バカマツタケ

ページ名:バカマツタケ

登録日:2011/06/11(土) 22:34:03
更新日:2023/08/08 Tue 17:02:00NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



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……へ?バカ?マツタケ?

ち、ちょっと待て!それってもしかするともしかしなくてももしかして、あたしの事言ってるのか!?

ったく…褒めるかけなすかどっちかにしろよ!!




バカマツタケ(馬鹿松茸)は日本に棲息する、ハラタケ目キシメジ科のキノコの一種である。




「赤っ…!?違う!赤くなんかなってないぞ!これは、あの、えーと…あれだ、トマト病だ!!」



外見上はマツタケにそっくり。
違いと言えば、マツタケよりやや小さく、赤みを帯びているという事くらいである。



しかし名前はバカマツタケ。


これのように、外見等が似ていたりする生物に「ダマシ」だの「ニセ」だの「モドキ」だのという和名が付けられる事は割と多い。
実際、マツタケにも「マツタケモドキ」だの「ニセマツタケ」だのが存在する。


が、このキノコに至ってはまさかのバカ呼ばわりである。



名前の由来は当然バカな松茸に外ならない。ではこのキノコの一体何がバカなのか。
実は、似ているという事以外にも一応理由はあるのである。




「あれ?確か今日って…うっそ、あたし集合場所間違えた!?あちゃー…こりゃマツタケの名折れですな」



知っての通り、マツタケはアカマツ等の松林に生える事が多い。
だがこのキノコは、ミズナラ・コナラの茂る雑木林に生えるのだ。



間違いなくバカである。




「しかも集合時間も違うって!?いやいや大丈夫、ほら¨早起きはサンコンお得¨って言うじゃん?
…え、何?それも間違ってる!?し、知るか!諺なんか知らなくたって生きてけらぁ!」



また、生える時期がマツタケより二ヶ月ほど早いらしい。



まごうことなくバカである。


このキノコが「バカ」と呼ばれるのは、実は単に「マツタケのくせに、生える場所も時期も間違えるバカだから」という理由からなのだ。
なんというか…和名ってそんなものなのである。




が。





「世界的なバカっていう事は…にゃははは、そうか!やっぱりあたしは、世界に羽ばたく逸材って事ですな!?」



バカマツタケの学名は
Tricholoma bakamatsutake。




Tricholoma bakamatsutake





bakamatsutake

バカマツタケ




国内だけでなく、全世界用の正式な名前である学名でもバカ呼ばわりされている。
つまり公式認定。世界に轟くバカマツタケ。ワールドワイドバカ。バカオブバカズ。




「くそぉ…バカって言う方がバカなんだぞ、このバカ!バカ!バカバカバカ!今に見返してやるからな!バカバカバカっ!」



因みに食用*1


そのうえ、マツタケと大差ない味をしているばかりか香りに関してはマツタケ以上だという。
香まつたけ味しめじ。


ちょっと待て、香りがウリの松茸と味が同じで、且つ松茸以上の香りとなるとマツタケ<バカマツタケとならないか?
バカにできないキノコである。


しかし、手放しに喜んでもいられないという声も一部にはあるようで、マツタケの香りと言えば西洋では「軍人の靴下の臭い」と揶揄されるシロモノでもあり
それが強まると言うことは、より明確に好き嫌いが別れることにもつながり、過ぎたるは猶及ばざるが如し理論で無視できない欠点にもなりうる。
特に「和食は引き算」と言われ、マツタケも和食がメインになるわけで、悪く言えば上品さ繊細さ欠けるとも言えるこれを大いにマイナス査定とする人も少なくはないようで
山溪カラー名鑑など一部のキノコ図鑑では本家マツタケより格下とみなす書籍も存在する。




2018年2月には奈良県の奈良県森林技術センターで2017年に人工栽培に成功したことが発表。

さらに2018年10月には、肥料メーカーの多木化学が完全人工栽培に成功したと発表した。


両者の違いとしては前者が「人工的に菌の培養および自社林内で人工的な子実体発生に成功」(育てたのはあくまでもブナ林)に対して、
後者は「従来の菌床栽培」であること。


少し脱線するが、本家のマツタケの人工栽培を困難にした要因として菌根菌であることがあげられている。
シイタケなどの人工栽培容易なキノコは腐朽菌の一種であり、腐った樹木などを土台として成長できるのに対して、
菌根菌は樹木の根に共生(半ば寄生なのもあるが)して木から栄養をもらって成長していくため、
野生種がどのような条件でどうやって共生しているのか、その仕組みを解き明かさないと人工栽培は不可能なのである。
一応、菌根菌であるホンシメジの人工栽培には成功しているが、あちらは腐朽菌としての性質もあるため可能だったのだ。


奈良県森林技術センターの場合は、整備された林内に人工的に培養した菌を植え付けることでの栽培が可能となり、
多木化学の場合はキノコ栽培においてメリットが多い「菌床栽培」が可能となったのである(生育条件は現状企業秘密らしい)。
菌根菌自体人工栽培が難しいため前者でも十分凄いのだが*2、後者は学術的にも非常に価値が高い研究結果となる*3


完全人工栽培に成功した多木化学は今後、自社生産に向けて準備を進め令和4年度内の事業化を目指す方針とのこと。


今後は商品化されて食卓に上るかもしれない。




なに?あたしの項目を追記修正したいって?



そーかそーか、ようやくあたしの偉大さがわかったか!ふははは!崇めろ!讃えろ!天才秀才バカマツタケ様と呼べ!あっはははは!



…ってやめろ!何してんだ!バカって書くな!匂い嗅ぐなぁ!




…ったく…お前の方がバカだろ、このバカ!バカバカバカ!バーカ!もう知るかっ!




…………バカ……

ちゃんと、最後まで責任とってくれよ。あたしって本当にバカだからさ、自分じゃ追記修正できないんだよ…
これじゃどっちがバカかわからないじゃないか…




―BAKA★END―




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出演:バカマツタケさん
追記修正:アナタ


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  • 実際香りも味も松茸より上という -- 名無しさん (2013-11-28 23:04:05)
  • 台詞部分がカッターで脳内再生されるんだ -- 名無し (2014-05-07 00:56:43)
  • そして伝説へ… -- 名無しさん (2014-08-20 16:18:05)
  • 食ったらバカになるってことはないよねwwwwww? -- 名無しさん (2014-08-20 16:51:16)
  • 食用としてはバカではなく優秀だそうです。 -- 名無しさん (2014-08-20 17:17:48)
  • でもお高いんでしょう? -- 名無しさん (2014-08-20 17:19:26)
  • ちょうどイマゴロ採れる感じか?是非食べてみたい -- 名無しさん (2014-08-20 18:01:32)
  • ニタリという名でもある意味は「似たり」マツタケに似ているから。 -- 名無しさん (2014-08-20 19:22:47)
  • 中の人の声が松井さんに脳内変換された・・・・。 -- 名無しさん (2014-09-24 19:04:47)
  • 松茸が3の倍数で…。 -- 名無しさん (2014-09-26 01:25:44)
  • 母「こんなにおいしいのにバカ扱いなんて酷いわね」よかったね、味方がいたよ(でも本当に美味い) -- 名無しさん (2014-10-05 22:40:42)
  • ナイトスクープで見たわw -- 名無しさん (2014-12-16 06:02:05)
  • かわいいやつめ -- 名無しさん (2014-12-16 08:58:22)
  • でも本当に美味いし・・・馬鹿には出来ないよね。(萌え) -- 名無しさん (2015-01-05 09:33:08)
  • …あれ?俺は何の記事を読んでたんだっけ(混乱 -- 名無しさん (2015-01-15 23:30:57)
  • 触感、が若干本家のほうがシャキシャキしてて香は上品って感じで、バカマツタケは力強い香りと柔らかな触感がおいしいキノコ。……もう一度食べ比べやってみたいなぁ -- 名無しさん (2015-07-03 06:18:36)
  • バカばーっか… -- 名無しさん (2015-08-29 19:47:05)
  • 栽培はやってないのかな…… -- 名無しさん (2015-08-29 20:10:08)
  • バカマツタケちゃんをクンカクンカしたい -- 名無しさん (2015-09-15 18:30:50)
  • バカマツタケ食ってみたいなぁ…ってここに書き込むと通報されちまいそうだwww -- 名無しさん (2015-11-27 15:05:10)
  • マツタケさんのほうが有名だからってひどい -- 名無しさん (2016-09-27 11:19:48)
  • 名前だけ聞くとワライタケみたいな物かと勘違いする -- 名無しさん (2017-09-23 01:19:06)
  • もしこっちの方が発見が早ければあっちがバカマツタケ(由来的にバカコナラタケになるのか?)呼ばわりされていただろうに… -- 名無しさん (2018-02-28 11:16:00)
  • (Wikipediaを見た)「さまつ」とも言うのか。さ(早)まつ(松)=早い松茸という意味かな。 -- 名無しさん (2018-02-28 12:31:49)
  • 松茸より美味しいのに量産可能ってすげーな -- 名無しさん (2018-04-02 21:35:08)
  • 主人公の出番を奪ってしまうアホキャラポジションだな -- 名無しさん (2018-05-10 20:03:16)
  • 「マツタケのくせに、生える場所も時期も間違えるバカだから」というのが理由と考えると、こっちの方が後に発見とかされたって事でいいんだよね。となるとこっちが先だったら、みんなの知ってるマツタケがバカ扱いされていたのだろうか -- 名無しさん (2018-05-10 20:37:49)
  • ↑一般に広まったのが、確か戦後だったかな? 今手元にキノコ図鑑がない…… -- 名無しさん (2018-05-10 20:42:40)
  • マツタケ→人工栽培できない、値段ばかり高くて味も香りもバカマツタケ未満!みんな、あたsバカマツタケをもっと応援してね! -- 名無しさん (2018-09-24 17:42:56)
  • ↑バカマツタケはそんな事言わない! -- 名無しさん (2018-09-24 19:39:28)
  • そして完全人工栽培 -- 名無しさん (2018-10-05 16:47:56)
  • ヒラタケがシメジの名前で流通してるみたいに、そのうちバカマツタケがマツタケの名前でスーパーに並ぶのかもな。 -- 名無しさん (2018-10-05 17:03:23)
  • ↑ライターさんも言ってたけど、どうせなら「バカマツタケ」って商品名で売り出してほしいなw -- 名無しさん (2018-10-05 17:28:24)
  • 「新松茸」みたいな名前で売り出されるんじゃないだろうか。 -- 名無しさん (2018-10-06 23:51:39)
  • マツタケよりやや小さいからヒメマツタケくらいの名前で流通するのが一番理想かな?…と思って調べたらヒメマツタケはアガリクスの別名でしたとさ -- 名無しさん (2018-10-08 10:17:17)
  • 売り出す時は普通にバカマツタケという名前で良いんじゃないか。インパクト抜群だから -- 名無しさん (2018-10-08 16:02:14)
  • 遂に人工栽培に成功か、もうバカとは言わせない -- 名無しさん (2018-10-08 16:27:48)
  • 光り輝かんばかりのバカですねぇ。 -- 名無しさん (2018-10-08 17:08:32)
  • 多分擬人化したらマツタケ(美少女お嬢様)と顔がソックリでこっちの方が巨乳 -- 名無しさん (2018-11-26 07:57:49)
  • 特許申請も2件したらしいし、令和3年での事業化を目標に準備を進めてるらしいね多木化学さん。 -- 名無しさん (2020-05-04 11:20:28)
  • 新型コロナが大変そうだが、事業報告があるだけうれしいところ -- 名無しさん (2022-01-01 13:41:24)
  • ↑>食べ比べのくだり 裏を返せば力強い香りは、悪く言うとマツタケとしての魅力たる上品さとは程遠く下品に思えると言える、ってことでうちにあるキノコ図鑑だと -- 名無しさん (2022-01-26 00:41:12)
  • ミス、うちにあるキノコ図鑑だと、本家マツタケが三ツ星なのに、バカマツタケは二つ星(二つ星でもおいしいと認められてるレベル)と、各下扱い。たぶん本家マツタケに比べて濃厚なのがあだとなり「和食は引き算」という概念に反するとみなされマイナス査定されたのかも -- 名無しさん (2022-01-26 00:44:01)
  • 商品化されたら商品名はもっとイメージのいいのがつけられるだろうな。 -- 名無しさん (2023-04-29 00:17:09)
  • 「中期経営計画2023」基本方針と基本戦略でも真っ先に言及があって嬉しいな -- 名無しさん (2023-04-30 06:24:33)

#comment

*1 ちなみにマツタケの偽物と言うマツタケモドキやニセマツタケは香りもなくて味は劣れど、食べられないことはない存在で、マツに生えている限りマツタケに類似したキノコに有毒種は存在しないとされているので、その点は安心。強いて言えば状況によっては似た形になると言われているカキシメジに注意。よく鼻を利かせよう。
*2 少なくとも本家マツタケは里山再生事業ともリンクするため、こちらの方面での人工栽培が非常に期待されていた。
*3 以前もマツタケ菌糸の培養に成功した例自体はあったのだが、子実体=所謂キノコの状態にまで出来た例がなかったため。菌糸から子実体にするシグナル自体は種によって異なるが、シグナル調整による子実体の形成が不可能ではないと判明したことは学術的にも重要なのである。また菌根菌類の食用キノコは高級品や味の評価も高い種が多いため、そちらの方面でも期待がなされている。

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