超機動員ヴァンダー

ページ名:超機動員ヴァンダー
超機動員ヴァンダー
ジャンルSF・少年漫画
漫画
作者桂正和
出版社集英社
その他の出版社
ホーム社 (JCS)
掲載誌週刊少年ジャンプ
レーベルジャンプ・コミックス (JC)
ジャンプ コミックス セレクション (JCS)
集英社文庫(文庫)
発表期間1985年52号 - 1986年21号
巻数全2巻(JC・JCS)
全1巻(文庫)
テンプレート使用方法 ■ノート

『超機動員ヴァンダー』(ちょうきどういんヴァンダー、VANDER)とは、桂正和のSF漫画作品。

目次

概要[]

週刊少年ジャンプ』(集英社)誌上で1985年52号から1986年21号まで連載。『ウイングマン』の次となる桂2本目の連載作品で、単行本はジャンプ・コミックスで全2巻。1995年にはジャンプ コミックス セレクションよりワイド版全2巻が、2001年には文庫版が全1巻で販売されている。

前作『ウイングマン』に続いてのヒーロー物で、今作では作中で「地球外惑星人」もしくは単に「惑星人」と呼ばれる宇宙人の侵略に立ち向かう。

自身の短編「ヴォーグマン」が元となっていると思われるが、そもそも初期の桂正和作品には特撮ヒーロー物に影響を受け、モチーフとした物が多く、警視庁に所属する男女が合体し、P(パワー)スーツを着用して変身するこの作品では、特に『ウルトラマンA』、『超人バロム・1』、『宇宙刑事シリーズ』の影響が強いと思われる。

男女合体に恋愛要素を組み込んだり、必殺技の為に一端自分を武器で攻撃するといった新しい要素も持ち、大きな枠組みが用意されていた作品ではあったが、こうした作り込んだ設定が故に事ある毎に話の流れには不自然な説明描写が目立つ事となり、さらにはジャンプでの人気が振るわなかった為に、「『はずだった』の多い作品」と作者が述べるような[1]未消化や無理矢理消化した伏線が多い典型的な打ち切り作品となってしまっている。

テンプレート:ネタバレ

あらすじ[]

198×年、圧倒的な力を誇る惑星人に対抗すべく地球外惑星人犯罪部が設立され、超科学によって生み出されたPウエアーを装着した超機動員が配置された。しかし惑星人もより凶悪になり、より強力なPウエアーが必要となる。そこで男女の愛を力とする新種のPウエアーヴァンダーが開発され、コンピュータの様な頭脳を持つ森村みなほと藤枝弥紫が装着する事となった……。

主な登場人物[]

第3支部超機動員課[]

惑星人の犯罪に対抗する為に設立された警視庁地球外惑星人犯罪部の関東を担当する支部、第3支部夕木署の超機動員課。

藤枝 弥紫(ふじえだ ひろし)20歳。女性恐怖症。後薬園遊園地で怪獣ショーのアトラクションをし、休憩時間にアーケードゲームで遊んでいたところをみなほに目をつけられ、無理矢理遊ぶのに付き合わされる。みなほと一緒にジェットローラーに乗っているところを、バル惑星人に襲われ回避手段としてヴァンダーに武装変する。その戦いぶりから超機動員課にスカウトされる。警察に所属しながら、無免許でバイクに乗っている。実はパワーソルによって力が強化されていた。最後はみなほと合体した状態でゾルド将軍のパワーソル砲の弱点を突き特攻。森村 みなほ(もりむら -)19歳。惚れやすく、かなり感情的。また後薬園遊園地に警察手帳でただで入り込む等職権乱用が目立つ。窮地に立つとコンピュータの様に正確無比に頭脳が働く能力を買われ、ヴァンダーの頭脳に。しかしその頭脳はパワーソルの力による物であったため、パワーソルを奪われ能力を失い超機動課を首になる。人質としてBヴァンダーに無理矢理合体させられていたところを、なつきが無理矢理合体し定員オーバーになって救出される。最後は弥紫と合体した状態でゾルド将軍のパワーソル砲の弱点を突き特攻。沢田 敏夫(さわだ としお)第3支部技術師。30歳。愛情エネルギーシステム及びそのシステムを利用したヴァンダーの開発者。山鳴 厳次(やまなり げんじ)第3支部超機動員課課長。女ばかりの職場に少し辟易している。べらんめえ調で喋る。岡本 慶子(おかもと けいこ)21歳。弥紫・みなほが来る以前からの超機動員。ジャイロンに武装変する。父が2年前に他界しており母と妹智子との3人暮らし。土井 冬美(どい ふゆみ)武器のチェックを担当。嶋寺 かおり(しまでら -)情報処理とお茶くみを担当。飛行機免許を取ったばかりの義男とセスナ機でデートしていたところをグリモス惑星人によって富士の樹海に落とされ、鉱石掘りの強制労働に就かされる。霧野 陽子(きりの ようこ)ヴァンダーのPウェアチェックを担当。落ち着いた雰囲気を持つ。ヴァンダーに武装変中は左頬のモニターで弥紫とやり取りをするのは主にこの人。

その他の地球人[]

京本 なつき(きょうもと -)京言葉で喋る。関西の第4支部から助太刀の名目で樹海で合流するが、実は警視監が派遣したスパイ。弥紫を誘惑し、みなほと仲違いさせようとする。みなほが超機動員課を首になった際にはみなほの後釜として入課。警視監に用無しと判断されスパイとばらされるも、逆に警視監がゾルド将軍の手下だと暴く。弥紫と共にヴァンダーに武装変したが、ゾルド将軍によって体に組み込まれた爆弾が爆発する事を知り武装変を解除し、爆発直前にBヴァンダーと合体し、みなほを救出した上で爆発、絶命。なお、第1話の背景で示されている地球外惑星人犯罪部の組織図では第4支部は中部、第5支部が近畿となっている。茶頭政夫(ちゃがしら まさお)美男子。全支部6000人の中からコンピュータが選び出した5人の中よりさらに試験を受けて選ばれたみなほの当初のパートナー候補。しかし機動力に体がついていかず、指示を出すみなほに切れて不適任となる。警視監ゾルド将軍の手下として働き、なつきをスパイとして派遣。後には第3支部超機動員課を乗っ取ろうとする。岡本 智子(おかもと ともこ)慶子の妹。高校生。ひさよとの関係で悩んでいた所をピローグ惑星人につけこまれ、ピローグ惑星人に変えられる。ヴァンダーの活躍によって元に戻る。ひさよ智子のクラスメイトで、智子を無視する様にクラスメイトに指示。義男かおりの彼氏。飛行機免許を取ったばかりでセスナ機でデートしていたところをグリモス惑星人によって富士の樹海に落とされ、鉱石掘りの強制労働に就かされる。岩井(いわい)、石田(いしだ)、大野(おおの)樹海の案内役。清水 美子(しみず よしこ)沢田博士のアシスタントとして登場予定だった人物。20歳。単行本のおまけにのみの登場で作中の登場はない。

超機動員[]

超科学の戦闘服Pウエアーを装備して戦う、惑星人犯罪科の職員。なおこのPウエアーを装備する事を作中では武装変と呼ぶ。

ヴァンダー沢田博士が開発した愛情エネルギーシステムにより男女の愛の力で稼働。Pウエアーが入っているペンダントを男が装備し、女がアーマメントガンで打つ事によって武装変する。女は愛情エネルギーとなってPウエアーの一部となる。Pウエアーの一部となった女はPウエアー内部、右頬あたりに画像として映し出され、状況を判断して男に指示を与える。(左頬には本部の映像が映し出され通信。)男女の愛をエネルギー源としているため、女が男を思う程その性能が上がる。逆に女が男に対して怒っていたりすると著しく性能が下がる事になる。主として弥紫とみなほの二人が武装変するが、この二人以外でも武装変は可能であり、弥紫となつき、警視監となつきでも武装変が行われている。最終決戦で恐らく消滅。ジャイロン岡本慶子が武装変する。作中での目立った活躍はない。ファスター超機動員1号。冒頭部分で1コマのみの登場。30歳。テック登場する予定だった超機動員。25歳。第1話の扉絵と単行本のおまけにのみの登場で作中の登場はない。

惑星人[]

地球にやってきた地球外惑星人。全員が犯罪行為を行う訳ではなく、人間社会にとけ込んでいる者もいる様子。

バル惑星人オイル付きの鋼鉄が大好物で、弥紫とみなほが乗っていたジェットローラーを食べ始める。弥紫とみなほがヴァンダーに武装変するきっかけを与え、最初にやられた惑星人。ピローグ惑星人画家に化け人間として潜伏。人の心の隙間に付け入り、その人物を絵に描く事によってピローグ惑星人に変える事が出来る。ピローグ惑星人に変えられた人間は心の奥にある人間への憎しみが表へ出て、「人間らしさ」をエネルギー体として放出し、どんどん理性を失っていく。心の隙間に付け入る事が出来ない相手であっても絵に描く事で攻撃も出来る。グリモス惑星人木々を自由に操る事が出来る。富士の樹海において不法に鉱石を発掘している人間と協力し、木のオーラを使って飛行機を引き寄せ、中に乗っている人間を労働力として確保。胸でレーザーを跳ね返せる。故郷の星はゾルド将軍によって侵略された。ギラング惑星人[]

他の惑星人とは異なり、人間とほぼ同じ外見を持っている。

ゾルド将軍パワーソルを二つ身につけて生まれた。ギラング惑星人の首領(ドン)。しかし地球への着陸の際にパワーソルを失う。パワーソルを見つけるまでの間に他の惑星人が地球を侵略しない様にと、超機動課を設立し本庁の超機動隊長に就任。パワーソルを2つとも見つけ、本格的に侵略を開始する。ドランゾルド将軍の手下。みなほからパワーソルを奪う。のちに姉と共にBヴァンダーとして襲ってくる。なつきの爆発によって死亡。ドランの姉生物以外であれば触れる事によって、水を固くしたりネバネバにしたりと、物の性質を変える事が出来る。後共にBヴァンダーとして襲ってくる。なつきの爆発によって死亡。Bヴァンダー(ブラック -)ヴァンダーの偽物で街で殺人等を起こす。ドランとドランの姉が合体。警視庁に保管されている設計図から作成されている為、性能はヴァンダーと全く同じ。その上でドランがパワーソルを使いこなしている為、Bヴァンダーの方が能力が上となる。

武器[]

クリスタルロッドヴァンダーのライトセーバーの様な使用時以外は刀身の実体を持たない剣でエネルギーを吸収する事が出来る。2本あり普段は両腰に収納されている。クリスタルロッドと叫ぶ事により使用可能になり、そのまま剣として使う他、自分にさす事によって必殺技Vα、Vβを発動する。Vブーメラン(ブイ-)ヴァンダーのブーメラン。普段は背中についている。Vパルザー(ブイ-)ヴァンダーのレーザー銃。エネルギーチューブを手首に接続して使う。ヴォルバーヴァンダーに武装する人間用の用意されたオートバイ。ダンガーと合体してロボットになる予定であったが、弥紫が移動に数回利用しただけに終わる。ダンガーヴァンダーに武装する人間用の用意された専用カー。ヴォルバーと合体してロボットになる予定であったが、一度みなほと慶子が現場に移動するのに利用しただけに終わる。パワーソル選ばれたギラング惑星人のみが生まれもつ出来るエネルギー体で、持ち主の力を何千倍にも高める。マークとマークを重ね合わせると最大限に力を発揮。ゾルド将軍の地球着陸の際体を離れ、弥紫右足裏とみなほの右太腿内側につく。

必殺技[]

Vα(ブイアルファ)エネルギー波を放出するヴァンダーの必殺技。胸のペンダントにクリスタルロッドを差し込み、クリスタルロッドのエネルギーをPウエアーにプラスする事によって発動。Vβ(ブイベータ)エネルギーをぶつけた所に小さなブラックホールを作り、相手を宇宙留置所に送るヴァンダーの必殺技。両肩にクリスタルロッドをさす事によって発動。パワーソルバリアパワーソルの力を使ったバリアで、Vαも防げる。Bヴァンダーが使用。パワーソル砲ゾルド将軍の必殺技。

書誌情報[]

著者は全て桂正和。特記のない限り集英社発行。

  • 新書版〈ジャンプ・コミックス
    1. 1987年2月15日初版発行 ISBN- 4088510739
    2. 1987年6月15日初版発行 ISBN 4088510747
  • ワイド版(発行:ホーム社・発売:集英社)〈ジャンプ コミック セレクション〉
    1. 1995年1月 ISBN 4834213854
    2. 1995年2月 ISBN 4834213862
  • 文庫版〈集英社文庫〉2001年3月 ISBN 4086176890

脚注[]

  1. 桂正和『超機動員ヴァンダー 2巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉表紙そで

関連項目[]

Smallwikipedialogo.pngこのページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事は超機動員ヴァンダーにあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。


特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

左メニュー

左メニューサンプル左メニューはヘッダーメニューの【編集】>【左メニューを編集する】をクリックすると編集できます。ご自由に編集してください。掲示板雑談・質問・相談掲示板更新履歴最近のコメントカウン...

黒岩よしひろ

黒岩よしひろ(くろいわ よしひろ、1962年9月9日 - )は、日本の成年コミック漫画家。長野県出身、血液型O型。代表作に『鬼神童子ZENKI』(谷菊秀原作)など。目次1 略歴2 作品リスト3 その他...

黄金の風

テンプレート:漫画『黄金の風』(おうごんのかぜ、LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO Parte5 VENTO AUREO)は、荒木飛呂彦の代表作である大河漫画作品『ジョジョ...

鴉MAN

鴉MAN(からすまん)は、週刊少年ジャンプで、2001年24号から40号まで連載したかずはじめの漫画作品。ジャンプコミックスで全2巻。テンプレート:ネタバレ目次1 登場人物1.1 主要人物1.2 特別...

鳥嶋和彦

鳥嶋 和彦(とりしま かずひこ、1952年10月19日 - )は編集者、集英社専務取締役、小学館集英社プロダクション取締役。新潟県小千谷市出身。目次1 経歴2 編集者としての功績3 マシリト4 特記事...

鳥山明○作劇場

『鳥山明○作劇場』(とりやまあきらマルさくげきじょう)は、集英社から発刊された漫画短編集。レーベルはジャンプ・コミックス。目次1 概要2 作品解説2.1 VOL.12.2 VOL.22.3 VOL.3...

魔術師2

『魔術師²』(マジシャンスクエア)は岡野剛の漫画。「週刊少年ジャンプ」(集英社)2001年36号から2001年51号まで連載。全2巻。岡野が真倉翔とのコンビ解消後、初の作品である。プロマジシャンの北見...

魔神竜バリオン

『魔神竜バリオン』(ましんりゅうバリオン)は、黒岩よしひろの巨大ロボット漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)1987年22号から32号に連載され、11週で打ち切りとなった。1988年に単行本化され...

魔少年ビーティー

『魔少年ビーティー』(ましょうねんビーティー)(サブタイトル:COOL SHOCK B.T.)は、荒木飛呂彦による日本の少年向け漫画作品。集英社の少年向け漫画雑誌『フレッシュジャンプ』1982年3号に...

魁!!男塾

テンプレート:Redirect『魁!!男塾』(さきがけ!!おとこじゅく)は、宮下あきらによる日本の漫画作品。また、それを原作にしたテレビアニメ、実写映画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1985...

高橋俊昌

テンプレート:Infobox 人物高橋 俊昌(たかはし としまさ、1958年8月7日 - 2003年1月24日)は、集英社に所属していた漫画雑誌編集者。同社発刊の少年雑誌『週刊少年ジャンプ』第7代編集...

飛ぶ教室_(漫画)

飛ぶ教室ジャンルSF・少年漫画漫画:連載版作者ひらまつつとむ出版社集英社掲載誌週刊少年ジャンプレーベルジャンプ・コミックス発表期間1985年24号 - 38号巻数全2巻話数全15話(連載)全11話(単...

闇神コウ〜暗闇にドッキリ!〜

闇神コウ〜暗闇にドッキリ!〜ジャンル少年漫画漫画作者加地君也出版社集英社掲載誌週刊少年ジャンプレーベルジャンプ・コミックス発表号2003年18号 - 35号巻数全2巻■テンプレート使用方法 ■ノート『...

長野規

テンプレート:出典の明記テンプレート:Infobox 人物長野 規(ながの ただす 1926年1月13日 - 2001年11月24日)は編集者、詩人。『週刊少年ジャンプ』初代編集長。来歴・人物[]東京...

金未来杯

金未来杯(ゴールドフューチャーカップ)とは『週刊少年ジャンプ』誌上で行われている企画。目次1 概要2 エントリー作品3 受賞作4 2006年について5 脚注6 関連項目概要[]『週刊少年ジャンプ』で2...

重臣_猪狩虎次郎

重臣 猪狩虎次郎ジャンル少年漫画・ギャグ漫画漫画作者つの丸出版社集英社掲載誌週刊少年ジャンプレーベルジャンプ・コミックス発表号2001年11号 - 34号■テンプレート使用方法 ■ノートテンプレート:...

重機人間ユンボル

重機人間ユンボルジャンル少年漫画漫画:重機人間ユンボル作者武井宏之出版社集英社掲載誌週刊少年ジャンプレーベルジャンプ・コミックス発表号2007年3号 - 14号巻数全1巻漫画:ユンボル -JUMBOR...

邪馬台幻想記

邪馬台幻想記ジャンル少年漫画・ファンタジー漫画漫画作者矢吹健太朗出版社集英社掲載誌週刊少年ジャンプレーベルジャンプ・コミックス発表号1999年12号 - 29号巻数全2巻■テンプレート使用方法 ■ノー...