登録日:2011/01/22(土) 23:19:42
更新日:2023/10/16 Mon 13:28:14NEW!
所要時間:約 7 分で読めます
Tarteのゲーム、カタハネの「クロハネ」編に登場するキャラクター。
過去存在した白の国、その摂政であり、現代編であるシロハネにおいては既に彼の物語は終わっている。
忠臣を装いつつも自国を挟む赤・青に戦争を起こさせようと画策、それを阻害する青の大使を殺害。
さらには後見人として仕えていた姫を殺したとして、史劇「天使の導き」では史上最悪の逆賊として描かれる。
最期は、姫が生前教育した人形によって導かれた、赤・青の両軍に討たれたとされる。
死後はそのまま白の都郊外の街道上に葬られた。
墓石も道に埋め込まれる形になっている。いつまでも彼の悪行を忘れないよう、また道行く人が踏みつけていけるように。
以下、クロハネ編ネタバレ
【人物】
いまだ若く国政の知識・経験の不足しているクリスティナ姫を案じて、先王が崩御する前に後見人に任じられた人物。
白の国の、自身も若輩といえる立場ではあるが、摂政として実質的に国を動かしてきた。
既に故人である優秀な父がいたため、アインを嫌うユッシは彼と父親を引き合いに出すべく彼を姓で呼ぶ。
ユッシ以外にも多くの政敵を抱えていた描写があるが、それらを今まで全て乗り越える、政策・政略の実力を備えている。
ただし、財政が圧迫していたにせよ、有事に軍備の不足を悔いるなど、万事有能というわけでもないようだ。
実用的なものを好む。執務室から華美な装飾はほぼ取り払っており、他国の使節には驚かれた。
執務室にたまにやってくるココのために机にはお菓子を常備。
エファに対しては他国の者への警戒をなかなか解けないが、ココには「神に愛されているよう」だと、疑念を抱く気にすらならない。
姫の護衛隊長であるデュアには、女性的な振る舞いが苦手な彼女をエスコートしてからかう態度を見せることも。
彼女の生真面目さには辟易しつつも、クリスティナへの忠誠を誰よりも理解してしており、また誰よりも信頼している。
アインもデュア同様に国を愛し、己の主を内心誇りに思っている。
剣の腕は「中の中」と普通。
デュアの強さを誉めたところなぜか怒られ、デュアの構えたサーベルの半分程度しかないリーチの木の棒で、理不尽と思わせる訓練を受けさせられたことがあった。
が、このときの教えが後で…。
さらにネタバレ
記念式典が近づいた頃、青の国の大使ヴァレリーが来訪。
彼とユッシ、ハンスの密談をデュアが目撃したときから3人を警戒。特にヴァレリーを直感で「危険」と判断。
ユッシの事故死にまつわる探りあいなどを挟みながらも、クリスティナ・エファ・ココの参加する劇のリハーサルの日に。
劇終盤、クリスティナが襲われ、エファが片羽根を失う惨事となる。犯人は正体を知る前に変死し、赤・青との3国は緊張関係に。
赤以上に青、ヴァレリーを疑うアインは、デュアと協力して共犯者と思しきハンスに自白をせまった。
しかし、あと少しで逃げられ、そのままハンスは口封じに殺害されてしまう。
式典(劇含む)の本番は無期延期。襲撃の証拠を得られないまま両国の人員が引き上げる段になり、ココは白に留まり、エファは帰国することに。
そして、エファを連れて帰国途中の赤の使節団が襲撃される事件が発生。
クリスティナの命でその場に駆けつけたデュアはエファを無傷で救出するも、自身が致命傷を負う。
エファ・ココに見取られ、ココの額への口付けを報酬に「姫を守ってくれ」と約束を交わし、息を引き取った。
失って改めてデュアに支えられていた自分に気付きながらも、生き残った赤の使節団長との会談で一連の事件の黒幕をヴァレリーと断定したアインは、人払いの上ヴァレリーと1対1の勝負に挑む。
初めに用意していた短剣を弾き落とされ、その上ヴァレリーは武器を短剣からリーチのあるサーベルに持ち換える。
足元の短剣を拾え、と隙を見逃す積もりもないだろうにそう言いながら、これまでに逝った者たちを愚弄される。
追い詰められ、アインは短剣に手を伸ばそうと、またヴァレリーはその手にサーベルを振り下ろし…
《――よろしいですか、アイン殿?》
《長い剣を持った敵に、短い武器で勝ちたいのであれば、……相手の懐に飛び込み、至近距離で戦うことです》
《……もちろん、懐に入るにも多少は技術も必要です。が、それよりも大切なのは何より……勝つという気迫と――》
「――臆することなき勇気、だ……」
(短剣は拾うフリ。本命は、ジュストコールに忍ばせた―――)
懐に温存した、デュアの短剣と彼女の教え、2つの加護で辛くもヴァレリーを討ち果たす。
しかし、赤・青両国とも一連の事件を相手国の陰謀として戦争の準備を行いつつあり、ヴァレリーの思惑通り、状況は既にカウントダウンを始めていた。
クリスティナに選択を求めるアイン。
どちらかに付くか、どちらとも戦うか、ただ何もしないか。いずれも小国の白にとり、先が無い選択。
最終的にアインは、クリスティナと人形の3人だけでも逃がそうと考える。
先王や国民からどれほど謗りを受けようとも、クリスティナは赤にも青にも渡すわけにはいかない。
馬車の準備を急がせつつ、クリスティナを探すが、見つけた主はエファに命じ、自らの命を絶ってしまっていた。
せめて主が生かそうとしたエファやココを逃がそうとするが、自分が逃げれば赤は必ず追ってきてしまう、とエファ。
人形としての命などクリスティナがいなければ無意味。囮にでもして、自分は「クリスティナの記憶」である記憶石としてココと行く、と二つ目の後付けの記憶石をココに託すとエファは言う。
エファの決意は変えられないと悟ったアインは、それ以外のものを護るべく、
「では、『姫君殺しはアイン・ロンベルク』……ということにしてもらおう」と持ちかけた。
――たとえ、後世に逆賊の汚名を残そうとも。
エファは拒否するが、アインの決意も変わらず、それを了承。
「――姫様を殺した、アイン、宝を持って逃げた」と後から来る者に伝えるようエファに頼む。
自らの後付けの記憶石と王家の秘宝ドルンの貴石をココに託して最期の時間をクリスティナと過ごすエファと、最後の別れをするアインとココ。
ココを逃がすため手配した馬車のもとへ向かうなかで、ココからデュアと交わした約束と報酬の話を聞く。
アインも同じ約束をココと交わし、亡き人に対する言葉に出来ない想いとともにココの額に口付けをし、ココを送り出した。
赤・青には、指示に従わなければ両国ともの陰謀が明らかになる、と脅迫の文を出している。
赤・青両軍に討たれることで、姫君殺しの逆賊討伐に軍を出したと両国の大義名分を成立させ、衝突を防ぐ。
予定時刻を待ちながら、自分に白の国の将来は見られないことを残念に思いつつ、――なお誓う。
――デュアがエファを護ったように。
私は、この国とココの未来を護ろう。
それが、このアイン・ロンベルク……最後の仕事だ。
もう少しネタバレ
彼の遺骨は後にある人物に掘り起こされ、誰も知らない場所で無名の墓石と共に埋葬し直されている。
ちなみに、三国の関係が差し迫ったものになる中で、青・白以外の土地を知らないらしいココに「いつか一緒に他の国を見てまわろう」とアインが誘う場面がある。
シロハネ編でココがセロ達と各地を巡った旅は、かつて果たされなかった約束との対比なのかもしれない。
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アイン・デュア・ココ 3者の関係はなによりも尊く、切なく、嗚咽を抑えきれなかった -- 名無しさん (2021-05-09 22:02:46)
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