桜田 武 ー 元・日清紡績株式会社社長

ページ名:桜田 武 ー 元日清紡績株式会社社長

人物紹介

桜田 武(さくらだ たけし)は、元・日清紡績(現・日清紡ホールディングス)社長を務めた実業家である。また、一般社団法人日本経済団体連合会(日経連)の会長、名誉会長も務め、「ミスター日経連」と呼ばれていた。
1945年、41歳で社長に就任した際、戦後の復興を見据えて精密機械、自動車、エレクトロニクスなど「非繊維部門」への本格参入を迅速に決断。
戦後の日本経済は紡績業が牽引したが、1950年代半ばをピークに成長が鈍化し、重工業化に伴って衰退。同業他社の多くは社名を変更し、合成繊維に転換したが、オイルショック後には無配に転落。
その中で、日清紡だけが安定した配当を維持し続けた。桜田は財界のリーダーと企業経営者としての両方の立場で成功を収める。
新入社員には「日清紡は自由主義を重んじる」と強調し、「フリードリヒ・ハイエクも自由主義の重要性を説いていた」と述べていた。
1964年、19年間の社長職を経て「社長は60歳まで」という宮島の遺訓を守り、取締役会長に退く。


生年月日

1904年3月17日生まれ


出身

広島県福山市赤坂町


学歴

  • 旧制広島高等師範学校附属中学(現広島大学附属高等学校)
  • 旧制第六高校(現岡山大学)
  • 東京帝国大学法学部

経歴

1926年 東京帝国大学法学部を卒業、日清紡績に入社。
1945年 日清紡績取締役社長に就任。
1946年 経済同友会幹事に就任。
1947年 経団連常任委員に就任。
1949年 日経連総理事に就任。
1950年 経団連常任理事に就任。日本商工会議所代議員に就任。
1960年 日経連代表常任理事に就任。
1964年 日清紡績取締役社長を退任、同取締役会長に就任。
1970年 日清紡績取締役会長を退任、同相談役に就任。
1973年 日本国有鉄道諮問委員会委員長に就任。日本ヨルダン協会会長に就任。
1975年 日本ベネゼラ経済協力懇談会会長に就任。財政制度審議会会長に就任。明治神宮総代に就任。
1979年 日経連会長を退任、同名誉会長に就任。講道館理事に就任。
1981年 福山市名誉市民。
1984年 日清紡績相談役を退任、同顧問に就任。
1985年 逝去。


日清紡績株式会社(現・日清紡ホールディングス)の事業内容

日清紡績株式会社は、2009年(平成21年)に、日清紡ホールディングスに商号変更。

【主な事業内容】

■無線・通信事業

高度な無線通信技術を駆使して、防災システムや監視システムなどの社会インフラから、船舶や自動車の移動体通信機器、
さらには環境・省エネを重視した電源・エネルギー機器まで、高品質な製品を提供し、世界の安全・安心および地球環境の保全に貢献している。

<主な製品領域>

  • マリンシステム
  • 通信機器
  • ソリューション
  • 車載用電子部品
  • メディカル


■マイクロデバイス事業

2022年に新日本無線株式会社とリコー電子デバイス株式会社が統合して設立された「日清紡マイクロデバイス株式会社」を中心に展開。
アナログ技術を活かした電子デバイス製品やマイクロ波製品を提供し、アナログソリューションを通じてつながる社会の発展に貢献している。

<主な製品領域>

  • 信号処理IC
  • パワーマネジメントIC
  • RFデバイス
  • 光半導体デバイス
  • 船舶/気象レーダー
  • 衛星通信


■ブレーキ事業

自動車の安全性や快適性を確保する上で重要な役割を果たすブレーキ事業では、
ブレーキ用摩擦材の分野で顧客のニーズに応えるため、最先端の評価機器を導入し、豊富なデータやノウハウを活用して開発を進めている。
1946年から摩擦材製品の生産を開始し、現在では5か国の拠点から世界中に製品を供給している。

自動車産業は、新興国市場を含む成長が予想される中、FCV、PHV、EVなどの環境対応車やインテリジェントドライブ技術に対応するための開発に力を入れている。
また、グローバルな供給体制を強化し、世界の自動車販売動向に対応した柔軟な生産体制の整備や新興国市場への積極的な展開にも注力している。

<主な商品領域>

  • 摩擦材

■精密機器事業

精密機器事業は、1943年に航空機の尾翼製造から始まる。以来、約70年間にわたり、各種産業向け専用工作機械、自動車用精密部品、成形品などの開発・製造・販売において豊富な事業ノウハウを蓄積し、さまざまな製造業の「ものづくり」を支えてきた。
今後は、成形品、自動車用精密部品、システム機を主力とし、これまで培ってきた高い技術力、品質、コストパフォーマンスを基に、新たな分野にも積極的に挑戦している。
また、「環境・エネルギーカンパニー」グループの一員として、持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことに情熱を注いでいる。

<主な商品領域>

  • 成形品
  • 精密部品
  • システム機

■化学品事業

化学品事業では、多様な専門技術と知的財産を活用し、環境保全と快適な生活の実現に貢献する製品の開発に取り組んでいる。
特に、燃料電池セパレータや高機能樹脂素材カルボジライトなど、環境関連技術と製品の開発に力を入れている。
また、硬質ウレタンフォームや高性能ガラス状カーボンといった高機能化学品の開発にも注力し、これらの市場普及を目指している。

今後も独自技術の開発や既存製品のさらなる高機能化・高性能化に力を入れ、グローバルな生産・販売体制を推進し、社会が求める次世代化学製品の提供に努めている。

<主な商品領域>

  • 硬質ウレタンフォーム/水処理用担体
  • 高機能性樹脂素材「カルボジライト」
  • 燃料電池セパレータ
  • ニューカーボン材料

■繊維事業

繊維事業は、紡績、織編、加工、縫製分野において、世界トップクラスの技術を持っている。
「環境・エネルギーカンパニー」として、地球環境と人類社会に貢献することを目指し、「環境」と「健康・快適」をコンセプトに、環境負荷の低減と人々の健康で快適な生活を実現するための新しい技術と製品の開発に取り組んでいる。
また、国際競争力をさらに強化するため、生産拠点を海外、特にインドネシアを中心に移し、グローバルな生産体制を整備している。

世界最高水準の技術とグローバルな体制を活用し、世界中の人々の健康と快適な生活を支える新しい価値を創造している。

<主な商品領域>

  • シャツ
  • ユニフォーム
  • モビロン・エラストマー
  • オイコス

■不動産事業

不動産事業部では、グループが所有する未利用の資産を活用し、事業所跡地の再開発やオフィス・商業施設の賃貸、宅地の分譲など、さまざまな事業を展開中。
これにより、より快適な都市環境を創造し、地域社会への貢献を目指している。
日本全国にあるグループ所有の未利用地や施設は、ショッピングセンターやスポーツ・レジャー施設、オフィス、住宅、住宅展示場などに幅広く活用されている。

<主な事業領域>

  • 分譲
  • 賃貸

外部リンク

桜田武 - Wikipedia

日清紡ホールディングスホームページ

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