Flash(Webメディア・制作ツール)

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「Adobe Flash Player」のサポートは終了しました




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Flash版アニヲタWiki(仮)はサービスを終了しました。
今後は HTML5版アニヲタWiki(仮) をご利用ください。





























   *   *
 *   + (Flash版アニヲタWikiなんて)嘘です
  n ∧_∧ n

  1. (ヨ(*´∀`)E)

  Y   Y  *




登録日:2026/02/04 Wed 09:26:27
更新日:2026/06/07 Sun 22:45:51NEW!
所要時間:約 11 分で読めます



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Flashフラッシュ』とは、1990年代後半から2000年代にかけて流行したWebメディアおよび、それを制作するツールの通称である。
Webブラウザ上でアニメーションを再生することができたほか、独自のプログラム言語『ActionScript』を使う事で、ブラウザ上で動作するゲームやツールなどのWebアプリケーションを作る事もできた。


なお、開発会社が買収された事でちょくちょく名前が変わっている。
最初は『FutureSplash』だったのが『Macromedia Flash』となり、さらに『Adobe Flash』となって最後は『Adobe Animate』となった。サブカルショップの方とは無関係



目次


概要


まだまだインターネット黎明期だった1996年に FutureWave Software が発売した制作ツール「FutureSplash Animator」再生プレイヤー「FutureSplash Player」のセットがその始まり。


制作ツールで書きだした「.swf」という拡張子のファイルが本体なのだが、
単にこれをブラウザで開かせようとしても再生はできない。
ブラウザ側に再生プレイヤーをプラグインとして追加インストールすることで開けるようになり、
動画やゲームなどが楽しめるという仕組みである。


当時としては 「Webページ内で動画再生やゲームのようなWebアプリケーションが楽しめる」 というのはかなり画期的で、
しかも当時存在していた対抗技術*1よりも軽量かつ安定していたこと、
さらに アニメ・ゲーム制作にとってはオールインワンと言ってもいいほど制作ツールが便利かつ手軽に使えた 事から、
2000年代初頭には 個人クリエイターが最も扱いやすい“創作プラットフォーム” として急速に普及した。


特に日本では、2ちゃんねるの AA 文化や個人サイト文化と結びつき、
Flashアニメ・Flashゲーム・替え歌・パロディ作品が爆発的に増加。
2002年には「FLASH・動画板」が設置され、
「紅白FLASH合戦」「FLASH★BOMB」などのイベントが開催されるなど、
Flashは ネット文化の中心的存在 となった。


また、Flashは動画だけでなく、
インタラクティブ性(ボタン・ミニゲーム・隠し要素) を持つ点が大きな特徴で、
YouTube登場以前のインターネットにおいて、
“動画とゲームの中間”のような独自の表現領域を築いた。


なお、FutureWave Software はその後 Macromedia に買収され、
制作ツールが『Flash Professional』、プレイヤーが『Flash Player』となり、
さらに Macromedia は Adobe帝国に買収され、
それぞれ『Adobe Flash Professional』『Adobe Flash Player』となった。


その後、2005年の YouTube 登場、2006年ニコニコ動画登場、
スマートフォンの普及と HTML5 の台頭により Flash の役割は急速に縮小。
2020年に Flash Player のサポートが終了し、
技術としての Flash は幕を閉じたが、
Flash黄金時代に生まれた創作文化・職人精神は、
ニコニコ動画・YouTube・VTuber文化へと確実に受け継がれている。



Flashの利点


データサイズが軽くて画質がきれい

動画内容にはよるが、現在主に使われているような mp4 動画よりもはるかに軽いデータサイズで綺麗な映像を表示できた。


Flash が普及した 00 年代前半は、ADSL という大体 10Mbps ほどしかデータがダウンロードできない回線が主流だったため、低画質な SD 動画のダウンロードさえままならない中、軽くて手軽にブラウザで見れる Flash 動画はめちゃくちゃ重宝されていた。
特に 紅白FLASH合戦 や おもしろフラッシュ倉庫 など、Flash 作品を大量に閲覧する文化があったため、軽量性は“文化の前提条件”でもあった。


また、Flash は 音楽と映像を同期させた演出(例:Nightmare City)や、
大量のキャラを同時に動かす演出(例:棒人間アニメ)を軽量に実現でき、
当時の PC スペックでも滑らかに再生できた点が大きい。


これは ベクター形式 をメインとしたアニメーションエンジンが採用されていたためである。


例えば 2025 年現在一般に使われる画像や動画は、画面にぎっしり敷き詰められたドットの色データを集めて構成されたもので、この形式を ラスター形式 という。
つまり「タイルを敷き詰め絵を作る」モザイク画を PC 上で行っているようなものであり、現在のカラー印刷や映像表示も大体この仕組みで表示されている。


しかしこのラスター形式は画像を構成するドットが多いほど当然サイズが大きくなり、例えば縦横のサイズが大きく解像度が高い画像であったり、何枚もの画像を時系列上にまとめた動画だったりすると、10GB だの 20GB だのとんでもなく重いデータサイズになってしまうのである。
要するに「クソデカいモザイク画を作ると大量のタイルを使い膨大な時間や手間がかかる」のと同じである。


この問題を解決するために、色味を減らして情報量を少なくする GIF や、人間の目には同じに見える処理を省略して圧縮をかけるような JPEG といった映像の圧縮方法が考案されていくのだが、それはサイズ節約と引き換えに画質も犠牲にすることは避けられない。
また原理的にラスター形式は「画像の拡大はドットを引き延ばしているだけ」という欠点がある。
要するにモザイク画を近くで見ているのと同じで、具体例を挙げると PC で画像を拡大したら文字のフチや斜め線がギザギザになった経験をした人は多いはずだ。


これに引き換えベクター形式は、画像を数式で保存する。
数学の授業で習う曲線グラフを描く授業を思い出してほしいのだが、アレの複雑な奴を組み合わせることで複雑な図形でも表現できるという理屈である。
この場合例え解像度が高くラスター画像なら特大サイズになってしまうような大きな画像でも、ベクター画像であれば数式に代入するキャンパスの高さ・幅の数値が変わるだけなので、大きい画像でも小さい画像でも問題なく表示できるし、また画像を拡大してもギザギザにならないという訳。
また関数という形で線の形状自体を記憶しておく形式であるため、形が徐々に変わっていくようなアニメーションを作るのにも強い。


この特性は、Nightmare City のような高速カメラワークや、
Dancing☆Onigiri のような大量の矢印を同時に描画する音ゲーなど、
Flash 文化を代表する作品群の“軽さ”を支えていた。


しかしベクター形式も万能な訳ではなく、複雑すぎる形や質感ある色使いの表現を苦手とし、特に写実的な画や実写映像を無理矢理ベクター化してしまうと描画処理が重くなったり、描画し切れず絵自体が破綻してしまったりする。
そのためカメラのデータやテレビの映像、動画サイトの動画など一般的な場面ではラスター形式の映像が採用されており、ベクター画像はロゴマークのデータや書体データ(いわゆるフォント)など、拡大縮小を伴う用途に使われる事が多い。


Webアプリケーションが制作できる

Flash もう 1 つの利点。00 年代後半から 10 年代まではこの側面が特に利用されていた。
前述の通り『ActionScript』という独自のプログラム言語の実行環境を内蔵しており、例えばクリックに反応して動画の中身が変わる、計算処理をさせるなどのプログラム処理が可能。


これを利用する事でブラウザ上で動く Web アプリを作ることが可能で、便利なオンラインツールや Flash ゲームを作って公開する事ができた。


特に日本では、

  • Dancing☆Onigiri(ダンおに)のような音ゲー
  • 棒人間アクション
  • ミニゲーム集
  • インタラクティブな隠し要素を持つアニメ(Nightmare City など)

といった“動画とゲームの中間”のような作品が大量に生まれ、
Flash のインタラクティブ性は文化の核となった。


アニメーション作りが手軽

いわゆる 絵を描くためのドローツールを内蔵 しており、さらに描いた絵をタイムライン上に並べて動画化するための機能が揃っていた。


中でも独特なのが『シンボル化』という書いた絵を 1 つのパーツとして登録できる機能で、シンボル化した中にまた個別のアニメーションを書き、入れ子構造にする事ができる。
例えば人が走るアニメをシンボル化し、ステージ上にシンボル化した走る人を大量に並べて横に移動させれば「走る大勢の人」というアニメが人数分を一から書かなくても簡単に実現できるという訳である。


この仕組みは、

  • ゴノレゴのような大量キャラの掛け合い
  • AAキャラアニメ(しぃ・モナー・ギコ)
  • Nightmare City の高速戦闘シーン

など、Flash 文化の代表的演出を支えた。


ほかにも絵にボーンを埋め込んでそれを基準に動かしたり、疑似的なカメラを操作する事で躍動感のある絵を撮影したり、Adobe に移行してからは奥行きを設定してシミュレーションできる簡易 3D 機能が追加されたりと、アニメ制作にあると嬉しい便利な機能が揃っている。


この辺りの操作感はかなり独特で、
Flash が Web メディアとして終止符を打たれてなお、これらの機能をアニメーション制作に持ち込んで活用しているユーザーもいた(後述)。
実際、Flash 職人の一部はその後 映像制作・VTuber モーション・MAD 文化 へと技術を継承している。



Flash用途の例


Flashアニメ

作り方さえ覚えてしまえば思い付きをさっくりと形にでき、さらにファイルを公開すればそのままブラウザで見ることができるという利点もあった為、アマチュアアニメーションの製作環境としては当時かなり手軽に扱う事が出来た。


特に 2ちゃんねる の専門スレッドなどでは、2026年現在で言う所の絵を描いてSNSに投稿するような感覚で Flash 動画がどんどん投稿されており、気合いの入った MV や、アニメの OP を再現したもの、海外の歌に勝手に空耳を付けた動画、コントの音声 やアニメ画像を勝手に使った MAD……と、様々な動画がネットを飛び交った。


当Wikiにも記載がある物だと、「もすかう」「しぃのうた」「トゥートゥー トゥマシェリー マーシェーリ」あたりの歌ものや、「なつみSTEP」「赤い部屋」などのホラーものが有名。


さらに Flash 全盛期には、

  • Nightmare City(み~や)
  • ペリーのお願い
  • ゴノレゴ
  • ナマコ星人(鱒の家)

など、Flash 文化を象徴する“職人作品”が次々と誕生した。
特に Nightmare City は 紅白FLASH合戦 MVP を受賞し、Flash アニメの頂点の一つとされる。


それらの Flash 動画を収集しては再公開するサイトも存在し、現在のように SNS で簡単に製作者に繋がれるわけではない当時では一種のアンテナサイトめいたものとして人気を博していた。
往年を知るネット老人会のアニオタ諸兄なら「おもしろフラッシュ倉庫」と聞けば心当たりがあるはずである。
倉庫文化は Flash の“流通インフラ”として機能し、Flash 職人のスター化を支えた。


ちなみに、FROGMAN 制作作品(古墳ギャルのコフィー秘密結社鷹の爪など)は Flash アニメ発の作品が商業作品となった大ヒット例。
また ボカロ シーンにも割と大きな影響を残しており、「ロイツマ・ガール」の Flash アニメが巡り巡って 初音ミク にネギを持たせるお約束の元となったり、かつて音楽系 MV や OP 再現風 Flash アニメを作っていた Flash 職人が、後にボカロ曲の MV を制作していたりする。



Flashゲーム

いわゆるブラウザゲームのためアクセスが容易だった上に仕事中のサボりや、学校の情報の授業中に遊べたこと、インストール不要で手軽に遊べることから遊んだ経験のある 30 代 Wiki 籠りも多い事だろう。


名作理不尽アクションの「人生オワタ\(^o^)/の大冒険」や、悪名高き「くまのプーさんのホームランダービー!」が当Wikiにも項目のある有名作。
ほかにも画面に写る物をクリックして反応を起こす事で物語を進める、ポイント&クリック型アドベンチャーゲームも定番 Flash ゲームの一つ。特に密室の中を探索して部屋から出ることを目指す「脱出ゲーム」はこの手の定番物だった。


また、当たり判定の作りやすさ*2から イライラ棒 もよく作られていた。
そしてそれらに偽装したドッキリ系ホラーゲームも出回っており、そうとは知らず引っかかった方も多いのでは。


さらに Flash 文化を語る上で欠かせないのが Dancing☆Onigiri(ダンおに)。
DDR を Flash で再現した音ゲーで、

  • 5キー
  • 7キー
  • 変則 7キー
  • 11キー

など多彩な操作体系が存在し、Flash 職人たちが“譜面職人”として活躍した。
「祭り」と呼ばれるイベント文化も生まれ、Flash ゲーム界隈の一大ジャンルとなった。


また、かつて モバゲータウンGREE といったガラケー向けゲームサイトで提供されていたゲームも Flash 製のものが多い。
そのためソシャゲー/スマホゲーのルーツもある種ここに端を発しているものがあり、例えば 怪盗ロワイヤル はアニメーション演出に Flash を駆使していたし、艦隊これくしょん -艦これ- は当初 PC 向け Flash ゲームとして提供されていた。
ただしガラケー向き Flash は端末の性能上、一部機能を落とした『Flash Player Lite』で提供されていた為、PC のものよりはシンプルなものとなっていた。


動画プレイヤー・動画共有サイト

今では当たり前となっている YouTube を始めとする動画サイトも、最初は Flash プレイヤーのプログラム機能を使って作られていた。


実は過去のブラウザには動画や音声ファイルを再生する機能が無く、DL したファイルを開いたり、OS に標準搭載されているプレイヤーを Web ページ側で埋め込んで再生するのが基本で、しかも再生できるかどうかが使っている PC に大きく依存する*3ようなものだった。


そこで Flash プレイヤーの機能を使い、ファイルのアップロードや再生を違和感なく行えるようにしたのが YouTube を始めとした動画サイトだったのである。
Flash は “動画時代の入口”を作った技術 と言っても過言ではない。


歌詞サイト

Flash プレイヤー以外では Flash ファイルは開けない、という特徴をデータ保護・著作権保護に応用した例。
カラオケのデータベースなどを使って曲を検索・歌詞を確認できるのだが、Flash 内で選択できないようにしたテキストとして表示する事で、歌詞のコピペを防止し、かつ 検索エンジン に文字などの情報が拾われないようにする、という仕組み。


この仕組みは Flash の“閉じた再生環境”を逆手に取ったもので、
Flash が 「創作」「ゲーム」「動画」「保護された表示」 と多用途に使われていたことを象徴している。



問題点



しかし、様々なコンテンツを楽しめるようになった一方で、WebメディアとしてのFlashには大きな問題点もあった。
特に FLASH 黄金時代(2000〜2004) に爆発的に普及したことで、技術的・文化的・社会的な問題が一気に噴出した。

(たくさん使われ過ぎて)重くなった

手軽に動画や Web アプリが作れる分、何にでも Flash を使って Web サイトを作るようなケースが多発してしまった。
例えばカーソルを載せると光るボタン 1 個をサイトに載せる為に、用意されている標準の HTML 機能や CSS を使わず Flash で作るような事が起きてしまっていたのである。


加えて、企業や商品などの公式サイトのページ丸々 1 つ、サイト丸ごとを Flash で作るような例もあった。
こうなると画面内に当初想定された以上に動画が呼び出される事になるため、当然マシンパワーが通常のページ以上にかかり、画面が重くなる上、やたら演出効果が派手な一方で内容を読むのが難しい、なんていう本末転倒なサイトも増えていった。


さらに Flash 文化の中心だった おもしろフラッシュ倉庫 や Flash 専門リンク集 でも、
大量の SWF を読み込むページが増え、
「Flash は軽いはずなのに、ページ全体が重い」という逆転現象が起きた。
倉庫サイトの中には アダルト広告・詐欺広告・ブラクラ が大量登録され、
Flash=重い・危険というイメージが強まっていった。


また、現代でも利用者を悩ませる悪質な Web 広告も 2000 年代末には既に存在し、
画面を大きく占有し本来のページ内容を見えなくしてしまう、勝手に動画を再生し始めるといった広告に Flash が使われ、
Web サイトを重くする要因というイメージが強く浸透していく事になった。


一企業が技術を独占していること

制作ツールの開発は全て Flash を開発する一社(Macromedia → Adobe)のみが行い、その仕様や技術情報を独占してきた。
これはすなわち Flash メディアに依存していると、開発会社が急に値上げをしたり、あるいは開発を終了してしまっても誰も逆らえないということである。こういったソフトウェアを「プロプライエタリソフト」という。


実際、Flash 職人の多くは Flash Professional の高額化 に悩まされ、
後期には「趣味で Flash を続けるのが難しい」という声も多かった。
(Flash 職人史では、これが離脱の一因になったとされる)


また背景として、各ブラウザがあまりにも好き勝手に独自機能を追加しまくった結果訳の分からない事になったブラウザ戦争を経た結果、Web サイトを製作する、あるいはブラウザを制作する際にはこの基準に則るべし、という「Web 標準」が 2000 年代より意識されることになった事も大きい。


ブラウザの開発者たちが議論を重ね Web 標準を制定している中、Flash だけは自社で勝手に機能を追加していくことができるというのは、開発側からしたら脅威以外の何物でもなかったのである。


さらに、Flash 文化の中心だった Dancing☆Onigiri(ダンおに) や Nightmare City のような高度な作品は、
Flash の独自仕様に依存していたため、
HTML5 時代に移植が困難になり、文化の保存にも影響を与えた。


脆弱性

上述したブラウザと Web 標準の話にも絡んでくるが、
いかにセキュリティを万全にして Web 標準に則った表示だけ行うブラウザを作ったとしても、
後付けプラグインである Flash Player のバグを突かれてしまうとどうにもならないという事例が多数発生した。


特に「あなたの PC がウィルスに感染しています」などの偽ポップアップをトリガーとして、Flash Player にコンピュータウイルスをインストールさせようとする悪意のある偽広告が猛威を振るった上、
Web ページ上で開いただけでウィルスに感染するという最悪レベルの脆弱性を利用した悪質プログラムまで登場。


このため Flash メディア末期では「Flash Player をデフォルトで無効にしてください」という、半ば脆弱性対応をあきらめたかのような措置が行われた事もあった。


また、Flash 文化の衰退期(2006〜2007)には、

  • Flash 倉庫の荒廃(詐欺リンク・ブラクラの氾濫)
  • のまネコ騒動によるコミュニティ不信
  • YouTube・ニコ動への移行

など文化的要因も重なり、
「Flash は危険」「Flash は古い」というイメージが決定的になった。


終焉


上記の脆弱性を突いた攻撃も衰退の大きな一因だったが、
その上スマートフォンへの進出へ完全に失敗した事でFlashの未来は閉ざされた。


とりわけAppleのスティーブ・ジョブズは上記の問題点からFlashを完全に敵視しており、公開書簡を作ってまでiPhoneにFlashを導入する事は無いと宣言していた。
というわけでAndroidの方に向けてFlash Playerの開発が行われてはいたのだが、結局動作の重さをスマホ向けに最適化する事が出来ずに撤退。
これによりFlashは、スマホ向けのWebサイトから完全に締め出されてしまった。
この「スマホ非対応」は、Flash 文化の中核だった

  • おもしろフラッシュ倉庫
  • Flash ゲーム(脱出ゲーム・イライラ棒・人生オワタ)
  • Dancing☆Onigiri(ダンおに)
  • Nightmare City などの職人アニメ

といった作品群が “スマホで見られない文化” になってしまったことを意味し、
Flash 文化の衰退に拍車をかけた。


Flash 文化は 「PCブラウザで即再生できる」 ことを前提に成立していたため、
スマホ時代の到来は文化そのものの土台を崩す出来事だった。


さらにWeb標準の整備及びブラウザの機能拡充が進み、

  • HTMLがバージョン5となって自前の動画・音声再生・画像描画機能を手に入れ
  • CSSがより複雑な表現を単体で出来るようになり
  • JavaScriptがActionScriptで使われた構文も取り込んで進化*4した

ことによって、WebメディアとしてのFlashはすっかり立場を追われてしまった。


HTML5・CSS・JavaScript は、Flash が担っていた

  • 動画再生
  • アニメーション
  • インタラクション
  • ゲームロジック
  • ベクター描画

といった機能を 分担して置き換える後継技術 となり、
Flash が“技術として必要とされる理由”は完全に消滅した。


この頃には、Flash 職人たちも

  • ニコニコ動画
  • YouTube
  • ボカロ MV 制作
  • VTuber・MAD 文化

へと移行し、Flash 文化の担い手そのものが別のプラットフォームへ流れていった。
(Nightmare City の作者み~や、ダンおに職人なども活動場所を移していった)


Flash 文化は ニコ動の「例のアレ」文化 や YouTube の個人制作アニメ、
さらに VTuber の Live2D(ベクター変形)文化 に受け継がれ、
“Flash の精神”だけは生き残ることとなった。


そういった経緯もあり、2020年12月31日を持ってFlashPlayerは公開を終了。
ブラウザおよびOSにより無効化・削除が進められたのであった。


Flash は技術としては終わったが、

  • 個人クリエイター文化
  • ネットミーム文化
  • 音楽×映像の演出(Nightmare City 系)
  • ブラウザゲーム文化(ダンおに・脱出ゲーム)

といった 文化的遺産は後継プラットフォームに確実に継承された。


……さて、WebメディアとしてのFlash、そしてFlash Playerは終焉した。


しかし制作ツールの方のFlash Professionalはしぶとく生き残り続けていた。
Flashがスマホから締め出される動きを見ると、早々にHTML5・JavaScript向けに書きだす機能を搭載。
さらにFlash Playerの全面終了が決定的になると、AdobeからswfをHTML・JavaScriptに変換するコンバーターまで配布。
制作ツールの名称もFlashを捨て『Adobe Animate』となり、アニメーション制作ツールに舵を切ったのである。


この流れは、Flash 文化の中で育った

  • アニメ職人(ゴノレゴ系・ナマコ星人・Nightmare City)
  • ゲーム職人(ダンおに・脱出ゲーム)

が、Flash の後継として Animate を使い続ける土壌にもなった。


Animate は、Flash の

  • シンボル化
  • タイムライン
  • ベクターアニメ

といった思想をそのまま継承しており、
Flash 文化の“制作ワークフロー”だけは生き残ったと言える。


が、変換先であるHTML・JavaScript用のエンジンである「CreateJS」もまた曲者だった。
単純なアニメーションならまだしも、複雑なアニメーションやゲームを作ろうとするとブラウザによって処理速度が違う、動作が重くなりがちといった弱点が存在。
さらにそのCreateJS自体のアップデートも2018年にバージョン1.0が出た時点で止まってしまった。
そのためWebサイト向けの製作という方向では完全にユーザーが離れてしまっている。


Flash → HTML5 移行の現場では、

  • タイムライン依存コード
  • シンボルの入れ子構造
  • 音楽同期(Nightmare City・ダンおに系)
  • フィルター・マスク
  • ActionScript → JavaScript の書き換え

などが大きな壁となり、
「Flash の完全互換は不可能」という結論に至ったケースも多い。


とはいえ、制作ツール・ドローツールとしての使いやすさや独自機能は未だに競合が存在しないせいで、アニメ制作の現場ではこれで原画を描き、画像出力したものを正式な動画に描き直していく、なんて作り方をしている所もあるとか。
実際、Flash 時代の シンボル化・タイムライン・ベクターアニメ の思想は、現在のアニメ制作にも影響を残している。
なんだかんだでニッチな需要を満たすソフトとして定着していた……


……と思われた矢先の2026年2月3日、サブスク販売からのAnimateの除外と、1年後のAnimate完全終了、過去の製作用ファイルが開けなくなる旨がAdobeから発表された。
Adobeからは推奨移行先を「After Effects」と「Express」に据えているようだが、果たして代替になるのか……
ともかく問題点のプロプライエタリソフトの項でも触れた懸念がついに現実となり、名実ともにFlashの系譜は完全終了することとなった。


……という話になっていたのだがあまりに反発が大きかったらしく*5、翌2月4日には新機能の開発などは行わないものの販売・サポートは継続する方針に替わったとAdobeよりアナウンスされた。





Flash黄金期を思いをはせながら、追記・修正お願いします。




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  • 自分にとっての初Flashは北斗ののび太だったな… -- 名無しさん (2026-02-04 12:23:12)
  • atwikiじゃ詳しくは書けないけど、エロフラもいろんな意味でお世話になったなぁ…(オッサン) -- 名無しさん (2026-02-04 18:46:13)
  • FlashエミュのRuffleの互換性言語が90%いってるしそう遠くない内に実用化しそう -- 名無しさん (2026-02-04 21:46:29)
  • Nightmare Cityとかを始めとした大作たちが青春時代の思い出だっただけに、FLASH自体の終焉は一つの時代の節目を感じたものだ。 -- 名無しさん (2026-02-05 06:06:19)
  • ゲーム内の平面アニメーションが.swfだったりするよね -- 名無しさん (2026-02-05 06:15:41)
  • フラッシュゲームにどれだけお世話になったことか…今となっては公開停止となっているところもあって非常に悲しい。 -- 名無しさん (2026-02-05 13:11:26)
  • 明らかにやばいのもあったよな。確かピカチュウとかを撃ち殺すゲームあったし、あれのせいで一時的トラウマになった事がある -- 名無しさん (2026-02-05 15:59:29)

#comment()

*1 JavaアプレットやActiveX、Microsoft Silverlightなど。どれもブラウザ内でアプリを起動する用途の外部プラグイン環境である。
*2 Flashの標準機能としてマウスカーソルと図形が重なっているかの判定を取る処理が存在する
*3 ネット上で配信されている動画は大抵がデータ圧縮されているのだが、それを読み取るために対応する規格(コーデック)の複合ソフトを都度PCにインストールしていなければならなかった。
*4 実はJavaScriptもActionScriptも「EMCAScript」という国際規格をベースに作られているので、正統進化だったりする
*5 SNS上でのユーザーの反発もさることながら、発表された1日で株価を大きく落としてしまっており、これが方針を撤回する最大の要因だったのでは、ともっぱらの評判だったり。

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