桃太郎(芥川龍之介)

ページ名:桃太郎_芥川龍之介_

登録日:2012/02/04(土) 13:13:16
更新日:2023/08/18 Fri 19:45:43NEW!
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昔話 小説 文学 桃太郎 シュール まさに外道 dqn ヒャッハー 社会風刺 猿蟹合戦 侵略者 原作レイプ 盗賊 鬼畜ヒーロー 芥川龍之介 やりたい放題 ←色々な意味で クズばかり パロディ小説



日本ではよく親しまれた昔話『桃太郎』。


桃から産まれた正義漢、桃太郎が猿、キジ、の三匹の家来と共に悪いを懲らしめる勧善懲悪物である。
幼児向けに絵本や紙芝居になることも多い、昔話の代表作であるが、あなたはこのお話が芥川龍之介の著で小説になっていることをご存知だろうか。


しかしこの芥川版桃太郎、何か様子がおかしいのである。
大筋は確かに桃太郎が家来を引き連れ鬼退治をするというものなのだが…?



【登場人物】


  • 桃太郎

「進め! 進め! 鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ!」


ご存知日本一の桃太郎。


だがこの主人公、かなりのクズ野郎。
家にいる頃は働きもせず、鬼退治に出かけたのもお爺さんやお婆さんのように山や川で働いたりしたくないからというどうしようも無いやつ。早い話がニート


その上家来達に出会って、鬼退治のお供を引き受ける代わりに黍団子を一つよこせと言われても、「一つはやらぬ、半分やろう」の一点張りのドケチ。


コイツのクズっぷりはまだまだ止まることをしらず、鬼ヶ島に着くなり上記のセリフとともに鬼(後述するが穏やかでいい連中)の大虐殺を始め、
降参した鬼から宝物を一つ残らず奪い、鬼の子を人質に出させる。
まさに戦勝国の振る舞いである。こいつ戦いで何もしてないけど


静かに暮らしていただけの鬼が、「何か無礼がございましたから征伐されたのでしょうが、見当がつきません。
何かご無礼でもありましたでしょうか」の質問にも取り合わず、これ以上質問するならぶっ殺すぞと脅かす程の鬼畜っぷり。
…まぁ働きたくなかったからとも言えまい…
宝物と人質をゲットして凱旋する桃太郎だが、後々鬼の復讐に悩まされることとなる。



  • 雉(キジ)

三匹の家来の中では一番マトモ。
桃太郎から半分の黍団子をもらいお供することとなる。
地震学などに強いらしく、鬼ヶ島への道中は頭のよろしくない犬を馬鹿にする。
しかし何だかんだで猿と犬の乱闘を止めたりするあたり一応マトモな奴。忠義の心も持っており、桃太郎にちゃんと従うように猿に言う。
鬼ヶ島での戦いでは「つつく」で鬼の子供をつき殺したが、人質にとった鬼の子の番をしていたところ逆に噛み殺される。
三匹の中で唯一台詞がない。



「桃太郎さん。桃太郎さん。お腰に下げたのは何でございます?」


犬である。
桃太郎から半分の黍団子をもらい(ry
桃太郎最初の家来。黍団子が一つ欲しかったが桃太郎がケチなのでもらえなかった。
丈夫な牙を持っているので道中は意気地のない猿を馬鹿にしていた。
猿が桃太郎に逆らったりすると、ちゃんと注意する。過激な方法で。
どうも沸点が異様に低いらしく猿が桃太郎に逆らうや否や吠えながら猿を噛み殺そうとする、委員長の振りをしたDQN。委員長キャラはキジさんに任せましょう。


鬼ヶ島での戦いでは自慢の牙で鬼を噛み殺しまくった。鬼の復讐で雉や猿が殺害された後も生存し、桃太郎の腰ぎんちゃくの座に収まっている。



「ではその打出の小槌から、幾つもまた打出の小槌を振り出せば、一度に何でも手にはいるわけですね。
 それは耳よりな話です。どうかわたしもつれて行って下さい。」


本作ナンバー2のクズ。
桃太郎から半分の(ry
黍団子の勘定が速いので道中はもっともらしいキジを馬鹿にしていた。
鬼ヶ島への道中、もらっておきながら半分の黍団子じゃ鬼ヶ島に着いて行きたくない。足りない。とか言い出す。
この件で駄々をこねたばっかりに 危うく犬に噛み殺されそうになる。さぞびびったに違いない。
結局桃太郎の言う、鬼ヶ島の宝物につられ、その中の打ち出の小槌を励みにお供を続けることに。


鬼ヶ島の戦いでは、鬼の娘を狙い、絞め殺す前に陵辱をほしいままにしたようだ。要するに鬼の娘をレイプしたんだろう。戦闘中に随分な余裕である。結局あんなに欲しがっていた打ち出の小槌を手にする描写はない。最後は鬼に桃太郎と間違われて暗殺された。



  • 鬼たち

「わたくしどもはあなた様に何か無礼でもいたしたため、御征伐を受けたことと存じて居ります。
 しかし実はわたくしを始め、鬼が島の鬼はあなた様にどういう無礼を致したのやら、とんと合点が参りませぬ。
 ついてはその無礼の次第をお明しくださるわけには参りますまいか?」


自然豊かな地、鬼ヶ島で平和に、穏やかに暮らす一族だったが突如桃太郎一味が襲来したので、建国以来の恐怖に叩き落とされた挙句、ほとんど全滅させられた。


降参後、宝物と子供を取られた際に、なぜ鬼ヶ島に鬼退治にきたのか聞くものの取り合ってもらえない。
生き残った鬼と人質の鬼の子で、後に桃太郎への復讐を始める。



  • お爺さんとお婆さん

昔話と同じように、山や川や畑で働く老夫婦。
ニート状態の桃太郎に愛想を尽かしていたため、鬼退治に出掛けると言い出した桃太郎に、入用のものや黍団子を持たせて厄介払いをする。




この作品は、よく知られた昔話の桃太郎や猿かに合戦など他の昔話のパロディが時々出てくることもあるので、読んでてニヤリとできるかもしれない。


文学作品だが読みやすく内容もとっつきやすいので一度読んで見ることをオススメする。


因みにかの有名な童謡「桃太郎」の歌詞の続きには、
「潰してしまえ、鬼ヶ島!」や「お~もしろい、面白い」(鬼の虐殺のこと)と桃太郎の外道っぷりが語られているので、
小さい子の夢を壊さないよう歌詞を知っていても教えないようにしよう。




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  • 「チャージマン研!」の泉研並みの外道桃太郎。 -- 河端 (2013-11-26 18:26:19)
  • ↑あいつはまだ世界の平和を守るために戦ってるから……(震え声) -- 名無しさん (2013-12-31 02:17:07)
  • 確かに原作でも、なぜ鬼を退治する必要があるのか言及されてなかった気がする。 -- 名無しさん (2013-12-31 02:32:44)
  • ↑罪もない村人達を散々蹂躙して略奪と暴虐の限りを尽くしたからだよ。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:50:57)
  • とりあえず世の中で正義の味方とか言われているようなキャラをクズにしたり乏しめたりすれば深いとか言われるって風潮はどうなのかなあ -- 名無しさん (2014-05-09 23:54:38)
  • まぁ、なんつーかこれは軍国主義への社会風刺な側面もあるから一概にそう片付けられる訳ではないんだけど。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:59:47)
  • ↑2 そういう奴らに聞きたい。もし地球に侵略者が攻めてきて、それをヒーローなり地球防衛軍なりが撃退したら、お前はその助けてくれた奴を「お前らの勝手な正義観でなんて事するんだクズども!」ってなじるのか? -- 名無しさん (2014-05-10 00:11:04)
  • いや意味なんてない原作桃太郎とのギャップを楽しむただのパロディだろ -- 名無しさん (2014-06-27 04:34:33)
  • ↑7一話で早速子供達を見殺しにしていましたけれど? -- 名無しさん (2014-07-02 15:17:45)
  • そもそも、芥川龍之介は昔話の別解釈が好きだっただけ。「桃太郎は悪人だ!」といいたかったわけじゃなくて「こんな解釈もできる」と言うだけの話。↑2で言われてるようにパロディに近い -- 名無しさん (2014-07-02 18:10:30)
  • ↑×4それは ザンボット3 です -- 名無しさん (2014-07-02 18:17:35)
  • こち亀でも両さんが「鬼をやっつけ、宝を奪って帰る。 やってる事は強盗団と殆ど同じですよ。」と答えてる。 -- 名無しさん (2014-09-16 16:00:52)
  • ↑そういうこと言われ続けてるせいか最近の桃太郎はぶんどった宝物を全部ちゃんと持ち主に返してるな。 -- 名無しさん (2014-09-16 16:27:22)
  • 桃太郎カンダタ説 -- 名無しさん (2014-10-18 12:24:07)
  • 石川賢先生も虚無ることなくこれのオマージュを描いていたな。 -- 名無しさん (2014-10-18 12:50:35)
  • まぁこれ書いた本人は首を掻き切って自殺しちゃうほどのキチレベルだったからな。子供には「桃太郎伝説シリーズ」で十分。 -- 名無しさん (2014-10-18 12:52:05)
  • 猿蟹合戦とは世界観を共有しているようだ。芥川版猿蟹合戦もなかなか愉快な内容。こちらは蟹の行動が各方面からボロクソに叩かれ死刑になりましたといった感じの話。 -- 名無しさん (2015-01-20 17:29:08)
  • この桃太郎と猿を悪魔合体すれば草加雅人が出来上がる -- 名無しさん (2015-04-19 23:11:19)
  • なんか、ヒーロー全く知らない癖にヒーローをエゴイスト呼ばわりして批判する連中が取り上げる作品の常連って印象。そしてそいつらは一様にこれこそが桃太郎のオリジンであるかのように主張する。 -- 名無しさん (2015-05-26 14:54:17)
  • "黍団子半分やる"も地方版桃太郎の引用である可能性 -- 名無しさん (2016-05-10 17:48:55)
  • 実はロシアを鬼ヶ島、村人を中国朝鮮、桃太郎を日本に準えて日露戦争を皮肉った社会風刺だったのではないかという説もあるらしい -- 名無しさん (2016-10-28 10:53:52)
  • 作者って『白』って話を作った人だな。 -- 名無しさん (2016-12-27 17:29:03)
  • ももふぇ「ボクの知っている桃太郎様の話じゃない!」ほやのん「落ち着くザウルス!ももふぇ! 」 -- 名無しさん (2016-12-27 21:52:59)
  • 芥川は善悪を疑う、というテーマが多いからな。単なる逆張りじゃない。黒衣聖母やら読んだら皮肉の意図が伝わりやすい。と思う。 -- 名無しさん (2016-12-27 22:07:54)
  • この作品が出来た頃にはすでに原作桃太郎が残酷すぎるという批判があったらしい -- 名無しさん (2017-01-26 11:45:39)
  • 蛸壺屋の同人誌みたいなもんだし、 -- 名無しさん (2017-07-10 07:02:33)
  • ↑ミス   明治版蛸壺屋同人誌みたいなもんだな -- 名無しさん (2017-07-10 07:04:58)
  • クレしんの昔話で「桃太呂」という、鬼たちをいじめたりお宝を奪ったりする外道者をしんちゃんたちが追い返すという話があったな。 -- 名無しさん (2017-07-28 19:26:21)
  • コロンブスとかピサロを彷彿とさせる所業だな -- 名無しさん (2017-10-14 20:11:10)
  • 猿が>最後は鬼に桃太郎と間違われて暗殺された。 ってあるけど、自分が読んだのでは確か蟹に殺されたってなってたような? -- 名無しさん (2019-08-17 21:25:58)
  • 桃太郎の話に置いて「鬼の悪行を描写する」というのがいかに大事かがわかるな。悪役がちゃんと悪役として成り立っていないと、ヒーローがただの虐殺者になってしまう。どこぞの赤い通り魔にも言えることだが -- 名無しさん (2019-08-17 21:57:39)
  • あるいは正義と品行方正は必ずしもセットじゃないと言うか。例え残虐な行為をしていても何処かの共同体の利益となっていればそれは正義とされ得る -- 名無しさん (2020-08-01 04:54:38)
  • この芥川版の桃太郎教科書にも載ってるのかな -- 名無しさん (2020-11-03 18:10:09)
  • 昔からのオリジナル桃太郎からして宝物は純然に鬼所有、悪事なんて書いていない状態だからな。福澤諭吉同様に芥川には反感あったと思うわ。鬼が宝物持ってるらしい(他情報なし)、よし行こうなんて基本的流れは一緒だし。こういう批判が今に受け入れられる作品に自然と変えて行った。 -- 名無しさん (2021-07-31 11:33:59)
  • 原典の鬼ヶ島は幻の島ニュアンス。宝も不思議な力を持つとか。悪事以前に人との交わりが想定されてない。人外ならいきなり乗り込み殺して分捕るのもセーフで通る時代だったんだろう。そこが明治期には壁に当たって変容したと。 -- 名無しさん (2021-08-02 08:44:18)
  • ↑ 3匹の子豚裁判も大体同じ感じと解釈している -- 名無しさん (2021-08-02 13:27:26)

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