登録日: 2017/03/11 Sat 23:16:19
更新日:2024/02/06 Tue 10:33:09NEW!
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河童 scp scp foundation euclid モンゴル mrwrong scp-1000 筑後川
貴方の故郷である川の名ですよ。私の場合ですと、筑後川の生まれですから筑後の河猿となりますな。
SCP-2511はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。
オブジェクトクラスはEuclid。
項目名は『Kappa Population Distribution: More in Mongolia than anywhere else』。
日本語訳名は『河童人口分布案件 ~むしろ蒙古によく見られる~』。
概要
SCP-2511は、「オオサンショウウオによく似た人型実体群」(以下SCP-2511-A群と呼称)が、
福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県といった本来の出身地から突如モンゴルにワープしてしまうという現象系オブジェクトである。
…文字列のパワーワードっぷり。
SCP-2511-A群は恐らくは河童なんだろうが*1、一個体に対するインタビュー記録を除けば河童という単語は出てこない。
ただし、このオブジェクトの担当である機動部隊は機動部隊カッパ-26(“カッパ・ズールー”)というトマトが飛びそうな名前をしている。
SCP-2511-A群の母語は日本語族由来の未知の言語だが、佐賀方言を用いて人間と会話することも可能。
画家によって最低でも1836年には人間は河童を認知していたと考えられている*2。
彼らは本来、筑後川流域に生息しているようなのだが、どうしてかモンゴルにワープしてしまい、
しかも現在はモンゴルに住んでいる河童が本来の生息域である筑後川流域よりも多くなってしまっている。
しかも筑後川流域に住む河童人口がモンゴルに住む河童人口を上回ると、モンゴルのほうが多くなるように自動調整(つまりワープ)させられる。
河童たちが日本に戻ろうとしても、モンゴルの国境線を踏んだ瞬間モンゴルの別の地域にワープしてしまう。
なるほど、「むしろ蒙古によく見られる」とはよく言ったものである。
インタビュー記録はこんな感じ。
インタビュー対象: SCP-2511-A-0126
インタビュアー: ミサコ・マックモロー博士
序: 以下のインタビューは、本来は日本の佐賀方言で行われている。
<記録開始>
マックモロー博士: おはようございます。記録のためにお名前を述べていただけますか?
[SCP-2511-A-0126はマックモロー博士をぼんやりと見つめている。]
マックモロー博士: すみません、何か問題でも?
SCP-2511-A-0126: いや、問題は無いのですがな。貴方がたの種族が今日まで生き残っていたという事が奇妙で興味深く思われたものでして。
マックモロー博士: それはどういう意味です?
SCP-2511-A-0126: このような事を申すのは幾分気まずいのですが、貴方がたの種族は我々にとっては神話の存在なのですよ ― 昼の世を歩く太陽の子ら。貴方がたの種族が夜闇の子らを制した“花の日”についての伝承を我々の祖先が書き残しておるのです。しかし、こうして太陽の子が目の前で好意的に振る舞っているのを見ると全く魂消ますわい。
マックモロー博士: お褒めに預かり光栄です。しかし一先ずは、お名前をお聞きして宜しいですか? 私のことはミサコと呼んでいただいて構いません。
SCP-2511-A-0126: ミサコさん、貴方の源名は?
マックモロー博士: すみません、詳しく説明してください。
SCP-2511-A-0126: 貴方の故郷である川の名ですよ。私の場合ですと、筑後川の生まれですから筑後の河猿となりますな。
マックモロー博士: 河猿さん、地上世界の我々には源名というものが無いのです。
[SCP-2511-A-0126が溜め息を吐く。]
SCP-2511-A-0126: 嗚呼、筑後川よ。両親がきっと不安に思っていることでしょう。
マックモロー博士: 大丈夫ですよ。私たちが貴方がたを助けるためにここに居ますし、貴方からの協力もまた必要としています。ここに辿り着く前に何が起こったかを教えて頂きたいのです。
SCP-2511-A-0126: それが、よく分からんのです。これが起こる前日はごく当たり前の一日で、夜もいつものように眠りました。翌日、どうも水の味が違うぞと感じまして。目を開けると、もはや自宅ではなくここに居た次第です。
マックモロー博士: ご説明有難うございます。この出来事の前に変わったことはありましたか?
SCP-2511-A-0126: 大してありません、何もかも普通でした。しかし、その晩に夢を見たことは覚えとります。まるで何かしらの呪詛のように、頭の中に木霊する読経の夢でした。
マックモロー博士: その内容は少しでも思い出せますか?
SCP-2511-A-0126: “ざ・かっぱ・いず・もー・こまんりー・ふぁうんど・いん・まんごりあ (za kappa izu mō kōmanrī faundo in mangōrīa)”と。我々の種のことを言っておるのだろうとは確信しとります。しかし、“まんごりあ”とはいったい何のことです?
マックモロー博士: おそらくそれはMongolia ― モンゴルのことでしょう。私たちが今まさにいる場所です。
<記録終了>
ちなみにこの後、人間の子供が筑後川で行方不明になり、モンゴルに転移したという事件も発生している。
人間だったためかちゃんと財団の手で孤児院から引き取り、親元に帰されたが。
このことから、思春期前の子供が筑後川に近づかないように財団は機動部隊を設置して監視している。
余談だが、「The Kappa is more commonly found in Mongolia」とは、ハリー・ポッターシリーズ第三巻でセブルス・スネイプが発言したセリフである。
さらに余談だが、筑後川の河童と大陸との関係としては、シルクロードを渡ってきた『ペルシヤ河童』が支流に住み着き、筑後川の河童に疫病が流行した隙に侵攻をかけてきたが、筑後川の河童は筑後国国司・草野永平へ訴えて胡瓜を分けてもらいペルシャ河童を滅ぼし、生き延びたペルシャ河童は有明海のイソギンチャクに姿を変えたという民話がある。
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…でだ、ひとつ見なおしてもらっていいだろうか。
SCP-2511-A-0126: このような事を申すのは幾分気まずいのですが、貴方がたの種族は我々にとっては神話の存在なのですよ ― 昼の世を歩く太陽の子ら。貴方がたの種族が夜闇の子らを制した“花の日”についての伝承を我々の祖先が書き残しておるのです。しかし、こうして太陽の子が目の前で好意的に振る舞っているのを見ると全く魂消ますわい。
この文章を雑に要約すると、こうなる。
「昔夜行性の種族を倒したというあなたがた昼行性の種族がいまだに生きてるとかなんだこれは…たまげたなあ…」
そして「太陽の子ら」。「花の日」。
これは我々の元へ逃れてきた「太陽の子ら」から得た情報です。我々はそれを信じませんでした - 信じたくなかったのです。
我々は1日でSCP-1000人口の70%を一掃しました。花の日(The Day of Flowers)、その出来事を「子ら」はそう呼びました。
SCP-2511-A-0126が言及している「夜行性の種族を、昼行性の種族が打倒した”花の日”」とは、
人類がSCP-1000を一気に殺して回った日のことを指しているのではないだろうか。
正直河童には悪いが、河童がいたことやモンゴルにワープすること以上に、現生人類のルーツとSCP-1000になにをしたかが気になるところである。
だが、その情報は一般財団職員には知らされないようだ。
追記・修正をお願いします。
CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-2511 - Kappa Population Distribution: More in Mongolia than anywhere else
by MrWrong
http://www.scp-wiki.net/scp-2511
http://ja.scp-wiki.net/scp-2511
SCP-1000 - Bigfoot
by thedeadlymoose
http://www.scp-wiki.net/scp-1000
http://ja.scp-wiki.net/scp-1000
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▷ コメント欄
- これJPじゃなくて本家なのか… -- 名無しさん (2017-03-11 23:44:30)
- 『目の前で好意的に振る舞っているのを見ると全く魂消ますわい 』 きっと花の日当時の太陽の子(人間)はKeter級の化け物だったんだな -- 名無しさん (2017-03-12 00:02:10)
- ネタやギャグ要件かとおもったら、財団世界の割と根幹に係わってそうなオブジェクトとかどうなってんの… -- 名無しさん (2017-03-12 01:26:27)
- 初期の頃はこの記事翻訳終わってすぐに本家で消されてたな -- 名無しさん (2017-03-12 03:40:59)
- 妖精、ビックフット、河童...財団世界の人間の昨日はどっち向いてんの? -- 名無しさん (2017-03-12 08:39:56)
- 河童はむしろ蒙古によく見られる…スネイプ先生がルーピン先生のテスト採点にケチつけてたセリフだったか -- 名無しさん (2017-03-12 08:56:52)
- 何が面白いって、この河童自体はSCPじゃなくてただの被害者だということだな。スネイプファンの現実改変者が何かやったんかな? -- 名無しさん (2017-03-12 09:00:00)
- 元はモンゴルに住んでて「河童はモンゴルの生き物でしょう? ハリーポッターに書いてあるでしょ」って言ってる河童だった気がする -- 名無しさん (2017-03-12 15:02:21)
- 「むしろ蒙古に~」の部分はハリポタ3巻のレポートネタだな。スネイプが「吾輩なら3点もやらん」つってたやつ -- 名無しさん (2017-03-13 09:57:21)
- 一番↑なんかSCP世界地図で日本を見てみると日本の歴史的オブジェクトは大概この人作みたい。調べてないけど世界各国の歴史的なオブジェクトに強い人なんじゃないかな。001ロングの提言も同じ人 -- 名無しさん (2017-03-13 13:30:07)
- 唐突にテレポートさせられる現象形SCP しかしそれより発言内容のSCP-1000に関わる事態が気にかけられ、彼らの現象はあまり問題視されない哀れな河童であった -- 名無しさん (2017-03-16 08:44:13)
- 財団世界の沙悟浄は本当に河童だったりして。(もちろん現実世界で沙悟浄が河童なのは日本だけ、原典では沙悟浄は人間だったりイルカだったりワニだったりするし、川ではなく砂漠で出会う) -- 名無しさん (2017-03-17 00:57:00)
- ハリポタ3巻の発売日に始まった現象だそうだから、「ンボボボさん」みたいに、大勢の人間が同じ認識を持った結果、現実改変が起こったのかも。 -- 名無しさん (2017-03-31 13:47:25)
- それにしても、モンゴルは砂漠と草原しかないイメージなんだが、そんなところに飛ばされて大丈夫なんだろうか?(汗 -- 名無しさん (2017-03-31 17:57:05)
- ↑一応過去に『モンゴル海軍』が存在していたらしい(艦一隻、艀3、兵員7名)。湖で石油輸送をしてたらしいが、今は民営化されて観光客と物資を輸送してるらしい(Wikipediaより) -- 名無しさん (2017-05-24 21:00:50)
- もと生地じゃ、モンゴルから更に何者かに拉致られて行ってるみたいね河童たち -- 名無しさん (2018-01-09 21:56:48)
- 筑後川と言えば、シルクロードを渡ってきた「ペルシャ河童」と地元の河童が戦って、地元領主からの胡瓜の差し入れで逆転勝利したって民話のあるとこじゃなかったか? -- 名無しさん (2018-01-09 22:17:26)
- 猿と河童は仲が悪いとかいう話をみた事があるが… -- 名無しさん (2018-02-25 17:09:55)
- 佐賀方言…カッパランドサガ… -- 名無しさん (2018-11-22 18:23:44)
- MrWrongさんかなと思ったらMrWrongさんだった -- 名無しさん (2019-06-14 07:28:35)
- ちなみにスネイプの「河童はむしろ蒙古によく見られる」ってハリポタの世界観上でも間違いなんだよな -- 名無しさん (2021-01-24 01:43:12)
- ↑『幻の動物とその生息地』にははっきり日本と書いてある。そしてロンだかハーマイオニーだかが「スネイプ先生はこの本を読んでいないみたい」といった落書きをしていた。 -- 名無しさん (2021-05-06 21:34:12)
- ハリポタネタとSCP-1000匂わせが話の99%で河童たち自身は特に捻りも無い平凡な河童だから話題にもならないという哀れな河童たちであった。というか日本支部ならSCP-1000匂わせ以外が薄いとか言われてDV削除されてもおかしくないシンプルさだけど、英語圏では河童はマイナーでエキゾチックだから魅力的に映ったのかな -- 名無しさん (2023-04-17 23:32:36)
#comment
*2 天保7年(1836年)に昌平坂学問所の儒者古賀とう庵(こが・とうあん)がまとめた『水虎考略』のことを示しているのだろうか?
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