ハイドロゾアロード(超越生命体)

登録日：2011/07/30 Sat 15:35:59
更新日：2023/10/26 Thu 11:24:21
所要時間：約 6 分で読めます

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怪人 アンノウン 仮面ライダー 平成ライダー 仮面ライダーアギト 海月 クラゲ 超問題作 超越生命体 ライダー怪人 ※日曜朝8時です。 出渕裕 無能だらけの警察 人間が怪人に罪を着せる話 人が人を殺してはならない 人間に化ける狐ではない 北條活躍編 ハイドロゾアロード

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◆ハイドロゾアロード(Hidrozoa Lord)

ハイドロゾアロードは『仮面ライダーアギト』の登場怪人の一体。
劇中でも特に問題発言、問題描写の登場した、いわば超問題作とも呼ぶべきエピソードに登場した敵役兼被害者である。

G3ユニットに解散危機が持ち上がるVol.18～19に1種1体が登場した。

【各個体の解説】

◆ヒドロゾア・イグニオHydrozoa Ignio(炎の海月*1)

種族：超越生命体(使徒)
通称：ハイドロゾアロード
身長：202cm
体重：143kg
特色 / 力：落雷による自然発火能力
※気配が読み難く、ふらふらと神出鬼没の動きを見せる。

クラゲに似た超越生命体。
頭部の上半分を覆う半透明の傘とその下に透けた不気味な顔、傘から伸びた髪の毛のような無数の触手が特徴。
首から下には金属製の首巻きや肩当てのような衣服を着ているが、よくよく見ると右半身は継ぎ接ぎだらけの革の寄せ集め、左半身は人体模型のような剥き出しの筋繊維でそれぞれ構成された極めておぞましい肉体を有する。
ふらふらと掴みどころのない、まるで幽霊のような動きをしており、任意の場所に稲妻を喚んで標的を撃ち、対象を焼き尽くす「不可能殺人」を行った。
劇中で「人体自然発火現象」との台詞が登場し、『仮面ライダー図鑑』でも上記のように記載されているが、あくまでも外部からの物理作用による作用なのでこの表現は誤りである。
……しかし、稲妻を喚ぶという現象はもちろん、稲妻による火傷はともかく、炎が発生する事や、それが人体を焼き尽くす可能性は「有り得ない」為、それら全ての要素がイグニオ(炎)の由来たる超能力の可能性はある。

機械制御されたパワードスーツである仮面ライダーG3にとっては天敵とも呼ぶべき存在であり、不気味な動きで翻弄した末に稲妻による一撃で戦闘不能に追い込んでいる。
特殊能力や予測不能の動きは脅威だが反面防御力は低く、G3の攻撃に大ダメージを受けており、更に仮面ライダーアギトが加勢に来た事で逃走……。

なお、この戦いの際に主である「謎の青年(闇の力)」の言葉に併せて喋る演出があり、人間の言葉を初めてアンノウンが喋った、としてドラマの演出上はもちろん、ファンの間でも話題になった。

……最終的にはストームフォーム形態のアギトとの砂浜での一騎打ちに敗れて倒された(稲妻に耐えたアギトのハルバートスピンによる斬撃)。

ハイパーバトルビデオにて再登場し、瞬間移動を駆使して仮面ライダーギルスを苦戦させたが、最期はギルスヘルスタッブで腹をぶち抜かれ爆死した。

他、本編との直接の関係は無いが、「やはり『アギト』は『仮面ライダークウガ』と同一の世界観なのではないか？」との視点で描かれた『HERO SAGA』の一編『PROJECT G1』では、
「雷」繋がりからの着想か「第4号」に極めて酷似し、なおかつ「雷」による自己進化能力をも備えた「G1システム」を同系種のヒドロゾア・テグラHydrozoa Tegula(覆う海月)が奪い、大暴れするエピソードが描かれており、最終的にはG-4X(！)、G-3マイルドと協力したアギトに撃破されている。
詳しくはGENERATION1にて。

【事件の経緯】

Vol.18～19

小沢澄子らG3ユニットに寝耳に水の事態が起こった……。
アンノウン関連事件の多発と、それに対するより効果的なG3ユニットの運用を目指し監視役を派遣……組織体制の見直しを図ると云う命令が下ったのだ。
しかも、警察庁からお目付役として派遣されて来たのは自身の名誉の為に事あるごとにG3ユニットを利用、あるいは敵対してきた北條透の尊敬する司龍二であり「アギト捕獲作戦」の失敗があるにも関わらず、件の北條透までもが再びG3ユニットに編入されると云うのだ。
嫌悪感を示す小沢を尻目に、司はG3ユニットの功績を認め、激励の言葉を氷川誠らメンバーにかけるのだが……。

一方、新たなるアンノウン(ヒドロゾア・イグニオ)が出現。
再び血縁者が狙われる可能性に注目した氷川は被害者の所持していた紙袋から「花村ベーカリー」に聞き込みに向かうが、偶然にもそこは美杉家を出た津上翔一のバイト先であった。
そして、司の顔を見て何故か表情を曇らせる店長の花村……。
何を思ったのか花村は翔一に自らのレシピを託し、「ピクルスサンドだけは作り続けて欲しい」と語るのだった。

その様子を見て訝しむ翔一だが、次の日の朝、花村は焼死体で発見されるのだった。
もし「アンノウン」による犯罪ならば、何故血縁関係の無い花村を狙ったのか……と疑念を抱く氷川らを司は打って変わった態度で責め立てるのだった。

「人が人を殺してはならない」……。

突如アンノウンが言葉を発した事実に驚く氷川らを尻目に司はG3ユニットを解散。自分と北條が後を引き継ぐ計画を上層部に進言する。

果たして、絶対の窮地に陥った小沢らG3ユニットの運命は……。

※以下、ネタバレ

全ては司龍二の狂言であった。
妹を殺したと思われる花村をアンノウンの仕業に見せかけて殺害。
罪から逃れる為にG3ユニットの活動が間違っていたとでっち上げる事で、全てを隠蔽しようとしたのである。

【関連人物】

• 北條透

今回の主役。
司の信念をドヤ顔で語る場面での「あらゆる偏見を排除し事実を事実としてのみ認める……」の場面には「お前が言うな」の声多数。
でも、今回はマジで漢。

• 司龍二

警察庁から派遣されて来たエリート刑事で、数年前に最愛の妹・さおりを失っており、その犯人として婚約を解消された相手である花村の行方を探していた。
そして遂に……。
なお、北條にも見られた自分の非を他人に転嫁し責任から逃れようとする行動は、司譲りだったらしい。

• 津上翔一

……今回はおとぼけ担当。

• 花村久志

翔一の働く「花村ベーカリー」の店長。
かつての婚約者であるさおりに振られた後に殺害したとの疑惑を持たれていた。
実は劇中では真実が明かされていない為に未だに謎のまま。
が、『超全集』上巻でがっつり「犯人」と表記された

• 葦原涼

物語の都合で本筋から外された為か、延々と弱った状態で彷徨い歩かされる事に。

• 氷川誠

人が良すぎる為に計略に見事に嵌められる事に。
北條さんに感謝。

• 謎の青年

「人が人を殺してはならない」……の台詞は印象的だが、こちらに関しても「お前が言うな」との声があった。

• 警視庁幹部

G3ユニットの功績や仕事内容の検証もせず、司の口車に乗せられるままにG3ユニットを解散しかけた。
アンノウン事件への対策を口にしながら、唯一自分達の戦力として頼れるG3ユニットを何だと思っていたのだろうか。

【余談】

ラストで北條が司の罪を看破するシーンは全編通じての北條の見せ場。しかし、 事実上『アギト』の警察組織が検死を行っていない事になってしまうのだが。

【今回の教訓】

“怪人に罪を着せてはいけない……(闇の力からのお願い)”

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▷ コメント欄

• こいつ、怖かったな～。動きがもう幽霊みたいで。司さん、まさか人間を作った存在に『殺してはいけない』と言われるとはね・・・・・ -- 名無し (2013-07-19 13:49:08)
• リアタイで見てた頃は、けっこう北條のことが嫌いだったがこの回ばかりはかっこよかった。 -- 名無しさん (2013-10-28 22:17:03)
• プレステのゲームでは、こいつ唯一勝ち台詞を喋るキャラなのよ。セリフはもちろん… -- 名無しさん (2013-10-28 22:21:25)
• 果たしてパン屋は殺人犯だったのだろうか?劇中ではぼかされている…と思ったら超全集上巻で思いっきり「犯人だ」って書かれてやんの。因みにピクルスサンドのレシピも載ってるのよ。 -- 名無しさん (2013-12-01 20:34:04)
• ピクルスサンドは、撮影のために実際作られたメニューの中でダントツ不味かったらしい(賀集氏談 -- 名無しさん (2013-12-01 21:15:08)
• 司が死体を焼くのに使った揮発性油を、調べれば検出できると北條は言ったが、揮発性だったら検出できないだろうに。また腕時計を別の腕に付けていたが、あれにしても左腕に時計付けてる左利きの人なんて珍しくないしなあ。当時から散々突っ込まれたよ、雑すぎるサスペンスって。 -- 名無しさん (2013-12-01 21:22:35)
• ↑油のほうはともかく、腕時計はあくまで「司に疑いを持ったきっかけ」程度の要素だからそこまで深く突っ込むところでもないんだけどね。 -- 名無しさん (2014-02-08 22:51:33)
• てれびくんのビデオにも出ていたが、こっちではテレポートっぽい技を見せていた。 -- 名無しさん (2014-07-06 17:23:55)
• ちなみに司さんは後に関西弁を話す金色のイマジンとなった…らしい。 -- 名無しさん (2014-12-16 12:34:02)
• 氷川は「複数のアンノウンが同時に活動している可能性があります」と主張したのに、司が「裏付けはあるのか?」と言ったら黙ってしまった。アンノウンって基本複数セットなんだから、前例があるって主張すりゃ良かったのに。 -- 名無しさん (2014-12-16 16:11:52)
• クウガから続けて見ると、パラレルとは言えホントに世界観繋がってんのか、ってくらい警察、特に上層部が無能 -- 名無しさん (2016-01-16 13:00:53)
• ヒドロゾアとは「ヒドロ虫（カツオノエボシなど）」の事であって、いわゆるクラゲ（ジェリーフィッシュ）とは別物、というのは秘密 -- 名無しさん (2016-01-16 13:18:57)
• 旧アニヲタ時代のアンノウン項目の内容の傾向が大きく変わった契機だったりする子。 -- 名無しさん (2016-02-15 06:42:28)
• ちょうどこの回がYoutubeで配信されてて思ったけど、多分司さんは検死結果が出るよりも早くG3ユニットを解体するつもりだったんだろうなあ。アリバイ工作もしてるから、遅かれ早かれ人間の犯行だってバレるとわかってたんだろう。 -- 名無しさん (2016-03-19 01:28:03)
• ハイドロゾアロードはよく見ると左半身部分が筋肉剥き出しの人体模型になっているなど神聖さよりも不気味重視のアンノウン -- 名無しさん (2016-03-21 17:35:25)
• 司さん、北条とグルになってＧ3ユニットを解体しようとしてる程度だと思ったら……しかし結局この人の偏見（？）が真実だったというのは何の皮肉なのか -- 名無しさん (2021-05-20 20:19:54)
• 全アンノウン中、不可能犯罪による殺人が人間に模倣できなくもない能力を持つアンノウン。デザイン画では両手の指にも触手があり、名前もジェリーフィッシュなど3年後のクラゲアンデッドと似てたりする。 -- 名無しさん (2022-01-28 17:32:22)

#comment

*1 「Hydrozoa」は普通のクラゲのことではなく、クラゲに近縁な「ヒドロ虫ちゅう」を指す。「電気クラゲ」として有名なカツオノエボシもヒドロ虫の仲間。