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機種変更(きしゅへんこう)とは、携帯電話・PHSの利用者が、現在の回線契約と電話番号を他の端末にそのまま引き継いで移し変える手続きのことである。端末を買い換える場合に必要となる。機種変・機変と略される。
SIMカードなどを使用しない方式の端末についていわれる概念である。
類似の概念に、契約変更(けいやくへんこう)と買い増し(かいまし)がある。
機種変更は、通信事業者が認めたショップ等で、申込み手続き・承認の後、通信事業者が用意した専用の装置を使っておこなわれる。したがって、加入者自らが変更することはできない。
機種変更を必要とする方式の端末は、店頭において「新規契約用」の在庫と「機種変更用」の在庫が別々に存在する。前者は電話番号が付随しているが、後者はそれがないという違いがある。
「機種変更用」端末の販売価格は、「新規契約用」のものと比べて一般に高価である(正確にいうと、値引きが少なく、より原価に近い価格である)。これは、新規契約は料金収入の増加が期待でき、そこからインセンティブを捻出して値引きできるのに大して、機種変更は増収には直接つながらないことから、大幅な値引きがしづらいためである。しかし、機種変更端末価格が高止まりでは既存契約者の端末の世代交代が進まず、新しいサービスの普及の妨げとなることから、事業者による機種変更の促進策として、新規契約あるいは前回の機種変更から一定期間(1~2年以上)が経過している利用者に対しては、ある程度の割引が行われることが多い。利用料金に応じて貯まったポイントによる割引サービスを事業者が用意したり、事業者が期間限定で機種変更の割引キャンペーンを行うこともある。ただし、機種変更の割引キャンペーンは、有料のオプションサービス(指定割引サービス・パケット定額制など)の契約を条件としている場合もある。なお、既存回線を解約して新たな回線で新規契約をする場合、前回線の中途解約にあたっては解約手数料がかかる場合があり、新規契約しなおすことによる手数料も発生する。そのため、新規契約時の端末価格・解約手数料・新規契約事務手数料を足した金額よりも各種割引サービス利用時の機種変更価格が安くなる場合もある。
機種変更は端末の購入を伴うのが普通であるが、場合によっては利用者が別途調達した端末を持ち込んで機種変更手続きを依頼することもある。これを持ち込み機種変更という。事業者によっては持ち込み機種変更に一定の制約を課している場合がある。
機種変更を行うと、元の端末は白ロムとなり、再度契約情報を登録しない限り通話・通信に使うことはできなくなる。事業者はリサイクル促進のため機種変更後の白ロム端末を任意で引き取っているが、実際には多くの利用者が、受信メールや個人情報の保全、カメラなど端末単体機能の利用を理由に、リサイクルに応じず端末を持ち帰っている[1]。
機種変更は、より新しい機種、あるいはより上位の機種に対して行われるのが普通であるが、利用者の事情によっては、古い機種や下位の機種に変更する場合もある。
日本では、2006年現在、以下の方式の端末に関して機種変更が行われる。
同じ通信事業者の他の通信方式の端末に契約を移行することを、特に契約変更という。今日では主に、第二世代携帯電話から第三世代携帯電話に移行することを指す。
一般に、通信事業者は、利用者が新しい方式に移行することを望むため、契約変更用端末の販売価格は新規契約用とあまり変わらないくらいの値引きがなされるのが通例である。
利用者が新しい方式の電波状況や端末に不満であった場合、元の方式に戻すという逆方向の契約変更が行われることもある。
日本では、2007年現在、以下の方式の端末間について契約変更が行われる。
また、古い方式のサービスが終了(停波)する場合、利用者が希望すれば新しい方式への契約変更を行うことができ、その場合の端末価格や手数料は大幅に優遇されるのが普通である。
なお、同じ事業者内の通信方式の変更であっても、契約を継続せず電話番号が変わる場合は、単なる解約と新規契約の扱いになり、契約変更とはいわない。これには、ドコモPHSからmova/FOMAのようにそもそも契約変更できない場合や、端末を安価に購入するために電話番号の変更を承知の上であえて新規契約する場合などがある。
SIMカードや、それと類似の仕組み(ウィルコムのW-SIMなど)を採用した携帯電話・PHSにおいては、利用者は新しく端末を購入すればカードを差し替えるだけで自分で簡単に契約を移し変えることができる。また、元の端末に契約を戻すことも簡単に行える。このような方式では、機種変更とは考え方が異なり、新しく端末を購入するということは利用者の手元に使用可能な端末が増えるということを意味するため、買い増しと呼ばれる。
買い増しの端末価格に関する事情は、機種変更のそれとほぼ同様である。なお、機種変更や契約変更は手続きを必要とするため端末販売価格とは別に事務手数料を要するが、買い増しは単に端末を販売するだけであるため、事務手数料を要しない。
ただし、auのau ICカード採用端末では、端末自体にもICカードの情報が記録されているため、端末とICカードの情報が一致しないと使うことが出来ない。もし他人から譲り受けた端末を使う際にはauショップなどで端末のデータを書き換える作業(有料)が必要であり、一般的なシステムとはやや異なっている(ただし、自分が使っていた元の端末に戻す際にはこの限りでない)。
日本では、2006年現在、以下の方式の端末に関して買い増しが行われる。
日本では、番号ポータビリティ等により携帯電話の会社を変更した場合、移転先の会社向けの携帯電話端末が必要になるが、これは「機種変更」とは呼ばない。
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