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更新日:2023/08/10 Thu 15:38:06NEW!
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神よ、もし私たちの愛が罪だというならその罰は私一人に与えよ!
私は誓う! たとえこの身が切り刻まれようと決して後悔などしない。
わが愛しきディアドラを、神よ……どうか永久に守りたまえ!!
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の登場人物。
ゲーム前半の主人公であり、ゲーム後半の主人公であるセリスの父親。
~略歴~
一応ネタバレ注意
グランベル王国に従属する6公爵家の一つである、
聖戦士バルドの血筋で聖剣ティルフィングを継承するシアルフィの公子。
父親はバイロン卿、妹はエスリン。
レンスターの王子キュアン、アグストリアのノディオン領主エルトシャンの2名とは士官学校の同級生であり、固い絆で結ばれた親友である。
さらにエスリンはキュアンに嫁いでいるので、キュアンとは友情を超えて姻戚関係の義兄弟という間柄である。
物語冒頭、彼は東方のイザーク王国の動乱沈静のためにグランベルの遠征軍に参加している父バイロン卿の代わりに領土シアルフィの留守を任されていた。
しかしこの「軍が出払って守りが手薄になっている」という間隙を突き、グランベル王国の同盟国であったはずの隣国ヴェルダン王国が国境を越えてグランベルへと攻め入り、
こともあろうにシアルフィの隣に位置するユングヴィに対する侵略を行う。
持ち前の正義感やヴェルダンが「蛮族の国」だったことからこれを見過ごせなかった彼は、少数の部下と共にこの蛮族の迎撃に打って出ることになる。
まさかこれが彼の数奇で薄幸な運命の始まりであろうとは、この時は誰も知る由が無かった。(序章 聖騎士誕生)
その後彼は誘拐された幼なじみのユングヴィの姫君エーディンを救うためにヴェルダン王国へと出兵し、武力によりこれを制圧する。
その最中、イザークの王子シャナンの保護、精霊の森の巫女ディアドラとの出会いという後に重要な意味を持つ出来事に遭遇し、
そしてディアドラとの触れ合いの中でこの戦争の裏に暗黒教団ロプト教が暗躍していることを知る。(一章 精霊の森の少女)
ヴェルダン王国を制圧した後、エバンス城の領主となった彼はディアドラと正式に結婚。
だがこのヴェルダン制圧は結果としてアグストリア王国に大きな混乱を呼び寄せ、
アグストリア王イムカ暗殺、シャガール王即位、エルトシャン投獄、
そしてシャガール王が主導するアグストリアのノディオン・ヴェルダンへの侵略開始……という更なる波乱の幕開けとなってしまう。
シャガール王のヴェルダンへの侵略に対する正当防衛とはいえ、シグルドはこの戦乱の結果アグストリア諸国のほとんどを侵略・制圧する事となり、
親友エルトシャンとの間に思いもよらぬ亀裂が生まれてしまう。
シグルド自身はこのアグストリア諸国の制圧は乗り気では無く、途中で仲間になるシレジアの王子レヴィンとの会話の中でも本気で戦線放棄しようとしている様子がうかがえる。(二章 アグストリアの動乱)
その後シグルドは親友エルトシャンとの約束を果たすべくグランベルの王都バーハラにアグストリア諸国の返還を呼び掛けたが、それは一向に聞き入れてもらえなかった。
アグストリアでは次第に制圧者グランベルに対する不満は募り、結局一年も経たずしてシャガール王はエルトシャンの進言も聞き入れずに再び挙兵する。
この戦いの中でシグルドは暗黒教団の手によって最愛の妻ディアドラを誘拐され、無二の親友であるエルトシャンと対決することとなり友を喪い、
さらには祖国グランベルからは父バイロン卿と共に国家転覆を企てたとして反逆者の汚名まで着せられてしまう。
この万事休すかと思われた事態をシレジアのラーナ王妃により助けられ、中立国家シレジアへと匿われる。(三章 獅子王エルトシャン)
その後シグルドはラーナ王妃の庇護下で汚名が晴れるのを待つ日々を過ごしていた。
しかしここでもシレジアの王位継承問題に端を発する内乱に巻き込まれ、ラーナへの恩返しとしてまたしても戦いに身を投じることになる。
結局ここシレジアでも反乱分子をすべて鎮圧する結果となったシグルドだが、
そんな彼にグランベルから本格的な軍勢が派遣されシレジアのすぐ近くまで来ているという知らせが届く。(四章 空に舞う)
グランベルとシレジアの間で全面戦争が起きる事を良しとしなかった彼は、自ら打って出て王都に直接出向いて王前で潔白を証明するより他はないと考え、
自分と父を陥れたランゴバルト卿・レプトール卿を倒して王都バーハラへと進撃することを決意する。
その途中、死の間際の父バイロン卿から壊れた聖剣ティルフィングを受け取り、ひとまずランゴバルトを打ち倒すことに成功する。
しかし王都バーハラを目指す途中に広がるイード砂漠を越える際、親友キュアンとその妻であり彼の妹であるエスリンが砂漠の行軍中にトラキア軍に殺された事を知り激しく悲嘆にくれる。
妻が行方不明となり、侵略者の汚名を着せられ、父を亡くし、友を亡くし、妹を亡くしたと不幸続きのシグルドだったがそれにもめげず、ヴェルトマーのアルヴィス卿の助けも借りてもう一人の宿敵レプトールを打ち倒す事に成功する。
いよいよ王都バーハラにて自分の汚名をそそぐだけの状態となる。つらい旅路もようやく終わるのだ。
ところが残念ながらこれは全てアルヴィスと暗黒教団によって仕組まれていた事であり、
凱旋式として王都バーハラに招かれたシグルド達はその場で反逆者と高らかに宣告され、アルヴィスの軍勢により公開処刑されてしまう。
そしてシグルドを陥れたアルヴィスの横には、アルヴィスの妻という彼に寄り添う女性の姿……かつてシグルドと永遠の愛を誓ったはずのディアドラの姿があったのだった。
最後に最愛の妻が政敵に奪われ、力及ばずに力尽き、死後に散々汚名を擦り付けられる。
こうしてシグルドは絶望と失意の中でその短い生涯を終えたのである。
その後は皇帝に即位したアルヴィスや、父をシグルドによって殺されたダナン(ランゴバルトの息子)、ブルーム(レプトールの息子)などによって逆賊の汚名を着せられることとなる。
しかしアルヴィスの統治はその後暗黒教団に牛耳られて圧政へと変化。逆賊シグルドは「圧政を未然に防ごうとし、非業の死を遂げた英雄」として語られることとなる。
17年後、アルヴィスを倒したセリスの前にディアドラの霊と一緒に霊として登場。
アルヴィスを倒し父の無念を晴らしたと興奮しながら報告するセリスを「セリス、思い上がってはならぬ アルヴィスが倒れたのはおまえの力ではない……」と戒め、
「セリスよ。人の悲しみを知れ。真実はひとつではない。」
「お前がその事に気付かなければ、仮にお前たちが勝利した所で、この戦いは無意味な物になるだろう。」
と警告し、ライブの腕輪を託した。
上述したようにストーリーでの転落人生とその報われなさ、薄幸ぶり、妻を寝取られたことなどどうしようもない不幸のインフレゆえにものすごく同情を集めている主人公である。
かつて2ちゃんねる(現5ちゃんねる)を中心に「RPG三大不幸主人公」というネタが存在していたのだが、シグルドは不動枠としてオルステッドとともにその座をほしいままにしていた。
「汚名を着せられて社会から放逐される」「最後に最愛の女性に裏切られる」という点はよく似ている。
ただ一方で聖戦の系譜特有の「善人とも悪人とも言い切れない」部分から、穿った見方をする層を中心に「この不幸はシグルドの自業自得だ」とする意見もある(後述)。
~ゲーム内ユニットとしてのシグルド~
○初期値と成長率
ロードナイト LV5
HP-35(70+40)
力-14(30+20)
魔力-0(5)
技-11(30+20)
速さ-12(30)
運-7(20+20)
守備-9(40)
魔防-3(5)
移動-9
武器LV-剣★槍B
血統-バルド直系
スキル-追撃
作中での不幸を吹き飛ばすかのように、性能は当時のFEシリーズ(比較対象はマルス、リーフ、ロイ、リン、エリウッドあたり)にしては珍しくいきなり強い。
クラスチェンジに厳しい制限がかかるのが当たり前のロードの中で最初から上級職であり、
普通でも強いのに序章で銀の剣が手に入る*1から鬼に金棒、最初から最後まで大活躍間違い無しである。
冗談抜きでこのぎんの剣1本で親世代を最後までどころか、それを継承したセリスすら終章までクリア可能。そんな武器を序盤から所持できる上、聖戦の系譜の騎兵ユニットは「攻撃後にも再移動が可能」という仕様がある。
これを使えば「相手の攻撃の範囲外から攻めて、攻撃後は逃げてしまう」というヒットアンドアウェー戦法も可能。
そして忘れがちだが「てやり」も使えるため、いざとなればてやりを持たせてその辺に放置しておくだけで敵がばたばた死んでいく。
しかし過信は禁物。城の制圧は主人公である彼で行わないといけないため、場合によっては戦線への到着に若干のラグが生まれてしまう。
特に2章はこのラグが致命的であり、「西の城を制圧したら本城が攻められる」ということになりかねない。
何より彼ばかり戦わせては他のキャラクターが育たない。
特にクラスチェンジ補正がべらぼうに強力な聖戦ではクラスチェンジできないシグルドよりも、
将来性という意味で他のキャラの方がレベル上げの優先度が高いとも言えるのである程度は注意が必要。
当時はこの性能から「ロードこそジェイガン」「育つジェイガン」などと呼ばれていた。
終盤には壊れたティルフィングを受け取り、聖戦士としての本領を発揮できるようになる。
スワンチカには3すくみで有利、トールハンマーに対しては魔防+20の補正が大きく役立つため、父バイロンの無念を晴らすにはうってつけである。
ただし、使用するには修理費がべらぼうにかかる(完全に直すのに50000G)。
既にレヴィンがフォルセティを入手しているので親世代ではそこまで重要ではないものの、息子のセリスにとってティルフィングは極めて重要な武器になるので、必ず修理しておこう。
どの道5章で死亡してしまうシグルドが、所持金を持っていた所で全く意味が無いので、修理の為に所持金をすっからかんにしてしまっても何の問題も無い。
ここでティルフィングを修理しておかないと、セリスが壊れた状態のティルフィングを継承する羽目になってしまう。
またセリスの為に、5章である程度は撃破数を稼いでおくのもいいだろう。
身もふたもないことをいうと結局5章でお役御免であり、妻がディアドラで固定されているので他のユニットほど考えることがない。
ガーッと使ってバーッと散財して、セリスに受け継ぐものを用意する、それだけで十分。
聖戦未プレイ勢がよく「ヘクトルやアイクやクロムに並ぶ脳筋ロード」というが、ユニット性能としての評価ならそれは間違いではない。
~シグルドの評価~
性格的には一途で直情的でかなりのお人よしであり、二章のシルヴィアとの絡みなどからも生真面目な性格もうかがえる。
作中では自分よりも他人を優先して動いてばかりであり、自己中心的と言えるのは想いを我慢しきれなかったディアドラへの求婚程度(ちなみにこれはディアドラも同様に我慢できなかった)。
さらに非常に忘れられがちなのだが、戦う前には繰り返し使者などを通じてできる限り戦争回避に努めている*2。
序~一章では同盟を破って侵略した上にそこのお姫様までさらい、挙句自国にまで食指を伸ばして村から略奪してきた「蛮族」を討伐しただけであり、
二~三章では諫言を一切聞かないシャガール王の愚かしさが侵略を招き、その火の粉を振り払っただけなのである。
彼の戦いは全て誰かを救うためのものであり、利己的な要素があったのは第五章くらいのもの。それも元々父達も陥れた者達が進軍してきた&シレジアとの全面戦争回避が大きい。
そしてその人の良さの恩恵を最大限享受するのが息子のセリスであり、セリスはシグルドが築いた人間関係・人脈に最後まで助けられることとなる。
セリスが親の七光りと言いたいわけではないが、彼が最後まで戦い抜けたのは間違いなくシグルドの遺したものが大きかったおかげであり、そのことは作中でもレヴィンが戒めとして言及している。
しかしこのゲームに登場する人間はみんな聖人君子というわけではなく、シグルドもその例に漏れない。以下の点から脳筋やDQNと呼ばれることも多い。
- 1:同級生のエルトシャンの半分以下(モブの敵将軍程度)の指揮レベル。
- 2:士官学校に行ってすらいない息子セリスに負ける指揮レベル。
- 3:敵国の王子であるシャナンを、グランベル王国という君主に隠す形で保護し続ける。謀反の意図があると思われて当然である。
- 4:親友の妹ラケシスを助けるために挙兵し、アグストリア諸侯連合国に進軍。制圧する。
- 5:町で一目見ただけの少女ディアドラに熱烈な求婚からスピード結婚。
- 6:元々その気は無かったため、レヴィンに怒られた結果*3「戦争はやめる」発言。
- 7:「そうだ、きみがほしい」
- 8:ストーリー全般の直情径行に対する「そもそも政治より騎士道や友情を優先するって君主としてどうなんだ」という意見。
…とはいえこれらはどれもシグルドをネタキャラ化するための牽強付会的な要素が強く、上からそれぞれ
- 1:ゲームバランスの都合…と言えばそれまでなので、少し考察を加えると、クロスナイツを統率するエルトシャン他、ほとんどの指揮官は「1、2種の似たクラスで構成された部隊」の隊長であり、部隊としての連携は言わずもがな、完成されているのである。しかし、シグルドが抱える部隊の中身は「部隊に入った人物の時期、事情、動機、身分、シグルドとの関係、立場、クラスまでが全員バラバラ」という有様。部下としているのは、ノイシュ、アレク、アーダン、軍師見習いのオイフェだけで、他はシグルドの部下ではないものの、その性格と人望故に。また、自分が信頼している者がシグルドを信頼しているが故に、行動を共にしている…といった具合である。おそらく、統率するだけでも大変だろうし、シグルドは指揮下に入った者達を対等に見ている所もあったりするので、指揮Lvが高くない(というより下げている)のだろう。それでも、このバラバラ部隊を上手く統率して(プレイ次第だが)1人も死なせずに戦況を切り抜けているのだから、大したものと見受けられる。
- 2:ゲームバランスの都合。セリスも同上に加え、敵将軍をして「シグルドを超える」と言わしめるのだから、シグルドより高いのだろう。
- 3:これによってアイラ(※説得出来た場合)とシャナンは救われており、文字通り命と引き換えにするほどの感謝を示している。さらにシグルドの死後セリスが匿われた場所もイザーク王国である。もしかしたら、シグルドはヴェルダン鎮圧後~アグストリアの動乱が始まる辺りでグランベル王国の通達に対し、無意識に何かしらの違和感を感じて(OPの遠征の件も鑑みて)アイラとシャナンの紹介は急がずとも良く、自分も一緒に直接出向いて事情を説明した方が良いだろうと感じたのかもしれない。政治的には、この時点ではあくまでイザーク遠征はダーナ侵攻への懲罰を大義名分としていた*4ため、戦後のイザークとの関係改善の布石としようとしたと擁護できなくもない。
- 4:エルトシャン幽閉とその隙を狙われた略奪婚狙いという特殊な事情があり、言い換えてしまうと「親友が大切にしている妹がレイプされるのを静観する」ということになるし、ノディオンの将達も戦闘態勢で構えており、ラケシス本人からの救援要請もあったのでさすがに見過ごすわけにはいかない。この行為には、当のラケシスやエルトシャンからも感謝されている。何より、王都バーハラより「和平派の重要人物であるエルトシャンを救出せよ」という勅命*5が下っており、シグルド個人の一存でアグスティへの進軍を拒否できる立場ではなかったのである。
- 5:友達2人は結婚してるし、美人のディアドラを見れば一目惚れもするのだろう。向こうも向こうで、人と交わってはならないと言われている所に、かっこいい男性がかっこいい登場をしては一目惚れもするのだろう。一人の男性であり、一人の女性である。恋は(迷惑をかけない範囲で)自由。
- 6:この質問自体が、レヴィンがシグルドの人柄を見極めようと半分カマをかけてみた発言だったので、むしろレヴィンから(シャガールがどうしようもない人物過ぎるため)止められる。良くも悪くも純粋な一面。
- 7:シェゾの「お前(の力)が欲しい」みたいなもん。
- 8:最後に関しては人それぞれなのだが、聖戦の系譜というゲームの登場人物はシグルドに限らず賛否両論になりやすいことを付記しておく。またこの部分は、かの英雄「マルス」にも似た所がある。
こういった形で十分に反論できるものであり、彼を一方的に叩けるほどの落ち度とは言えない。ディアドラとはお互い様だしね。
シグルドはグランベルに従属する公爵家の公子で自分の意向で動ける立場ではなく(反対すれば本当に反乱扱いになる)、
ヴェルダンやアグストリア諸侯連合国との戦いはグランベルの意向(それも策謀の結果と状況の変化によるものとはいえどちらの戦いも最初は侵略された立場である)で、
しかもシグルドは最前線に位置取っている状況であり、どうやっても戦いは回避できなかったし、むしろ戦争回避のために全力で努力をしていたが無駄に終わった。
仮にシグルドが上記のツッコミどころにも徹底的に気を回せるくらい器用に生きられる人間だったとしても彼の与り知らないところで策謀が進んでいた*6ため、実は序章が始まった時点で人生が詰んでおり、彼一人の努力ではどうにもならない状況からゲームが始まるのである...。
作中でこそぎんの剣に敵兵の血を吸わせて魔剣を作っているような猪武者ロードだが、実際のところシグルドは別に思うままに暴れまわったわけではない。
というより、父バイロン含めシアルフィ家とユングヴィのリング卿は責任感が強い上にお人好しの生真面目と出来た人間過ぎたために様々な災禍に巻き込まれているきらいがあり*7、
クルト王子も同じだったため*8、野心家のレプトールや強欲なランゴバルト達からは危険視されたり疎まれていた。
このゲームのストーリーは「これを初見で受け入れられるのは筋金入りの世界史マニアだけ」とまで評されたことがあるほど複雑であり、単純化して物事を語るとあらぬ方向に話が飛んでいく。
もちろんじっくりプレイして、その上で「やっぱりシグルドの短絡的な思考こそ戦乱の原因だ」「僕はアルヴィス×ディアドラ派なのでシグルドが嫌いです」などと考えるのなら、別に良いだろう。
盟主国に従って戦った結果、謀略によって反逆者の汚名を着せられる展開というのは奇しくも紋章の謎のマルスと同じだが、あちらは神竜族の支援で真相を知り大陸に平和をもたらす事が出来た。
シグルドの末路は「もし、マルスが神竜族の庇護を受けられず身一つで抗ったらどうなっていたか?」の答えなのかもしれない。
魔符としてゲスト出演。
男性ユニットでありながらヴァルキュリアのスキル「デュアルサポート+」を特別に習得している。
「居合一閃」等の男性専用スキルや「デュアルガード+」も併用すると後衛として頼りになる。
「聖騎士の指輪」に宿る「聖戦の紋章士」として登場。
主人公の母親ルミエルの相棒的な紋章士で、序盤のチュートリアル戦闘ではシグルドとエンゲージしたルミエルがボスとなる。
シナリオ上の出番も多く、1000年前の神竜ルミエルと邪竜ソンブルの戦いのことを知っている人物であるため主人公に1000年前に関わる重要な事実を伝えるという役割を担っている。
紋章士としての能力は騎兵有利な聖戦の仕様から、移動力が大幅に強化される使い勝手の良い能力を持つ。
装備するだけで移動力+1、エンゲージ時には移動力+5となる他、「再移動」スキルや攻撃前に移動した距離に比例して威力がアップする「助走」スキルを習得できる。
なお、他の紋章士たちとの差別化の兼ね合いでエンゲージ武器は原作では余り使わない槍をメインとしている。
ティルフィングはシグルド外伝クリア後に使用可能。
なお、前述のルミエルを含めストーリー上で3度敵側に回るが、その使用者がことごとくストーリー上でお亡くなりになるというアルマーズもびっくりの死亡フラグアイテムと化している。
やはりシグルド自身も主人公の親という点が災いしたのだろうか。
……かつて、我が父と私は、謀略によって反逆者の汚名を着せられた。
私は真実を明らかにし、名誉を取り戻すために戦った。だが……私は敗れた。
スマホゲーにも妻・ディアドラと参加。イラストは息子同様に沙汰氏。
原作と同じ剣・騎馬ユニット。
ストーリーでは外伝に登場し、アルフォンス達に解放されるとディアドラに「今度こそ離さない」と告げて一緒に元の世界に戻った。
このシグルドがいた世界では子世代編はどうなるというのか……。
なおエクラに召喚されたシグルドはアルヴィスに負けて死んだ死後の世界のシグルドのようだ。
レベル40会話では死んでからアルヴィスが真の悪ではない事を知り、それをセリスに伝えたいという事を言っている。つまり亡霊イベント前から来たようだ。
武器スキルは魔防+3。敵が魔法の時、戦闘中、最初に受けた攻撃のダメージを50%軽減する『聖剣ティルフィング』
Aスキルは剣、斧、槍、竜、獣の敵から攻撃された時、戦闘中、守備+6『近距離防御3』
Bスキルは2距離攻撃の敵から連続して攻撃を受けた時、2回目以降のダメージを80%軽減する『聖騎士の加護』
Cスキルは戦闘後、敵の周囲2マスの敵の速さ-7『速さの紫煙3』
なんとこの聖剣を含めデフォでスキルを5個も身に付け、ABCスキルも完備している恐るべきキャラ。
シグルド実装時、5個がデフォなのは総選挙版リンとアイク、つまり英雄総選挙1位だけだったのだが、別に上位でもなかったシグルドが同じ仕様で驚かれた。
『聖剣ティルフィング』は魔防+3。敵が魔法の時、戦闘中、最初に受けた攻撃のダメージを50%軽減する効果がある。
また2距離の攻撃の敵から連続して攻撃を受けた時、2回目以降のダメージを80%軽減する『聖騎士の加護』まである。
そのため、原作で殺されたアルヴィスのファラフレイムどころか、本来苦手属性のラインハルトのダイムサンダのみならず、
苦手属性+騎馬特効のミカヤのセイニーまで一度は耐えることができるという破格の魔法耐性を有する。あの時の恨みは相当なものであった。
例えばラインハルトのダイムサンダでシグルドを攻撃した場合、本来の一撃のダメージは、
41(ラインハルトの基準値の攻撃力)*1.2(相性有利ボーナス)-20(シグルドの基準値魔防力)=29(端数切捨て)
なのだが、シグルドの場合、一発目が50%カットされ14(端数切捨て)、二発目以降は80%カットされてわずか5というわけのわからない数値になる。通称シグルド算。
たとえラインハルトに「鬼神の一撃3(自分から攻撃した場合攻撃+6)」が付いていても確殺することはできない。余程あの赤毛ロン毛が憎かったのか。
こんな化け物と化した聖騎士にも弱点はあり、まず騎馬なので騎馬特効。そして近距離でダメージを魔防で計算するユニット、青マムクートが挙げられる。
ただ騎馬特効は当時、青属性に限れば近距離ではマチルダのホースキラー、遠距離反撃ではウルスラのブラーウルフと上記のミカヤのセイニーと数が少なく、マムクートに至っては(いればの話だが)よりにもよって嫁であるディアドラのナーガがぶっ刺さる…という。
実装当時は弱点といってもそこまで痛手ではないというとんでもない状態となっている。全部赤ワカメが悪いよ赤ワカメが。
高いステータス、専用バフが強い騎馬ユニットであることに加え、騎馬パーティーにとって天敵であるミカヤやシャラを倒されることなく処理できるその魔法耐性から、
強豪ひしめく赤騎馬ユニットたちの中でも、参戦してから高い評価のユニットとなっている。
ただし、戦闘前にダメージを与えてくる奥義『烈光』などによる魔法攻撃は「戦闘中に効果が発動する」効果の『聖剣ティルフィング』では減退できないため、『烈光』を持つ魔法アタッカーは鬼門。
ひとたび相手の奥義カウントがゼロの段階で戦闘に持ち込まれれば『待ち伏せ』による先制反撃で倒すしか打つ手がなく、聖印『不動の姿勢』や武器効果で『待ち伏せ』を無効にする効果を有していた場合は、相手の攻撃力にもよるがほぼ間違いなく、手も足も出せずに一撃で灰にされる。
特に奥義を出しやすい専用武器を持ち、『烈光』をデフォルトで覚え、攻撃力も高いオフェリアは、通常の(高難易度の)マップでも注意が必要な難敵である。
昔は弱点が少なかったシグルドだがインフレが進む中で弱点も露出されている。
騎馬特攻に至っては同じ騎馬で圧巻の攻撃と回復を両立する総選挙エイリークや武器の先制攻撃と戦闘中弱化の伝承シーダ。
『天与の魔道』の戦闘前奥義かつオフェリアよりも機動力のある伝承リリーナや攻守両立するセイロス。
軽減効果無効の子どもヒーニアスやシノンが登場してからはあまり見かけなくなってしまった。
2020年10月のアップデートで聖剣ティルフィングが錬成武器に。
自身のHPが50%以上で戦闘中、攻撃、守備+5と効果が追加。さらに守備力が増加。
特殊錬成は敵のHPが50%以上だと戦闘中、自分の攻撃、守備+5かつ絶対追撃。
条件が増えるがさらに耐久力が上がる個性を獲得した。
ほら、周りを見てごらん。
君のステップに皆、見惚れているよ。我が愛しきディアドラ……。
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
20年9月には妹夫婦と親友兄妹と共に、比翼英雄として妻のディアドラと参戦。イラストはazuタロウ氏。
赤属性の魔法使いであり、なんとヒーローズ初となる騎馬踊り子。
この後、寝取られることになるとは想像できないくらいイチャイチャしているシグルドとディアドラが見れる。
特にレベルアップ時のシグルドの台詞はイケメンすぎる。
比翼スキルは「隣接したユニット全てを自身の反対側に移動させる」というもの。要はすごい引き戻し。
原作の踊りが隣接全員再行動であることを意識したものか……と思ったら後に再行動の比翼スキルも登場するので見劣りはするが、うまく使えば強い。
武器スキルは『黄金のゴブレット』
攻撃+3。敵から攻撃された時、または敵のHPが100%以上で戦闘開始時、戦闘中、攻撃、魔防+6、
かつ、敵が魔法の場合、受けた範囲奥義のダメージと、戦闘中に攻撃を受けた時のダメージを50%軽減する。
補助スキルは普通の『踊る』。
Aスキルに味方と隣接している時、戦闘中、自身の攻撃、魔防+7、かつ、攻撃、魔防の弱化を無効にする『攻撃魔防の絆4』
Bスキルは戦闘中、敵の攻撃、魔防−3、かつ敵の攻撃、魔防の強化の+を無効にする『攻撃魔防の凪3』
Cスキルにはターン開始時、周囲1マスに味方がいる場合、自分と周囲1マスの味方の魔防+5する『魔防の相互鼓舞』
ステータスとスキルは全てが攻撃・魔防に極振りされており、対魔法特化なのは通常シグルド同様。アルヴィスでは到底殺せないどころか反撃で大打撃を食らわされるだけである。
踊り子ながら隙あらば魔防の低い敵をワンパンしたり、魔法受けとして立たせるという仕事も務まる。
そうは言ってもやはり最大のアドバンテージは「騎馬踊り子であること」だろう。プレイヤー操作でも防衛でも非常に便利である。
一方で守備は紙レベルの16と全く期待出来ない。
近距離武器はもちろんのこと、弓や暗器ユニット相手では為す術がなく撃沈される。
速さの方も遅すぎるため、相手の追撃はほぼ確定で回避スキルで相手からもダメージをカットされやすい弱点と多め。
騎馬特攻や魔法特攻だと一回の戦闘で沈むのでなるべく範囲外や踊り子らしく味方をサポートが大事。
あの出会いが運命というものだったならば、その後の悲劇も必然だったというのか……。
だがディアドラを愛したことに後悔はない。
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
更に2021年4月28日には「運命の聖騎士 シグルド」として伝承英雄となって登場。
通常版と同じ赤属性の剣使い騎馬ユニット。風属性の伝承英雄で、ダブルが可能。イラストは鈴木理華氏。
【フェーちゃんねる 2020.3.31】にてシグルドが「アスク王国なら十二聖戦士に会えるのでは?」と考えている事が明かされていたが、本編ではこの伝承版にてホーム会話で初言及された。
そして、2021年7月末には十二聖戦士のウルが神階英雄で登場したことでそれは現実のものとなった。
武器スキルは奥義が発動しやすく、戦闘開始時敵のHPが75%以上なら戦闘中自身の全能力を5上昇し絶対追撃、
かつ自分から攻撃しているか敵の射程が2の時、戦闘中最初に受けた攻撃のダメージを40%軽減する『聖裁ティルフィング』。
Aスキルは戦闘開始時敵のHPが100%または敵が不利な状態異常を受けている時、
戦闘中自分の攻撃、守備を7増加し、両方を満たしている場合はさらに自分の攻撃、守備を2増加する『攻撃守備の機先4』。
Bスキルは射程が2の敵から連続して攻撃を受けた時、2回目以降のダメージを80%軽減する『聖騎士の加護』。
Cスキルは戦闘中と戦闘直後に敵のHPを回復できなくし、戦闘後に敵とその周囲2マスの敵にHPを回復できなくする「回復不可」を付与する『不治の幻煙3』。
通常版と比較すると速さが23と低下した以外は上昇しており、運用も通常版とは異なるものになる。
先に登場した息子セリスの伝承版とは、こちらのほうが速さで6上回っているのを除けば全く同じ能力になる。
聖裁ティルフィングは、通常版の聖剣と比べてダメージの軽減割合こそ10%減っているが、
自分から攻撃しているという条件が加わることで攻撃後の反撃を軽減し、射程1の武器攻撃などもカバーできるようになっている。
ここに聖騎士の加護も加えることで魔法への耐性が更に高まることについては先述した通り。
更には戦闘中の能力上昇や絶対追撃もついているため、攻撃の面も十分強力である。
Cスキルにある不治の幻煙は、単純に回復をできなくする効果を付加するだけでなく、それ自体が攻撃守備の機先の発生のトリガーにもなる。
だが、何より特筆すべきは専用奥義である『グランベルの聖騎士』であろう。
この奥義には何と奥義発動なしでもターン開始時に移動を1増やす効果が発生する。
このような奥義発動なしに効果を得られる奥義の登場はヒーローズ史上初のこと。騎馬ユニットのシグルドは、実質常時移動力4で移動できる。
奥義自体の効果は攻撃の25%を加算してダメージを与えるものだが、その戦闘後自分と全味方の攻撃を6増やし、移動を1増やす効果を発動する。
なお、この効果は奥義発動後にシグルドが倒れてしまっていても発動される。
奥義を発動するときはこのシグルドをなるべく最初に行動させて、後に続く味方の行動でバフを活かして畳みかけられるようにするのが良いだろう。
弱点は騎馬特効についてはいわずもがなだが、先述した通り速さが低いというところに集約されやすい。
速さ依存の回避系スキルを持つ敵にはダメージをカットされてしまいやすい。
固い相手も苦手で、青属性では総選挙ヘクトルやデュッセル、セイロスあたりが天敵といえる。
また、追撃も速さが見込めない以上絶対追撃依存になりがちで、武器を含めた「見切り・追撃効果」持ちの男カムイ(闇含む)などの相手にも力を発揮しにくい。
強力なユニットゆえ、このシグルドへの対策を目的としたユニットも実装以降は増え始めている。
移動+1を移動を1マスに制限する効果に反転する「空転」やターン開始時スキルを無効にするデバフはその最たるもの。
どの位置にいようと速さの低い相手にかけにくるアーヴや水着トール、十字方向と魔防の条件付きだがどちらにせよ確実にターン開始時スキルを無効化するエリミーヌが特に脅威。
対象になりたくなければ、アーヴの場合はジークなどのより速さの低いユニットと組んでそちらにかかるように仕向け、
エリミーヌの場合は十字方向直線上に立たないなどの対策を取ると良い。
~余談~
このゲームは血筋や継承という要素が大きなウェイトを占める。
またこの項目の冒頭でのすさまじい告白台詞を見れば分かる通り、ファイアーエムブレムは「愛と勇気の物語」である。
こういった点から、当時の聖戦の系譜は人気ゲームの名前を借りて「ダビスタエムブレム」「ときめきエムブレム」などと呼ばれていた。決してシグルドが馬面だとか、馬が非常に強いゲームだからという理由ではない。
そしてこういった点やインセストタブーに踏み込んだ濃厚なシナリオなどから、四半世紀経とうとしている今ですら二次創作が作られているほどの人気ゲームとなっているのである。
~元ネタと照らし合わせたシグルド~
さて、シグルドと言えばその元ネタは北欧神話のシグルズである。
このシグルズ、『ニーベルンゲンの歌』のジークフリートと同起源であり、
実はシャナンの使うバルムンクはこのジークフリートの使う剣であるというのは有名な話。
このシグルズであるが、記憶を失ったためにシグルズの妻を主張する二人の女性の対立に巻き込まれ死んでしまうのだが、
これはまんまシグルド・アルヴィス・ディアドラの構図に置き換えられて非常に面白い。
また、彼の専用武器である聖剣ティルフィングは北欧のサガに登場する剣で、「ティルヴィング」とも呼ばれる。
その能力にも話によって若干の差があるが、基本的には『魔剣』と呼ばれ鞘から抜かれる度に必ず相手を死にいたらしめ、
その後持ち主の命を奪うというとんでもない剣である。こんな所にも死亡フラグの立っているシグルドさんマジパネェっす。
というかセリスも相当危ないんじゃないだろうか……。
シグルド「wiki籠りよ、項目の追記・修正を知れ。真実は一つだけではない。
それがわからなければ、このwikiは無意味となろう……」
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*2 大体の人が飛ばす章開始前の説明で、特に二~三章で顕著。聖戦の系譜は固有名詞が非常に多く、できる限り単純化して語りたい・ネタとしての面白さが真実よりも優先されるいう最近のネット文化との相性は最悪である。特に後世の作品のゲスト出演として聖戦の系譜に触れた人の場合、予備知識がまったくないのであることないこと吹きこめてしまうし、丁寧な説明は逆に「三行でまとめろカス」と読まれもしないのでなおのこと悪評ばかりが広がっていくのである。
*3 ただし、この時のレヴィンは自らの使命を放棄して放浪している状況であり、迷いながらも、グランベルに仕えシアルフィ公爵の子息としての使命で戦っているシグルドに物申せる様な立場ではない。
*4 周知の通り、リボーのダーナ侵攻からの一連の流れはイザークの完全な征服を目論んだレプトールらの陰謀である
*5 その裏でアグストリア征服を目論むアルヴィスや暗黒教団らの息はかかっていたであろうが
*6 実はディアドラの存在こそ暗黒教団にとって千載一遇のチャンスであり、暗黒教団長年の悲願のためにとあの手この手を使って謀略を重ねていた。そもそも物語の発端となるヴェルダンの隣国への侵略すら暗黒教団の差し金であった。
*7 そのためリング卿は侵略や一方的な殺戮も喜んで行うアンドレイとはかなり不仲で、アンドレイに暗殺されたことやエーディンがブリギッドを探して渡すためにイチイバルを所持していたことからもそれが見てとれる
*8 クルト王子は相手の哀れな境遇もあって気持ちを抑えきれずに不倫をしてしまっているが、バイロンやリング卿を重用していることから台詞こそ一切ないものの性格は十分に分かる。また作中では描かれていないが自分が更に不幸にしてしまったアルヴィスをこっそり支援していた模様。アルヴィスはディアドラの両親(父はナーガの聖痕からほぼ断定できるが母は分からなかった)を知らなかったことからもそれ等の関係に気づくのは大分後になってからの話
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