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瓜食めば子供思ほゆ 栗食めばまして偲はゆ
いづくより来たりしものそ 目交にもとなかかりて安眠しなさぬ
銀も 金も玉も 何せむに 優れる宝 子にしかめやも
――山上憶良『万葉集』巻5 802 より
ウリ(瓜)とは、それぞれ以下の意味である。
1. ウリ科キュウリ属の植物・メロンのうち、東洋系のものをいう。
2. 栽培されるウリ科植物の総称。
本稿では、両者について解説する。
▽目次(クリックで展開)
東洋系メロンー「瓜」ー
そもそも、メロン(Cucumis melo)の原種の原産地についてはこれまで諸説入り乱れていたが、現在のところはインドや北アフリカにかけての地域が原産であるとする説が確定的になっている。
いつしかこの原種はユーラシア全土に伝播していったのだが、現在の植物学上において、ヨーロッパなどの西方地域に渡っていったのが「メロン」、アジアなど東方地域に渡っていったのが「ウリ」とされる。
この「メロン」については個別項目で述べるものとする。
我が国においても縄文時代後期の貝塚や奈良・平安時代の遺跡からウリ類の種子が発見されているほか、瀬戸内海や九州地方の島しょ部にごく小さい果実をつける野生のウリ類の生息が確認されている。
この極小のウリ類は縄文時代から現代にいたるまでひっそりと生き延びてきたとされるもので、畑において作物に交じって飼育するという生態から「雑草メロン」という名称で呼ばれている。マクワウリを小型にしたような見た目で、果皮の色合いが様々である。これらの中には甘い芳香を放つものもあり、一見するとおいしそうに見えるが、果肉は猛烈な苦みがある。なお、完全に熟すと苦みこそ消えるが、甘みが発現することはまれであるという。
このことからして、縄文人はこれらのウリを果物としてではなく、ウリから取り出した種子を穀物のように利用していたのではないかと推測されている。
この「ウリ類から種子を取り出し、それだけを利用する」という食べ方は世界各地に存在する。例えば、カボチャやスイカの中には種子のみを食材(菓子類のトッピングやお酒のおつまみ、採油用など)として利用する品種があるし、ナイジェリア、ブルキナファソ、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、マリ、カメルーン等の「西アフリカ」ではスイカに近い「エグシメロン」というウリから取り出した種子(これが「エグシ」である)の殻をむいたのち、粉末状にしてスープに加える。エグシを入れたスープはとろみが出て、さながらエグシの粉末が片栗粉のような役割を果たしている。
やがて古代日本でこれらのウリが栽培化されるにつれて、いつしか夏の重要な食材となっていった。
この「ウリ」という名称の由来は、諸説あってはっきりしないが、明治時代の国文学者・大槻文彦の著した国語辞典『大言海』によれば、汁気の良いみずみずしい質感の果肉を「潤実」と呼んでいたのがなまったものではないかとされている。
本来は栽培するにあたっては高温乾燥の環境が適していたが、我が国で栽培が重ねられるに従い、高温多湿に耐える性質を身につけていったのである。
冒頭の『万葉集』の山上憶良の歌にも登場しており、この頃の「瓜」と言えばマクワウリを指した。やがて奈良・平安時代ごろには「シロウリ」という熟しても甘みが出ず、もっぱら野菜として調理して食べるような品種群も渡来し、江戸時代後期まで「瓜」と言えばマクワウリかシロウリを指した。これらは長い歴史の中で、地方に独特の品種が数多く作出され、上は貴族から下は農民に至るまで夏の食材として好まれた。
戦国時代において徳川家康がマクワウリを栽培しだしてめんどくさい家臣に「あいつ何やってんだ!武士が農家の真似なんかすんじゃねえ!」と畑をめちゃくちゃにされたり、大坂の陣の最中、献上されたマクワウリのおいしさを気に入って美濃国真桑村の農民に諸役を免除して毎年の夏に必ずマクワウリを将軍家に献上するよう約束させたりしたという逸話や、織田信長が朝廷にマクワウリを献上した*2という逸話や、豊臣秀吉が開いた仮装大会で、秀吉と家臣・真田昌幸が瓜売りに扮したという逸話はその代表例である。
やがて、明治時代になり、欧米諸国との交易が盛んになると西洋野菜が次々と導入され、その中に欧米諸国で品種改良された「メロン」があった。これらはマクワウリよりも甘みが強いことが好まれ、大隈重信のように自邸に温室を設けてこれを栽培する者もいたが、たいていは病害虫に弱くて栽培が難しいことから多くの庶民の口に入るまでには至らず、庶民はもっぱらマクワウリを食した。
これは戦前まで続き、メロンへのあこがれからか、マクワウリを「メロン」と呼ぶこともしばしばであった。伝統野菜のマクワウリの中で、大正~昭和戦前に栽培が始まり、「メロン」という名称を有するものは「網干メロン」や「妻鹿メロン」「深志野メロン」「加古川メロン」(いずれも兵庫県で栽培)、「甫立メロン」(鹿児島県で栽培。和梨のようにコロンと丸い形状で、果皮は白い)、「菊メロン」(熊本県で多く栽培。純白のカボチャのような形状で、「悠紀メロン」という名称でも知られる)などが知られている。また、戦前には「ニューメロン」という丸い形状の黄緑色のマクワウリが作出されており、これはマクワウリの中でも栽培が容易で、かつ甘みも強いため、現在でも各種苗会社から種子や苗が販売されている。
東洋系メロンの一つであるシロウリは季節感を感じさせる食材として好まれ、またどこの家でも漬物を作る習慣が浸透していた戦前までは重要な夏野菜として好まれていた。
昭和も戦後になると一気に食生活の洋風化が進み、それと時を同じくしてマクワウリとフランスのメロンを掛け合わせた「プリンスメロン」という品種が作出されたのを皮切りに、病害虫に強く味もよく、なおかつ安価な「メロン」が作出されていった。
こうしたマクワウリと西洋のメロンを掛け合わせた品種は、金マクワとスペインの「ピエル・デ・サポ」*3を掛け合わせた「パパイヤメロン」や、金マクワとスペイン産の黄色の果皮のメロンを掛け合わせた「キンショウメロン」が知られている。
だが、それ等の事象は、同時に東洋系メロンが次第に見向きもされなくなっていったことを意味した。
メロンよりも甘みの薄いマクワウリは次第に好まれなくなっていき、「漬物を家庭で作る」という習慣が減少していき、スーパーマーケットやデパートで売られている出来合いのもので済ますことが増えた中で、シロウリも利用量が大幅に減少した。
現在は地産地消の取り組みが進み、その中で伝統野菜への注目度が高まり、マクワウリやシロウリの栽培はかつてほどではないものの、復活傾向にある。
この記事をご覧になっているwikiメンバーの皆様も、今年の夏はぜひともマクワウリやシロウリなどをよ~く冷やしてから召し上がり、体を冷やして季節感を感じられてはいかがでしょうか?
植物種としての東洋系メロン
・マクワウリ(甜瓜、Cucumis melo var.makuwa)
マクワウリの花。出典:ユーザー makinomantaro 撮影
マクワウリの幼果。出典:ユーザー makinomantaro 撮影
マクワウリの熟果。出典:ユーザー makinomantaro 撮影
「金マクワ」と呼ばれる品種。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
滋賀県の伝統野菜の一つの「虎御前」というマクワウリ。全体的にゴツゴツとした形状である。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
「なりくら」という品種。これも滋賀県の伝統野菜の一つ。最大でもテニスボール大の大きさにしかならない。果肉は黄緑色で、どことなく西洋のメロンを思わせる。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
「銀泉マクワ」という品種。「菊マクワ」と「金マクワ」を交配したのち、形質を固定化したものであるという。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
「タイガーメロン」という品種。縞模様のあるマクワウリと、西洋の青肉メロンを交配して形質を固定化したものである。黄色いスイカのような珍しいマクワウリである。
「ニューメロン」という品種。コロンとした球形で、昭和時代(戦前)に作出されたものである。プリンスメロンの片方の親にあたる(もう片方の親はフランスの「シャラント」という品種)。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
「梨瓜」と呼ばれる品種。今では珍しくなった白皮のマクワウリで、和梨のようなしゃりっとした食感とすっきりとした甘みが特徴である。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
「網干メロン」という兵庫県の伝統野菜の一つのマクワウリ。出典:ユーザー makinomantaro 撮影
インドが原産の蔓性一年草で、ウリ科キュウリ属に属する。
東洋系メロンの代表格ともいうべきもので、果皮色は黄色一色のもの(金マクワ)や光沢のある黄緑色(銀マクワ)、純白のもの(ナシウリ)、ころんとしたほぼ球形に近い形状のもの、黄色地に濃い緑色の縦じま模様が入り、スイカのような見た目になるものなど多彩で、果肉色は純白であることが多いが、新潟県で栽培される「甘露まくわ」や滋賀県で栽培される「なりくらまくわ」のように黄緑色のものもある。
各地において様々な品種が作出されてきた伝統的作物の一品種で、「味瓜」「真瓜」「マッカ」「梵天瓜」「御精霊」「甘露」「甜瓜」などの地方名の多さがそれを物語っている。なお、「梵天瓜」「御精霊」という名称は、本種が古くからお盆のお供えに利用されてきたことを表すものである。
なお、「マクワウリ」という名称は、美濃国真桑村(岐阜県本巣市)で栽培されていたものが特に優れているとされたので「真桑瓜」と呼ぶようになったという説が最も知られているが、その風味をたたえて「これは真の瓜だ」ということで「真瓜」と呼んでいたのが読み書き両方の点において訛ったものであるという説も知られている。
果実は熟すると蔕から離れたり、収穫した果実から蔕がポロリと取れることがある。ここから、「臍落ち」が訛って「ホゾチ」とも呼ばれる。
果実を冷蔵庫(野菜室)や井戸水で冷やし、食べやすい大きさに切り、種子を除いてから、果皮をむいて食べる。種子のある果実中心部が特に甘みが強い。
西洋のメロンほど甘みが強いわけではないが、それでもさっぱりとした風味で水分に富むので、老若男女問わず一定のファンはいる。
この性質を逆手にとって、野菜として漬物や塩昆布などとともに和え物にして食べてもよい。
「ヒメウリ」と「タマゴウリ」の図。明治期~昭和期の植物学者・村越三千男(1871~1948)の著書『原色図説植物大辞典』(1938年)より引用。
近縁種に、新潟県でお盆のお供えとして栽培される「コヒメウリ」(単に「ヒメウリ」と呼ぶこともある)というものがある。
これは果実はせいぜいピンポン玉より少し大きい程度で、果皮は純白なのだが、見た目に反してうっすらと甘みがあり、おやつとして食べることができる。また、こちらは未熟な果実を漬け物にして食べることもある。
一説によれば、『枕草子』における「瓜にかきたるちごの貌」の「瓜」とはこの「コヒメウリ」ではないかとする説もある。
前述のとおり、お盆のお供えによく使われるので、現地では「ごしょうりょうさまのうり(御精霊様の瓜)」と呼ばれることもある。顔を描いて、紅や白粉をつけ、竹筒などを胴にして、紙や絹衣を着せた雛人形・姫瓜雛は江戸時代から続く風習である。
このコヒメウリ(ヒメウリ)とそっくりなものに、「タマゴウリ」がある。こちらはコヒメウリとは草姿がよく似ているが、果実の形状は鶏卵型である。ただ、江戸後期の農書『成形図説』では鶏卵型の果実をつけるウの図に「ヒメウリ」の名称を当てており、両者の取り違えは頻繁に起こっていたものと推測される。
昭和期の植物学者・北村四郎の『本草図譜総合解説』(同朋舎出版, 1986.6-1991.10)によれば、現在は八丈島や瀬戸内海の島々で野生化した個体がまれにみられ、いわゆる「雑草メロン」の類となっているようである。
遅くとも江戸時代から栽培されていることが確認できるものの、飯沼慾斎の手掛けた日本最古の近代的植物図鑑『草木図説』*4には
>「味頗ル苦ウシテ不堪食」
という記載がみられ、お盆のお供え用或いは観賞用として栽培されていたらしい。『草木図説』より30年ほど前に、本草学者兼旗本の岩崎常正(灌園)が著した彩色植物図譜『本草図譜』にも解説がみられ、「つるのこ」という名が付されている。
岡山県では乳白色で楕円形の「タマゴウリ」という小型のマクワウリが栽培され、新潟県でも「鶴の子ウリ」という、これまた同じく鶏卵型の白い小さなマクワウリが栽培されている。これらの品種はいずれも甘みがあって食用になるのだが、これらの品種と『草木図説』中で解説されている「タマゴウリ」との関係は不明である。
「シマウリ」と呼ばれるウリ。「虎御前」に似ているが、それよりも全体的に丸みを帯びていて、ごつごつしていないのが特徴である。出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて)
またもう一つの近縁種として「シマウリ」や「モモルディカメロン」と呼ばれるものがある。
これは果実が縦長のラグビーボール状になり、果皮がスイカのように縞模様になるもので、熟すと非常に甘い香りがするのだが、果肉は汁気が少なくてかなり紛質で、口の中の水分を奪われるようなパサついた食感である。
これを食べたおばあさんがのどを詰まらせる様子を連想して「ババゴロシ(婆殺し)」という何とも物騒な名前が付けられている。
現在は東京都の八丈島や長崎県の五島列島の一つである福江島でごくわずかに栽培される程度である。食べ方としては、蜂蜜やコンデンスミルクをかけて食べると食べやすいという。
・シロウリ(白瓜、Cucumis melo var.conomon)
出典:ユーザー makinomantaro 撮影(自宅にて) (上)シロウリ、(中1)青はぐら瓜、(中2)白はぐら瓜、(中3)カタウリ、(中4)ドイツ瓜、(下)クロウリ
マクワウリ同様東洋系メロンの一種で、たいていは漬け物用として栽培されることから「漬け瓜」の別名もある。
種小名のconomonも日本語の「香の物(漬物)」に由来する。
果実は細い楕円形または円柱形で、普通果皮色は鮮やかな黄緑色であるが、
- 緑色が濃い「アオウリ(青瓜)」(丸みを帯びた形状の果実を実らせることがあり、古くは「マルヅケウリ」と呼ばれた)
- 濃い深緑色の「クロウリ(黒瓜)」
- ややくすんだ黄緑色で細い縦じまが入る「カタウリ」(愛知県の伝統野菜である「かりもり」がこの系統である)
- 表皮は深緑色で縦溝が入り、果肉が柔らかい「はぐら瓜」(千葉県の伝統野菜。シロウリとマクワウリが交雑して、形質が固定化されたものであるといわれる)
- 大阪府で古くから栽培され、「はぐら瓜」に似るが縦溝がない「玉造黒門越瓜」
- 京都府で古くから栽培され、長さ30〜50cmと大型になり、熟すとメロン様の甘い香りを放つ「桂瓜」
- 黄緑色地に濃い緑色の縞模様が入る「かわず瓜」(福井県の伝統野菜で、表面の模様を蛙に例えた)
- 「かわず瓜」に似ているが、ずんぐりむっくりでごつごつした形状の「ドイツ瓜」(兵庫県丹波篠山地方の伝統野菜)
などの様々な品種がある。
和名は熟すと果皮が白っぽくなることにちなむが、熟してもマクワウリのように甘みや芳香はほとんど出ない。
前述のように漬物にして食すほか、家庭で漬物を作るということが珍しくなった現在では、サラダやカレーなどの西洋風の調理法でも食べられている。
・ハミウリ(哈密瓜、Cucumis melo var. inodorus)
画像出典:ウィキペディア日本語版の「ハミウリ」のページ(外部リンク)から。 著作者:Biggie6579(Public domain)
中国新疆ウイグル自治区哈密地区原産のウリ。
わが国ではデパートで「ウズベキスタンメロン」や「恐竜のたまごメロン」という名称で高級フルーツとして販売されることがまれにある。
メロン類の中でも「フユメロン群」という果実の長期保存が可能な品種群に属しており、ほかにこの品種群に属するものは、わが国において冬季に出回る輸入果実の一つである「ハネジューメロン」や、黄色いカボチャのようなごつごつした見た目をした「カサバメロン」が知られている。
果実は楕円形ないしはラグビーボール型で、表面には浅い網目模様が入り、マスクメロンを引き伸ばしたような見た目である。
これ以外にも上の写真のように果皮に緑色の縞模様が薄く入るものや、深緑色をしているもの、真球形でますますマスクメロンそっくりな見た目をしたものなどがある。
果肉はスイカのようにしゃりっとした食感で、かなり甘味が強いという。
一説によれば、哈密回王の献上品に対して清の康熙帝がこの瓜の風味の良さを大変気に入り、「ハミウリ」と命名したといわれる。
・アカゲウリ(Cucumis sativus./Cucumis meloの二説アリ)
自宅にてmakinomantaro撮影
沖縄県の伝統野菜の一つで、琉球方言で「モーウィ」と呼ばれる*5。
植物学上はキュウリの一種ともメロンの一種ともされるが、現在はキュウリの一種であるとする説が優勢である。
果実は尻太りの円柱形ないしは均一な太さの円柱形で、表皮は初めは薄い黄緑色だが、熟すと赤茶色になり、表面は薄くひび割れたような見た目になる。個体によっては、小さく黒いいぼ状の棘が目立つことがある。
キュウリと比較して青臭さは感じられず、煮物や汁の実にしてトロっとした食感を楽しむ。
もちろん、未熟な果実(表皮はクリーム色ないしは黄緑色である)もキュウリのように利用できる。
東洋系メロン以外の「瓜」
・キュウリ(胡瓜、Cucumis sativus)
大学の庭園にてmakinomantaro撮影。
筑波実験植物園にてmakinomantaro撮影。「白キュウリ」という珍しい品種である。
ウリ類の代表選手の一つで、キュウリ属に属する。
インドが原産の野菜で、大和朝廷時代には導入されていたのではないかと推測される。
現在でこそサラダ野菜や漬物用の野菜として不動の地位を築いているが、昔は苦みが強いせいで嫌われ者の野菜の一つだった。かの水戸黄門や同時代の本草学者・貝原益軒が「田舎に多く作るもの」「ウリ類の中で最も下等」と酷評したことでも知られる。
今でもたまに蔕に近い部分が少し苦いことがあるが、切って果肉どうしをこすり合わせれば苦みは和らぐという。
江戸時代になると民衆の間では少しずつ野菜として食用にされ始めるが、武家の間では輪切りにした時の切り口が将軍家の家紋「三つ葉葵」に似ているとされ、恐れ多いとして食用にはされなかったという。
こうしたキュウリの輪切りを何かになぞらえて食べないという風習は現在にもみられる。例えば、福岡県福岡市博多区において、祇園山笠祭りがおこなわれる7月上旬の間は、輪切りにしたキュウリの切り口が、山笠の祭神であるスサノオノミコトのお印に似ているとしてキュウリを食べないという。
もう少し詳しい解説は個別項目をご覧ください。
・キワノ(角苦瓜、Cucumis metuliferus)
出典:ユーザー makinomantaro 撮影
アフリカが原産のキュウリ属に属する一年草。
植物学上は「ツノニガウリ」という和名で呼ばれるが、ニガウリとは遠縁の植物である。なお、英名のHorned melonを和訳して「角メロン」と呼ぶこともある。
「キワノ」という名称は本来はニュージーランドの会社の商標登録名称である*6が、一般的にはこの名称で呼ばれる。
果実は楕円形で、はじめは果皮色は濃い緑色だが、熟すとオレンジ色になる。表面にはまばらに棘が生えているが、先端はそれほど鋭くない。棘の周りには、それをぐるりと囲むような模様が入る。
果肉は鮮やかな緑色で、ややゼリー状になり、プチプチとした独特の食感がある。
風味としては、酸味があって甘みは少なく、「バナナとパッションフルーツを合わせたような味」「バナナとキュウリ、柑橘類を合わせたような味」と評される。
果実を二つ割りにして、果肉をスプーンですくって食べる。
・ニシインドコキュウリ(西印度小胡瓜、Cucumis anguria)
画像出典:ウィキペディア英語版の「Cucumis anguria」のページから引用。(外部リンク) 著作者:著作者:Eugenio Hansen, OFS(CC BY-SA 3.0)
アフリカが原産のキュウリ属の蔓性一年草。
わが国では時折物珍しさからデパートで売られていることがあるくらいである。
果実は楕円形で、表面が柔らかい棘で覆われている。はじめは黄緑色だが、熟すとクリーム色に変色する。
キュウリ属ということで多少の青臭さはあるが、見た目に反してそれほど癖のない風味で、漬物(ピクルス)やサラダにして食用にする。
和名は英名のWest Indian gherkinの直訳である。なお、「ガーキン(Gherkin)」は漬物(ピクルス)加工用の小キュウリのことである。
・キュウリメロン(拇指西瓜、Melothria scabra)
画像出典:自宅にてmakinomantaro撮影
メキシコが原産のスズメウリ属の蔓性一年草で、枝豆くらいの大きさの楕円形の果実をつける。
果実はスイカをそのまま小さくしたような見た目をしており、薄い緑色地に濃い緑色の細い縦縞模様が入る。
果実の風味はキュウリに似ているが、少し酸味があり、この酸味を生かしてもっぱらピクルスや浅漬けにするほか、サラダにして食べる。
原産地と風味、利用法から「メキシカンサワーガーキン」と呼ばれることもある。
・カボチャ(南瓜、Cucurbita.spp)
新宿駅近くの植え込みを撮影。ニホンカボチャの一品種で、「内藤カボチャ」という「江戸・東京伝統野菜」の一つ。新宿区で古くから栽培されてきた品種である。古くはこの菊座型の形状のものが「ボウブラ」と呼ばれていた。
「鹿ヶ谷南瓜」。自宅にてmakinomantaro撮影。古くはこのひょうたん形のものが「トウナス」ないしは「カボチャ」と呼ばれていた。
セイヨウカボチャ。自宅近くの畑にてmakinomantaro撮影。
セイヨウカボチャの一種の「アトランティックジャイアント」。東京都千代田区四谷にてmakinomantaro撮影。
自宅にてmakinomantaro撮影。「オモチャカボチャ」の一品種。
「金冬瓜(キントウガ)」の図。明治期~昭和期の植物学者・村越三千男(1871~1948)の著書『原色図説植物大辞典』(1938年)より引用。
カボチャ属に属する蔓性一年草。我が国には戦国時代に南蛮貿易の最中にニホンカボチャが渡来したものの、当初は毒があると誤解され、観賞用だった*7。江戸時代前期になって関西地方で食用としての利用が始まり、いつしか日本全国に伝播していった。
カボチャ属に属する植物種は決して少なくないが、我が国で栽培されるものは、戦国時代に渡来した南アメリカ原産のニホンカボチャ(C.moschata)、幕末~明治期に渡来した北アメリカ原産のセイヨウカボチャ(C.maxima)、明治期に導入された中央アメリカ原産のペポカボチャ(C.pepo)の3種である*8。現在最も多く栽培・販売されるのは、セイヨウカボチャである。
セイヨウカボチャは幕末期に渡来し、北海道や東北地方などの北日本で栽培が始まった。当時は大型で果皮の硬い「ハッバード」や「デリシャス(カステラ南瓜)」などの品種が栽培されていたが、昭和初期に「東京南瓜(芳香青皮栗)」が作出されて以来、小型化していった。
ニホンカボチャの果実はたいていシワとヒダ、ないしはコブがあってごつごつした形状である(但し「バターナッツ」や「鶴首」のように、ひょうたん型で表面が平滑なものもある)。果肉は淡い黄色~山吹色であっさりとした甘みとねっとりとした食感をもち、天ぷらや煮物に向く。
果皮の色は当初は黒に近い深緑色だが、熟すと徐々に赤茶色になり、表面に粉を吹く。この粉は果実の糖分が析出したものであり、カビや農薬ではない。
蔕は五角形で木質化して、果実と接する部分が広がり、「座」をつくるのが特徴である。
古くは上から見ると菊の花を思わせるような形状のものを「ボウブラ」*9、上から二番目の写真の「鹿ヶ谷南瓜」*10のように、胴が真ん中でくびれて瓢箪型やフラスコ型になっているものを「唐茄子」と区別したが、現在こうした区別はほとんどされていない。
セイヨウカボチャはたいてい表面がつるっとしていて丸みを帯びた形状で、硬い果皮(色合いは黒緑色(黒皮)、赤橙色(赤皮)、白ないしは灰色(白皮)、鶯色ないしはくすんだ青緑色(青皮)などがある)と濃いオレンジ色のホクホクとした食感の甘味の強い果肉を持つ。その食感と風味から「クリカボチャ」とも呼ばれる。蔕は円柱形で、コルク質となり、縦と横にひびが入っていると、よく熟しているサインである。果実と接する部分はほとんど広がらない。
市場で売っているもので、果皮色が一部黄色っぽくなっているものがある。これは、地ばい栽培した際に、そこだけ日光が当たらなかった部分である。この部分の色は一説に、果肉の色を指すといわれており、この部分の色が濃ければ濃いほど品質と風味が良いとされる。
核家族化の進む世相を反映してか、近年は「坊ちゃん」「ほっこり姫」「栗っプチ(旧名:栗坊)」「朱姫」「こなゆきひめ」などの小型の果実をつける品種、いわゆる「ミニカボチャ」が作出されている。
観賞用としても人気があり、黄色地にオレンジ色の縦じま模様が入る「プッチィーニ」はセイヨウカボチャとペポカボチャの種間雑種である。
秋ごろになると黄色またはオレンジ色の巨大な果実を実らせる「ポンキン」という品種群のカボチャが花屋や八百屋の客引きとして用いられることがある。これはセイヨウカボチャの一種であるが、果肉は水っぽくて味が薄すぎるため、食用には向かない。果実の大きさを競うコンテストのために栽培するほか、適当な大きさに砕いて家畜のえさにする。この飼料兼観賞用のカボチャの一品種である「アトランティック・ジャイアント」がとくに有名である。コンテストに用いられるのもほとんどがこの種である。
ペポカボチャは、小型で形や色合いの様々な「オモチャカボチャ」や、ハローウィーンの飾りに使われるオレンジ色の丸っこくて大きなカボチャ(サイズ感でいえば大玉スイカくらい)、すなわちPumpkinと呼ばれるものがこのタイプである。果梗はニホンカボチャのように木質化するが、果実と接する部分はニホンカボチャほど広がらない。また、品種によっては果実が熟して果梗が木質化しても緑色のままであったりすることもある。
「オモチャカボチャ」は果肉が硬く、繊維質で味が悪いので、食用にはせず、観賞用として用いる。果皮がかなり硬いので、よく熟したものであれば翌年の春まで保つ。
Pumpkinと呼ばれるオレンジ色の丸いカボチャは、原産地の一つであるアメリカでは果肉を茹でてつぶしてからパイやスープにしたり、炒って皮をむいた種子をおつまみとして食べたりするが、果肉の味はニホンカボチャやセイヨウカボチャのそれと比較して薄味であるため、わが国ではもっぱら観賞用である。
1608年に豊臣秀頼により建築された京都北野天満宮の拝殿の蟇股部分に「金冬瓜」という植物の果実の彫り物があることが確認されており、この「金冬瓜」は『牧野日本植物図鑑』(1940年)によれば、ペポカボチャの一種とされる。これは果皮が朱色ないしは黄赤色になり、見た目はとてもよいが、果肉の味が悪いのでもっぱら食用にはされず、観賞用にされていたという。『牧野日本植物図鑑』(1940年)にみられることから、戦前までは栽培されていたようだが、現在ではほとんど見かけない。
キュウリそっくりの「ズッキーニ」や俵型で黄色く、ゆでると果肉がそうめん状にほぐれる「キンシウリ(そうめん南瓜)」、菊座カボチャと形状が似ているが果梗部分が深緑色になり果頂部が尖る「エイコーンスカッシュ(Acorn squash)」、ウリ型でクリーム色地に深緑色ないしはオレンジ色の縦じまが入る「デリカータ(Delicata)」などは、数少ない食用のペポカボチャの一種である。
調理法などについては個別記事を参考。
・ズッキーニ(蔓無南瓜/西葫蘆、Cucurbita pepo L. 'Melopepo' )/キンシウリ(金糸瓜、Cucurbita pepo L. 'fibropulposa')
(上)普通種のズッキーニ。自宅近くにてmakinomantaro撮影。(中1)丸型のズッキーニ。黄緑色の「グリーンエッグ」と深緑色の「ブラックエッグ」という品種である。自宅近くにてmakinomantaro撮影。(中2)UFO型のズッキーニで「スキャロープ」と呼ばれるもの。画像は果皮が白いタイプだが、深緑色や黄色のもの、縞模様のものもある。自宅近くにてmakinomantaro撮影。(下)キンシウリ。自宅にてmakinomantaro撮影。
前述のとおり、いずれも観賞用として栽培されることの多い「ペポカボチャ」の中で、数少ない食用可能な品種である。
ズッキーニはわが国においては昭和40年代後半から欧米産の輸入品が利用されており、そのころは「知る人ぞ知る」程度のレアもの野菜であったが、昭和50年代後半からわが国でも栽培が開始され、今では通年手に入る野菜となっている。
普通一見するとキュウリにしか見えない果実を実らせるが、果梗を見ると全体的に太く、星型ないしは多角形なので、カボチャの一種とわかる。果皮色は深緑色や黄色、黄緑色や白がある*11。
また近年は丸型やUFO型*12、鶴首型のもの*13がみられ、特に丸型のものの中には、一見するとますます若いカボチャにしか見えないものも存在する。果皮色も普通は濃緑色だが、黄色や黄緑色、純白やオレンジ色、黄色と緑のツートンカラーなど豊富である。
若い果実をラタトゥイユやカポナータなどの炒め物や煮物、フライなどの揚げ物やパスタの具材にして食する。加熱するとナスのようなとろりとした食感になる。和風に醤油や味噌で炒めてもナスのようにトロリとして美味しい。
成長すると果肉の繊維が発達して硬くなり、味も落ちてくる。なお、UFO型のものや鶴首型のものは、あえて果実を完熟するまで実らせておき、表皮がカチカチに硬くなったものを「オモチャカボチャ」として観賞用にすることもある。
和名を「蔓無しカボチャ」と言い、カボチャのように蔓が茂らず、株もとに果実が実るという生体に由来する。また、かつては果実の利用法から「ウリカボチャ」と呼ばれたこともあったが、現在こちらの和名はほとんど用いられない。
一方、キンシウリはわが国には明治時代から大正時代にかけて中国から「攪糸瓜」という野菜が導入され、栽培が始まったのが最古の記録であるとされる。
果実は俵型で、表皮はクリーム色または黄色である。出始めの頃は果皮が白っぽいものもあるが、この場合蔕を見て木のようにカチカチに硬くなっていれば熟しているサインなので、通気性の良い場所に数日置いておけば黄色くなってくる。また、果皮の表面に緑色またはオレンジ色の縦じま模様が入っていることがあるが、これは品種の持つ特性なので、食味に影響はない。
「そうめんかぼちゃ」という名称でも知られているが、これは熟した果実を適当な大きさに切ったのち、ワタや種子を取り除いてゆでると、果肉の繊維が素麺のようにほぐれることにちなむ。この性質から「糸南瓜」と呼ばれることもある。
若い果実もシロウリ(前述)のように漬物にして食することができ、実際に新潟県長岡市では本種の若い果実を「糸うり」と呼び、漬物にして食す。
果肉の繊維を素麺のようにおつゆにつけて食べるほか、「なますかぼちゃ」の別名のように、酢の物やなますにしてもよい。また、ダイエット食として、スパゲッティの代わりにパスタソースをかけて食べてもよい。英語圏でもSpaghetti squashと呼ばれるが、こちらもまさに体を表す名称である。欧米諸国では果肉の繊維を肉や野菜とともに炒めて中華風の味付けをしてチャオメン(炒麺。いわゆる焼きそば)仕立てにして食べるほか、煮詰めてジャムにするという。
・スイカ(西瓜、Citrullus lanatus)
(上)スイカの花と蔓。東京都千代田区四谷にてmakinomantaro撮影。(下)埼玉県所沢市下富にてmakinomantaro撮影。小玉スイカの釣り栽培。
夏と言えば真っ先に思い浮かべる食材で、スイカ属に属する。わが国には南北朝時代に入ってきたとも、戦国時代の南蛮貿易の頃に入ってきたとも、はたまた江戸時代初期に入ってきたともいわれている。今でこそスイカと言えば「縞模様」のイメージが強いが、当初の果皮は深緑一色であった。現在はオーソドックスな縞模様や黒緑色一色のもの以外にも、鮮やかな黄色地にオレンジ色の縦縞が入るもの、鮮やかな緑地に縦縞が細く薄く入るもの、濃い緑色地に薄い緑色の縞模様が入るものなどがある。
果肉色も今でこそオーソドックスな赤以外に黄色やオレンジ色があるが、古くは熟しても果肉は真っ白のままというものも栽培されていた。鹿児島県で栽培される「養母すいか」という品種は、その名残である。
形状はふつう真球形だが、楕円形のものもある。果実の大きさにより「大玉」「中玉」「小玉」に分けられ、目安としては「大玉」は果実の重さが5㎏から7㎏、「小玉」は1.5㎏~2㎏、「中玉」はその中間である。
導入当時は水分こそ多いが、甘味が弱かったので、現在のようにデザートとして食するより、むしろ「水分補給」のために食されていたという。また、赤い果肉が血を連想させるということで、江戸時代初期のスイカの評判は悪く、口さがない人は「由比正雪*14の首のようだ」と忌み嫌ったといわれる。
食べ方や新鮮なものの見分け方などについては個別記事を参考。
・コロシントウリ(古魯聖篤瓜、Citrullus colocynthis)
(上)東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影(下)東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
熱帯アジアや北アフリカが原産のスイカ属の蔓性一年草で、蔓や葉、花や果実までスイカに酷似した見た目である。
果実はハンドボール大の大きさに成長し、表面は薄緑色で表面には鮮やかな緑色の縦じま模様が入るが、熟すと表皮は黄色に変色し、模様はほとんど見えなくなる。
これほどおいしそうな見た目にもかかわらず、果肉は真っ白なスポンジ質で、かなり苦い。多量に食べれば下痢や嘔吐を引き起こすが、この性質を利用して原産地やヨーロッパでは本種の果実が下剤として用いられたという。
わが国には明治時代後期に薬用植物として導入され、現在は標本用ないしは観賞用に植物園で栽培されるのみである。
・シトロンウリ(Citrullus amarus)
東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
アフリカ南部が原産で、スイカの原種ではないかとされるスイカ属の蔓性一年草である。
草姿はスイカに非常にそっくりだが、葉の先端が丸みを帯びる点で区別できる。
見た目は緑と黒緑の縞模様で、球形~やや腰高の形をしていて、普通のスイカにしか見えないほどである。しかし、切ってみると果肉は純白で、とても硬い。種子もスイカのそれと形状はよく似ているが、赤みの強い褐色になる。
果肉の風味もスイカのそれとは異なり、熟しても甘みなどの「味」らしい「味」は全くなく、わずかにウリ類特有の青臭さがある。
とはいえ、加熱すると青臭さは消えるため、アメリカでは本種の果実を砂糖煮やジャムにする。また前述のように味らしい味がないので、我が国でいうところのユウガオやトウガンのように、煮物にも向く。
わが国ではほとんど流通しないが、種子は国内外の園芸通販店で売られていることがあるので、取り寄せて栽培してみるのも面白いだろう。
・ヘチマ(糸瓜、Luffa cylindrica)
ヘチマの花(雌花)と果実。上下いずれも東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
(上)トカドヘチマの蔓。東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。/(下)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%98%E3%83%81%E3%83%9E ウィキペディア日本語版「トカドヘチマ」のページから。著作者:Hans B.~commonswiki(Public domain)
小学校の理科の授業で、植物のライフサイクルを教えるために必ずと言っていいほど栽培されるヘチマ属に属する植物。
果実は円柱形で、薄い縦溝が入るが、この溝は成長するにつれて深くなる。
開花後1週間以内の若い果実は野菜として食用にすることができ、鹿児島県や沖縄県では夏の食材として重宝されてきた。
それ以上成長すると繊維が発達し、食感が悪くなって食べられなくなる。
繊維が発達してきたヘチマの果実は水につけて表皮を腐らせてはがし、内部の種子を抜いて乾燥させてから「たわし」に加工する。沖縄方言でヘチマのことを「ナーベラー」と呼ぶが、これは「鍋洗い」という意味で、ヘチマたわしで鍋や皿などの調理器具や食器類を洗ったことにちなむ。この果肉の繊維は履物の中敷きや垢すり、体を洗うスポンジの代わりにも使える。
晩夏のヘチマの株の一部を切り取り、茎から出る液体を採取して、それを化粧水として利用する。これがいわゆる「ヘチマ水」とか「美人水」と呼ばれるもので、美肌効果があるという。
「ヘチマ」についての詳しい解説は個別項目にて。
近縁種のトカドヘチマは「十角糸瓜」と表記し、これは果実が10個もの稜を持つことに由来する。こちらは大正時代に導入された*15が、ナッツのような独特のにおいがあることと、調理する際に鋭い稜が手に刺さって痛いことからあまり好まれず、ヘチマと比較して普及を見ていない。
・ヒョウタン(瓠瓜/瓢箪、Lagenaria hispida var.gourda)/ユウガオ(蒲瓜/夕顔、Lagenaria siceraria var. hispida)
(上)「大瓢箪」。大船フラワーセンターにてmakinomantaro撮影。(中1)「千成瓢箪」。筑波実験植物園にてmakinomantaro撮影。(中2)「鶴首ひょうたん」。筑波実験植物園にてmakinomantaro撮影。(中3)ユウガオのうち、細長い果実をつけるもの。東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影。(下)ユウガオのうち、丸い果実をつける「フクベ」と呼ばれるもの。東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
ユウガオ属に属する蔓性一年草で、わが国への正確な伝播ルートは判明していないものの、縄文時代後期の遺跡から炭化したヒョウタンの果皮の一部や入れ物に加工された果実の全体部分、そして種子が発見されている。
かつては果実を道具に加工するために栽培していたが、安価かつ軽量なプラスチック容器に取って代わられている現代では、果実を観賞用にするために栽培することが多い。
果実は真ん中でくびれたいわゆる「ひょうたん型」のほか、こん棒型や球形、球形で表面にちりめん状の細かいこぶがあるもの、枕型、鶴首型、鶴首型で下の膨らみ部分に不規則な「かど」があってしばしば首長竜に例えられるもの、だるま型、リンゴ型など千差万別である。大きさも様々で、全長が50㎝を超す「大瓢箪」や、豊臣秀吉が馬印として用いたことで有名な、全長最大で8㎝程の小さい果実を多数つける「千成瓢箪」、それより一回り大きいミディサイズの「百成」などが知られる。
果実のよく熟したもの(蔕が枯れて木のように硬くなっていて、かつ果実の表面がやや白っぽくなっているとよく熟しているサインである)の蔕の部分に穴をあけたものを水につけ、果肉をドロドロに腐らせて抜き去り、乾燥させたものを容器や楽器に加工して用いる。
ヒョウタンの果肉は苦くて食用にならない。それはククルビタシンという成分を含んでいるからで、もし果肉を食せば激しい嘔吐・腹痛により苦しむ。この有毒成分は加熱しても壊れない。過去に、大阪府の小学校で、理科の授業の一環で生徒たちがヒョウタンを食べ、中毒を引き起こした例*16や、ホームセンターで苗を販売する際に「食べておいしい」と誤った表記をして苗が売られており、それを信じて自身も食べ、また近隣住民におすそ分けした結果、中毒事故が発生した例が知られている。
但し例外的に、「食用一口ひょうたん」という品種がある。こちらはククルビタシンがほとんど含まれていないので、若いひょうたん型の果実を漬け物や炒め物にして食することができる。
なお、この食用の品種も、取り遅れて硬くなったものは加工用にすることができる。
インドなどの南アジアや東南アジアでは、つぼ型やフラスコ型の食用のヒョウタンが栽培され、食されている。
干瓢の原料であるユウガオは、ヒョウタンが栽培を重ねるにつれククルビタシンがほとんど含まれなくなったもので、こん棒型か、ややひしゃげた球形(特にこのタイプは「フクベ」と呼ばれる。名称の由来はおそらく「膨れ実」であろう)の未熟な果実を鉋のような器具で薄く剥き、乾燥させた「干瓢」として寿司ネタや汁の実として食するほか、適当な大きさに切って煮物や汁の実とする。
熟すと表皮がコチコチに硬くなるので、ヒョウタンと同じ要領で容器や楽器、お面に加工する。
また、カボチャやトウガン同様、ウリ科のなかでは病害虫に強いため、スイカやメロン、マクワウリなどの病害虫に強いとはいえないウリ科野菜の苗の台木にも用いる。台木専用の品種が開発されているが、ユウガオやカボチャなどを台木として用いる際、出てきた葉を摘み取らないと苗の台木であるユウガオやカボチャなどの果実が育ってしまうことになる。
先ほど「ユウガオにはククルビタシンがほとんど含まれない」と記したが、まれに先祖がえりを起こしてククルビタシンによる苦みが発現することがあるので、調理中に味見をして舌がしびれるような強い苦みを感じたら、「苦いものだから体にいい」と無理して食べずにすぐに廃棄するべきである。なお、このククルビタシンによる中毒事故の例はズッキーニやカボチャ、メロンでも報告されているので、それらも食してみて本来感じないはずの苦みを感じたら、即刻廃棄するべきである。
また、台木用のユウガオも食用を前提とはしていないので、果実には強烈な苦みを持っていることがある。このため、もし台木からユウガオが実っても食べないほうが無難である。
・トウガン(冬瓜、Benincasa hispida)
(上)トウガンの花と若い果実。東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影。(中1)「長とうがん」という品種。埼玉県所沢市にてmakinomantaro撮影。(中2)在来種のトウガン。果実が臼型で、果皮に粉を吹くのが特徴である。埼玉県所沢市にてmakinomantaro撮影。(中3)「姫とうがん」という小型の品種。自宅にてmakinomantaro撮影。(下)「節瓜」。自宅にてmakinomantaro撮影。
ジャワが原産のトウガン属に属する一年草で、果実を食用にするため栽培される。わが国には奈良・平安時代に渡来しており、京都加茂地区で多く栽培され、「かもうり」の名称で呼ばれた。
果実は臼型のものと縦長の円筒形のものがあり、現在多く栽培されるのはもっぱら後者である。また、熟すと果皮に粉の吹くものを「在来種」、熟しても果皮に粉を吹かない「沖縄種」があるが、これも現在栽培されるのはもっぱら後者である。
現在は核家族化という世相を反映してか、「姫とうがん」という小型の品種も出回っている。
元々は中国語読みの「トゥグヮ」に習い、「トウガ」と呼んでいたのだが、いつしか訛って「トウガン」と呼ばれるようになった。
中国では「節瓜」という変種が知られている。これは受粉から1週間ほどの若い果実を利用する野菜で、果実が蔓の節々に実ることからこの名がある。また、果実表面が産毛で覆われるため「毛瓜」の名称でも呼ばれる。こちらもトウガンのように煮物にするほか、ズッキーニのように炒め物にしてもよい。
食べ方などの詳しい解説は個別項目にて。
・ニガウリ(苦瓜、Momordica charantia)
上から花、未熟な果実、割れる寸前の熟した果実。東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
沖縄方言の「ゴーヤー」でも知られるツルレイシ属の野菜。わが国には江戸時代に渡来した。当時は現在の沖縄県に該当する地域(琉球王国)において早くも宮廷料理に使う野菜として利用されていたようだが、それ以外の地域ではもっぱら観賞用ないしは熟した果実の種子の周りの赤い仮種皮を食するために栽培されていた。
現在のように野菜としての栽培が始まったのは明治以降で、やがてそれが日本全土に爆発的に広まるのは1972年の「沖縄返還」以降である。
果実は円錐形で、細かなイボで覆われる。果実の色はふつう鮮やかな緑色だが、白や黄緑色の品種もある。
若い果実は特有の苦みがあるが、この苦みがかえってうまみのもとと言えるもので、チャンプルーなどの炒め物やスープの具材とする。熟した果実は黄色~オレンジ色に変色し、下から裂け、赤い仮種皮に包まれた種子を露出する。前述のとおり、この仮種皮は甘味があって食することができる。
現在はグリーンカーテン用の植物としても栽培される。蔓が茂って窓を覆ってくれ、また果実を収穫して食べることもでき、まさにいいことづくめである。
別名を「ツルレイシ」と言い、これは果実の表面の突起がレイシ(ライチ)に似ており、かつ蔓に実るものであるから。
https://specialtyproduce.com/produce/Teasel_Gourd_10567.php カックロールの写真。 Specialtyproduceの「Teasel gourd」のページから。
近縁種の「カックロール」(M.dioica)はバングラデシュなどの東南アジアが原産で、柔らかくて短い棘に覆われた薄緑色のラグビーボール型の果実を、カレーや素揚げ、天ぷらやサラダに調理して食する。
ニガウリと比較して苦みが弱いが、ビタミンCを普通のニガウリの3倍から5倍含むことが分かっている。
果実がラシャカキグサの果実*17のに似ていることから、英語圏ではTeasel gourdと呼ぶ。
・ナンバンカラスウリ(南蛮烏瓜、Momordica cochinchinensis)
画像出典:ウィキメディア・コモンズより引用。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Momordica_cochinchinensis_249498432.jpg 著作者:葉子(Public domain)
中国南部からオーストラリア北東部、タイ王国、ラオス、ミャンマー、カンボジア、ベトナムに分布する蔓性多年草で、名前に「カラスウリ」とあるものの、実際はツルレイシ属に属する。
果実は直径12㎝程度の楕円形または球形で、表面は細かなトゲ状のイボで覆われる。果皮色は初めは鮮やかな緑色だが、熟すと鮮やかな朱色に変色する。利用されるのは仮種皮と種子で、ベトナムではお正月の際に仮種皮と種子をもち米と一緒に炊いた「ソーイ・ガック」という真っ赤なおこわを食べる。
東南アジア諸国では、熟果はもちろん、若い果実を野菜としてニガウリのように調理して食べることもある。
「モクベツシ」という中国名で呼ばれることもある。これは「木鼈子」と表記し、種子が鼈甲細工のような形状であることに由来する。
漢方の世界では、種子を薬として、消腫・止痛・解毒の効能を期待して利用するという。
・ヘビウリ(蛇瓜,Trichosanthes anguina)/カラスウリ(烏瓜、T.cucumeroides)/キカラスウリ(黄烏瓜、T.kirilowii var. japonica)
東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影
カラスウリ属に属するインドが原産の一年草で、我が国には明治時代に入ってきたものの、当初は観賞用として極小量が栽培されるにすぎず、近年のエスニック料理ブームにのっとってようやく野菜としての注目が高まった、「新顔のウリ類」と言えるものである。
果実はひょろ長い棒状でしばしばうねり、白地に細い緑色の線状の模様が入り、遠目から見ればますますヘビと見まがう見た目である。この見た目を活かして、果樹園では猿除けのために果樹の側でこれを栽培することが増えつつあるという。
見た目に反して味は優しく、軽く茹でて酢の物や漬物にするほか、原産地のインドではカレーの具材とする。
熟すと真っ赤に熟し、果皮が紙のように破れて黒い亀の甲羅のミニチュアのような種子を露出する。
わが国在来の野草であるカラスウリ(T.cucumeroides)もキカラスウリ(T.kirilowii var. japonica)も古くは若い果実を漬物として食することがあった。ただ、前者は赤く熟れた果実は一見すると美味しそうだが、苦みとえぐみが強いので食用にはされない。一方、後者は熟すとさながら黄色いメロンのミニチュアのような見た目で、果肉も甘みがあり、古くは子供のおやつとして好まれたという。但し、果皮にしわが寄るほど熟しすぎたものは発酵が始まっており、若干口の端がピリピリすることがある*18。
両者は薬用植物としても知られており、前者は根を「王瓜根」、種子を「王瓜仁」と呼んでそれぞれ利尿薬や咳止めとして用いる。後者は根を「栝楼根」と呼んで解熱剤や口の渇きの防止に用いる。
キカラスウリの根から採れる澱粉を「天花粉」と呼び、ベビーパウダーのように用いることも有名である。
カラスウリ。東京都千代田区四谷の「真田グラウンド」にてmakinomantaro撮影。
キカラスウリ。東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
・オオカラスウリ(大烏瓜、Trichosanthes laceribractea)
東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
カラスウリ科カラスウリ属に属する。我が国の四国、九州、南西諸島をはじめ、中国や台湾、ベトナムに分布する。林縁や藪に生育する多年草であるが、我が国では地上部が冬の寒さで枯れる。
地中深くにあるダイコンを思わせる形状の地下茎から芽を出して成長する。巻きひげは3つに枝分かれする。葉は全長12cm~13㎝、幅12cm~13㎝程度の腎心形で、掌状に深く5つ~7つに裂ける。7月から9月にかけて頃開花し、雄花序は30㎝に及び、苞は長さ3~4㎝程度の倒卵形で、縁部は細く裂けている。開花・受粉後に直径5cm~8㎝程度の真球形~楕円形の液果をつけ、オレンジ色~朱色に熟す。果実内部は藍色~黒みがかった青緑色になる。
沖縄県では果実の外側の見た目と果肉の独特の見た目から、「マジモンヌスィクヮ」(「化け物のスイカ」の意味)の方言で呼ばれる。
本種の根は鎮咳去痰・熱を抑える作用があり、熱性疾患および肺炎や気管支炎の咳や痰、熱病および糖尿病による口の渇きなどに効果があるという。
・モミジカラスウリ(紅葉烏瓜、Trichosanthes multiloba)
大正期~昭和期の植物学者・寺崎留吉(1872~1945)の著した『続日本植物図譜』(1938年)より引用。
カラスウリ科カラスウリ属に属する多年草である。近畿地方以西の本州から九州に分布する。
茎は幼時のみ、葉とともに褐色の軟毛がある。葉は円心形で掌状に5~9つにやや深裂またはかなり深く裂け、両面に短毛があり、平滑またはややざらつく。雌雄異株。8月~9月にかけて、白色い花を開く。カラスウリの類の中では、花弁の先端の細く裂けて糸状になる部分は短めになる。雄花序は長さ10~25㎝。果実は卵球形で長さ10㎝である。果実表面は当初は緑地に白いちらし斑が入るが、熟すと黄色く変色する。
・パルワル(Trichosanthes dioica)
画像出典:ウィキペディア英語版の「Trichosanthes dioica」のページから。https://en.wikipedia.org/wiki/Trichosanthes_dioica 著作者:Ferdous(CC BY-SA 4.0)
カラスウリ科カラスウリ属に属するインドが原産の蔓性一年草で、わが国ではほとんど栽培されず、知名度はかなり低い。
果実はわが国在来のカラスウリの未熟果を盾に引き伸ばしたような見た目で、表面はざらつく。若い果実をカレーやサラダの具材として食べるほか、ローストすると特有の甘味が出るので、付け合わせとしても人気である。それ以外にも、種子や胎座ををくりぬき、そこに食材を詰め、油で揚げたものも好まれている。
・ヤサイカラスウリ(野菜烏瓜、Coccinia grandis)
画像出典:ウィキメディア・コモンズより引用。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ivy_gourd_(Coccinia_grandis)_fruits.jpg 著作者:Tauʻolunga(CC BY-SA 3.0)
インドが原産で、名前には「カラスウリ」とあるが、わが国に生息する野草のカラスウリとは遠縁の「コッキニア属」という属に所属している。
我が国にはこの属の植物は長らく生育例が知られていなかったが、現在は沖縄県にて本種の野生化した個体が発見されたことが報告されており、帰化植物の一種とされることもある。
ウリ科の作物の中では珍しく雌雄異株である。夏に5枚の花弁からなる白い花を咲かせるが、カラスウリの花のように花弁の先端が細く切れ込むことはなく、先端は尖る。
果実は長楕円形で、当初は濃い緑色地に薄い黄緑色の縦縞模様が入るが、果実が赤く熟すと縞はほとんど消滅する。
果実は、未熟なものも真っ赤に熟したものも野菜としてサラダや炒め物、カレーに調理される。若い蔓も青菜として食用にされる。
・キバナカラスウリ(黄花烏瓜、Thladiantha dubia)
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Thladiantha_dubia ウィキペディア英語版「Thladiantha dubia」のページから。1872年にフランスで刊行された図譜『La Belgique horticole, journal des jardins et des vergers, volume 22』より引用。
カラスウリとも別属の、東北アジアが原産のキバナカラスウリ(オオスズメウリ)属の蔓性多年草である。「オオスズメウリ」の和名でも知られており、スズメウリの名がついているが、スズメウリとも別属である。草全体に粗い毛があり、ざらざらしている。
茎はつるとなって、葉と対生して出る巻きひげで他のものに巻きついて長さ2m~3mほどに伸びる。巻きひげは分枝しない。葉は互生し、長さ5cm~10cm、幅4cm~9cmの卵状心形で、微鋸歯縁または全縁。葉柄は長さ2cm~6cmとなる。
茎の上部の葉腋に、1対の苞葉のある花序を出し、直径2cm~3cmの漏斗状鐘形で鮮やかな黄色の花を1つ咲かせる。花弁は5つに深く裂け、一見するとカボチャないしはキュウリの花を小さくしたような見た目である。果実は楕円形で産毛と条線があり、緑色から朱色に熟す。後述する理由により、我が国では現状果実を見かけることがない。
元々北米地域で薬用植物ないしは園芸植物として栽培されたものが逸出したと考えられており、中部地方から北海道にかけての草地に帰化している。現在はわが国において帰化しているのは雄株のみであって、雌株は確認されていないため、種子繁殖はできず、根茎による栄養繁殖で殖えている。
・カイグア(小雀瓜、Cyclanthera pedata)
画像出典:ウィキペディア英語版の「Cyclanthera pedata」のページから。https://en.wikipedia.org/wiki/Cyclanthera_pedata 著作権:Zyance(CC BY-SA 4.0)
ペルーが原産のバクダンウリ属の蔓性一年草で、我が国では沖縄県でごく少量が栽培される程度である。
果実は勾玉を引き延ばしたような形状で、まばらに棘が生えている。
この果実は内部が空洞になっているので風船のように軽く、果肉が少ない。果実中心部に黒く小さな丸い種子が入っていて、さながらピーマンのような構造である。
種を取り去ってからピーマンのように肉詰めにすることが多い。こうすると癖のない風味でおいしく食することができるという。これ以外にも種子を取ってから二つ割りにし、チーズ焼きにしてもよいそうだ。
キュウリのように本種の果実を生で食べる人もいる。ただし、生食の場合「キュウリのような風味があっておいしい」という意見と「生だと青臭いばかりでおいしくない」という意見が併存し、好みが分かれるという。
近縁種に「バクダンウリ(C. brachystachya)」という雑草がある。こちらはカイグアより一回り果実が小さく、棘が長くて鋭い。一応未熟な果実は野菜として食することができるという。危険なのは熟した果実で、破裂して種子を四方に散らすことで繁殖するのだが、ものすごい勢いで種子が飛んでくるので、この種子で目を負傷した例が知られている。
この「バクダンウリ」は、我が国には昭和の初めごろに渡来したが、現在は植物園でわずかに栽培される程度である。若い果実が食用になるとはいえ、熟した果実から勢いよく種子が噴出するという点から考えるに、作物化が難しかったのだろう。
・シカナ(Sicana odorifera)
画像出典:ウィキペディア英語版「Sicana odorifera」のページから。https://en.wikipedia.org/wiki/Sicana_odorifera 著作者:E. André(Public domain)
南アメリカが原産のシカナ属に属する多年草であるが、我が国の冬の気温には耐え切れずに枯死するので、一年草の扱いである。
全体的な草姿は別属のヘチマに似ているが、円筒形の果実の表皮は赤茶色ないしは黒紫色である。とくに、果皮が黒紫色のものは、蔓から巨大なナスがぶら下がっているかのような見た目になる事がある。果肉は鮮やかな黄色で、内部には無数の黒い種子がある。未熟な果実はサラダにして食し、熟した果肉は甘味があるのでジュースにする。
果肉も果皮も硬くなることと、蔕部分が木質化して硬くなることから、かつてはカボチャ属に含められることもあったが、現在は独立した属とみなす説が優勢である。
・ハヤトウリ(隼人瓜、Sechim edule)
(上)自宅近くの畑にてmakinomantaro撮影。(中)自宅にてmakinomantaro撮影。果皮がクリーム色の品種。(下)自宅にてmakinomantaro撮影。果皮が黄緑色の品種。
ここまで紹介したウリ類は、ほとんどが初夏~初秋に旬を迎えるものであるが、本種は晩秋に旬を迎える珍しいものである。
熱帯アメリカが原産のハヤトウリ属の一年草である。わが国には大正時代にアメリカから鹿児島県に導入され、「薩摩隼人」にちなんで「ハヤトウリ」と呼ばれた。
原産地では多年草となるが、わが国では冬の気温に耐え切れず、一度霜に当たれば溶けるようにして枯れるため、一年草の扱いを受ける。
9月ごろから花を咲かせ始め、10月に果実の成長が始まる。果実は洋ナシ型または卵形で、表面にはカボチャのように縦溝が入る。果実色はクリーム色ないしは黄緑色であるが、いずれのものも癖や青臭さはない。
原産地ではこれらに加え、果皮色が深緑色で、表面に柔らかい棘が生えているものが栽培されている。
果実をサラダや漬物、炒め物や酢の物、煮物に調理して食用にする。果実だけでなく、若い蔓や葉も食用にすることができ、成長した蔓からは繊維をとる。
本種の最大の特徴は、果実から芽を出すことである。果実の底部から芽を出し、そこから成長していくのである。果実内部にはアボカドのように一つの種子があるのだが、これは熟しても柔らかくて、少しの刺激でも傷つきやすく、果実から取り出されるとたちまち発芽能力を失う。そういうわけで、本種を栽培するには、果実を丸のまま植え付ける。つまり、種子にとっては果実が自らを覆ってくれる鎧になるし、ある程度成長するまでは自身に栄養を与えてくれる存在となりうるのである。
・テッポウウリ(鉄砲瓜、Ecballium elaterium)
画像出典:ウィキペディア英語版「Ecballium」のページから。https://en.wikipedia.org/wiki/Ecballium 著作者:Kurt Stueber(CC BY-SA 3.0)
地中海沿岸地域が原産のエクバリウム属に属する多年草で、矮性で蔓は伸びず、葉や茎を含めた植物体に硬く短い毛が生えており、ゴワゴワした見た目である。
春から晩秋にかけて黄色~黄緑色の小さな5枚の花弁からなる花を咲かせたのち、細かい毛が生えた灰緑色の楕円形の果実を実らせる。この果実は熟すと茎から離れ、果汁とともに種子を発射する。
このとき発射される果汁は苦くて有毒で、嘔吐や下痢を引き起こすことがある。しかし、その性質を利用して、古くはテッポウウリの果汁が下剤として用いられたことがあった。
・ラカンカ(羅漢果、Siraitia grosvenorii)
ラカンカの蔓。東京都薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影。
ウィキペディア日本語版の「ラカンカ」のページから。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%AB 著作者:KasugaHuang(CC BY-SA 3.0)
中国広西チワン族自治区が原産のラカンカ属に属する蔓性多年草で、地下の巨大な塊茎から5mもの蔓を伸ばし、7月から9月にかけて小さな黄色い花を咲かせる。やがて球形または卵形の深緑色の果実を実らせる。
この果実は甘みがあって食用にすることができるが、果物として生食することはなく、乾燥させて粉末にしたのち、お茶として煎じて飲むほか、水やメタノールなどで抽出したものを、「ラカンカ抽出物」という名称で料理の材料に用いる。大型スーパーで見かけることのある「ラカント」という調味料はこのようにラカンカから抽出した甘味料で、砂糖よりも低カロリーであることから、健康食品として人気が出ている。
また本種は古くから薬用植物としても利用されており、漢方の世界では喉や肺を潤し、鎮咳作用があるとされる。わが国においても、のど飴に抽出物を添加しているものがある。
名称は果実の薬効を仏教の聖者である羅漢のご利益にあやかったとも、果実の見た目を羅漢の頭に例えたともいわれる。
・アレチウリ(荒地瓜、Sicyos angulatus)
ウィキペディア日本語版の「アレチウリ」のページから。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%AA 著作者:SB_Johnny(CC BY-SA 3.0)
長野県千曲市戸倉にてmakinomantaro撮影。河原一面がアレチウリのうっそうとした蔓に覆われていた。
北アメリカが原産のアレチウリ属の多年生つる性植物で、我が国では1950年代前半に、アメリカからの輸入大豆に種子が混じっているのが発見されたのが最初の例である。
現在は本州以南において帰化しており、河川敷に大群落を作っているのがみられるほど繁殖力が旺盛である。特定外来生物に指定されている他、日本生態学会によって「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されている。
蔓や葉の見た目こそカボチャのそれに少し似ているが、花は黄緑色でごく小さく、花の後に実らせるくすんだ緑色の果実もかなり小さい。果実は金平糖型をしており、表面には柔らかな毛が生えている。
この果実は金平糖とは違い、甘みはなくて強い苦みがあるので、食用にしない。
上記のように繁殖力が旺盛で、除草剤が効かないケースも存在する。この場合は「食べる」ことでこの植物に応戦するのである。アメリカで葛が手の施しようがないほど茂りまくった際に、「食べる」という方法で応戦したのと同じ原理である。
食べるといっても、前述のとおり、果実は苦くて食用にはならないから、葉や蔓を青菜の代わりに食するのである。
葉や蔓にも苦みはあるが、幸いこの苦みは長時間加熱すれば軽減されるので、ほうれん草のように炒め物やおひたしにして食した例が知られる。
・スズメウリ(雀瓜、Merothria japonica)
https://botanic.jp/plants-sa/suuri.htm 「ボタニックガーデン」の「すずめうり」のページから。
我が国の本州から九州にかけての地域、そして韓国の済州島に分布する。原野や水辺などの湿り気のある場所に生息する蔓性の1年生草本で、巻きひげなどがほかのものに絡みつくことで成長する。葉は角ばった心臓型で、縁には粗い鋸歯がある。
8月から9月にかけて、5枚の花弁からなる直径5㎜程度の極小の花を咲かせる。秋には直径1㎝程度の球形または楕円形の果実を実らせ、果実色は当初は鮮やかな黄緑色だが、熟すと白くなる。和名は、近年のカラスウリと比較して果実が小さいことから「スズメウリ」と呼んだとも、また熟した果実の見た目をスズメの卵に見立てたともいわれる。名称が似ており、園芸店でしばしば「スズメウリ」という名称で売られる植物があるが、それは「オキナワスズメウリ」という同科別属の別種(後述)である。
本種の果実はかなり小さいので目立ちにくく、一般的に「食用」という認識はされていないが、特に毒性はなく、うっすらと甘みがあるため食用にすることはできる。
・サンゴジュスズメウリ(珊瑚珠雀瓜、Melothria maderaspatan)
https://botanic.jp/plants-sa/sansuz.htm 「ボタニックガーデン」の「さんごじゅすずめうり」のページから。
わが国の沖縄諸島やニューギニアやオーストラリアを含む旧世界の熱帯地域全体に分布する。森の湿った場所や草地、河畔など、土地に水分の多い場所に生息する。地面に這ったり、巻きひげで何かによじ登って巻き付いたりすることで成長する。葉は変化が大きく、広卵形から三角形、または掌状に3つから5つに裂けて、縁には鋸歯がある。
花は直径5㎜程の大きさで黄色く、葉腋にある花序に咲く。果実は直径6㎜~11㎜の球形である。果実表面はつるつるしており、鈍い光沢があるが毛はない。未熟時は緑色で薄い縞があり、成熟すると鮮赤色に変色し、縞が見えなくなる。
特に有毒であるとも食用であるともされていないが、現在は土地開発などで生息地が減少しつつあるので、試食のための採集は控えるのが賢明であろう。
オキナワスズメウリ(沖縄雀瓜、Diplocyclos palmatus C. Jeffrey)
東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影
名前に「スズメウリ」とあり、花屋や園芸店でも単に「スズメウリ」と呼ばれることがあるため混乱を招きやすいが、わが国在来の野草のスズメウリ(Zehneria japonica (Thunb.) H.Y.Liu)とは別属である。本種はオキナワスズメウリ属に属し、スズメウリは「スズメウリ属」に属する。
我が国においては元来沖縄県の口之島や鹿児島県の吐噶喇列島に野生品が生息していることが知られていたのだが、現在は果実を観賞用にするために庭に栽培することが増えている。園芸通販店で「スズメウリ・ビーチボール」や「琉球オモチャ瓜」という名称で売られているのは本種である。
果実は直径3㎝程の球形で、スイカのように白い縦じま模様が入る。果皮色は初めは鮮やかな緑色だが、熟すにつれてくすんだオレンジ色になっていき、最終的には鮮やかな紅色となる。
スイカのような見た目をしているだけあって食用になるかと思われがちだが、先ほど触れたヒョウタンの類に含まれる苦み成分のククルビタシンが本種にも含まれているので、食用にはできない。
ただし、インドでは若い蔓の先を野菜として食すことが知られている。
・アマチャヅル(甘茶蔓、Gynostemma pentaphyllum (Thunb.) Makino)
東京都薬用植物園にてmakinomantaro撮影
我が国をはじめ、朝鮮半島や中国、マレー半島やインドにまで分布するつる性の多年草である。山野の林縁に生息しており、ウリ科の植物には珍しく、5枚の複葉からなる「鳥足状複葉」と呼ばれる葉を茎に互生させるのが特徴である。
しばしばブドウ科の蔓草であるヤブガラシと間違われやすいが、茎を見ると、ヤブガラシの茎の方が紫色で太く、やや角ばっているのに対し、本種の茎は黄緑色で細く、丸みを帯びているので区別できる。
夏から秋に5枚ほどの花弁からなる黄緑色の花を咲かせ、秋に直径6㎜から8㎜程の球形の果実をつけ、光沢のある黒い緑色に熟す。しかし珍しいことに、本種の主な利用部位は果実ではなく葉である。
葉には甘味があるので、これを乾燥させたのち、煎じてお茶として飲む。このアマチャヅルから作ったお茶には鎮静作用や咳止め、滋養強壮の効果があるとされ、古くから飲用されてきた。さらに研究が進められ、もともと滋養強壮の効果のある薬用植物・チョウセンニンジンに含まれる複数の薬用成分の「ジンセノイド」が本種にも含まれることが明らかになっている。
・ゴキヅル(合器蔓、Actinostemma tenerum)
東京薬科大学薬用植物園にてmakinomantaro撮影
我が国の北海道から九州にかけて分布する(ただし、分布はどちらかというと西日本方面の方が多い)ゴキヅル属の蔓性の一年草で、国外では朝鮮半島、中国、台湾、タイ、ラオス、ベトナムに分布する
草姿はウリ科植物の中では繊細で、茎は細い蔓状となる。葉は三角形に近い披針形で全長5~10cm、幅は2.5~7cmである。先端は突き出して尖る場合と、鈍く尖る場合がある。
夏の終わりから秋にかけて淡い黄緑色の花を付ける。開花後には楕円形で先端が尖る楕円形の果実をつける。果実はウリ科には珍しい蒴果で、果梗に近い上半分はまばらに突起があり、下の部分は何もなくなめらかである果実は熟すと真ん中で割れて、果実の下半分が落下し、それによって種子を露出する。コルク質で水に浮くことが出来、それによって散布されるのである。
和名は「合器蔓」と称し、これは果実の形状を合器、すなわち蓋つきのお椀に例得たことによる。
・ミヤマニガウリ(深山苦瓜、Schizopepon bryoniaefolius)
https://botanic.jp/plants-ma/miniur.htm 「ボタニックガーデン」の「みやまにがうり」のページから。
わが国の中部地方をはじめ、サハリンや東シベリアに分布する一年草である。山の深く分け入ったところに生息し、巻きひげで他の樹木や岩に絡みついてよじ登るようにして成長していく。
葉は縦長のハート形で薄く、葉縁には不規則な鋸歯があって、先端は鋭くかつ長く尖る。両性花をつける株と、雄花のみをつける株がある。『牧野日本植物図鑑』(1940年、牧野)によれば、この雄花のみをつける株は1879年(明治12年)に植物学者・松村任三により福島県会津地方にて発見され、その後慎重に研究が重ねられた結果、1906年(明治39年)に学会にて発表されたという。
8月から9月にかけて、総状花序を出して花を咲かせる。両性花は帯黄白色で葉腋に1個だけ咲き、雄花は白色で先端が5つに裂ける。花後に実らせる果実は液果で、全長1㎝程度になり、淡緑色でつやがあってやや歪んだ卵形である。食すと苦みがあるという。
和名は、深山に生え、かつ果実の形状が野菜のニガウリに似ていることから。
・アルソミトラ・マクロカルパ(羽瓢/龕灯蔓、Alsomitra macrocarpa)
板橋区立熱帯植物環境館にてmakinomantaro撮影。
インドネシアのスンダ列島に分布するアルソミトラ属(マクロザノニア属に分類されることも)の蔓性常緑樹木である。熱帯雨林に生息しており、蔓を他の樹木などによじ登らせて成長する。葉は卵形で葉柄があり、互生する。
果実は直径20cmほどの球形で、果実内部には400個ほどの翼型の薄い膜をつけた種子が詰まっている。この種子は、ハンググライダーのような独特の形状で、風に乗って遠くへ散布される。
20世紀初頭に、ボヘミアのEtrich父子によって、この種子の見た目と散布の仕組みをヒントにした「アルソミトラ型飛行機」が製作され、後に尾翼を加えた「タウベ(Taub)型飛行機」へと発展した。
「ハネフクベ」という和名でも知られるが、これは果実の見た目がフクベ(マルユウガオ)に似ていることと、種子に翼型の薄い膜がついていることに由来する。
わが国への正式な渡来時期は不明ながらも、大正末期から昭和期にかけて名前が知られていたものと思われる証拠がある。それは、大正14年刊行の牧野富太郎・根本莞爾著『日本植物総覧』で、「ガンドウカズラ」という名称がみられることである。
これはおそらく、割れて種子を放出した後の果実の殻の様子を「龕灯」というランプの一種に見立てたものと思われる。
瓜にまつわる言葉あれこれ
瓜の蔓に茄子はならぬ
平凡な親から優秀な子供は生まれないものだという意味。
類義語:蛙の子は蛙、この親にしてこの子あり
瓜二つ
両者が酷似していること。マクワウリを二つに切った際に、断面がそっくりであることから。
ウリ坊/瓜坊
猪の子供のこと。背中の模様が瓜のように見えることから。
ポケモンに登場するウリムーの名前の由来はおそらくこれ。
瓜田李下(瓜田に履を納れず 李下に冠を正さず)
瓜の畑で靴を直そうとしゃがむと「あの人は瓜を盗もうとしているのか?」と疑われ、李の木の下で冠を被り直そうと手を上げると「あの人は李を盗もうとしているのか?」と疑われる。
そこから、人に疑念を抱かれるようなことをするな、という教え。
類義語:君子危うきに近寄らず、悪木盗泉
瓜に爪あり 爪に爪なし
読んで字の如く、字形の似た漢字の区別法。
破瓜
「瓜」の字を縦に割ると、「八」と「八」に分かれることから、転じて16歳の女性のことを指す。
また八×八=64歳の男性のことを指すこともある。
エロい意味の方が諸兄にはお馴染みではあろうが。
一瓜実に二丸顔
女性の顔立ちで、一番良いのはやや細長く白い瓜実顔(瓜の種子のように細長い顔つき)、二番目は愛嬌のある丸顔だということ。その後に「三平顔に四長顔、五まで下がった馬面顔」と続く。
瓜瓞綿綿
瓞(小さな瓜)が蔓を伝って大きな瓜へと、途切れることなく続いて実る。
そこから転じて、一族や子孫が絶えることなく繫栄し続けること。
五経の一つである『詩経』に由来している。
西瓜は土で作れ南瓜は手で作れ
西瓜は土と土壌が、南瓜は手入れが大事ということ。作物の上手な作り方を例えた言葉。
そこから転じて、状況によってやり方を変えろ、という意味。
見かけボウブラ
見た目が立派だが、中身が伴っていないこと。見かけ倒し。福岡県のことわざで、「ボウブラ」はカボチャのこと。
類義語:独活の大木
南瓜に目鼻
女性の顔立ちがよくないことをからかう表現。
太る南瓜に針を刺す
うまく行っていることを途中で邪魔すること。
類義語:水を差す、腰を折る
道理で南瓜が唐茄子だ
大いに納得する様子をいうしゃれ言葉。「唐茄子」はカボチャを指す東京方言。
今年は南瓜の当たり年
余り風貌のよくない男性、もしくは女性の縁談が成立したことをあざけって言う言葉。
医者・坊主・南瓜
医者や僧侶は経験を積んでいる者がよく、南瓜は熟したものがよいということ。
南瓜を被って豚小屋に入る
韓国のことわざ。くりぬいた南瓜を被って豚小屋に入るような真似をすれば、豚が一斉にくらいついてくることは想像に難くない。
そこから転じて、自ら危険に身を晒すことの例え。
類義語:飛んで火にいる夏の虫、火中の栗を拾う、柚の木に裸で登る
瓜売りが……
早口言葉の一つ。全文は「瓜売りが瓜売りに来て、瓜売り残し、うり売り帰る瓜売りの声」。
瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ
マクワウリは皮を厚めに剥いてから食べるのがよく、逆に柿は皮を薄く剥いた方がおいしく食べられるということ。
転じて、状況によって適切な選択をせよという意味。
「乞食」という言葉が今では差別用語になっているので、このことわざは現在はあまり知られていない。
類義語:適材適所、餅は餅屋
瓜を投じて瓊を得る
少しの贈り物(出費)で多大なお礼(見返り)を頂くこと。瓊は玉とも。
原点は中国の『詩経』。
類義語:小を捨てて大を拾う、海老で鯛を釣る
瓢箪から駒
思いもよらないことや道理上ありえないことが起こること。
また、冗談で言ったことが本当になる事。
類義語:嘘から出た実
中流に舟を失えば一瓢も千金
流れの真ん中で船を失ったとしても、一つの瓢箪さえあれば、それが浮き輪代わりとなってくれる。転じて、一見するとつまらないものでも、状況によっては大きな価値を持つことがあるということ。
瓢箪の川流れ
瓢箪を川に流すと、左右に揺れながらぷかぷか浮く。転じて、どこか浮ついていて落ち着かない様子。
類義語:有頂天
瓢箪で鯰を押さえる
とらえどころがない様子。表面が滑らかな瓢箪を使って表面がぬるぬるのナマズをとろうとしても、とれずにつるつると滑ってしまうことから。
苦瓢にも取り柄あり
果肉が苦くて食べられない生の瓢箪でも、あれこれ加工すれば立派な楽器や容器となる。そこから転じて、一見すると使い道のなさそうなものでも、見方や使い方を変えれば何かしらの使い道や利用する価値がある。
糸瓜の皮とも思わない
少しも気にかけないこと。
追記・修正は瓜売りになって瓜を売りつくしてからお願いします。
WRYYYYYYYYYY
違う、そうじゃない
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- うりうりがうりうりにきてうりうれずうりうりかえるうりうりのこえ -- 名無しさん (2025-06-24 22:54:43)
- WRYYYYYYYYYYY!!! -- 名無しさん (2025-06-24 22:57:53)
- 『凪のお暇』でゴーヤの仮種皮を食べれることを初めて知ったな。まさか沖縄以外ではこの仮種皮が好んで食べられていたのは知らなかった -- 名無しさん (2025-06-24 23:24:54)
- ウリで狂ったあと -- KBTIT (2025-06-25 00:07:08)
- ヤサイカラスウリの追加を希望 -- 名無しさん (2025-06-25 00:58:52)
- 運動会に向けてカラスウリを保存……とか今時通じない話だな -- 名無しさん (2025-06-25 01:07:15)
- 瓜といえば、瓜子姫と天邪鬼 -- 名無しさん (2025-06-25 01:23:53)
- 瓜といえば枕草子の「うつくしきもの」の一つ「瓜に描きたる稚児の顔」 -- 名無しさん (2025-06-25 05:51:54)
- ウリ、ウリ・・・ウリンガ? -- 名無しさん (2025-06-25 07:53:35)
- ウリで狂って -- 名無しさん (2025-06-25 14:43:54)
- これは良い項目。スーパーで見かけたら買ってみる。 -- 名無しさん (2025-06-26 01:10:43)
- ほぼ全てのウリの画像を自宅で撮影してるmakinomantaro氏は何者なんだ…? -- 名無しさん (2025-06-26 10:54:38)
- うろ覚えだけど、瓜だと思って食べたら瓢箪だったので握って区別をつけたという昔話があったような…? -- 名無しさん (2025-06-26 14:17:09)
- まくわうり刑事 -- 名無しさん (2025-06-26 14:22:53)
- URYYYYYYYYY!!! -- 名無しさん (2025-06-26 17:28:16)
- マクワウリ好き。青森辺りではマウリと呼んでる所があるって。 -- 名無しさん (2025-06-26 18:43:29)
- ラカンカとアレチウリの追加を希望 -- 名無しさん (2025-06-26 20:58:09)
- ハミ瓜は乙嫁語りで名前が出てたので知ってる。 -- 名無しさん (2025-06-26 21:20:56)
- ラカンカのイメージ画像が一瞬ハハッに見えた -- 名無しさん (2025-06-27 19:47:05)
- 1日3きゅうり3日で9きゅうり消費中 -- 名無しさん (2025-07-03 19:51:18)
- 『ウリで狂ったあと』のほうのウリは無関係(意味はちょっと書けない) -- 名無しさん (2025-07-07 13:37:48)
- 意外と甘くてうまい -- 名無しさん (2025-07-18 10:54:50)
- 過剰な甘さが苦手って人にはオススメの果実 水分補給にもなる -- 名無しさん (2025-07-27 16:36:15)
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*2 天下人になった秀吉も朝廷にマクワウリを献上している
*3 「ヒキガエルの皮」という意味で、くすんだ緑色と凹凸が特徴
*4 1862年(文久二年)に「草部」の初版が刊行された。「草部」は明治から大正にかけて増刷と改定・加筆が繰り返されたが、「木部」は1977年(昭和42年)に北村四郎によって刊行されるまで長らく手つかずの稿本として残っており、「草部」に収録されなかった草本植物(イネ科やカヤツリグサ科などほか多数)やシダ植物、コケ植物の図は、稿本が岐阜県大垣市の江崎家に残っているのみである
*5 ただし、この表現はマクワウリを指すこともある
*6 現在はこの名称の商標権は消滅
*7 ただし、長崎では現地に居留するポルトガル人や中国人に供出するために食用として栽培されていた
*8 作物として栽培されるカボチャ属の植物はほかに「クロダネカボチャ」(C.ficifolia)や「ミクスタカボチャ」(C。argyrosperma)があるが、我が国ではいずれもほとんど利用されず、クロダネカボチャがウリ科野菜の苗の台木として用いられる程度である
*9 この名称はポルトガル語のAboboraに由来するという
*10 京都の伝統野菜の一つ。古くは「西京南瓜(サイキョウカボチャ)」と呼ばれた。元々は青森県で栽培されていた菊座カボチャの一種の種子を持ち帰った農家が故郷の京都で栽培を開始し、栽培を重ねるうちに突然変異を起こしてひょうたん型に変化したといわれるが、植物学者の牧野富太郎は自著『牧野日本植物図鑑』にて「ボウブラ(makinomantaro註:菊座カボチャ)より遅れて伝来した」と説明しており、「ボウブラ」と呼ばれるものとは別系統であると説明している
*11 近年「韓国ズッキーニ」「韓国カボチャ」の愛称で知られる黄緑色のズッキーニとほぼ同じ形状の野菜があるが、そちらはニホンカボチャの果実を若どりしたもので、果梗部の果実との接着部分が広がる点で区別する
*12 特にこのUFO型のものは「パティパンカボチャ(pattypan squash)」「スキャロープ(Scallop。ホタテ貝の意)」の名称で呼ばれることもある
*13 首がまっすぐなものは「ストレートネック(Straight neck)」と呼ばれ、首が湾曲するものは「クルックネック(Crockneck)」と呼ばれる。なお、イタリア産の品種で鶴首型で黄緑色の細長い果実をつける「トロンボンチーノ」は若い果実を食用にするため、しばしばズッキーニの一種として扱われるが、実際は鶴首系のニホンカボチャの一種で、未熟果と熟果の兼用の品種である。
*14 4代将軍・徳川家綱の治世に浪士を募って幕府転覆計画を練り、実行に移そうとするが仲間の裏切りで逮捕。ほどなくして斬首刑に処され、梟首となった
*15 ただし、江戸後期の絵師・伊藤若冲が描いた『果蔬図巻』や『菜蟲譜』に「トカドヘチマ」らしきヘチマが描かれているほか、明治初期に服部雪斎が手掛けた植物図譜の稿本『植物集説』にも明らかにトカドヘチマらしきウリが描かれているページがある。
*16 なお、生徒たちにヒョウタンを食べさせた理科担当の教師は、中毒症状が発生したことを知りながらも、別の学級の生徒たちにも食べさせたために懲戒免職処分が下っている
*17 いわゆる「チーゼル」。古くはこの果実を乾燥させたものでビリヤードの台の羅紗をこすって毛羽立たせた
*18 この熟しすぎによる発酵はメロンでも起こり得る現象である
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