悪な表情を露にし、激しく怒る。
激怒した時の表情の詳細は全く不明(原作では必ず顔が後ろ向き、もしくは影がかかっているため。アニメ(第23話など)では口元まで影が差しているため)だが、この表情は「伝説の顔」とも「衝撃映像」とも言われ、これを見て恐怖を抱かない人物は存在しないほどである。恐怖の大王であるモアすらも例外ではなく(たとえ怒りの矛先がケロロであったとしても)、タママは泣き出してしまったり、ギロロやクルルでさえも冷汗を掻くほどである。原作第7話では「あの頃ケロロ」の状態になり夏美を凌ぐほどの好戦的になったケロロですら、その顔を見ただけで完全に戦意喪失してしまい、さらには数日間も身体の震えが止まらない程にまで恐怖していた。なお、少し怒っている程度なら顔は後ろ向きではない。
普段は大人しくて優しい上、滅多に怒ることがないだけに、怒らせてしまうと日向家の中では一番怖く、その恐ろしさは夏美を軽く上回るため、一度怒らせると短気で好戦的な夏美ですら全くなだめられず、むしろ恐怖で青褪めて慌てふためいているほどであり、原作第71話では「冬樹が怒ったら私でも止められない」と言っている。その夏美は原作11巻でガルル小隊達に「冬樹がキレたらシャレにならないわよ」と脅しに利用したこともある(当の冬樹は「先に言われたらキレづらい」と困惑してしまった)。
原作第71話では夏美がクルルに頼み、怒った冬樹をジンセイガニドアレバ銃で5-7歳の幼児にまで逆成長させて強制的に止めたことがあるが、これは「例外」と考えたほうが良さそうであり、基本的には如何なる方法を駆使しても、彼を止められないようである(ちなみにこの時クルルはいつものような意地悪な条件では無く「俺だけ(この騒ぎの件を)無罪放免で頼むぜ」とあっさり引き受けたことから、彼も「嫌な奴」を演じる余裕が無い程の恐怖状態であったことが伺える)。
ケロロが一番恐れているのは、ニョロロに水分を吸われてしまうことでも夏美からボコボコにされることでもなく、冬樹が本気でキレることなのである。それ故、ケロロは冬樹を怒らせてしまったと思うと恐怖心から大量の冷や汗を掻き、命乞いをするかのようにひたすら謝り倒す(原作第15話やアニメ第173話等。その場合は当の冬樹は全然怒っていないことが多い)。
なお、怒るタイミングは一例を除き原作とアニメで異なる。詳細は日向冬樹が怒った理由を参照。
この「冬樹の激怒」は『ケロロ軍曹 メロメロバトルロイヤル』・続編の『ケロロ軍曹 メロメロバトルロイヤルZ』では超必殺技となっており(技名「衝撃映像!」)、リーチは短いものの捕まったら最後防御不可能なゲーム中最高の攻撃技とされ、基本能力が低めに設定されている冬樹にとってのまさに最後の切り札である(同作の公式ホームページでも見ることが出来るが、その顔はやはり目の所に影がかかっていてどんな目をしているか定かでない)。
体が子供に戻ってしまう話では(記憶も幼くなってしまう)、彼が番長のようにケロロたちを振り回して、本質的な彼の黒い部分を描いていた。
冬樹は現在多くの女性に好かれている。特にクラスメートの西澤桃華が彼に恋愛感情を抱いているというのはよく触れられ、彼女はなんとか告白しようとするができずにいる。冬樹本人が恋愛感情に鈍感ということもあり、好意を寄せられていることに気づいていない様子。普段は桃華のことを「西澤さん」と呼んでいる(原作第18話・原作単行本20巻の暗闇場面・アニメ第105話では「桃華ちゃん」と呼んだことがある)。基本的に冬樹の桃華に対する認識は「友達」(アニメ第120話・第160話。かつては「大切なオカルト部員」)である。なお、桃華の母・桜華に対しても「西澤さんの友達」と自己紹介している。
また、月神散世とアリサ=サザンクロスも彼に好意を抱いている。さらに原作当初では冬樹が時々影を帯びる描写があり、そこが可愛いと言われていた。これで春世が恋を感じたこともある。ちなみに、アホトロン星人であるすももは彼の影を帯びる時の様子を「どちらかと言えば、カワイイタイプ」と評していた。
その一方、冬樹が海でノントルマの少女と出会った時には彼女に惚れていたようである(そのノントルマの少女においても、単行本第7巻の巻末イラストで冬樹の残した潜水スーツを大事そうに抱きしめている)。また、アニメ第34話Bパートでは冬樹が幼い頃通っていた床屋の娘と遭遇した際に顔を赤らめていた描写がある。
アニメ269話Aパートでは、クルルの発明した惚れ薬を吸い込んで、目が覚めた際に桃華を見たが効果がなかった。この薬は、薬を吸い込んでから初めて目にしたものに惚れてしまうが、それを最初から好きであった場合または薬を吸い込んだ者が恋愛に興味がない場合には、薬の効果がない。つまり冬樹は、桃華を最初から好きなのか又は恋愛に興味がないか、両方の可能性が示唆されている。
尚、アニメ49話Bパートでは、西澤家のシミュレーション通り、桃華に下水道で告白するような描写があったが556が通って中断される。これが本当に桃華への告白だったのかは不明だが、61話のようにおでこにキスしてしまったのに慌てたりキスされそうになるのに緊張したり98話で吉岡平と桃華の駆け落ちを仕方のないことだと言って少し寂しげな顔をしたりしたこともある。原作単行本20巻の劇場版2では桃華を意識しているような描写もみられるので、2人の距離は少しながら縮まっている模様。また小説版第3巻では、桃華を王妃にしている(ギロロに聞かれた時、顔を赤くしていた)。
友人面・その他の人物関係[]決して無口でも内気でもない冬樹だが、彼は一人で読書などをしているのが好きなようで、桃華やクラブ活動の友人を除けば彼の友人はほとんど本編中に登場しない。しかし原作1巻の発言によると、全くいない訳ではないようである。しかし第131話で夏美に「絶対友達少ないでしょ」と言われた事も。また上記のように、吉祥学園新聞部とはオカルトに関して対立している。
ケロロの事は「軍曹」と階級で呼ぶ(クルルも一度だけ階級で呼んだ事がある)が、他のケロロ小隊隊員は名前で呼ぶ(ギロロのことは「伍長」と階級で呼ぶ事も多い。また、ケロロのことは小説版で「ケロロ」と名前で呼んだ事も)。
アニメではクルルとの会話や共に行動する場合(第60話・第134話など)も意外と多く、またソウルダイバーの修理に協力するなど仲が良いようである。
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