ゴミ屋敷とトイプードルと私

ページ名:ゴミ屋敷とトイプードルと私

登録日:2018/09/28 (金) 14:58:00
更新日:2024/03/25 Mon 13:53:28NEW!
所要時間:約 18 分で読めます



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けっこうな金額でも一晩つき合えばチャラにしてくれた。人生楽勝だった。



あんたの分はあんた自身が食い尽くしたの。くだらない見栄と虚栄。意味不明の自分磨きとやらで、すべてね










「ゴミ屋敷とトイプードルと私」とは、池田ユキオによるマンガ作品である。
恵まれた容姿に生まれて、地味な姉や周囲を見下し、ワガママで贅沢な人生を歩んできた女・明日香が
30代半ばで在りながら、若い頃にチヤホヤされてた快感から抜け出せずSNS中毒となり
最後は「我慢知らず」「苦労知らず」が仇となって破滅するという、因果応報を描いたヒューマン漫画作品。
本作品自体は、1話完結の読みきり作品だが、主人公を変えてシリーズ化がされている。


続編として、明日香の後輩・沙耶が主人公の『ゴミ屋敷とトイプードル私#港区会デビュー』が全7話で連載された。
シリーズ3作目は再び、明日香にスポットが当たった『ゴミ屋敷とトイプードルと私#ラブと癒やしとホントの私』が全3話で連載。
現在はこれまでのシリーズから、登場人物を一新した新章『ゴミ屋敷とトイプードルと私#キラキラtuberまみりこ』が連載中である。


本項目では、この続編についても触れる。


小学館からウェブコミックとして販売されており、各ウェブコミックサイトやkindleストアで購入・閲覧可能。
圧倒的な支持を受け、DL数を伸ばしてたことから『#港区会デビュー』編の、単行本化が決定し発売。


2018年から2020年頃の様々なニュースサイトやまとめサイトなど(このwikiを含む)で、表示されるバナー広告の常連であったため、知名度は高い。
おそらくネットを見る人なら、一度や二度は目にしたことがあるだろう。
なおバナー広告は、かなりのパターンが存在し、もともとそれほど長くない話であることもあって、
本編を購入しなくても、広告に載ってるコマを繋ぎ合わせればストーリーがわかるんじゃ……とか言われている。




◇ゴミ屋敷とトイプードルと私



【概要】

一言で言えば、2021当時ウェブコミック界で一大勢力を誇る「SNSの闇を描く系レディースコミック」の代表作にして典型例である。
この系統の作品は、以下のような様式美に従って量産されている。



  • 主人公はSNSに没頭する若い女性で、他人から注目されチヤホヤされる事を、生きがいにしている
  • SNSに投稿して注目されるために、生活を虚飾で塗り固めている
  • 倫理観に欠けていたり性格に難があり、作中の他の誰かに恨まれている
  • 男キャラは主人公の本性を見抜けない阿呆か、性犯罪者かのどちらかである
  • 最後はSNSでの失敗をきっかけに、恨みを買っていた人間に追い落とされて、悲惨な末路を辿る


このような作品群の中でも、本作は主人公の凋落っぷりが半端ないことと、SNS中毒だけでなく借金・売春・不倫・動物虐待などなど
ネガティブな要素を、これでもかと盛り込んだ作風が大きな話題を呼んだ。
ついでに広告にて見かける、主要キャラのインパクトある顔芸も印象的である。






以下、ネタバレ注意。






【あらすじ】

主人公の明日香は、かつては読者モデルをしていた34歳のOL。
大手広告代理店で働く傍ら、キラキラ女子()を自称し、SNSにオシャレな私生活(ブランド品・高いランチ・海外旅行etc)を投稿して
フォロワーから絶賛されることを生きがいとしていた。


しかしその内面は醜悪そのものであり、SNS映えのためだけに30万で買ったトイプードルには、意に沿わないとなるや暴行して世話も放棄。
それどころか、キラキラした生活を維持するために多額の借金を作り(貢いでくれる男がいなくなったという理由)、親に泣きついて払ってもらった。
親は彼女の好きにさせるために、実家に離れを作ってそこに住まわせるが、その部屋はゴミ屋敷同然。
今日子という不美人の姉がいるが、結婚は先を越されて今だ独身……だが、姉の目を盗んで姉の夫ともよろしくやっていた。


独身とはいえ、美人故に会社では年下のイケメンから好意を寄せられ、セクハラ気味のクライアントにも色目を使われ……と、人気者故に気苦労も多い(と、本人は思っていた)。



「ほら私、読モやってたじゃない? 意識高めでいたいんだよねー……」



そんなある日。
いつも慕ってくれている後輩の沙耶にランチを奢った時、クレジットカードが限度額を超えていて利用出来ずに恥をかく。
どう考えても自業自得だが、家に帰って請求書を見ると
「お母さん、こういうのちゃんと払っといてって言ったでしょ!!」
と逆切れ。
しかしそんな彼女の目の前には、くも膜下出血を起こして倒れた父の姿が……



病院に駆け付けた今日子は、明日香に
「お父さんは歩けるどころか、喋れるようになるかもわからない」
「お母さんも介護に追われるだろうし……」
と途方に暮れた顔で話す。それを聞いた明日香は


「じゃあ、お金はどうなるの!?」
「掃除も洗濯も、誰がやるのよ!!」


……他に言う事は無いのか。確かに身内のくも膜下出血そっちのけで気にするほどのゴミ屋敷ではあるが



今日子は軽蔑したように
「決まってるでしょ、自分でやるのよ」
と言うが、明日香はこの世の終わりのような顔をして
「イヤッ……絶対にイヤッ……」
と拒否。
そんなに掃除と洗濯が、イヤなのかお前。



そのまま夜の街に繰り出した明日香
「とりあえずカードの今月の支払いを済ませないと……」
などと、この期に及んで呑気なことを考えていると、いつも彼女に色目を使うクライアントの後藤とばったり遭遇。



(けっこうな金額でも一晩つき合えばチャラにしてくれた。人生楽勝だった。)



過去の経験から、「これでカード代が払える」と思った明日香は上司とホテルに直行。
が、行為後に後藤から渡されたのは交通費のみ
「ちょっと待ってよ、これだけ?」と信じられない明日香に対して、後藤は


「なに、売春のつもり? 勘弁してよー、若い子じゃないんだから」
「またフーゾク行く金がない時にお願いね」


と、明日香にとってはあまりにも屈辱的な台詞を残して去っていった。
「……無かったことにしよう」
と現実逃避する明日香だったが、ここからが本当の地獄だった。



翌日、出社すると誰もが彼女の顔を見て嘲笑して噂話をしている。
トイレの個室に入ってSNSをチェックすると、明日香が後藤と一緒にラブホテルに入る姿を写した写真が何者かによってバラまかれていた。
だが、それ以上に彼女を打ちのめしたのは、写真に着けられた社員らのコメント。


「手あたり次第女子社員声かけてたもんなー。ひっかかるかよふつう」
「あのドエロジジイとむしろお似合い?」



後藤は単なる女好きであり、別に自分が魅力的だから狙っていたわけではなかったこと。
自分はそんな後藤と「お似合い」として認識されていたこと。
これらの事実にトイレの床に崩れ落ちる明日香だったが、そこに沙耶たちの声が聞こえた。


「いつまで自分のこと女の子よばわりしてんだよってかんじー」
「目覚ませよ、ババア」




(え……私のこと……?)



なんと、今まで自分をキラキラ女子()として慕っていると思っていた後輩女子たちも、彼女をただのイタイSNSおばさんとしか認識していなかった。
おまけに、今回の写真を流出させたのも彼女たちの仕業だった。


そして、自分を好いていると思っていたイケメン後輩社員は、実は沙耶の彼氏であり、
2人で明日香のSNSを見て、ネタにして笑っていたと聞かされる。



「そうまでしてキラキラ女子になりたいかね」
「なーにが『こう見えても34』だよ、年相応ですから!!」



本人が聞いているとも知らず、明日香の知らない本音をぶちまけて去っていた後輩たち。
(しかし、この日は誰も明日香の悪口以外に話題が無かったのか、この会社



ブチ切れた明日香は、「沙耶との格の違いを見せつけてくれるわ!!」とばかりにイケメン後輩社員のところに行き、大勢の人の前で上目遣いで
「今夜ホテル行こ。」
と誘う。
たとえ本当に好意を持っていたとしても、こんな手段で落ちる男はいないと思うが、後輩には
「キモイっすよ」
と一蹴される。



これにより、それまで自分自身で信じていた虚像を完全に粉砕された明日香は完全に精神崩壊
鬼のような形相で


「私とやりたいはずよ。本当はやりたいんでしょおおおお!!」
「うそよお!!うそつき!私が好きなくせに!好きだって言ってよおお!」


と、よくわからないヤンデレと化して警備員につまみ出され、そのままクビになった。




それでも「私は悪く無い」と悪びれもせず、病院で昏睡状態の父親の目の前で母親に金をせびるが、
さすがの母親も、もう出せる金は一銭も無いと突き放す。


ふてくされて家に戻った明日香だが、離れの彼女の部屋は勝手に鍵が換えられていた。
家の中を見ると、姉夫婦とその息子、そして明日香の買ってきたトイプードルが楽しそうに焼肉パーティの真っ最中。
「あたしの家で何してんのよお!!」
と怒って窓を叩く明日香に向かって、今日子は明日香が自分の夫に手を出したことを詰り、最後のとどめを刺す。




「絶対に許さない。お金ももう渡さない!」


「いえ、あんたの分はあんた自身が食い尽くしたの。くだらない見栄と虚栄。意味不明の自分磨きとやらで、すべてね


「救 い よ う の な い 馬 鹿 な 子」






その後、結局明日香は父親の介護をすることを条件に、家にいることを許された。
もちろん自由に使える金は無くなり、着飾ることもメイクやエステをすることも、旅行に行くこともなくなった彼女に対し、衰弱した父親は怯えたように言う。



「お…まえ… だ…れだ…」



もはや自分でも自分が何者かわからなくなってしまった明日香は、ネット上で拾ってきた写真をまるで自分が撮影したものであるかのようにSNSに投稿し続けている。
偽りのキラキラ女子の生活を続けるためだけに。




【登場人物】

  • 明日香

主人公。見栄と虚飾によって全てを失った。
自意識の高さは見上げたものがあり、20代後半あたりから男に相手にされなくなったことを
「私がキャリアウーマンになったからみんな遠慮して近寄らなくなった」
と都合よく解釈していた。
SNS映えのためだけに400万の借金を作ったが、
「大手広告代理店勤務の30代の女性なら、借金しなくてもあの程度の生活はできるのでは?」
とよくツッコまれる。


まともな人間とは全く言えないが、会社で騒動を起こすまではトイプードルと家族以外に、直接的に迷惑をかけておらず
むしろ後輩に奢ったりプレゼントをするなど、面倒見のいい先輩として振る舞っていること、
そして何より続編の主人公となった沙耶が、彼女を遥かに上回るレベルのドクズであることから
ここまでの制裁を受けないと行けないほどの人間なのか?と、続編の刊行開始以降は同情論も多い。
またこれまで問題も起こしていなかったのに、この程度のことですぐクビになるか?という疑問もある。
少なくとも沙耶たちは彼女から利益しか受けていないのだから、陥れる理由は無いように思われる。



  • 今日子

明日香の姉。
登場人物が悉くクズである本作においては、明日香への怒りに正統性がある分、わりとまともな部類だろうか。
クライマックスでは笑顔で雨の降る庭に妹を締め出し、その目の前で夫や息子と焼肉パーティに興じるという鬼畜っぷりを見せる。
(夫と息子は何も思わなかったのだろうか?雨がうるさく聞こえなかったのか?)



  • 西村沙耶

散々明日香に奢ってもらっていながら、影では笑いものにしていたけっこう酷い後輩。
続編でフルネームが判明。
続編ではさらなる裏の顔が明らかになる。



  • 徳井康介

沙耶の彼氏で、明日香が自分に好意を持っていると勘違いしていたイケメン後輩社員。
続編でフルネームが判明。
クズだと思われがちだが、年上のヤンデレから衆人環視の前であんなセクハラ発言されたら
誰だってあんな反応になると思いますよ。



  • 明日香の両親

明日香を甘やかした結果こうなった、といった描き方をされている。
父親はある意味、明日香以上に悲惨な境遇に陥れられる。
この娘が真面目に介護するかどうかも怪しいしなあ……



  • ソラ(トイプードル)

タイトルに入っているわりに影が薄い(続編ではタイトルだけで、登場もしなくなる)。
明日香のSNS自慢の道具でしか無く、虐待されるなど散々な目にあっていたが、終盤で生存が確認され、多くの読者を安堵させた。今日子の息子に可愛がられて、幸せそうであった。


  • 今日子の夫

こいつが何のお咎めもないのが、一番納得がいかない。



  • 後藤

クライアントの中年男性。
見た目も性格もいかにもエロオヤジなおっさんであり、明日香を含む女子社員達から「ハゲダヌキ」と毛嫌いされている。





◆ゴミ屋敷とトイプードルと私#港区デビュー

明日香の後輩・沙耶を主人公とした続編。
短編だった前作に対し、中編とも呼べるようなボリュームになり、現在も刊行中。
前作の明日香が遥かにマシに思えるレベルの沙耶の本性に、多くの読者が衝撃を受けた。





以下ネタバレ注意





【あらすじ】

前作からしばらく後。
24歳の沙耶は完全にイタイSNSおばさんと化した、明日香の現状を笑いながらも、恋人の康介と婚約し、総務部から念願の営業部に異動してバリバリと働いていた。
彼女もまたSNSに没頭しており、カリスマフォトスタグラマーのmisakiに憧れていた。
一方、同じ部署の派遣社員の中山は「ハケンなんて」とバカにしていた。


異動早々、営業部の女性リーダーである詩織から、実業界の著名人やモデルが集う港区のパーティに誘われる。
詩織いわく「ある程度以上の女は会費なんか必要ない」とのことだったが、その実態はパパ活の場……どころか、枕営業の横行する売春クラブのようなものだった。
会社社長らの金でSNS映えのする豪勢な夜遊びに耽り、その写真をSNSにアップして反応をもらって喜んでいた沙耶だったが、
式場見学の約束を忘れて遊び惚けたりしていたため、婚約者の康介とはすれ違い始める。


ある日、夜のパーティ行きたさに中山に仕事を押し付けたことが上司にバレ、きつく怒られた上に中山のほうが仕事ができることが判明し始め、
焦る沙耶は枕営業絨毯爆撃作戦を決行。あらゆる会社から体を武器に仕事を取ってくる。



……が、契約書も交わしていなかったため、全員にシラを切られてヤリ捨てられ、職場の信用も地に落ちる。アホか。
何かの間違いと言いながらも、体で契約した会社の専務に直談判(ぴったりと寄り添い、甘えた声とキモい表情で、媚を売る)するも


「離しなさい。誰に向かって口を聞いているのかね。まだ僕らの仲間でいたいんでしょ?だったら僕らに気に入ってもらわなきゃでしょ。もう呼んであげないよ」


と突き放されてしまう。ついでに婚約者も中山さんにとられた。
婚約者に「もうお前みたいな、SNS中毒者とはやっていけない」と別れを告げられた時には


「おかしいでしょ!! なんで私がフラれるの!!」


と手前勝手すぎる逆ギレをして、割れたビンでソファーを滅多刺しにするという怖すぎる奇行を行った。



さらに凋落は続く。
何者かが、沙耶の枕営業真っ最中の写真を隠し撮りしており(どういう状況で隠し撮りしたのか、さっぱりわからない写真も何枚もある)、
それを沙耶の偽アカウントにアップ。
沙耶は顔のバッチリ映った性行為中の写真を晒され、激しい非難を浴びる……が、


「こんなにたくさんの人間があたしに注目してる。あたし見られてる」


と性的興奮を覚える。救えねえ……



一方康介と中山がデキてること及び、自分より仕事で評価されてることを知った沙耶は、怒りに震える……が、その晩中山が何者かに階段から突き落とされ、全治二週間の重傷を負った挙句、
この日、残業していて日頃から中山を疎ましく思っていた沙耶に、営業部内の疑いがかかる*1
さらに機密書類の写真をSNSにアップしたことや、上記の売春写真の流出が発覚したために、停職処分になる。


ネットで住所なども特定されてしまったため、肩身の狭い想いをしながら引きこもっていた沙耶だったが、ストーカーの被害に悩まされるようになる。
果たして偽アカウントを作り、中山を突き落とすなどして沙耶を追い詰めた黒幕は誰なのか……






【登場人物】

  • 西村沙耶

主人公。
自己顕示欲の塊であり、自分より劣る(と認識した)人間は平気で見下し、倫理的にマズい行為も平気で行うという、
明日香がかわいく思えるレベルの歪んだ性根の持ち主。
後述の「幼少期のある事件」によるトラウマから、勉学と就職活動に励んで今の地位を手に入れたという一面もあり、
上記の性格もその裏返しと思うと、物悲しい部分もある。



  • 徳井康介

沙耶の婚約者。
港区会に出入りするようになった沙耶を嫌悪し始め、*2さらにレトルトのシチューを手作りだと偽って出されたことに、ブチ切れて別れを切り出す。*3
まあ沙耶が沙耶なので仕方ないと思えなくもないが、その後すぐに中山に手を出してるのはさすがにどうなのか。



  • 林田詩織

黒幕候補その1。営業部の女ボス。
沙耶にパパ活を教えた張本人であり、彼女が堕落するきっかけを作ったことなどから黒幕と疑われている。
彼女は枕営業まではやっておらず、仕事はあくまで真面目にこなしている模様。

実は彼女こそ黒幕であった。
詩織を筆頭とした港区会の女性陣(ほとんどがモデルやミスコン級の美女)は、体を求めてくるパパ達に好きなだけ金を出してもらって何の代償を払わずに遊ぶようにしたいがためにコネもなく平凡な沙耶を「生贄」としてパパ達に差し出していたのだった。
それどころか沙耶の枕営業を暴露したのも彼女達であり、そんな沙耶の姿を「港区公衆便所」と評していた。


また、詩織の場合は密かに思いを寄せていた徳井を沙耶に取られた逆恨みも兼ねており、その動機が「朝から晩まで仕事に追われている時にバカでヒマなお気楽OLが何の苦労もしないで幸せになることが許せなかった」というものである。
そして、中山を階段から突き落としたのも詩織であり、同じく独占欲によるものであった上に「どう考えても沙耶の仕業としか思われない」とタカを括る等、本質的に沙耶以上に腐りきった悪女と言える。


外見の美貌とは裏腹に慢心しやすい悪癖はあれど職場では曲がりなりに面倒見が良かった明日香、やり方に難はあれど過去の不遇から抜け出すために奮闘していた沙耶と比べても内面は醜悪極まりなく、登場人物の中でも最悪の人間と言わざる得ない。


同僚と沙耶関連の噂話をする中で中山を落とした件を調子に乗って告白したが、その同僚は実は中山物産の令嬢である中山からのヘッドハンティングで彼女の会話を録音していた。
最終的に契約終了で会社から離れる中山がその録音を全社員の前で再生したことで彼女から脅し混じりの謝罪を求められて、自分の部署の社員達全員の前で中山に土下座して謝罪させられる、因果応報な末路を辿った。



  • 中山泉

黒幕候補その2。営業部に沙耶と同時にやってきた派遣。
仕事ができる上に男ウケがよく、康介のハートまで射止めたことで沙耶の恨みを買う。
いかにも腹に一物ありそうな雰囲気から、黒幕だと疑われていたが、階段から落ちた時に同じコマに彼女を突き落とした人物が描かれていたため、全ての黒幕である可能性は薄くなった。

彼女こそがmisakiであった。
実は超一流企業である中山物産の社長令嬢であり、来年には婚約者と結婚して2人で会社を継ぐ予定との事。
派遣をやっていた理由が、結婚までにいろんな経験をしておくよう、父親から言いつけられたためであった。
そしてゴージャスな格好で取り巻きと共に、交流女子会に訪れた際には、偶然鉢合わせした沙耶に対して哀れむような口調で、彼女を見下していた。
中山をバカにして見下していた沙耶が、中山に哀れみをかけられるという、何とも皮肉な展開であった。



  • 明日香

黒幕候補その3。前作主人公。
SNSに痛いポエムを投稿して沙耶に爆笑されている。
偽アカウントが発覚した時は、沙耶に真っ先に疑われていた。

ハズレ
この章では登場していない。



  • 営業部の部長

最初は沙耶を評価していたが、問題行動ばかり起こす彼女に手を焼いている。
沙耶の泣き落としに動じずに叱り飛ばしたり、詩織たちが沙耶を中山を突き飛ばした犯人だと噂していた時には「決めつけるな」と諭すなど、
見た目は小汚いが、このシリーズ屈指の常識人。



  • 港区会のメンバー

ベンチャー企業の小金持ちなど。
ほとんどが既婚のおっさんであり、マンションや仕事の契約をチラつかせて女を抱き、飽きたら約束も果たさずに放っておくようなのばかり。
作者は港区をなんだと思っているのだろうか。
もっとも、女性陣の方も港区会のメンバーを金ヅルとしか思っておらず、むしろ楽しむだけ楽しんだら卒業する娯楽でしかなかった。



  • misaki

沙耶が憧れているカリスマフォトスタグラマー。
お金持ちの家系に生まれた港区在住のお嬢様で、大企業勤めのキャリアウーマンと、まさに絵に描いたようなセレブ。
セレブな生活をSNSに投稿しており、サヤも彼女と同じように輝きと贅沢に満ちた人生を送りたいと渇望している。
ただし顔は一切出しておらず、正体は謎に包まれている。
上記の中に正体がいるのではないかと考察されており、黒幕候補の一人でもある。



  • 沙耶の両親

沙耶の、幼少期の回想場面で登場。
父親が痴漢で逮捕された事が原因で、人目を避ける生活を余儀なくされ、母親の方も娘に対しても上記の生き方を強要していた。
当然沙耶からは忌み嫌われ、現在は疎遠となっている。
沙耶の性格が歪んだ最大要因ではあるが、現実世界でも後を絶たない加害者家族に対する、迫害の実情を考えると、両親の行動もやむを得ない事と言える。




◆ゴミ屋敷とトイプードルと私♯ラブと癒やしとホントの私

一作目で主人公だった明日香が復活し再登場。偽りのキラキラ女子から転落した明日香。しかし、沙耶が再会した彼女は何故か満ち足りた表情を浮かべていた。
SNS依存症だった過去を捨て、克服と癒やしを発信する断捨離女子に生まれ変わっていたのだ。
父親の介護などから、過食に走った明日香が復活したのは、とあるヒーリングセミナーとの出会いだが…。



以下ネタバレ注意





【あらすじ】

港区編から更に月日は流れた後。散々騒ぎを起こした為、仕事はクビになり、六本木のボロアパートで細々と暮らしていた沙耶は
自分よりももっと下の奴を見たいと、明日香と再会した。明日香は会社をクビになったあと、親の介護で引きこもっているという噂が流れていたので
明日香はきっと落ちぶれているに違いないと、思っていたのに、なんと明日香は生き生きとしていた。


「あたしと同じようにクビになったから、あたしより下が見たかったのに」


なんていう沙耶の見当は外れ、2年ぶりに会った明日香は、無地の白シャツにアクセサリーも付けず
ぺたんこ靴という清楚ながらも地味な格好に、愛犬のソラくんが病気で死んだということに涙する、心優しい姿を見せていた。


明日香は沙耶にこれまでの経緯を話しはじめ、去年介護の末、父を見送りそれから愛犬を失い、食べる事も寝る事もできなくなってしまった。
立ち直ることもできず、このままでは死んでしまうと思うくらいに落ちていた時、とあるヒーリングサロンと出会ったと目を輝かせて話す。
いかにも胡散臭い怪しげな展開に、沙耶は困惑し帰ろうとすると、声を掛けてきた優男風のイケメン男性スタッフに見惚れてしまい、奥の部屋に案内されてしまった。


ヒーリングサロンの正体とは何なのか、そしてヒーラーとして働く明日香の、裏腹な生活の実態とは如何なものなのか。



【登場人物】

  • 明日香

一作目から奇跡の復活を遂げた、元キラキラ女子。前作の後に父親が亡くなり、保険金を受け取り人生をやり直した。
がしかし、結局、自分の生き方を反省したわけでなく、金を手に入れた途端に、またエステだのブランドに走って懲りていない模様。
そしてソラも本当は死んでおらず、姉がいる実家で元気に過ごしている。


今や、なんだか怪しげなサロンで働いているが、セミナーの参加費用はスタンダードコース25万円。プレミアムコース60万円という驚愕の料金設定である。




  • Ryoya(リョウヤ)

リングル東京支部サロンコーチ。整った顔をした笑顔が素敵なイケメン。その笑顔で沙耶を虜にさせた。
ヒーリングスピリチュアルサロンの先生の助手として、悩みを抱えている女性たちに高額セミナー受講を持ちかけている。






見ているよ。
wiki籠りを見ているよ。
追記・修正するのを見ているよ。


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  • コメント欄が長くなってきたので、リセットしました -- 名無しさん (2019-08-05 14:27:35)
  • 中山さん沙耶に「いくら理想を追い求めても、あなたの心は満足しない」と諭していたが、欲に目が眩んで下らない事ばかりしてた沙耶に対して、冷静に説教するのは、さすが会社を継ぐ人だなと思った。SNSではキラキラ輝いている部分しか見えないけど、そのキラキラ生活は努力の上に成り立っていることを、沙耶は考えたことないんだろうな。「もうSNSなんか止めて、現実と向き合いなさい」と伝えているように感じた。 -- 名無しさん (2019-08-05 15:29:37)
  • ↑中山さん将来は経営者として会社を維持し、多くの社員やその家族の生活を守るという、大きな責任を果たす役目があるからな。チヤホヤされたいだけの沙耶なんかとは格が違いすぎるし -- 名無しさん (2019-09-22 18:03:23)
  • ネット漫画によくある(広告によく出てくる)主人公ばっかり責められるけど周囲もろくでもない人物ばっかりのタイプの作品 -- 名無しさん (2019-11-10 14:47:51)
  • まみりこ編もラストが近づいてきたが、欲にまみれて汚い手で成り上がるも、結局破滅してどん底に落ちていく、お約束展開だったな。このシリーズの主人公達は、どんだけ窮地に追い込まれようと、一切反省しないという「欲に溺れたサイコパス」感があって面白い。「笑ゥせぇるすまん」みたいな一種のブラックユーモアが感じられる。 -- 名無しさん (2019-12-29 15:10:31)
  • SNSの次は怪しいセミナーにハマっちゃったのこの人 -- 名無しさん (2019-12-29 15:49:00)
  • 「あなたの場合はお金というより、満たされた気持ちが足りないってことでしょ。スカスカなのよ。あなたの心も頭も」 by リトルミイ -- 名無しさん (2020-03-30 16:32:04)
  • 沙耶と明日香はどっちも中身は下品で低脳だけど、パッと見の印象だけなら、魅力がある女性なのは明日香の方だと思う。親から可愛がられて育ったのと、そうでないのが影響してるのかな -- 名無しさん (2020-05-14 16:00:07)
  • 中山さん成金みたいに、SNSで自慢しまくりで品がないなあと思った。本当のお金持ちなら、SNSで豪遊しているところを、見せびらかすなんてしないだろう。安易に顔出しはしてなかったが、狙われたりしちゃう危険もあるしさ。 -- 名無しさん (2020-07-12 17:41:57)
  • ↑彼女は生まれ育った、環境の豊かさと同じぐらいの責任も自覚して、地道な努力もしてるんだろう。人の上に立つことが決められているってのは、かなりのストレスだと想像できる。SNSはそのストレスのささやかな、発散の場なのかもしれないな。 -- 名無しさん (2020-07-12 23:07:16)
  • misakiの正体知る前からサヤは、彼女も枕で仕事取っているとでも思い込んでいたんだろうか?だとしたら父親の事関係なくサヤは元々ビ○チ脳なんだなぁ。 -- 名無しさん (2020-10-03 19:43:29)
  • 沙耶は明日香のこと見下してたけど、港区編は明日香だったら中山さんにも面倒見の良い先輩として振る舞いそうだし、中山さんも多少は味方してくれるだろうから沙耶ほど落ちぶれはしないと思う。 -- 名無しさん (2020-10-15 10:23:48)
  • 明日香はクズだけどまだ外面取り繕うくらいの知恵はあるからな -- 名無しさん (2020-10-25 20:30:46)
  • 前作二人より狡賢さが上&主人公以外の周りもクズが際立ってたまみりこ編。まさかの転落ルート回避オチだったけど、新たにまみりこ編の続きが出た辺りこのまま転落オチっぽいな。その後明日香とサヤがどうなったか描かれそうだけどクズの三つ巴が始まるとなると戦慄だが。 -- 名無しさん (2020-11-23 14:03:26)
  • 作者の中の港区ってどんな魔境なんだ -- 名無しさん (2021-03-09 01:42:18)
  • 最近はあまり見なくなった。やはり広告出し過ぎと思ったか -- 名無しさん (2021-04-03 09:49:19)
  • ↑これが出なくても第二第三の魔境漫画が代わりに出るだけだから…(絶望)しかし需要を満たすのは読者か広告側か出版先かはホントわからん -- 名無しさん (2021-05-31 21:12:18)
  • 仕事を頑張るんじゃなく『せや!体で仕事取ったろw』としか考えられない時点でサヤはクズなんだよなぁ。 -- 名無しさん (2021-07-02 15:12:48)
  • これとサバサバ女、足場職人は3大バナー広告漫画といっても過言ではない -- 名無しさん (2021-07-02 15:22:20)
  • 中山さんは正体を明かした後、凡庸な美人に成り下がったのが残念だったな…。ふくよかな体型の美人も健康の心配は多少はあるとはいえ、素敵だと思うし… -- 名無しさん (2021-08-01 12:08:39)
  • 2021年10月あたりからサバサバ女の漫画の広告が出ることは少なくなり、パンメーカーの営業とゾンビの漫画の広告の方がバナーとしては多い。バナーの表示頻度に関しては記憶頼りになりがちだが -- 名無しさん (2021-11-01 16:44:39)
  • まだ続いてるのかこれ。よくもまあ、ネタが尽きないなあとは思う -- 名無しさん (2021-11-01 17:20:41)
  • 中山さんの項目にある婚約者って、徳井さんでいいんだよな…?違ってたら中々酷い展開になっちゃうし -- 名無しさん (2022-01-12 20:46:09)
  • この作者さん、ゲス顔というか吐き気を催す邪悪顔というか、とにかくこう、にたぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとしたいやらし過ぎる顔描くのに定評あるよね。広告で見るだけでも軽く吐きそうになるから一時期何にも見れなくなったことあったわ -- 名無しさん (2022-02-18 14:37:26)
  • この作品はキラキラした世界と、裏側のドロドロした世界の対比を描くのが上手いですよね。まみりこ編は明日香、サヤのストーリーと比べたら、前の二人に比べたら、独特の強かさがある様子がとても爽快に見えたな。見得ばっかりのウソつきでワガママ女だけど、自分の夢に向かってパワフルに進むところは素敵 -- 名無しさん (2022-07-10 10:56:50)
  • 広告の漫画は徐々に入れ替わっていくし表示設定なんかで個々人で変わっていくことも考えられるため、知名度は割と時期によって差があるような -- 名無しさん (2022-07-10 11:12:22)
  • ぱっと見て分からないんだが、姉が引き取ったはずの犬が何で戻ってるんだ? -- 名無しさん (2022-07-10 11:34:40)
  • 「自分をちゃんと知ってる奴は身分相応に生活すンだろ。無理して着飾っても一瞬の優越感しか味わえねェ。見栄っ張りの連中は、そんなのが無意味だって気づかねーのな」  by 闇金ウシジマくん 丑嶋馨 -- 名無しさん (2022-09-18 11:11:01)
  • 2↑明日香の元には帰っていない。 -- 名無しさん (2023-01-04 22:59:05)
  • 途中送信ごめん2↑明日香の元には帰っていない。おそらく今までに撮った犬の画像や映像加工して、さもずっと飼っていたようにサロンの客に見せていた。 -- 名無しさん (2023-01-04 23:01:13)
  • SNSと承認欲求が合わさると麻薬みたいになってて恐ろしい。現実の方がゲーム内の行動みたいになってんじゃん… -- 名無しさん (2023-01-27 16:26:39)
  • 痛いユーチューバーが主人公?になってからこの漫画どうなったの?最近ぱったり広告も見なくなったけど完結したんか? -- 名無しさん (2023-01-27 17:18:22)
  • サバサバがドラマ化してるならこれもドラマ化すればいいと思う -- 名無しさん (2023-07-26 16:59:43)

#comment

*1 中山が突き落とされた場面では、読者も犯人が沙耶だと思い込むような描き方がされているが、次の話の冒頭では、沙耶はモノローグでも中山の身に起きたことを全く知らない様子だったため、犯人は彼女ではないようである
*2 沙耶が豪勢なパーティーに夢中になって、何度も徳井の親との顔合わせをドタキャンしていた。しかし沙耶は「あたしが営業でキャリア積むのがおもしろくないんだわ。小さい男」と全く悪びれてすらいなかった。
*3 以前からレトルトや店の惣菜を手作りと偽って出されていたが、当初は「自分を喜ばせるための可愛い嘘」だと思って大目に見ていた。

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