SCP-2472-JP

ページ名:SCP-2472-JP

登録日:2020/11/12 Thu 23:32:57
更新日:2024/05/23 Thu 12:47:55NEW!
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kankan scp foundation scp-jp ticonderoga 嘘のコンテスト ねこ ダニ 閲覧注意 猫系scp tazen 閲覧によるミーム汚染注意







このさきは、「猫」がすきなおかたにとっておそろしいないようがふくまれています。


なので、「猫」をあいするかたは


みないほうがいいです。


よろしくおねがいします。

かしこ



ついでに、食事の前、中、直後のかたも


みないほうがいいです。


かしこ





SCP-2472-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはTiconderoga。項目名は『Nyankoderoga』。



概要

まず目を引くのは本オブジェクトの特別収容プロトコル。


特別収容プロトコル: N/A


SCP-2308と同じ、「特別収容プロトコル?んなもんねえよ!」な記事である。
しかし、このオブジェクトは別にNeutralizedではない。あくまで、Ticonderogaである。
「オブジェクトが既に無力化」してるからプロトコルがないあちらと違い、
「オブジェクトは異常性を有している」が「収容困難かつ不可能」であり「しかしその必要はない」というTiconderoga。
項目名も、『Nyanko(にゃんこ)』と『Ticonderoga』の掛詞であろう。


で、にゃんこというからには猫に関係するオブジェクトなのだが、SCP-2472-JPは異常なヒゼンダニの一種である。
ヒゼンダニは痒み(疥癬・皮癬)をもたらすダニであり、多くの種類が存在する。ヒトに寄生する種もいるが、今回は猫である。
このヒゼンダニは、単に猫に寄生するだけではなく、なんと猫の一部を置換してしまう性質を持つ。
光景を想像するだけで悍ましいが、実際に置き換わっている様子を観察することはまず無理である。
なぜなら、30匹以上のSCP-2472-JPが群体を形成すると、クラスΩ認識影響特性を有するからである。
これは観察者にとっての認識を変えるタイプの認識影響特性であり、早い話がダニがその猫の一部として自然に見えてしまう。
先天的にクラスΩ知覚免疫を持つヒト及びイエネコは存在しないため、置き換わっていることに気付くのは不可能である。
じゃあ科学的に調べれば、とも思われるがまあアノマリーなので科学的な分析も猫と誤認させてしまう。


最初にこのダニが寄生するのは猫の耳。耳の細胞をまず置換し、更に産卵を開始する。
この状態で稀に猫が耳に痒みを覚えるようだが(ヒゼンダニは皮癬を齎すからヒゼンダニである)、
この状態なら普通の殺ダニ剤で除去することはできる。まあ耳はもう生えてこないが。ドラちゃんかな?
ここにかかる日数はわずか3日。つづいて、神経系、とりわけ脳味噌を置換しようとする。
ここで除去できれば、後遺症は当然残るがそれでもイエネコは生存する。
しかしここでも除去できないと、7日かけて神経系を完全に乗っ取り、あとはもう全身を置換するだけである。
神経系を完全に乗っ取るという都合上、この時点で本来のイエネコの意識は完璧に失われている。
そして全身を完全に置換するとこの状態の群体/SCP-2472-JP-1は、どういうわけか生前のイエネコの外見や行動を完全に模倣してしまう。
髭や体毛も再現するし、以前と同じようにごはんを食べるし、ウンコもするし、
ヒゼンダニ同士が体をこすり合わせることで、猫特有のあの鳴き声までも模倣してしまう。
さらに、もとのイエネコが去勢されていなければ普通のイエネコまたは別のSCP-2472-JP-1とセックスだってする。
それによってヒゼンダニは繁殖し、妊娠まで再現し、その後新たなSCP-2472-JP-1が生まれてくる。子猫の見た目で。
幼体のイエネコがSCP-2472-JPに置換されれば、そのSCP-2472-JP-1はイエネコの通常の成長を模倣するし、
イエネコがふつう死ぬような事態に陥れば(例えば車に轢かれるとか、寿命を迎えるとか)、
SCP-2472-JP-1を構成するSCP-2472-JPの大半は(ダニなのに)死んでしまう。生存したSCP-2472-JPは離散する。


SCP-2472-JPがイエネコと接触したり、ヒトがSCP-2472-JPを抱きしめる、舐められるなどして接触し、
十分な洗浄を行わずにイエネコと接触したりするとSCP-2472-JPは媒介され新たな宿主に寄生する。
今の所、このヒゼンダニがイエネコ以外に寄生した事例はない。


発見

このイエネコを置換するヒゼンダニSCP-2472-JPが発見されたのは実は偶然である。
あるところに、ジェシカ・ペンフォード博士という「クラスΩ知覚免疫を獲得する薬剤」を発明した優秀な財団研究者がいた。
このペンフォード博士は自己隠匿性存在の実地調査を行うため、エージェントに自分の執務室でこの薬剤を服用させた。
ペンフォード博士は執務室で猫を飼っていた。





にゃー





ぎゃー





ペンフォード博士の飼い猫……もとい飼いヒゼンダニを見たエージェントはとっさにペンフォード博士の部屋の棚を倒して
SCP-2472-JP-1当該実例を殺害した。
せっかくすごい薬剤を完成させたのにその結果飼い猫が気持ち悪いダニの群体だったと判明したペンフォード博士の気持ちを答えよ。



















なんで、Ticonderogaなのか

さて、ここで気になることがある。


なんでTiconderogaなのかという点だ。


財団からすれば、確かにイエネコがヒゼンダニだろうがどうだっていい話ではある。
別に人の生きる正常な世界にとって、猫がヒゼンダニだったとしても、触れたと誤認させる幻覚だったとしても、
はたまたそれが犬やアライグマだったりしても何の問題はないだろう。
いわんやそれが人間に致命的なダメージや正常な社会を狂わせるような情報災害特性、
ミーム災害特性などを齎すならともかくだが、所詮は猫にしか寄生できないヒゼンダニである。
ヒゼンダニの群体でしかないので、知性体とも言い難い。知性があるように見えるだけ。『中国語の部屋』*1に近いだろう。
極端に言えばイエネコがこの世から絶滅したとしても、
せいぜい「ドラえもんが言うところの『猫型ロボット』の『猫』とはなんなのか」を小学館が子供たちに説明するのに苦労する以外の問題は何もない。


しかし、それでも異常物は異常物であり、財団の理念上、「収容できるなら収容する」のである。
そのアノマリーになんら危険性がなかろうが、アノマリーはアノマリーに違いない。
たとえ人から認識できないとしても、イエネコから認識できないとしても、財団職員が認識するならそれは収容する義務が財団にはある。


では、Ticonderogaの定義をもう一度考えよう。Ticonderogaは単に「収容の必要がない」では終わらない。
「収容が著しく困難、あるいは不可能だがその必要はない」である。





……なんとなく嫌な予感がした?はい、そうです。


すでに地球上に存在するイエネコと認識されていた実体の99.9%は、ヒゼンダニの群体だったのである。


SCP-2472-JP-1ではないイエネコはもはや、一部の寒冷地や乾燥地にしか存在しない。
財団が全世界で行った調査でこれは判明し、たとえばアメリカでは「飼育されている6千万匹の猫すべてがイエネコではなくヒゼンダニ」であった。
我々はもはや、ダニを見て猫だと認識しているにすぎないのである。


物理的にも、社会的にも収容など不可能だ。


というわけで財団は現在、ペンフォード・プロトコルというプロトコルを始動。
全世界に派遣されたクラスΩ知覚免疫を有する財団フィールドエージェントは、SCP-2472-JP-1実例群の存在する地域をマッピング。
SCP-2472-JP-1ではないイエネコが上記以外の地域で確認された場合は、機動部隊シグマ-35("殺処分業者")が派遣され、
そのイエネコを確保し、収容し、保護し、更に関係者に記憶処理を行い、関連記録の抹消を行う。
同時に財団が収容する異常性のイエネコたちもまた、本物のイエネコのアノマリーなのか、
SCP-2472-JP-1実例でかつ異常性を持つアノマリーなのかを調査される。


そしてSCP-2472-JP-1実例でないことがわかった場合は、サイト-217に移送され収容される。
非異常性のイエネコは適切に給餌され、異常なイエネコも制定済みの特別収容プロトコルに基づいて収容される。もはやイエネコのほうがSCPみたいな扱いである。
一方、あなたの愛猫がSCP-2472-JP-1実例であったとしても安心してください、収容なんてされません
今まで通り、かわいがってあげてください。そのダニの塊を


サザエさんが追いかけるお魚くわえたどら猫も、ドラちゃんが恋をした猫界のアイドル・ミイちゃんも、
女性を癒やす猫カフェの猫たちも、ペットショップで愛くるしい姿をしてと一緒に飼い主を待つ猫たちも、
……だにですよろしくおねがいします。


受け入れられない財団職員は希望するならば、記憶処理を受けた上で本報告書へのアクセス権を剥奪してもらえる。





この事実を知らない者たちにとっての「猫」とは、最早あのダニの塊なのです。 — ジェシカ・ペンフォード サイト-217管理官






余談

本オブジェクトは、日本支部のコンテスト『嘘のコンテスト』3位及び偽装賞受賞作品である。
著者の1人であるtazen氏は、ディスカッションに以下のコメントを投稿している。

SCP-2472-JPは、嘘の物語です。
しかし、現実世界で猫の耳がダニに寄生されやすいのは事実です。
どうか、この作品をきっかけに、貴方の側にいる猫達の耳を定期的に診てあげて下さい。
もし、発疹や引っ掻いた跡がある、白や黒い汚れが溜まっているなど異常が見られる場合は、すぐに獣医に診察してもらい適切な治療を行なってあげて下さい。





追記・修正……おーよしよし、かわいいなお前。一旦編集は休憩して、タマと遊んでやるかぁ。



SCP-2472-JP - Nyankoderoga
by KanKan and tazen
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2472-jp


この項目の内容は『クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス』に従います。

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  • ドラえもんも実質ダニの群体型ロボットなのか… -- 名無しさん (2020-11-12 23:43:03)
  • 非異常性のイエネコはいるし、そもそもロボットは架空の動物モチーフだろうが「ドラゴン型ロボット」とか「グリフォン型ロボット」とか言えるから猫型ロボットでいいのでは -- 名無しさん (2020-11-12 23:44:44)
  • クラスΩ知覚免疫を獲得して井戸小屋を覗くと、ダニの塊とねこのどちらが見えるんだろう -- 名無しさん (2020-11-13 00:21:49)
  • ねこの塊 -- 名無しさん (2020-11-13 03:28:01)
  • 確かにこれは猫好きは見ない方がいいな…普通に内容ヤベぇ -- 名無しさん (2020-11-13 07:12:04)
  • ↑3ねこですもそうだけど、イエネコに反応するSCPがこいつを区別できるかは気になる所。99.9%がこいつなら、もはや普通のイエネコの方には反応しない可能性すらある。 -- 名無しさん (2020-11-13 07:16:24)
  • ジョーシーも数少ない「本物の猫」だとしたら… -- 名無しさん (2020-11-13 07:49:14)
  • 本物の猫(※ただし上半身に限る) -- 名無しさん (2020-11-13 07:53:22)
  • スクラントン現実猫もいるから…(震え声) -- 名無しさん (2020-11-13 08:01:32)
  • スクラントン現実ヒゼンダニ -- 名無しさん (2020-11-13 08:15:15)
  • 記憶処理お願いします -- 名無しさん (2020-11-13 15:58:15)
  • もう少し形のしっかりした化け物ならただのホラーなんだけどダニの集合体って悍ましさが次元違い -- 名無しさん (2020-11-13 18:26:10)
  • こいつに普通のマダニがひっついたりしたら、もう一体何を吸ってるんだ -- 名無しさん (2020-11-13 23:25:39)
  • あの「ねこ」もヒゼンダニの塊なのか -- 名無しさん (2020-11-13 23:44:37)
  • 猫に寄生出来なくなったら絶滅するんじゃないのこいつら。報告書を見るに家猫限定っぽいし -- 名無しさん (2020-11-14 00:18:52)
  • ↑ヒント:ヒゼンダニの塊同士で交尾できるし、それで繁殖し成長する。 -- 名無しさん (2020-11-14 00:21:14)
  • だにですよろしくおねがいしますわろた -- 名無しさん (2020-11-14 00:44:29)
  • …記憶処理してくれ、たのむ -- 名無しさん (2020-11-14 02:17:34)
  • 3487は過去改変できるから大丈夫そう -- 名無しさん (2020-11-14 03:36:05)
  • 本家じゃ(スケッチだけど)目がうじゃうじゃしたダニな猫の画像あったから余計鳥肌たったな -- 名無しさん (2020-11-14 13:10:02)
  • にゃー ぎゃー …で表すアニヲタ報告員のセンス好き -- 名無しさん (2020-11-14 16:23:26)
  • 未来の世界の♪ダニ型ロボット♪ -- 名無しさん (2020-11-16 09:26:28)
  • ドラ猫ならぬドラダニ -- 名無しさん (2020-11-19 19:49:28)
  • これって突然変異で人間に寄生して置き換えを始めるような個体が出ないとも限らないからセーフにしとかないとおかしくない?それなのに手遅れ扱いって……あっ、ふーん -- 名無しさん (2020-12-16 00:22:50)
  • そもそもヒゼンダニ自体が猫好きと人好きで分化したあとの存在だから今更ヒトにターゲットは変えないだろうし、そもそも人間は2000で再生成された挙げ句レプティリアンに置き換えられてるぞ -- 名無しさん (2020-12-16 22:42:06)
  • ↑2ちょっと意味がわからない。 -- 名無しさん (2020-12-16 23:11:12)
  • ↑3そういう意味でオブジェクトクラス変えるって意味ならKeter、少なくともEuclidが妥当じゃないかな。今の所完全に収容出来てるようには見えないし -- 名無しさん (2020-12-17 13:23:21)
  • (続き)というかそもそもこのオブジェクト自体はイエネコが置き換わるものであって、作中で既に殆どのイエネコは置き換えられているから普通に手遅れ扱いでも可笑しくないと思うが。言うなれば猫版SK-クラス:支配シフトシナリオとでも言おうか -- 名無しさん (2020-12-17 13:26:52)
  • ヒゼンダニの特性上自分たちで勝手にアンニュイ・プロトコルまでしてくれてるしな -- 名無しさん (2020-12-18 15:26:23)
  • lolfoundationならかつての猫の姿は写真の中にしか見られない、の一言からアンニュプロトコル発動してた -- 名無しさん (2021-01-03 05:25:50)
  • 大量のダニが蠢いて猫を形作ってるの想像してゾワゾワした -- 名無しさん (2021-02-15 02:47:30)
  • Ticonderogaは「収容難度としてはKeterだけど収容するほどの危険性はない(むしろ場合によっては藪蛇)」の時に使うものだからどうあがいてもSafeにはならない -- 名無しさん (2021-03-04 19:25:08)
  • TiconderogaとExplained(青い青い空タイプ)の違いって何なんです? -- 名無しさん (2021-07-27 19:49:14)
  • ↑前者は「収容できないけどそもそも収容する必要の無い異常実体」後者は「そもそも異常とみなされないもの」。 -- 名無しさん (2021-07-27 19:57:12)
  • ↑青い青い空も前者に近くね?って思ったけどアレの場合アンニュイプロトコルで「そもそも異常とみなされなくなった」とかそんな感じかしら -- 名無しさん (2021-07-27 20:46:30)
  • ↑そういうこと。 -- 名無しさん (2021-07-27 20:47:47)
  • ↑なるほどサンクス しかしおぞましいなこのSCP… -- 名無しさん (2021-07-27 21:00:08)
  • 寄生すべき猫がほぼいない状態でこのダニはどうやって栄養補給してるんだろ?猫の餌を分解してるのか? -- 名無しさん (2021-10-08 20:37:19)
  • ……某ねこですから珍しく善意を感じた。……オェー -- 名無しさん (2021-10-09 20:42:00)
  • 8900-EXもこの青い空こそが当たり前であるというミーム汚染効果まであったならばTiconderoga -- 名無しさん (2022-01-01 02:55:58)
  • イエネコとしての激しい活動でもバラバラになったりしないとか単に集まってるだけじゃなく何かの異常な力で形の保持をしてそう -- 名無しさん (2022-03-13 21:26:07)
  • 記憶処理お願いします………… -- 名無しさん (2022-08-09 01:36:32)
  • これから可愛い猫の動画や画像を見ても、いの一番に「あ…ダニの塊…」とか考えてしまいそうだ……早急な記憶処理を…… -- 名無しさん (2023-04-01 02:53:03)
  • そういえば、こいつから2478-JPまでネコ関連のSCiPが続いてるのはどうしてなんだろ--名無しさん(2023-04-01 13:43:10)
  • おねがいしますきおくしょりしてくださいおねがいしますきおくしょりしてくださいぶつりでいいから -- ねこではないです (2023-05-27 19:54:24)
  • ↑8 猫の身体を置換する理由は寄生からの栄養補給ではなく、(おそらく生存競争から)猫の生活そのものを乗っ取るためだろうから、猫のエサを普通に食ってるだろうね クラゲの群体に近いのかも -- 名無しさん (2023-07-04 08:28:23)
  • 要するにGEのアラガミみたいなもんよな -- 名無しさん (2023-09-14 03:31:21)

#comment

*1 思考実験のひとつ。中国語を知らない人を部屋の中にいれて、隙間から中国語で書かれた紙を入れる。中の人は部屋に置かれたマニュアルに従い、意味を理解しないままその上に対して別の文字を書き加えて部屋の外に戻す。これを繰り返すと外からは中国語によるコミュニケーションが成立しているように見えるが、実際はコミュニケーションをしているわけではない。

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