800MHz帯

ページ名:800MHz帯

800MHz帯(はっぴゃくメガヘルツたい)は、およそ770~960MHzの周波数範囲の周波数帯である。波長は、35cm程度である。

目次

用途[]

主に、ワイヤレスマイク、携帯電話・自動車電話 (GSM850/900、CDMA850、NTTドコモ、Au (携帯電話)) 、MCA無線、パーソナル無線、無線IDタグ、FPU (放送)、STL (放送局)に使われている。ITUではISMバンドとして915MHz(902-928 MHz)も割り当てられており、米国では、電子レンジやコードレス電話等に使われている。日本ではISMバンドとしては割り当てられてない。

歴史[]

  • 1970年以前固定多重無線等に利用。
  • 1970年800MHz帯アナログ自動車電話方式の開発開始。
  • 1976年電電公社が800MHz帯アナログ自動車電話方式を実用化。
  • 1979年世界初のアナログ自動車電話サービスを電電公社が開始(下り860~885MHz、上り915~940MHz)。
  • 1982年MCA無線サービス開始(下り850~860MHz、上り905~915MHz)。パーソナル無線許可(903~905MHz)。
  • 1983年AMPS方式アナログ携帯電話がAT&T・モトローラの提案で北米標準となる。
  • 1986年NTTが航空機公衆電話サービスを開始(下り830~832MHz、上り885~887MHz)。
  • 1987年日本シティメディアがテレターミナルサービスを開始(下り838~843MHz、上り893~898MHz)。MCA無線がナロー化(下り834~838MHz、850~860MHz、上り889~893MHz、905~915MHz)。
  • 1988年IDO(日本移動通信、現・au)がNTT大容量方式アナログ自動車電話サービスを開始(下り860~870MHz、上り915~925MHz)。NTTがNTT大容量方式アナログ自動車電話サービスを開始(下り870~887MHz、上り925~942MHz)。東京湾マリネットサービス開始(下り832~834MHz、上り887~889MHz)。コンビニエンスラジオフォンサービス開始。
  • 1989年関西セルラー電話(現・au)がAMPS方式アナログ自動車電話サービスを開始(下り860~870MHz、上り915~925MHz)。
  • 1991年IDOがTACS方式アナログ携帯・自動車電話サービスを開始(下り843~846MHz、860~870MHz、上り898~901MHz、915~925MHz)。
  • 1992年世界初のデジタル携帯・自動車電話サービスとしてドイツでGSM900を開始(上り890~915MHz、下り935~960MHz)。
  • 1993年NTTドコモがPDC方式デジタル携帯・自動車電話サービスを開始(下り810~818MHz、上り940~948MHz)。北米でD-AMPS方式デジタル携帯・自動車電話サービスを開始(上り824~849MHz、下り869~894MHz)。
  • 1994年IDOがPDC方式デジタル携帯・自動車電話サービスを開始(下り818~826MHz、上り948~956MHz)。
  • 1998年DDIセルラー電話グループ(現・au)がCdmaOneデジタル携帯・自動車電話サービスを開始。
  • 1999年IDOがcdmaOneデジタル携帯・自動車電話サービスを開始。
  • 2005年NTTドコモがW-CDMA方式(FOMAプラスエリア)IMT-2000携帯電話サービスを開始。
  • 2006年KDDI/沖縄セルラー電話(au)が新周波数(Band Class 0 Band Subclass 2、新800MHz帯)の使用を開始。
  • 2008年空港MCA無線が使用を終了

アンテナ[]

アンテナの長さは、λ/2アンテナで17cm程度、λ/4アンテナで8cm程度であるので、携帯用の機器への搭載が容易である。もちろん、周波数がさらに高くなればより短くなるので、さらに搭載が容易になるが、電波の飛びが悪くなってくるため、携帯性と電波の飛びの点で(移動体通信において)、最も実用上のバランスが取れているのが、この周波数帯である。

無線回路[]

以前は、非常に高価なマイクロ波用の部品を使う必要があり、安価に提供することが出来なかった。また、部品形状が大きかったのはもちろん、集中定数回路と分布定数回路を組み合わせて構成されるのが普通であったため、大型であった。近年はIC化や部品の小型化が急速に進んだため、安価で小型になった。なお、現在でも周波数が高くなれば高くなるほど部品は高価になるので、この点に関しても最もバランスが取れているのが、この周波数帯である。

送受周波数配置[]

日本では長らく、移動機の送信周波数が受信周波数よりも高い周波数配置であった。これは世界の標準とは逆である。自動車電話を導入する際、自動車電話から送信された送信波が、テレビ受像機に対してイメージ混信を生じさせる可能性があったためである。当時、電電公社と郵政省が伊勢でおこなったフィールド実験では、ほとんど差異はなかったが、安全側に振る判断がされた。当時から、この配置は常識に反する物であったが、当時の関係者の判断で決まった。なお、他国においてもイメージ混信の可能性はあったが、日本に倣うことは無かった。


関連項目[]

  • 携帯電話
  • テレターミナル
  • ヘルツ
  • 150MHz帯
  • 400MHz帯
  • 1.5GHz帯
  • 1.7GHz帯
  • 2GHz帯
  • Digital Cellular System (DCS)
  • Personal Communications Service (PCS)
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