スーサイドブラック(MtG)

ページ名:スーサイドブラック_MtG_

登録日:2011/01/21 (金) 23:22:58
更新日:2023/08/12 Sat 19:29:35NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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mtg 速攻 最速 ksk ビートダウン スーサイド 命は投げ捨てるもの 黒デッキ 自殺 喰うか喰われるか 電撃戦 ライフは1までかすり傷 命の価値はカード一枚 死ななきゃ安い



病弱な天才剣士、沖田総司がそうであるように。


突如として天まで走り去った快速馬、サイレンススズカがそうであるように。


強さと脆さの混在というのは、いつの時代も人を魅了するものなのだろうか……。





スーサイドブラックは、MtGのビートダウンデッキの一つ。デッキカラーは
圧倒的な速さに宿命的な欠点を内包した、愛好家の多いデッキである。



肉占い/Sarcomancy (黒)
エンチャント


肉占いが戦場に出たとき、黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
あなたのアップキープの開始時に、ゾンビが1体も戦場に存在しない場合、肉占いはあなたに1点のダメージを与える。


カーノファージ/Carnophage (黒)
クリーチャー ゾンビ


あなたのアップキープの開始時に、あなたがライフを1点支払わない限り、カーノファージをタップする。
2/2


肉裂き怪物/Flesh Reaver (1)(黒)
クリーチャー ホラー


肉裂き怪物がクリーチャーか対戦相手にダメージを与えるたび、肉裂き怪物はあなたにその点数に等しい点数のダメージを与える。
4/4


走り回るスカージ/Skittering Skirge (黒)(黒)
クリーチャー インプ


飛行
あなたがクリーチャー呪文を唱えたとき、走り回るスカージを生け贄に捧げる。
3/2


ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator (2)(黒)
クリーチャー ホラー


トランプル
ファイレクシアの抹殺者にダメージが与えられるたび、その点数と同じ数のパーマネントを生け贄に捧げる。
5/5


隠れ潜む邪悪/Lurking Evil (黒)(黒)(黒)
エンチャント


あなたのライフの半分(端数切り上げ)を支払う:隠れ潜む邪悪は飛行を持つ4/4のホラー・クリーチャーになる。




ご覧の通り、デメリット持ちにキツいコスト付きばかりである。だがそんなことは問題ではない――
彼らはコストの割にパワーが高いのだ。はっきり言えば


相手を殴り殺すのが速いのだ。


そんなわけでリスクはほとんど無視して攻める。攻める。攻める。


白ウィニーよりも速く、誰よりも速く、速攻で攻める。


その捨て身っぷりが由来し、ついた名前が「自殺する黒」――スーサイドブラック、というわけである。


これらのクリーチャーを補助するカードもまた、いっそ清々しい程にひたすら前に出ようという呪文だ。



暗黒の儀式/Dark Ritual
(黒)
インスタント


あなたのマナ・プールに(黒)(黒)(黒)を加える。


言わずと知れたパワーカード。初手儀式からの爆発力は他の追随を許さない。



よじれた実験/Twisted Experiment (1)(黒)
エンチャント オーラ


エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+3/-1の修整を受ける。


パワーを上げてタフネスを下げる。どうせ無いに等しい防御力、
守らないのでデメリットなし。


相手のタフネス1クリーチャーに撃てば除去にもなる。




そして、このスーサイドを語る上で欠かせないカードこそ――憎悪だ。


憎悪/Hatred (3)(黒)(黒)
インスタント


憎悪を唱えるための追加コストとして、X点のライフを支払う。
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。


土地が1ターンに1枚しか展開出来ないMtGでは、
(3)(黒)(黒)というコストは通常5ターン経たないと払えないが、
そこは暗黒の儀式を擁する黒。なんと、
理論的には1ターン目に、
理想的には2ターン目に、
現実的には3ターン目に、
憎悪のかかったクリーチャーで攻撃することが出来るのだ。


A「カーノファージを対象で憎悪!18点支払うぜ!」
B「負けました」
※2ターン目です


まさに瞬殺。華麗に勝利。嗚呼、スーサイドよ永遠なれ。









『そんな速すぎるデッキ、ゲームバランス大丈夫か?』
とお思いの方、実に正しい。
「大丈夫だ、問題ない。」
次は冒頭で述べた宿命的な欠点について語らねばなるまい。



ショック/Shock (赤)
インスタント


クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。


という色の代名詞たるこの種のカード――
いわゆる「火力」に、スーサイドブラックは絶望的なまでに弱かったのである。


暗黒の儀式やよじれた実験の補助を受けたクリーチャーが焼かれれば
アドバンテージが消し飛び、
自軍のクリーチャーは働く際にいちいちライフを要求する為プレイヤーが焼かれれば
途端に首が回らなくなる、というわけだ。


初手儀式から意気揚々と抹殺者を展開し、
ショックでも撃たれようものなら血反吐もの。
紅蓮地獄で文字通りの地獄となる。
憎悪に対応して稲妻ならば死が見える。


黒の特色である手札破壊を使用すればいくらか欠点は緩和できるとはいえ、
やはり基本構造からして安定感を捨て去っているため、スーサイドブラックで対戦する際には


『赤いデッキとなんて当たるワケねーし!』


という開き直りも大事だが
メタの分析が必要不可欠であろう。


もしくは『焼かれる前に攻めきれ!』



デュエルファイター刃の登場人物、ラインハルトは前述の手札破壊をスーサイド気味のデッキに盛り込み、コントロールデッキとして使用。
「電撃戦(ブリッツ・クリーク)」と銘打たれたこのデッキは多くの読者の記憶に残ったため、
現実世界でもブリッツと言えば同種のデッキを指すほどに。


これを解説するに、極端に言ってしまえば、盤面で優勢ならば自分の手札など必要なく、
相手が盤面への干渉に使う手札を持っていなければ勝てるため、
「瞬時に盤面を制圧する高速戦術+手札破壊」
は大変理に適った構築と言うことができる。参考にしよう。


余談だがこれの登場以来、何かしらのリスキーなアドバンテージ獲得手段に対し、保険を用意しないデッキがスーサイド〇〇と呼ばれるようになった。
有名所だと速度重視型で、《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》を入れない《ネクロポーテンス/Necropotence》デッキ【スーサイドネクロ】が有名。
同じスーサイドの名が付く【スーサイドオース】の場合はもうちょっと複雑で、誘発ごとにライブラリーが削れる《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を安定運用するため、ライブラリーから直接墓地に落ちると墓地のカードがライブラリーに戻る《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》でライブラリーアウトを回避する手段がメジャーだった。
しかしスタンダードのローテーションにより《ガイアの祝福》が使用不能になってしまう。それでも《ドルイドの誓い》のカードパワーは本物だったため、ライブラリー修復を諦め(というか環境に有力カードが存在しなかった)LOで負けるか殺すかというスーサイド戦略を取ったという経歴がある。
現在では【Super Crazy Zoo】からスタートした【デスシャドウジャンド】が、《死の影/Death's Shadow》のサイズを大きくする手段としてライフを積極的に削る後継者となっている。


自分のライフを削っていく緊張感、相手の一手一手にドキドキするスリル、
使っても使われても、勝っても負けても納得がいく漢らしさ……


『ライフは1までかすり傷』


何も言わずにお試しあれ。


『あいつは恐くないの!!自分のLPがどんどん減るのが!!』
『けっ!!安全な戦法なんかくそくらえ!!』



18点のライフを支払い、追記・修正を頼む!


オアリムの詠唱
対抗呪文
四肢切断
ショック
濃霧



ぎゃああああああああ



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  • 最近の黒いクリーチャーは、やれタップ状態で出るだけだのブロックできないだの挙げ句の果てには絆魂持ちだの全然スーサイドしてないのが残念じゃわい…… -- 名無しさん (2013-08-16 14:57:46)
  • スタンダード環境ではテンペスト~ウルザブロックの頃が最盛期だった -- 名無しさん (2013-08-16 20:43:46)
  • 濃霧一発で沈むあたり儚いよなぁw -- 名無しさん (2013-12-07 22:00:57)
  • ブリッツはアキラじゃなかったか? -- 名無しさん (2014-03-28 03:00:54)
  • 「ブリッツクリーク」って名乗ったのはラインハルト ただ、デッキってよりはドイツチーム自体のチーム戦略として名乗ってたような記憶 -- 名無しさん (2014-03-28 07:15:18)
  • 今の黒単信心の安定感もいいけどこの時代のデッキも素晴らしい -- 名無しさん (2014-04-11 18:29:31)
  • 最近でスーサイドしてたのって、アヴァジンの奈落に住まう騙し屋ぐらいか -- 名無しさん (2014-05-02 06:41:13)
  • ↑ちょっとスーサイドとは違うかもしれんが、冒涜の悪魔さん落ちた後の饗宴の主さんには密かに期待している。なるべく短期決戦にしたい地味にきっついデメリットだし -- 名無しさん (2014-06-09 22:09:53)
  • 赤が天敵なことから憎悪の英語名と掛け合わせてヘイト・レッド(赤が憎い)というジョークが生まれるほど極端なデッキと言えば良くわかるかもしれない。 -- 名無しさん (2014-06-24 13:39:58)
  • 極端な効果デザインは一歩間違えれば凶悪カードになる恐れがあるからなぁ・・・。デザインが難しいんだと思う。 -- 名無しさん (2014-06-24 14:50:05)
  • こういうのが一番黒らしいデッキだと思う。黒からスーサイドを取り上げるのは赤から火力を取り除くのと一緒 -- 名無しさん (2014-09-26 23:32:48)
  • 黒き誓約、オブ・ニクシリス「よかろう、ならばスーサイドの(舞台位は)用意してやろう」 -- 名無しさん (2014-11-30 10:28:33)
  • 一部のマニアが望むレベルのカードがないだけで、テーロスあたりでいうと責め苦の伝令とか苦痛の預言者とか略奪者の戦利品とかちらほらそういうのはいる。単にサイズと引き換えにライフロスとかいうのはもう何度かやっててまたやっても焼き直しで面白くない。 -- 名無しさん (2015-07-20 12:20:12)
  • マジックオリジンで出た血の儀式の司祭は結構強いスーサイドだと思うなぁ -- 名無しさん (2016-03-13 09:53:56)
  • スーサイドズーことスーパークレイジーズーをよろしく! -- 名無しさん (2016-03-30 02:35:54)
  • コロコロのデュエルマスターズで黒城(白皇戦前)が使ったデッキもスーサイドブラックなのかな。だとしたら「ショック」が勝負の決め手になったのって原作に忠実だったのか -- 名無しさん (2016-05-26 20:28:20)
  • 今更だけどこの項目名スーサイドブラックよりヘイトレッドの方があってるのでは? -- 名無しさん (2016-12-21 23:22:47)
  • なお後輩ともいえる遊戯王の環境デッキはライフは投げ捨てるものと言わんばかりの代物ばかり。これには大先輩もにっこりですね -- 名無しさん (2019-04-11 11:50:33)
  • 神殿での黒城の断末魔こそスーサイドブラックの醍醐味 -- 名無しさん (2020-05-27 13:48:19)
  • スーサイドブラックって暗黒の儀式などを代表としてカードアドバンテージ的にもスーサイドなんだよね。2,3枚のカードを使った結果打ち消された除去されたって言ったら相当苦しくなる。 -- 名無しさん (2020-05-27 14:33:35)
  • ↑その通り。だから「Force Spike/魔力の乱れ」もス黒の使い手がめっちゃ嫌がってた -- 名無しさん (2020-07-02 22:14:32)
  • ドロスの魔神『なぁ、オイルまみれになろうやあ』 -- 名無しさん (2023-02-04 00:16:30)
  • ↑ドロスの魔神はちょっと精神性が違う気がする。敗北するというデメリットは絶対に踏み倒さなきゃいけないわけだけど、「スーサイド」は踏み倒せないデメリットを気前よく受け入れて戦っていくものだと思う。 -- 名無しさん (2023-02-06 10:20:32)

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