登録日:2014/05/11 Sun 23:35:45
更新日:2023/12/18 Mon 10:40:52NEW!
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―世界は、選択で創られ、選択で滅ぶかもしれない。―
その時、心をきめられるか。
『X-MEN:ファイナル ディシジョン』は2006年の米映画。
映画『X-MEN』シリーズの第3弾である。
原題は『X-MEN:THE LAST STAND』(最後の戦い)であり、三部作の完結編として製作された。
原作でも人気のエピソード『ダークフェニックス・サーガ』を基にしたストーリーであり、
ジーン・グレイを中心に話が展開する。
監督はブライアン・シンガーが『スーパーマン リターンズ』の製作に回ったため降板し、代打として『ラッシュアワー』シリーズのブレット・ラトナーが起用された。前2作以上にアクションが充実している代わりに、ミュータントと人間の共存というテーマ性は薄れてしまったが、総力戦によるバトルシーンを中心に構成した事で、テンポよく展開が進む盛りだくさんの内容となった。
一方で、監督交代によるシナリオや出演者の見直しに加え、本編時間が短めなのに話を色々と詰め込み過ぎた事、新キャラクターの大量追加に対しては否定的な意見が多い。キャラクター達の心理描写に関しても、ウルヴァリンとジーンの関係を中心に描く一方で、他のキャラクター達の内面的描写は少なくなった事で、それぞれの見せ場が非常にあっさりとした印象となってしまった。
他にも、一部のキャラクターのあまりにぞんざいな扱い(主にサイクロップス、ミスティーク、マグニートー関連)にファンからの不評が相次いだとか。
しかし、『フューチャー&パスト』や『デッドプール』が公開されるまでは、X-MENシリーズの中で最大のヒット作であったのも事実であり、
北米での興行収入も『デッドプール』に次ぐ記録を残している。
【物語】
自らを犠牲にし、ダムの水流に呑みこまれたジーン・グレイ。
その悲しみを礎に、X-MENは今日も活動を続けていた。
そんな中、ミュータントの息子を持つ大富豪・ワージントンがミュータント能力を無効化できる少年・リーチの能力を基にした
「ミュータント能力特効薬」”キュア”の開発を発表。
この劇的な発明にミュータントに対する差別が一向に収まらない世界は大きく揺れ動く。
この状況に、プロフェッサーXは憂いを示し、慎重に事を進めるべきと主張。
しかしマグニートーは違った。人間より優れたミュータントの力を消すなどありえない。
彼は大勢のミュータントを蜂起させ、キュアの破壊を目論む。
そして、因縁の地アルカリ湖で、死んだはずの彼女=ジーン・グレイが発見される。
だが、彼女は既に以前の彼女ではなかった。内なる強大な力を覚醒させ、凶悪な人格「フェニックス」を目覚めさせたのである…。
【登場人物】
≪X-MEN≫
演:パトリック・スチュアート
お馴染み車椅子の学園長にして、「最強のテレパス」能力者。
今回、ジーンが強大な力をスカウト時に持っていたことを見極め、それを抑える訓練をさせていたと判明。
その責任を果たすため、自ら彼女の生家で変わり果てた彼女と対峙するが…。
なお、序盤で「脳死患者にテレパスで自分の意識を移すことは倫理的に適っているのか」をテーマに講義を行っている。
演:ヒュー・ジャックマン
お馴染みみんな大好き狼爪男。「アダマンチウムの骨格とヒーリングファクター」も絶好調である。
今回は自身の生い立ちなどは話題に出ず、サイクロップスが戦力外になった後のX-MENのリーダーとして人望を集め、
狂言回しとしても戦闘でも大活躍。
愛していたジーンの復活と変わり果て破壊を繰り返す彼女に困惑し、最終的に悲しい「選択=ディシジョン」を下す。
演:ハル・ベリー
お馴染み白髪お姉さん。今回はショートカットになりやや活発な印象を受ける。
腑抜けになったリーダーの身を案じたり恋に悩むウルヴァリンに対し理解を示したりする。
「天候を操る」能力も今回はバリエーションが豊富になり、自身に風を纏わせて突撃する格闘戦も披露した。
演:ジェームズ・マーズデン
お馴染みグラサンリーダー。
最愛のジーンが死んで以来気力を失い、自堕落な日々を送りかつての自信に満ちた姿は見る影もなくなった。
悲しみのあまり彼女が死んだ湖で「破壊光線オプティックブラスト」を暴発させると、
なんと死んだはずのジーンが現れ感動に浸る。が、サングラスを外し最後の光線を放った後…。
脚本の被害者その1。
- ビースト/ハンク・マッコイ
演:ケルシー・グラマー
かつてX-MENに所属していた政府直属のミュータント研究者。
キュア開発の一報を聞き、その研究に携わることになるがその影響力を案じてX-MENに帰還。
案の定それを巡った戦争が勃発し、戦場に復帰することに。
青い獣のような外見で、「驚異的な怪力と天才的な頭脳」を能力に持ち、眼鏡も常備する知性派。
- ローグ/マリー・ダンキャント
演:アンナ・パキン
X-MENの一員になれたがあまり戦闘では役に立てず落ち込み、また自身の「生命力を吸収する」能力を相変わらず疎んでいた。
だがキュア開発の一報を聞き、自身の厭な能力=「病気」が治るという希望を抱く。
また恋人のアイスマンが触れられない事から自分から離れキティと親しくなるのに不安を抱いたことも手伝って、
彼の制止を振り切りキュアによる治療を決断。学園から去っていく。
演:ショーン・アシュモア
今回からはローグと共に戦闘に参加。
彼女と触れあえなくても想いは通じていたが、後輩のキティにも親しくなっていった色男。
そのせいで彼女との関係に溝が出来ることになってしまう。
「冷気を発生させる」能力により戦闘では支援として大活躍。袂を分かった親友・パイロと直接対決することになる。
- コロッサス/ピーター・ラスプーチン
演:ダニエル・クドモア
前回にも登場した筋肉質の好青年。
「皮膚を硬化させる」能力を持つ。
ウルヴァリンと共に切り込み役を担当した。
- シャドウキャット/キティ・プライド
演:エレン・ペイジ
前2作でも登場したが今回はかなり幼い印象を持つ新メンバー。
引っ込み思案で大人しい性格。
しかし、若い後輩ながらも強い相手に立ち向かえるだけの勇気を持ち、周囲の先輩からも応援されている。
能力は「障害物をすり抜ける」ことで、終盤の作戦で重要な役割を果たした。
- エンジェル/ウォーレン・ワージントン三世
演:ベン・フォスター
大富豪ワージントン家の御曹司で、小さい頃能力を発現させた。
「背中に白い翼を生やし、空を飛ぶ」能力を持ち、幼い頃は自身がミュータントである事を嫌悪しており、それを案じた父によって開発されたキュアの被験者第一号となるはずだった。
しかし、成長と同時に自身の能力を個性と認めるようになったのか、キュアを投与される直前に父に反発して逃げ出し、X-MENに転がり込む。
≪ブラザーフッド≫
演:イアン・マッケラン
お馴染み磁界王。
ミュータントへの選民意識を露にし打倒キュアを宣言、人間に反抗意識を持つミュータントをまとめ上げ一斉蜂起を宣言しカリスマ性を見せつける。
また内なる人格を覚醒させたジーンにも目星をつけ、彼女を戦力に加え一大勢力を作り上げ、全面戦争を引き起こす。
しかし、彼女の能力により、ある人物が消滅する瞬間を目の当たりにした時は、一瞬だが思わず動揺を見せていた。
「磁力を操る」能力も最後とばかりに大活躍し、ゴールデンゲートブリッジを大移動させるという名シーンを作り上げた。
が、終盤であまりにあっけない幕切れとなる。しかし、エンディングでは…
脚本の犠牲者その2。
演:ファムケ・ヤンセン
前作で死んだと思われたが自身をサイコキネシスの膜で包み、ずっと湖の底で眠っていた。
そして、本来の彼女の能力が規格外の「念動力(テレキネシス)」の持ち主であり、
ずっと真の力を封印させられていたと判明。
だが仮死状態からの復活によって解放させられ、第二の人格「フェニックス」となり、今までと打って変わって
無感情に殺戮と暴走を繰り返していく。
自我も感情も殆ど無いに等しいが、ジーンの意識も僅かに残っており、フェニックスを止めるために一刻も早く自身を殺してほしいと願っていた。
最終的には戦いに乱入してきたアメリカ軍の攻撃が刺激となったのか、周囲の全てを消滅させる程の暴走状態となってしまう。
- ミスティーク/レイヴン・ダークホルム
演:レベッカ・ローミン
お馴染み青い全裸お姉さん。
冒頭から警察に捕まるという大ポカを犯してしまい、得意の「変身」で警察官を煽りながらも逆襲の機会をうかがっていた。
そしてマグニートーの救出により戦線復帰と思いきや、あまりにあっけなく物語からフェードアウトしてしまうことに。
その扱いの悪さに全ミスティークファンが泣いたとか。脚本の被害者その3。
- パイロ/ジョン・アラーダイス
演:アーロン・スタンフォード
今やマグニートーの配下で好き放題やっている火炎小僧。
攻撃性も増しすっかりチンピラである。
「炎を操る」能力でアイスマンと対決する。
- ジャガーノート/ケイン・マルコ
演:ヴィニー・ジョーンズ
ミスティークと共に護送されていたミュータント囚人。
「巨大かつ鋼鉄の肉体」を持ちあらゆる障害を吹き飛ばす。
…だがどうしようもなく馬鹿。おかげでキティにも偶然だが出し抜かれた。
- マルチプルマン/ジェイミー・マドロックス
演:エリック・デイン
同じく護送されていた囚人。
「無限に分身を作り出す」能力の持ち主。でもただの囮役。
- カリスト
演:ダニア・ラミレス
地下で勢力を広げていた反人類ミュータント集団のリーダー格の女性。
マグニートーの計画に賛同し同士を集める。
「超高速移動」能力を持ち、ストームと激しい格闘戦を繰り広げた。
- アークライト
演:オマイラ
カリストの仲間の一人。「衝撃波を発生させる」能力を持つ。
- キッド・オメガ
演:ケン・レオン
カリストの仲間の一人。「体中から針を生やす」能力を持つ。
- サイロック
演:メイ・メランコン
カリストの仲間の一人。「姿を消す」能力を持つ。
アメコミ原作のハイレグニンジャとは赤の他人。
≪その他の人物≫
- ウォーレン・ワージントン二世
演:マイケル・マーフィー
エンジェルの父親。ミュータント能力を発現させた息子の将来を案じ、巨額を投じて特効薬「キュア」を開発するが、
息子や反人類ミュータントには疎まれる結果となる。
- リーチ/ジミー
演:キャメロン・キュアロン
「近くにいるミュータントの能力を無効化する」能力を持った少年。
彼の遺伝子を基にキュアが発明された。
現在は研究のためアルカトラスの研究所に隔離されている。
- モイラ・マクタガート
プロフェッサーの講義で登場した女医。
プロフェッサーとは旧知の仲。
- スタン・リー
…また出てるよ!
≪余談≫
- 前述の通り、前2作で監督を務めたブライアン・シンガーは『スーパーマン・リターンズ』の監督に着任することになり、本作を途中で降板するのだが、サイクロップス役のジェームズ・マーズデンも同作への出演が決まった為、スケジュールの関係で本作の出番を大幅にカットされた。
- 当初は人気キャラのエマ・フロスト役としてシガニー・ウィーバーも出演する予定だったが脚本変更により出番がなくなった。
- X-MENシリーズは三部作を以って完結予定だったが、その後もウルヴァリン主役のスピンオフや、若き日のプロフェッサーXやマグニートーを主人公とした新3部作が製作されている。また、本作のその後を描いた作品として。『ウルヴァリン:SAMURAI』や『フューチャー&パスト』が制作された。なお、当初はギャラの関係もあって続編は作られない予定だった。
追記・修正よろしくお願いします。
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- ジョンの主要なシーン:1.死亡したチャールズを侮辱しエリックを激昂させる。2.能力に苦しむローグを蔑みボビーを怒らせる(フラグを自ら立てる)。3.ボビーとの一騎討ち、相性的に有利な炎で罵りながら押すも……スクールで学ぶべきだったな!! -- 名無しさん (2014-05-12 00:01:40)
- ミスティークがキュアで人間になってしまうシーンはある意味で良かった。ファースト・ジェネレーション時代のコンプレックスが今頃になって克服してしまったのが何とも皮肉だが -- 名無しさん (2014-05-12 00:25:51)
- フェニックスの念力で人間が葉らっぱのように体がバラバラにされるシーンが印象的 -- 名無しさん (2014-05-12 07:14:07)
- ↑フェニックスを止められるのは「ジーン」を愛したローガンだけだったな -- 名無しさん (2014-05-12 14:35:35)
- シリーズで初めて見たのがこれだったから、ものすごい早さで死んでいく重要っぽい人達に驚いた。ラストでも無差別に分解されていくし、破壊されながらも進んでいくローガンのシーンは忘れられないな。 -- 名無しさん (2014-05-12 23:10:33)
- 映画は正直三部作とも失敗と思ってる。 -- 名無しさん (2014-05-13 02:50:47)
- こいつのせいで、フューチャーのあと、アポカリプス編が作られるのに、サイクは二度と出られないんだろうな -- 名無しさん (2014-05-13 09:17:34)
- パラレルかクローンでいいよ(適当) -- 名無しさん (2014-05-13 10:56:20)
- 直情的ながらも強い意思でメンバーを引っ張るローガンと、プロフェッサーの後継者として学園を守ることを誓ったストーム………スコットォは犠牲になったのだ -- 名無しさん (2014-05-26 10:13:58)
- ↑4 思ってくれても 世に伝えてくれなくていいよ -- 名無しさん (2014-05-27 01:18:14)
- コロッサスすげぇ良い奴で好感持てるよな -- 名無しさん (2014-06-13 18:30:35)
- 新三部作の中で一番好きなんだけど、今となってはあの戦いに意味はあったのかという・・・ -- 名無しさん (2016-08-23 04:10:09)
- ↑旧三部作だった -- 名無しさん (2016-08-23 04:10:26)
- いつの間にか死んでたサイクロップス -- 名無しさん (2022-06-08 12:51:52)
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