登録日:2020/12/20 Sun 18:23:05
更新日:2024/05/23 Thu 13:02:09NEW!
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『Batman: Cold Days』は2018年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Batman Vol.3』#51~#57
発売 2018年7月から
脚本 トム・キング
作画 リー・ウィークス(#51~#53)、マット・ワグナー(#54)、トニー・S・ダニエル(#55~#57)、マーク・バッキンガム(#57)
日本では未邦訳。
トム・キングによるバットマン・サーガ第8巻。
結婚式を終えたバットマンの変化と悲劇を描いた作品。
#51~#53はミスター・フリーズの裁判を描いた作品で、『十二人の怒れる男』をモチーフにした会話劇が展開される。
結婚式を経て変わりつつあるバットマンの象徴としてコスチュームに黒いパンツが戻された他、
トム・キングが様々な作品で語ってきた暴力による人間の変化がより明確に描かれる。
#54からはディックとの思い出話で和やかな展開になるかと思いきや、ディックに悲劇が起こり彼の個人誌に影響を与える。
バットマンにも大きな影響を与え暴力的な展開が描かれるが、それが変化なのか本質が表面化したのかを問う内容になっている。
『Batman Vol.3』#51~#53
『Batman Vol.3』#54
『Batman Vol.3』#55~#57
『Batman Vol.3』#51~#53
【物語】
ある季節外れのとても寒い日、陪審員に選ばれたブルース・ウェインが裁判所に現れた。
その裁判とはミスター・フリーズの殺人事件だったが、彼はバットマンに強要され自白しただけと無関係を主張した。
陪審員たちはその主張を信じずに投票も満場一致と思われたが、1人だけ反対票を投じる者が居た。
その人物とはゴッサムの闇の騎士バットマンことブルース・ウェイン自身だった。
【登場人物】
ゴッサムの名士でありバットマンの正体。ミスター・フリーズの裁判に陪審員として参加し、唯一フリーズの擁護に回った。
フリーズの有罪を信じる他の陪審員たちに、その根拠となった被害者の体温とフリーズの抵抗、自供の別の可能性を示していく。
そして最後に他の陪審員たちが抱くバットマンへの信頼について語り始める。
- ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
低温下でしか生きられず特殊なスーツに身を包み冷凍銃を操る科学者。3人の女性を殺した罪に問われている。
捕まえに現れたバットマンに反撃するも敗北、そして暴行を受け罪を自供し警察でも同様のことを語るも一転して無罪を主張する。
バットマンと戦った際には彼の戦い振りに違和感を覚えていた。
- 11人の陪審員
フリーズの裁判で陪審員に選ばれたゴッサム市民。バットマンへ強い信頼を寄せている。
その信頼と裁判を早く切り上げたかったこともありフリーズを有罪と判断した。
しかし反対票を投じたブルースの言葉で自分たちの判断に疑問を抱き始める。
≪その他≫
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。フリーズの裁判に呼ばれ、バットマンに遺体の調査をさせたことを追求される。
また裁判を前にしてバットマンを呼び出した際には、現れたバットマンが別人だと見抜いた。
- ハービー・ブロック
ゴッサム市警の刑事でゴードンの腹心の部下。フリーズの裁判に呼ばれ、ズタボロになったフリーズとバットマンからのメモを発見したことを語る。
- バットマン(ディック・グレイソン)
初代ロビンで現在はナイトウィングを名乗りバットマンから独立して活動している。
裁判の間、活動できないブルースに代わってバットマンとなりキラークロックと戦っている。
『Batman Vol.3』#54
【物語】
裁判を終えたブルースはバットマンとしての活動を再開し、代役を務めたディックを送り返そうとする。
しかしディックは中々帰ろうとせずにブルースと日々を過ごしていく。その日々は過去のディックとの日々と重ねっていく。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。役目を終えたディックをブルードヘイブンに帰らせようとするが、はぐらかされ共に行動していく。
ディックを引き取った直後は付き合い方に悩んでいたが、スナック菓子をきっかけに距離を縮めていく。
- ナイトウィング(ディック・グレイソン)
初代ロビンで現在はバットマンから独立しブルードヘイブンて活動している。
代役を終えても中々帰ろうとせず、普段以上の明るさでブルースとパトロールや屋敷での生活を共にする。
ブルースに引き取られた直後は両親を失ったショックから荒んだ日々を過ごしていた。
- アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。今も昔もブルースとディックを見守ってきた。
- クレイジー・キルト、コンディメント・キング(ミッチェル・メイヨ)
『ダイナミック・デュオ』の前に現れたB級ヴィラン。クレイジー・キルトは催眠を得意とし、コンディメント・キングは調味料を武器とする。
『ダイナミック・デュオ』にあっさり敗れ、ナイトウィングもその実力を侮っていたが、犠牲者は存在する。
『Batman Vol.3』#55~#57
【物語】
ナイトウィングの思いを受け入れ、彼と活動を共にし気持ちも落ち着きつつあるバットマン。
しかし不審な書き置きの報告のために呼び出された『バットシグナル』の前でナイトウィングが撃たれ倒れてしまう。
怒りに燃えるバットマンは狙撃犯ビーストの捜索を開始する。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。大事な家族で自分を支え続けたナイトウィングのためにビーストの行方を捜す。
ブロンズタイガーなど様々な伝手を使ってビーストの居場所を見つけ戦いを挑む。
- ナイトウィング(ディック・グレイソン)
初代ロビンで現在はバットマンから独立しブルードヘイブンて活動している。
バットマンを元気づけるため行動を共にし結果が出始めたが、その矢先に頭を打たれ倒れてしまう。
≪ヴィラン≫
- ビースト(アナトリ・クナイゼフ)
冷戦時代に活躍した伝説の暗殺者。当時はKGビーストの名で活動していた。左腕をバットマンから逃れるために失っている。
ゴッサムに現れ1日足らずの内に準備を整えナイトウィングを狙撃し、その後唯一自分を知る父親のもとに向かい酒を飲み交わす。
そして父親を撃ち殺すと現れたバットマンと戦闘を開始する。
- カント
惑星アポコリプスの一流の暗殺者。かつてビーストと出会い、彼の口から父親の存在を聞かされていた。
その噂を知って現れたバットマンの訪問を受け、彼を捕らえ拷問にかけようとする。
しかし自分を探しているグラニー・グッドネスとバットマンがつながっていると知り、
情報を明かす代わりに見逃してもらおうとするが拘束を解いたバットマンに倒された。
- Phantom Pharaoh
ミイラを操る力を持った新参ヴィラン。『ダイナミック・デュオ』には敵わず、ナイトウィングのダジャレのネタにされてしまった。
≪その他≫
- Vasily・クナイゼフ
ロシアの退役軍人でビーストの父親。常人ではたどり着けない雪山で暮らしている。彼以外の家族はビーストの手で殺されている。
酒好きで飲むたびに暴力を奮っていたが、ビーストにとっては強き者として尊敬されている。
ビーストと久しぶりに再会し、腕を失った経緯やナイトウィングを狙撃した件について話をした。
最後は自分を殺さずにいるビーストは弱いと語り、それを聞いたビーストによって撃ち殺された。
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。ビーストの残した罠にハマり、ナイトウィングを狙撃地点に呼び寄せてしまった。
- ブロンズタイガー(ベン・ターナー)
『リーグ・オブ・アサシンズ』や様々な諜報機関で活動していると主張する格闘家。バットマンとは旧知の仲。
ビーストの行方を捜すバットマンの接触を受け、忍者と戦いながらビーストの過去を知る者は全て殺されていると語った。
しかしビーストに関わる危険な噂を知っており、その見返りとして川沿いの屋敷をもらう約束を交わした。
- アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。ビーストの行方を追うバットマンの身を案じるも、バットマンから返事はなかった。
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