榊 康裕 ー 株式会社ダイセル代表取締役社長

ページ名:榊 康裕 ー 株式会社ダイセル代表取締役社長

人物紹介

榊 康裕(さかき やすひろ)は、株式会社ダイセルの代表取締役社長 社長執行役員を務める日本の実業家である。

1984年に岡山大学経済学部を卒業してダイセル化学工業(現・ダイセル)に入社し、有機合成カンパニー長や特機・MSDカンパニー長、海外グループ会社の経営などを歴任した。2019年に専務執行役員、2020年に取締役、2021年に経営戦略本部長となり、2025年4月1日付で代表取締役社長 社長執行役員に就任した。社長交代は2025年2月5日の取締役会で決議され、前社長の小河義美は取締役会長に就いている。

ダイセルは1919年に大日本セルロイド株式会社として創立された化学メーカーで、酢酸セルロースをはじめとするセルロース化学を出発点に、エンジニアリングプラスチック、自動車用エアバッグインフレータ、電子材料、医薬・化粧品材料まで幅広い事業を展開している。榊が経営戦略本部長として策定に携わった新中期戦略「Accelerate 2030」は2026年5月に公表され、長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」の実現に向けた後半戦を担う5年間の戦略と位置づけられている。

同戦略では、セルロース事業を収益基盤としつつ、成長牽引事業であるハイパフォーマンスポリマーズとセイフティに重点投資し、スマート、ライフサイエンス、環境対応樹脂などを次世代育成事業として育てる方針が示されている。2028年度を目標達成に向けた重要な年度と位置づけ、売上高6,750億円、営業利益630億円などをターゲットに掲げている。


生年月日

1962年3月17日生まれ


出身

兵庫県


学歴

  • 岡山大学経済学部経済学科(1984年3月卒業)

経歴

1984年 ダイセル化学工業株式会社(現・株式会社ダイセル)入社。
2012年 有機合成カンパニー長に就任。
2014年 執行役員に就任。
2016年 特機・MSDカンパニー長に就任。Daicel Safety Systems (Jiangsu) Co., Ltd. 董事長を兼任。
2017年 常務執行役員に就任。Daicel Safety Systems America Holdings, Inc. ほか米国グループ会社のPresident & CEOを兼任。
2019年 専務執行役員に就任。特機・MSDカンパニー担当、戦略推進本部長を務める。
2020年 取締役に就任。
2021年 経営戦略本部長に就任。
2025年 代表取締役社長 社長執行役員に就任。


株式会社ダイセルの事業内容

【主な事業内容】

■ハイパフォーマンスポリマーズ事業

ポリアセタールや液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチック、水溶性高分子、包装フィルム、スチレン系樹脂などを手掛ける事業である。2026年4月1日付でポリプラスチックス株式会社との経営統合に伴い「ハイパフォーマンスポリマーズSBU」が新設され、セイフティ事業とともに成長牽引事業に位置づけられている。

液晶ポリマーは低誘電特性を活かしてAIサーバー市場での拡販が進められているほか、自動車や電子機器向けにも幅広く採用されている。中期戦略「Accelerate 2030」では、増強した供給力を活かして中国やインドといった成長市場を着実に取り込む方針が示されている。

■マテリアル事業

酢酸や酢酸誘導体、酢酸セルロース、たばこフィルター用のアセテート・トウ、高機能化学品などを扱う事業である。ダイセルの原点であるセルロース化学を担い、収益基盤としてキャッシュを生み出す役割を果たしている。

酢酸セルロースは世界シェア上位を占める主力製品であり、製法転換や高生分解性グレードの開発、新たな用途開発が進められている。中期戦略では、セルロース事業でROIC20%以上を維持し、創出したキャッシュを成長牽引事業や次世代育成事業へ振り向ける方針が掲げられている。

■セイフティ事業

自動車のエアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)や樹脂コンパウンド製品、民生用火工品などを製造・販売する事業である。火薬工学と精密加工技術を組み合わせた領域で、世界の主要な自動車メーカーに供給している。

近年は生産拠点の統廃合による収益体質の強化を進めるとともに、インフレータのカタログ化率を2026年度の58%から2030年度に70%以上へ引き上げ、材料費の低減と在庫削減を図る取り組みを進めている。

■スマート事業

ディスプレイ材料や半導体・電子材料、センシングプロダクツを扱う事業である。液晶光学フィルム用の酢酸セルロースや高機能フィルム、電子材料用溶剤、レンズモジュール、銀ナノ粒子インク、有機半導体デバイスなどを提供している。

スマートフォンやデータセンター、車載センサーなど、電子機器の高機能化に対応する材料群として、次世代育成事業の一角に位置づけられている。

■ライフサイエンス事業

医薬品や食品、化粧品の分野に材料とサービスを提供する事業である。医薬品の開発・製造で用いられるキラル分離用カラムやキラル試薬、分析・精製・受託サービスのほか、化粧品原料である1,3-ブチレングリコールや酢酸セルロース真球微粒子、食品素材のエクオール、セラミドなどを展開している。

キラルカラムは世界的に高いシェアを持ち、収益基盤事業の一つとして位置づけられている。中期戦略では、研究テーマの出口戦略を明確化し、次世代育成事業として早期の事業化を進める方針が示されている。

■生産革新への取り組み

ダイセルは、熟練者が持つノウハウの可視化やAIの活用を通じて生産プロセスそのものを改善する「ダイセル式生産革新」で知られる。この手法を海外プラントへ適用することでコスト競争力を高めるとともに、棚卸資産回転日数を2025年度の147日から2030年度には90日未満へ短縮する目標を掲げている。


外部リンク

ダイセルHP

日本経済新聞「ダイセル社長に榊康裕氏

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