登録日:2022/02/02 Wed 04:04:55
更新日:2024/06/17 Mon 13:45:54NEW!
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『全知全能の書』とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』に登場するアイテム。
【概要】
別名『大いなる本』。
神話、生物、物語、科学技術など世界の全てを記した本で、ワンダーライドブックの原典に当たる。
最初から本として存在していたわけではなく、本編からおよそ2000年前の「世界を繋ぐ存在=始まりの巫女」に宿る全知がその根源であり、これをビクトール=タッセルが授けられた際に書物という形で顕現したのが『全知全能の書』である。
その力に魅入られたストリウス・レジエル・ズオスとビクトール達との争いの中、「始まりの巫女」の手でワンダーライドブックとして散逸しており、これを復活させれば世界の全てを思い通りに創り替える事が可能だとされる。
『全知全能の書』の知識の源は、2000年前に散逸した際に唯一残った目次のページ『目次録』であり、上條大地はこれを読む事で富加宮隼人が裏切った真相を知ろうとしていた。
ただし、『目次録』に至るためには数多くのワンダーライドブックが必要となり、更にそこから『全知全能の書』を復活させるには11本の聖剣も揃えなければならない。
19冊の本
- マスターロゴス(イザク)が所有する『全知全能の書』の一部である本
- 各ライダーの基本形態用ワンダーライドブック11冊
- [[ブレイブドラゴン>仮面ライダーセイバー(登場キャラクター)]]
- [[ライオン戦記>新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ]]
- [[ランプドアランジーナ>富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ]]
- [[玄武神話>尾上亮/仮面ライダーバスター]]
- [[猿飛忍者伝>緋道蓮/仮面ライダー剣斬]]
- [[ヘンゼルナッツとグレーテル>大秦寺哲雄/仮面ライダースラッシュ]]
- [[ジャアクドラゴン>仮面ライダーカリバー]]
- [[金の武器 銀の武器>ユーリ/仮面ライダー最光]]
- [[昆虫大百科>神代玲花/仮面ライダーサーベラ]]
- [[オーシャンヒストリー>神代凌牙/仮面ライダーデュランダル]]
- [[エターナルフェニックス>バハト/仮面ライダーファルシオン]]
- ワンダーライドブックの中でも特に強力な力を秘めた7冊
- キングオブアーサー
- ドラゴニックナイト
- [[プリミティブドラゴン>プリミティブドラゴン/エレメンタルプリミティブドラゴン(仮面ライダーセイバー)]]
- エレメンタルドラゴン
- エモーショナルドラゴン
- タテガミ氷獣戦記
- エックスソードマン
ジャオウドラゴンとキングライオン大戦記の2冊は劇中で一から編纂された人工のワンダーライドブックであるために含まれていない。
一方でエレメンタルドラゴンに関しては飛羽真の創作だが、プリミティブドラゴンの「続編」でという点から19冊のうちの1冊としてカウントされている。
なお、勘違いされやすいが、上記の19冊はあくまでも11本の聖剣と共に確実に『目次録』へと至るために必要な冊数であり、ここから更に多くのワンダーライドブックを取り込む事で初めて『全知全能の書』として顕現する。
ソードオブロゴスの本来の役目は、2000年前の惨劇を繰り返さないためにこの本を散逸させたまま維持・復元を阻止する事にあったが、当代のマスターロゴス=イザクが使命を放棄して復元に踏み切ったがために事態が悪化してしまった。
【その本質】
ならば知っているはず……!
この世界に人が生み出したものが何一つないという事を!
物語も、技術も、全ての創造物はこの本に記された情報に過ぎない!
更に、世界の始まりから終わりまで記されている……。終わりは……『確定』している!
その正体は、『仮面ライダーセイバー』の世界における始原から終焉まで、その全てを余すことなく記したアカシックレコードそのもの。
『セイバー』の世界における全ての創造物や出来事は一つの例外もなくこの本に記されており、人はそれらを自ら閃き、考えて作り上げたのではなく、ただこの本に書かれている情報が時期に応じて「ダウンロード」されたに過ぎない。
そして、そうなる事が予め定められており、その終焉は「英雄の死による世界の滅亡」である事も決まっている。
つまり、『セイバー』の劇中における出来事の全ては、何もかも『全知全能の書』に記されたシナリオに過ぎず、この世界で人間が「自ら生み出したもの」は本当に何一つ存在しない。
この「シナリオ」には時代ごとに「主人公」が存在し、
- 2000年前のそれはビクトール=タッセル
- 現代のそれは飛羽真
である。
そしてルナの正体は、今の主人公である飛羽真をシナリオに沿って誘導するために遣わされた「狂言回し」であり、彼女が飛羽真に残した飛び出す絵本『Wonder Story』はそのシナリオのダイジェスト版である。
『仮面ライダージオウ』で例えるなら、
ポジション | 『セイバー』側 | 『ジオウ』側 |
全てのシナリオ | 『全知全能の書』 | クォーツァー |
狂言回し | ルナ | ウォズ |
シナリオの概略 | 『Wonder Story』 | 『逢魔降臨暦』 |
シナリオの主役 | 神山飛羽真 | 常磐ソウゴ |
……となる。
ただ、この書に書かれた通りに物語が動いていたのは事実だが、白ウォズの未来ノートのように書の記述が未来を確定するというわけではなく、確定された歴史が書に記述されているに過ぎない。
全知全能の書に悪意や害意がある訳ではなく、未来を変えているのでも決まった未来に人を導くのでもなく、ただ「ここでこのようになる」という“事実”が淡々と記されているだけなのである。
分冊であるワンダーライドブックの「ライドスペル(アイキャッチで追加されるもの)」は劇中における本そのものや持ち主の動向を反映するかのような内容になっていたがそれもそのはず、どのワンダーライドブックがどの持ち主に渡り、それがどうなっていくかもまた『全知全能の書』に始めから記されており、ワンダーライドブックになった時にそれぞれの内容が分割されて記された、ただそれだけの事である。
分かりやすく言えば、結末が決まっているのは同じだが、『逢魔降臨暦』はソウゴの選択次第で内容が変わり、未来ノートは結果を指定しそこへ至る過程もある程度限定されるのに対し、こちらは何を考えどんな行動をとったとしてもそのすべてが「行間」扱いになり、帰結する結果は一切変わらないのである。
【劇中での影響】
始まりの5人は元々災害に苦しむ人々を救うための手がかりを探るため、この『全知全能の書』を求めて旅をしていた。
だが、ストリウスは2000年前に当時の「主人公」のビクトールを介してこの書を読んだ結果、「この世界の全ての事象は最初から決まっており、予定調和に過ぎなかった」事を知り絶望。
おまけにその事実に加えて「誰も読んだ事のない自身の最高傑作の詩」すらも『全知全能の書』に「そのような詩を生み出す」と書かれていた為、その絶望は深かった*1。
それでもストリウスは「何かを変えられるはず」と彼なりに足掻いていたが*2、第43章ラストでグリモワールワンダーライドブックを手にした事で自分も含めた全ての者の意志もまたシナリオ通りのものに過ぎず、「定められた終焉」が不可避であると理解せざるを得なくなった*3結果、せめて己の思い描く最高の形で終焉を迎えんと動き出す事になった。
なお、ストリウスがこの書物を読んだ経緯の関係上、受け取った本人であるビクトール=タッセルもこの事実を知っていた可能性がある。
しかし一方で、この書物のアバターとしての側面を持つルナは、飛羽真の描く物語が「誰も知らない物語」である事を明言している。
実際、裏付けとなる事実として、飛羽真は未完だったプリミティブドラゴンの伝承に対し、エレメンタルドラゴンの伝承を続編として補完するという形で『全知全能の書』を「追記」している。
このため、内容を「書き換える」事は不可能であるものの、「書き加える」事は出来るという事になるが、果たして……?
死闘の末にストリウスを打倒した剣士達だが、「世界の滅亡」という不可避の結末を覆す事は遂に出来なかった。
しかし、物語の消滅とワンダーワールドの崩壊に引きずられて現実世界が消えていく中、芽依が飛羽真の新作『エターナルストーリー』の序文をインターネットに投稿、これを引用する形で「忘れえぬ物語」を募る。
『全知全能の書』に記され、齎された物語はしかし、飛羽真の言った通りそれを読んだ人々の心の中で広がり、新たな物語を作り出していた。
そうして届けられた「忘れえぬ物語」は、ルナと6つの聖剣の力が変じたワンダーオールマイティワンダーライドブックと、それを持つ飛羽真の下に集い、虚無と化していたワンダーワールドの完全消滅をギリギリで阻止。
刃王剣十聖刃を柱として危ういところで踏み止まったワンダーワールドの中、ファンタジック本屋かみやまを呼びよせた飛羽真は、ワンダーオールマイティワンダーライドブックの内容を踏まえた新作『ワンダーストーリー』の執筆を開始。
世界の終焉までもが記された『全知全能の書』に追記する事は不可能であったため、代わりに「未だ終わらぬ物語」という続編を追加する事でアカシックレコードを再定義、誰にも定められていない新たな歴史を作り上げてワンダーワールドを再生させる事に成功する。
その後、飛羽真は旧ワンダーワールドの消滅や、アルターライドブックによって消された人々の物語を一つ残らず書き直し、全てを元に戻した事で役目を完遂。
再結集した「始まりの5人」とバハトにワンダーワールドを任せて現実世界への帰還を果たした。
かくして剣士達の物語は、定められた結末を覆して大団円を迎えることとなったのだが……。
追記・修正は全知全能の書の記述通りにお願いします。
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▷ コメント欄
- セイバーは要はテイルズオブジアビスの様な世界観だった訳か。 -- 名無しさん (2022-02-02 07:48:49)
- よく勘違いされがちだけど、狂言回しとは言えルナに故意性はないからあんま責めないでやってくれよな -- 名無しさん (2022-02-02 08:26:01)
- 黄金の果実の本版? -- 名無しさん (2022-02-02 09:07:28)
- 飛羽真がいかにもな主人公チックな言動、行動なのも『主人公』だからって理由があったのか…? -- 名無しさん (2022-02-02 12:08:25)
- 飛羽真が剣を握ってすぐに実力をつけたのも強力なWRBが手元に来るのも全ては「英雄の死」で終わらせるための予定調和でしかなかった -- 名無しさん (2022-02-02 12:28:39)
- これのせいではあるのだが悪意も意志も無い「物」でしか無いこれを責めても仕方ないのが尚のことストリウスを絶望させたのだと思われる -- 名無しさん (2022-02-02 15:29:45)
- ある意味で「上位世界の人間が記す物語の台本」という意味合いがあるかもしれない。 -- 名無しさん (2022-02-02 15:49:42)
- ↑ その認識で間違いないと思う。そもそもセイバー自体コロナの所為で設定を根幹から大幅変更することを強いられたことを鑑みると「現実の影響による変更された脚本の予定調和に転がされる登場人物たち」という状況への精一杯の皮肉だったとも言える。 -- 名無しさん (2022-02-02 16:28:51)
- ↑「現実の影響による変更された脚本の予定調和に転がされる登場人物たち」・・・仮面ライダーではよくある事。 -- 名無しさん (2022-02-02 19:26:31)
- ↑ディケイドやディエンドのことでしょうか....?.....アニメなら...ゴニョゴニョ。 -- 名無しさん (2022-02-02 23:39:08)
- 流石にゼンカイジャーの世界でお兄様が女装したり、玲花さんがマジーヌにHugっとする事までは記されていないと思いたいw -- 名無しさん (2022-02-03 00:02:45)
- ストリウスの絶望って、予定調和に対する物よりは「自分が思いついた(と信じていた)詩すら予め作られた物をなぞっているに過ぎなかった」の方が大きそう -- 名無しさん (2022-02-03 00:04:41)
- ↑ 本職の物書きだからな... -- 名無しさん (2022-02-03 00:50:50)
- ストリウスがコミケ行ったら救われるとかそんな話も、セイバー世界では的外れという話にもなる -- 名無しさん (2022-02-03 02:23:55)
- ↑4 それは全知全能の書にスーパーヒーロー戦記の出来事が書かれているかで変わってくると思う。 -- 名無しさん (2022-02-03 18:35:38)
- ????「ヒーロー戦記もよろしく」 -- 名無しさん (2022-02-03 18:47:29)
- 物語の「終わり」は避けられないが物語を「続ける」事はできる、というのはいい落とし所だったかもしれない。 -- 名無しさん (2022-02-03 18:49:59)
- 要するにイデアということだよね -- 名無しさん (2022-02-03 23:26:41)
- どこぞの神父が求めた世界そのものだな。同時にやっぱ実現してはいけない世界なんだなと思ったが -- 名無しさん (2022-02-04 17:59:09)
- 剣士に対する恨みという想いからアメイジングセイレーンが生まれたみたいにあらゆる想いが世界が左右する危険性があるような -- 名無しさん (2024-04-21 02:56:33)
#comment(striction)
*2 結局は徒労に終わってしまったが、デザストを生み出したのもこの一環と思われ、「気まぐれに、なんとなく」メギドを生み出す事で「シナリオ」を揺るがそうとした可能性がある。
*3 グリモワールライドブックを手に入れた時にストリウスが涙目になっているのも恐らくこのため。
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