登録日:2012/04/18 Wed 06:51:10
更新日:2023/09/29 Fri 13:36:58NEW!
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ロック 涙腺崩壊 ボーカル フィリピン 歌手 シンデレラストーリー アーネル・ピネダ journey
Don't Stop Belivin'
Hold On to the feelin'
Streetlights people
アーネル・ピネダはフィリピン出身のフィリピン人シンガーでアメリカのロックバンドJourneyのボーカルを務める。
壮絶な人生を送り、半生を迎える寸前で人生の成功を勝ち取った男である。
1967年にフィリピンのマニラ市で、服の仕立屋の一家のもとで4人兄弟の長男として生まれる。
幼少期からラジオから流れる歌に合わせ歌っていたところを母に素質を見抜かれて歌を教えられる。
幼い頃から数々の歌唱コンテストに参加しては優秀な成績を収めていた。
アーネルが出場する度に母は新しい衣装を作っていたらしい。
しかし12歳の時に母が亡くなってしまう。
ピネダ家は彼女の収入で生活していて、医療保険制度が無かっため、一家は多額の借金を抱えることになり、
アーネル以外の兄弟は親戚に預けられ一家離散を余儀なくされてしまう。
父親の負担を減らすためにアーネルは学校を自主退学、エンジニアになりたい夢を捨てて一人独立を決意する。
ここから約二年間、ホームレスとなる。
泊まる場所がないので公園で寝たり、友人の家で寝るなどしていた。
生活はリサイクル業者に、空き瓶、古新聞、くず金属などを集めて売って、わずかな収入のみだった。
時には船舶の清掃をしたり埋葬歌を歌うなどしたが、満足に食えず、2日間の食事がビスケット少々だけの場合や、
喉が渇いたらガソリンスタンドで油風味の水を飲むなどをしていたと語っている。
こんなどん底の人生になってしまっても、将来については楽観していたとのこと。
15歳の時から音楽活動を始め、米軍の基地などで好評を得ていた。
後に香港の人気レストランで歌うまでになるが恋人との破局、麻薬中毒から歌手生命を終わらせかねないまでに陥るがリハビリにより回復する。
その後も紆余曲折を経てフィリピンへ戻り音楽活動を行う。
今度はZooというバンドで活動を開始。
アルバムも発売し、小さなクラブで歌っていた。
客からのリクエストで様々なアーティストやバンドの曲もカバーしていたがこれが彼の人生を変えることになる。
ある時アーネルの友人がyoutubeにJourneyの名曲「Faithfully」のカバーした動画を載せたものを、
本家のギタリスト、ニール・ショーンが偶然試聴するのであった。
本家のシンガーであるスティーヴ・ペリーを彷彿とさせる声質と歌い方、高い歌唱力に衝撃を受けたニールからジャーニーに入る様に要請されるが、
質の悪い悪戯だと思い込み無視していた。
6ヶ月の時を経てニールが自分は本物だと証明したことでアーネルも慌てて連絡を取り、オーディションを受けることになる。
そして見事にジャーニーのボーカリストを務めることになる。
ジャーニーも長年の間ニューアルバムのセールスが良くなかったがアーネルが加入してから発売された「Revelation」は全米チャートでも上位に食い込み、
ライブもどこへ行ってもチケットが完売になる程までに人気を取り戻した。
日本でも輸入盤のみながら同作は洋楽チャートの上位にランクインした。
世界的に有名でアメリカの大御所ロックバンドのフロントマンに無名のフィリピン人を迎え入れることは世界中でも話題となった。
アーネルの経歴や半生はアメリカのニュース番組でも特集を組まれる等で多いに取り上げられた。
自分がここまでやってこれたのは全て母のおかげ、母は自分の全てと涙して応えている。
フィリピンという貧しい国で幼くしてどん底まで陥ったのに諦めなかった彼の半生は多くの反響を呼んだのであった。
◇余談
- アメリカへの入国審査の際にビザ取得の理由を聞かれたため「ジャーニーのオーディションを受けるために」と答えたところ、
「ジャーニーってあのバンドのか?じゃあ1曲歌ってみろ」と言われ一節歌ってみたところ審査員の目が点になりあっさり審査が通った。
- アーネルの友人が「友人が歌ってみた」的なノリで動画を載せていたのだろうが歌ってみたではすまない程の歌唱力である。
- エドサ革命の記念式典で特別賞を受賞した。これは40歳になるまでチャンスを諦めなかったアーネルの不屈の精神と才能を称えたものである。
- 本国では"True Pride Of Pinoy"で紹介され一躍時の人となり、マニー・パッキャオと並ぶ国民的英雄にもなっている。
- 写真は角度により顔が中村俊介に見えたり、トータス松本に見えることもある。
- 自身の経験からフィリピンのストリートチャイルドの為に支援活動をしたり、ファンにも笑顔で接するなど人柄も良い。
- JOURNEY加入以降、声の性質が似ている為か何かにつけいつもスティーヴ・ペリーと比較されるが、当のペリー本人は
「アーネルはジャーニーのリード・ヴォーカル」
「毎晩心を込めて歌っている」
と彼の事を高く評価していたりする。
因みにロックの殿堂にJOURNEYが選ばれた際に初めて会った時はペリー曰く
「彼が僕を見る目には、愛情がこもってた。まるでお祖父ちゃんにでも会ってるようだったよ(笑)」
と興奮していたとか。
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