CDMA_1X

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CDMA 1X(シーディーエムエー ワン(イチ)エックス)は、auKDDI沖縄セルラー電話)が日本で展開する第三世代携帯電話(3G)のサービス。通称1X。

cdmaOneに替わる新サービスとして2002年4月1日に開始され、当時失速していたauが復調する契機となった。なお、2003年からは上位サービスとして3.5GCDMA 1X WINが開始されており、2008年6月の現時点で現在入手可能な全機種のおよそ85%以上がWIN(1X EV-DO)対応となっている。

目次

概要[]

当初は2001年秋に三大都市圏での開始が予定されており、GPSナビゲーション、動画ダウンロードなどの「次世代サービス」に対応した端末が開発されていた。しかしインフラ側の開発遅延を理由に立ち上げが延期されたため、さきの端末はcdmaOneネットワーク用に変更された状態で投入され、1Xサービスと端末供給は半年後の開始を待つこととなった。

通信にはCDMA2000 1xMCを採用。この方式は従来からauが展開していたcdmaOneに対する上位互換性を持っており、端末はcdmaOneの基地局との接続ができる。この場合の通信速度はcdmaOne同等の下り64kbpsが上限となるが、CDMA2000に完全対応させる設備改修も非常に容易である。このため、CDMA 1Xのサービスエリアは開始当初から100%近い人口カバー率を持っており、完全な新方式特有の問題に悩まされていたNTTドコモFOMAを尻目に順調な滑り出しを見せた。当時auは加入者数の伸び悩みに苦しんでおり、前月には総契約者数でJ-フォン(現・ソフトバンクモバイル)に追い抜かれていたが、1Xの成功で4月には再び逆転し、以後はNTTドコモに次ぐ2位を堅持している。

一方、CDMA 1X開始と同時期に鳴り物入りで開始されたezmovie(現・EZムービー)、eznavigation(現・EZナビ)、拡張版ezplus(現・EZアプリ (Java))、およびWAP 2.0版EZwebの各次世代サービスについては目論見ほどのヒットにつながっておらず、これは写メールという大ヒットサービスを糧にシェアを伸ばしていたJ-フォンと対照的であった。しかし、2002年秋には端末内蔵カメラで撮影した写真・動画のメール添付が行える「フォトメール」・「ムービーメール」、ボーカル入りの着信音をダウンロードできる「着うた」、2003年秋には強化版ナビゲーションサービス「EZナビウォーク」など訴求力のあるサービスを相次いで開始し、利用者増加の原動力となった。また、外部のプロダクトデザイナーによるデザインを売りにしたau design projectなど新しい試みも行っている。

2003年秋には上位サービスのCDMA 1X WINが開始された。当初は端末・サービスの対応不足などから特殊ニーズ向けに位置付けられていたが、2004年夏ごろからはCDMA 1Xに替わり主力サービス(メインストリーム)として展開されている。2005年以降からはCDMA 1X向けの新サービスや高機能端末の投入が減少し、ニッチ向けはともかく「ジュニアケータイ」シリーズに見られる児童向け、「Sweets」シリーズに見られる女子児童向け、「簡単ケータイ」シリーズに見られる携帯初心者向けおよびお年寄り向けを見据えた傾向が次第に進んできており、更に2008年2月以降、KCP+対応機種の順次投入により従来のEV-DO Rel.0に対応した1X WIN端末のベーシック化がこれまで以上に進行し、よりベーシックな既存のCDMA 1X端末は児童向け、お年寄り向けがより一層顕著になり、2008年の夏モデル以降より簡単ケータイシリーズが1X WINシリーズに再び編入された(例・W62PT)ため、「ジュニアケータイ」シリーズ(2008年6月現在、A5525SAのみ入手可能)と簡単ケータイS(A101K)を除く既存のCDMA 1Xシリーズは事実上、ほぼ淘汰された形となってきている。もっとも、既存のCDMA 1X対応の「簡単ケータイ」シリーズはある意味で2008年3月31日をもってサービスを終了した旧ツーカーユーザーの受け皿にもなっているようである。

余談であるが、CDMA 1Xシリーズは全機種が2GHz帯および新800MHz帯に対応していない。

呼称[]

2002年のサービス開始当初は先行するFOMAに見られた買い控えを避けるため「次世代」をあえて積極アピールしていなかったのが特徴的で、カタログ等でも従来の通信方式名である「cdmaOne」をそのままブランド名として使用していた。

一般ユーザー向けに発信された情報で「CDMA2000 1x」の名が大きく扱われたのは2002年9月の総合カタログが初で、サービス開始からは半年近くが経過していた。その後冬頃からは「CDMA2000●1X」という表記が半ばブランド名として扱われるようになり、後には「CDMA●1X」と短縮化された。現在の「CDMA 1X」に落ち着いたのは、上位サービスのCDMA 1X WIN発表直前である。

端末[]

概要[]

CDMA 1X端末は当初、A1000番台・A3000番台の2シリーズ体制で登場した。A1000番台が「次世代サービス」に対応しないシンプルなEZweb@mail端末であるのに対し、A3000番台は「GPSケータイ」と呼称され、EZwebmulti、EZアプリ (Java)(当時はezplus)、EZナビ(当時はeznavigation)に対応する高機能端末だった。また、cdmaOne末期同様にさらに上位のA5000番台も計画されており、これはA3000番台の機能に加えてEZムービー(当時はezmovie)の再生にも対応する「ムービーケータイ」だった。ただしA5000番台は実際の発表・投入には至っていない。

2002年秋に投入された端末からは、内蔵カメラを特徴としている。それまでauはカメラ需要を外付けカメラ「パシャパ」シリーズで対応しており、J-フォン(現・ソフトバンクモバイル)が積極展開する内蔵カメラには否定的な見方を示していた。しかし、春モデルとして実験的に投入された初のカメラ内蔵端末「A3012CA」が大きな人気を集め、一方でEZナビ、EZムービーといった主力新サービスが不調であったことから方針を転換。原則的に全機種へのカメラ内蔵を行うとともに、動画送受信サービス「ムービーメール」を積極展開するようになった。

ムービーメール、およびは同年冬に開始された「着うた」サービスはいずれもEZムービーの仕組みの応用であったため、その後の端末ではほぼ全機種がEZムービーに対応することになった。このためムービー再生機能の有る端末を最上位に位置付けていた従来のルールでは対応ができなくなり、以後はA5400・A5300番台をハイエンド、A1400・A1300番台をローエンドとする2シリーズ体制に切り替えられた。

2003年にはハイエンド端末向けにEZナビ系の高機能サービス「EZナビウォーク」が開始され、対応端末にはA5500番台が割り振られた。同時期にはau design project第一弾の「INFOBAR」が登場し、以後はカタログに型番が表記されない端末が増加したが、これらは内部的にはA5300・A5500番台の型番を持っており、機能もそれに準じている。2005年には、ツーカーからの番号ポータビリティを想定した通話専用端末「簡単ケータイS A101K」が投入された。

2007年2月現在、CDMA 1Xの機種で2軸ヒンジ式の端末は存在しない。新機能の追加もWIN機のみで行われているため、型番がA5500番台のまま繰り上がることがなくなっている。

端末と主要機能・サービスの関係(対応:○、非対応:×、機種により違いあり:△)
※A530xシリーズはINFOBARを、A55xxシリーズはtalby、Sweets、G'zOne TYPE-R、Sweets pure、ジュニアケータイを含む。
 通話メール内蔵カメラEZwebEZムービーEZ「着うた」EZアプリEZナビウォーク・EZナビ
A101K×××××××
A101xシリーズWAP1.0××××
A1101S×WAP2.0××××
A130xシリーズ一部BREW対応×
A140xシリーズ一部BREW対応×
A301xシリーズ××Java対応EZナビのみ対応
A530xシリーズBREW/Java混在EZナビのみ対応
A540xシリーズBREW/Java混在EZナビのみ対応
A55xxシリーズBREW対応
(一部BREW3.1に対応)
EZナビウォーク対応

年表[]

  • 2001年12月、cdmaOneで「次世代サービス」開始。
  • 2002年4月1日、CDMA 1Xサービス開始。
  • 2002年6月23日、契約数100万突破。
  • 2002年12月3日、着うたサービス開始。
  • 2003年1月16日、契約数500万突破。
  • 2003年2月、初のBREW対応端末「A5304T」発売。
  • 2003年7月1日、ezplus、BREWのサービス名を「EZアプリ」に統合。また、eznavigationは「EZナビ」に、ezmovieは「EZムービー」に、着うたは「EZ『着うた』」に変更。
  • 2003年10月、EZナビウォークサービス開始。INFOBAR発売。
  • 2003年9月16日、契約数1000万突破。
  • 2003年11月28日、上位サービスのCDMA 1X WIN開始。
  • 2005年11月13日、CDMA 1X WINとの合計契約数が2000万突破。

関連項目[]


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