狂歌百物語(追加) - いにしえwiki
櫛をぐしの棟むねの みだれ髪 丑の夜詣まゐり 取り上げよ神(歌評子頓々)004.稲荷山 丑三つ詣まうで 呪へども きかぬ豆腐に 釘打つが如(守文亭)005.鉄槌てつついの 鋼はがね鳴らして 打ちつけの 恨みも聞けよ 恋の錆釘さびくぎ(弥生庵)006.願ひから 恨みの釘も 人形の
櫛をぐしの棟むねの みだれ髪 丑の夜詣まゐり 取り上げよ神(歌評子頓々)004.稲荷山 丑三つ詣まうで 呪へども きかぬ豆腐に 釘打つが如(守文亭)005.鉄槌てつついの 鋼はがね鳴らして 打ちつけの 恨みも聞けよ 恋の錆釘さびくぎ(弥生庵)006.願ひから 恨みの釘も 人形の
)008.荷の軽き 疱瘡神の 棚替へは 一つ長屋を 早く廻れり(坂槻)009.もがさ神 三日三日と 峠ある 酒湯さかゆの尾なる 杓子定規に(守文亭)010.手向けぬる̪ 幣しでさへ赤き 神棚へ 祈る疱瘡もがさの 山盛りの飯(遠江袋井 延麻呂)011.繋がりし 鼠の糞に 恐れてや
納言、異名の付く語第廿三 三条中納言、水飯を食ふ語第廿四 穀斷の聖人米を持ちて咲はるる語第廿五 彈正弼源顕定を出だして咲はるる語第廿六 安房守文室清忠冠を落して咲はるる語第廿七 伊豆守小野五友の目代の語第廿八 尼共、山に入り茸を食ひて舞ふ語第廿九 中納言紀長谷雄の家に狗を顕はす語
.川水に 身はひたせども 橋姫の 胸の火群ほむらや 燃えまさるらん(南寿園長年)011.妬ましと 思ふ恨みを 堪忍の 袋の口も 裂けし橋姫(守文亭)012.遍昭は 知らざる宇治の はじめ終 たしかならずて 消ゆる橋姫(弓のや)013.鳥居には 二柱さへ 建ちながら 女夫めをとを妬
れし 枕もあとも 知らざりき 海鼠なまこのやうに ごろり寐た夜は(高見)014.破軍星 剣先避きて 寐ぬればまた 廻る枕の 磁石の北枕しつ(守文亭)015.いつのまに 違たがふ枕の 逆さ事 見し憂き夢も 覚めて嬉しき(鴈のや時文)016.我が足は 夜着の袖より 出しぬけに 枕返し
しは誰たそや 心にも 節ある人の 仕業なるらん(松梅亭槙住)005.怒る如ごと 見ゆる顎あぎとの 玉杢目たまもくめ 龍の鱗の 逆さばしらは(守文亭)006.労いたづきの 枕に天窓あたま 上がらぬは 逆さばしらの 祟りなるらん(哥拍子頓々)007.此の家の 渕瀬と変はり 年月を 杉
008.住み馴れて 幾年こゝに 経る狸 人を茶にする 茂林寺の釜(南向堂)009.下腹に 毛のなき狸 お臍にて 茶や沸かすらん 茂林寺の釜(守文亭)010.ふぐりほど 八畳敷の 中の間に おのれはびこる 文福茶釜(秋澄)011.狸とは 問はでも著しるき 毛の国の 茂る林の 寺の茶
影の病の 右左みぎひだり あるにもあらで 消ゆる姿は(常陸村田 緑洞園菊成)015.二人して 並ぶ枕に 寝たしとの 積もる思ひの 影の煩ひ(守文亭)016.我が妻と いづれさしてよ かん平 いかに信田しのだの ふたり葛の葉(駿府 飛͡虎丸)017.玉くしげ 二つの姿 見せぬるは
03.そこねたる 皿一枚の あやまりに 菊が命ぞ 終りやきなる(善事楼喜久也)004.生ぐさき 風に女の 亡き魂の 影は人魚に 似し皿屋舗(守文亭)005.聞く夜毎 みな伏柴ふししばの 僂かがなへる 皿に懲りたる 嘆きする声(草加 四角園)006.残りたる 其の一念を 不足せし
れ行く神の 隠し芸 出だす愛宕あたごの 天狗酒盛り(足兼)016.夏山の 木下こした闇なす 児桜ちござくら これぞ葉守はもりの 神隠しなる(守文亭)017.衣きぬに摺る 宝尽しの 蓑笠か けだしは神か 隠されし子の(京 照信)018.其の親の 胸をどきんと 驚かせ 愛し子隠す 山
髪切は 見えねど髪を 切られたる 妹が姿に 驚かりけり(青梅 旧左)014.怪しくも 髪のもとより 切られけり 身は惣毛だつ ほどに怖ろし(守文亭)015.切られても 髪ゆゑあとは 傷まねど 心のいたむ 毛の延びるまで(泰平居楽成たいへいきよ らくなり)016.青柳の みどりの髪
なたへと 差し来る傘の 轆轤首 骨も砕くる までに押さへん(語智窓腹光)014.目を廻す ばかりおどろく 轆轤首 長き玉の緒 ちゞむ思ひぞ(守文亭)015.雪隠せつちんへ からだを遣りて 轆轤首 枕は上げぬ 頭痛鉢巻(末の屋)016.玉くしげ 箱根細工の 轆轤をば 首長くして 覗
りて 経のみか 猫間扇も 食み散らしけり(和木亭仲芳)021.木食もくじきの 聖ひじりなるかも 頼豪の 阿闍梨は栗鼠りすの かたちなりけり(守文亭)022.喰ひ裂いた 衣の色に 怨念の 生ける鼠と なりし頼豪(夏繁)023.頼豪の 一念化して 角つの文字の 般若の経も 喰ひ裂かれ
028.足る事を 知らで酒呑む 人を見よ 親は貧乏 子は徳利なり(青梅)029.陶子を 身にこもり口くの 初瀬山 口一つのみ あるは怪しな(守文亭)030.晦日つごもりに 手も足も出ぬ 人やらむ 世に貧乏と 呼ばる陶子(緑樹園)031.親の罪 子に報いしか 陶子とつくりご 酒屋の
不知火は 波のうねうね 燃え優るらん(上総大堀 花月楼)006.筑紫潟 龍たつの都の 御垣守みかきもり 衛士ゑじの焚く火と 燃ゆる不知火(守文亭)007.筑紫潟 かゝる不思議を 海松布みるめ刈る 蜑あまに問へども 訳わけは不知火(花林堂糸道)008.物問へば 知らぬ人まで 知り
)008.逆さ子を 産みたる母も 果てにけん その形にぞ 出づる幽霊(藤園高見)009.振り乱す 髪下げ虫も 成敗の 札はる門の 逆さ幽霊(守文亭)010.気味悪き 恨みこちらで 言ふべきを 逆さに出づる 女幽霊(望止庵貞麻呂)011.三界に 家なき女の 幽霊は 二階を逆に なり
5.雨風に 汝うぬも祭や するならん 鍛冶が鞴ふいごと なれる川獺(清香)016.金財布 火に焼けぬとは 誠やら うそのかはりと 思ふ川獺(守文亭)017.囲ひおく 魚しめ喰くらふ 川獺は 人目堤に 住みやしつらん(下毛葉鹿 松寿)タグ一覧: カウンターページ全体:今日:昨日:
に高き 天守に住みて 小坂部の 姫は人みな 見下しやせん(京 梅の門花兄)014.小坂部の 壁生草の いつまでも 姫が祟りの 根や残るらん(守文亭)015.眉つけし 姿うつくし 小坂部の 姫は化生けしやうの 物にやあるらん(菱持)016.姫が名は 天守とともに 高砂の 婆々にもな
則)008.煙をも 立てゝ鱗を 三保の浦 磯辺の松を 照らす龍燈(水穂)009.秋葉山 浮かべる灘の 龍燈は 天狗の業か 蜑あまが焚く火か(守文亭)010.空や海 うみや空なる 久かたの 星の光に 紛ふ龍燈(紫の綾人)011.法のりの場には 夜毎かゞやく 光明寺 鵜うの木の森に
す 大蛇をろちも富士の 山かゞちかも(常陸村田 緑洞園菊成)005.海山や 川に千歳の うはゞみの 蛻もぬけしさまの 蛇籠じやかごをぞ見る(守文亭)006.酒樽に ひとしき形なりの 蝮蝎の 呑める印の 鱗ありけり(枇杷の屋夏繁)007.薬持 なせる深山路 中々に 毒気を吹いて 掛
003.武蔵野の 原の昔を 偲ぶなり 広尾に年を 積みし貒穴(雛の舎市丸)004.狸には 汝なれもおそれて 洞穴に 縮まる貒の 金や小さき(守文亭)005.洞に居て 何を嗜たしむか 気が知れぬ 麻布あたりの 貒穴のまみ(桃源洞)006.年経ふれば 汝が毛色も 金銀に 光る夜光の
きわまる)021.熊ともに 深き山路に 山師等が 買ひし価も 両頭の蛇(坂槻)022.口縄に 逢坂山や 是やこの 行くも帰るも 出来ぬ両頭(守文亭)023.両頭を 見ると死すてふ 諺の 見て魂消ゆる 野辺の口縄(楳星)024.垣這うて 狙う蛙の 疣結いぼゆひに 二つ頭の 見ゆるく
.太平の 民やも岩が 怨念に 枕は高く 寐兼ねたりけん(江戸崎 緑亀園広丸)029.怖ろしき お岩稲荷の 鳥居さへ 四谷丸太の ふとき心根(守文亭)030.執念も 深きお岩が たちまちに 消えて四谷に 三つの燈火(匂々堂梅袖)031.やぶれ目に 口の開あきしも 怖ろしや お岩稲荷
描いた儘なる 鬼を見て たゞ念仏ねぶつのみ 唱ふ苦しさ(善事楼喜久也)005.立山の 地獄の鬼の 虎の皮 褌ふどしは国の 名にし負ひけり(守文亭)006.豆をまく 握りこぶしを 見て去ぬる 掛乞かけこひの鬼 節分の鬼(藤紫園友成)007.人間の 留主るすに洗濯 しようぞと 汚れ