千歳線

ページ名:千歳線

登録日:2012/09/13(木) 22:22:51
更新日:2023/08/17 Thu 15:36:37NEW!
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千歳線(ちとせせん)とは沼ノ端駅と白石駅を結ぶJR北海道の鉄道路線である。
実際の運行は室蘭本線の苫小牧~沼ノ端と、函館本線白石~札幌間と一体化している。


*1


概要

札幌から道南・道東間の幹線ルートの一部であり、普通・快速のほか、複数の特急、貨物列車が行き来する重要な路線である。
新千歳空港へのアクセス路線でもあり、日中12分間隔の快速「エアポート」を運行している他、2往復のみ特別快速として運行される。
なお、1973年までは函館本線側は白石駅ではなく苗穂駅で接続、東札幌、月寒、大谷地を経て北広島駅まで通るルートだったが、線形改良等の付け替え工事で廃止(苗穂~東札幌~月寒は函館本線に貨物線として編入後に廃線)。


JR北海道では数少ない全線電化の路線である*2


元々は北海道鉄道という私鉄路線で、戦時中に富内線(後に特定地方交通線指定を受け廃止)とニコイチで買収された。
後に北海道の大幹線(ただし未だに赤字)になる路線をゲット出来たことから、阪和線と共に戦時買収の成功例として挙げられることも。


使用車両

普通・快速列車

  • 721系

空港アクセスのサービス向上のために作られた車両で、千歳線の主力列車である。
ほとんどの車両が全席転換クロスシート車だが、2003年に制作された8次車のみドア付近座席のロングシート化&デッキ仕切扉廃止&半自動ドア設置となっている。
主に普通、札幌・小樽発着の快速「エアポート」に充当する。快速「エアポート」には指定席車両(uシート)がついているので注意。
一部編成は最高速度130km/hの運転に対応している。

  • 731系

711系の置き換えのために導入された車両で、JR北海道では初の通勤型電車である。
北海道の鉄道車両としては異例となるオールロングシートでデッキ無しとなったが、この装備は以降の形式にも踏襲された。
主に普通列車で運用される。
半自動ドアがあるとはいえデッキがないため冬季はスーパーサムイと化す。

  • 733系

731系のマイナーチェンジ版。
普通列車のほか、快速「エアポート」の721系置き換えのため6両固定編成の3000番台も導入された。
自由席車は全車ロングシートで混雑緩和に貢献している。

  • 735系電車

731系のアルミ版。JR北海道ではアルミ車両を導入した例はなく、「試作して実験してみないか?」ということで試験的に2編成6両が製作された。
731系同様、基本普通列車のみの運行。

  • キハ40系・キハ150系

千歳駅発着の石勝線直通のみ。

  • キハ143形

主に室蘭本線の苫小牧〜室蘭で運行されているが、入出庫の関係で1往復のみ当路線を走る。


特急列車

特急車両は全て最高速度130km/hで運転できるが、現在は120km/hに下げて運転されている。

  • キハ261系1000番台

特急「北斗」・「とかち」・「おおぞら」*3に充当。
当初は宗谷本線用として車体傾斜装置が搭載されたが、他線区向けの1000番台や団体用車両の5000番台など大量増備されキハ183系をすべて置き換えた。
なお、1000番台の近年の新造車は車体傾斜装置が搭載されておらず、搭載車も順次使用停止となっている。

  • 785系

特急「すずらん」で使用。JR北海道初の新型特急電車で旭川発着の快速「エアポート」にも使用されていたが、2016年3月26日からは旭川発着がなくなったため、特急専用となった。
数が少なくなってきてるので乗車はお早めに。

  • 789系1000番台

785系同様、特急「すずらん」で使用。快速「エアポート」には2016年3月26日から使用されなくなり、特急専用となった。


貨物列車

  • DF200形ディーゼル機関車

ECOPOWERレッドベアーの愛称を持つ。沼の端~札幌貨物ターミナル間の牽引に充当。


過去の使用車両

  • 711系

日本初の交流電車である。登場当時は2ドアのボックスシートであったが、一部の編成は3ドア・ロングシートに改造された。
かつては千歳線の主力列車であったが、晩年は1日数本の東室蘭駅発札幌行きしか充当しない。
学園都市線一部電化による転属と、室蘭本線苫小牧~室蘭間の普通列車が気動車によるワンマン化及び新型への置き換えにより、2014年に全車両が引退。
加速度は1.1km/h/sで、蒸気機関車並みに遅い。

  • 781系電車

L特急「すずらん」・旭川発着の快速「エアポート」で使用されていた交流専用特急型電車。
道内電化区間の特急列車として活躍していたが、2007年に引退。

  • キハ183系

かつては特急「北斗」・「おおぞら」・「スーパーとかち」等で運用があったが、2018年3月17日ダイヤ改正以降は千歳線での定期運用がなくなったが、キハ283系・キハ261系の代走として運用されることもあった。
なお、130km/h運転に対応した改造を行われた編成がある。
この他、「スーパーとかち」用の編成は2階建車両が連結されていた。

  • キハ281系

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)

特急「スーパー北斗」に充当。世界初の振り子式気動車であるJR四国2000系を元に製作された。
札幌~函館間にはかつて航空路線があったが、キハ281系の登場で航空便を廃止に追い込んだ。
かつての最高時速130km/hは気動車の営業速度では日本最高で、また過去の「スーパー北斗15号」は函館→札幌を3時間ちょうどで走り、表定速度106.2kmを誇っていた。
なお、この車両がデビューした1994年当時は1往復(スーパー北斗2号・15号)だけ札幌~函館間を上記より1分短い2時間59分で運転しており、日本の在来線特急最速の記録を持つ列車である。
老朽化に伴い2022年9月をもって引退。

  • キハ283系

特急「スーパーおおぞら」に充当された、キハ281系のバージョンアップ版。
一時期は「スーパー北斗」や「スーパーとかち」にも使用されていたが、晩年は「おおぞら」のみに使用され、2022年3月で運用を離脱。それ以降は特急「オホーツク」で運行を開始した。

  • 14系

急行「はまなす(青森~札幌)」に充当。

  • 24系

寝台特急「北斗星(上野~札幌)」・「トワイライトエクスプレス(大阪~札幌)」、急行「はまなす」に充当。

  • E26系

寝台特急「カシオペア(上野~札幌)」に充当。1編成のみのため、上下線隔日運転となっていた。

  • DD51形ディーゼル機関車

上記の客車列車牽引と貨物列車牽引用。急行「はまなす」と貨物列車以外の列車は重連での牽引となっている。


列車種別(特急は省略)


  • 普通

 千歳線内各駅に停車するが、一部はサッポロビール庭園・植苗駅を通過するので注意。
全線通しのほか、札幌~千歳間の区間運用・朝夕の新千歳空港発着・千歳から石勝線経由で夕張に向かう列車がある。


  • 快速「エアポート」

 名前のとおり、新千歳空港に向かう列車。主に小樽・札幌発着が多い。
かつては旭川発着の列車があり、札幌~旭川間はL特急「スーパーカムイ」となっていたが、2016年3月26日より旭川発着が廃止になった。
それにより特急型車両が使用されなくなり、全列車が6両編成3ドア車に統一された。


  • 特別快速「エアポート」

2020年3月ダイヤ改正より登場。
札幌〜南千歳の途中停車駅が新札幌のみと特急と同等で、札幌〜新千歳空港の輸送に特化した種別。


停車駅一覧

※札幌〜白石間は函館本線・沼ノ端〜苫小牧間は室蘭本線である。
赤文字は全列車停車駅(一部除く)
橙文字は快速エアポートまたは特急すずらん停車駅
青文字は快速エアポート停車駅(白石駅は大半が通過)
黒文字は普通列車が全部停車
灰文字は一部の普通列車が通過
※は営業列車の停車無し


  • 01 札幌(さっぽろ)

函館本線学園都市線(隣の桑園駅から直通)、札幌市営地下鉄南北線・東豊線乗り換え。
地下鉄は厳密に言うと「さっぽろ」駅。
北海道最大かつ全国第4位の人口を持ち、日本最北の政令指定都市である札幌市の中心駅。
5面10線の高架駅で大きな駅ビルの中にある。現在進行形で発展中。
いずれは北海道新幹線も伸びてくる予定。
ここから函館本線との方向別複々線となる。


  • H02 苗穂(なえぼ)

サッポロビール博物館や苗穂工場の最寄駅。かつてはここが千歳線の終点駅で、函館本線とはここから分岐していた。
2018年11月に元の場所から西に300メートル移転し、橋上駅舎化された。


  • H03 白石(しろいし)

地下鉄東西線白石駅とかなり離れている。路線上では千歳線の終点駅で、現在は函館本線との分岐駅でもある。


  • H04 平和(へいわ)

複々線内側の千歳線にのみホームがある。函館本線も複々線の外側で当駅を通る形になるがホームがなく、駅自体の所属も千歳線のみなので全列車が通過となる。


  • ※札幌貨物ターミナル(さっぽろかもつターミナル)

北海道の物流を支える一大拠点。平和駅に隣接している。分岐点は平和駅〜新札幌駅間にある。


  • H05 新札幌(しんさっぽろ)

札幌市営地下鉄東西線乗り換え。札幌市厚別区の中心駅で、様々な施設が集まっている。2000年以降は寝台特急以外の全列車が停車するようになり、現在では名実ともに全列車停車駅である。


  • H06 上野幌(かみのっぽろ)

見渡す限り自然豊かな駅だが、札幌日本大学中学校・高等学校の最寄駅である為、実は利用客は5000人を超えている。
最近住宅開発が進んでいる為、少し歩けば住宅街も近くなった。
また北広島市境も近く、同市民の利用も多い。


  • ※西の里信号場(にしのさと)

かつては待避可能だったが、現在では単なる信号場である。


  • H07 北広島(きたひろしま)

北広島市の中心駅。広島から開拓使がやってきたため、「北広島」という地名になった。多くの快速エアポートと普通列車が接続する。


  • H08 島松(しままつ)

陸上自衛隊島松駐屯地の最寄駅。


  • H09 恵み野(めぐみの)

2012年頃から西口が開発され、賑やかになりつつある駅。


  • H10 恵庭(えにわ)

恵庭市の代表駅。「エアポート」停車駅になったあと、利用客が倍以上になった。


  • H11 サッポロビール庭園(サッポロビールていえん)

サッポロビールの工場がある。一部の普通列車は通過する。


  • H12 長都(おさつ)

線路上に運転士への注意を促す為、「停止注意」の看板が立っている。
注意しないと忘れ去られてしまうのだろうか?


  • H13 千歳(ちとせ)

千歳市の中心駅であるが、南千歳駅のほうが停車する特急列車の本数が多い。石勝線の普通列車はここが始発。千歳線普通列車も一部が札幌方面へ折り返す。
実は今の高架駅は、東北新幹線上越新幹線の駅舎の耐雪テストを兼ねて、新幹線規格で造られている。


  • H14 南千歳(みなみちとせ)

石勝線・空港支線乗り換え。
新千歳空港開業前は「千歳空港」駅を名乗っており、同空港の連絡駅だった。(更には元々千歳線と石勝線の信号場として計画されていたが、計画中に近くに空港が出来ることを知った当時の偉いさんが空港のおこぼれにあやかろうと利便性向上を測り、計画を変更した経緯を持つ。)
千歳空港の旅客ターミナル移転後も、空港支線と特急を結ぶ重要なターミナル駅。
なお、2020年までは、快速エアポートは右側進入で当駅を発着していた。また同時に、北斗23号のみ当駅通過となり、代わりに千歳駅に停車となった。


  • H16 植苗(うえなえ)

駅名の由来はアイヌ語の「ウェン・ナイ(悪い川)」だが、一体何が悪いのか理由が分からないらしい。
一部の普通列車は通過する。


  • H17 沼ノ端(ぬまのはた)

室蘭本線岩見沢方面乗り換え。路線上では千歳線の起点駅でもある。


  • H18 苫小牧(とまこまい)

道南有数のターミナル。室蘭本線室蘭方面・日高本線乗り換え。
北海道を代表する工業都市・港湾都市であり、本州各都市へ向かうフェリーターミナルを有する苫小牧市の代表駅。


空港支線

  • H14 南千歳(みなみちとせ)

上記参照。全線複線の本線と異なり支線内は単線となる。


  • AP15 新千歳空港(しんちとせくうこう)

同空港最寄り駅で、海峡線海底駅廃止後はJR北海道唯一の地下駅。


かつて存在した駅

  • 東札幌(ひがしさっぽろ)

北海道にて国鉄よりも先に電車(直流)を走らせた定山渓鉄道と接続。同鉄道は東札幌から自前の気動車で札幌まで片乗り入れ運転を行っていた。また、国鉄からも定山渓方面に臨時列車を乗り入れ運転していたこともある。廃止後、一部用地が札幌市交通局に流用されている。


  • 月寒(つきさっぷ)

駅名は旧来の読み方で、現在は「つきさむ」と読む。旅客営業廃止後もアサヒビール工場の貨物線として存続したが廃止。


  • 大谷地(おおやち)

廃線後昭和50年代にはホーム跡も残されていたほど放置されていた。因みに地下鉄東西線にも同名の駅があるが、この駅とは離れている。


地図上では空港に近い駅だが、何もない。
駅名の由来はアイヌ語の「ベッ・ベッ(川が多い)」という意味。一部の普通列車は通過していた。
廃駅前は牛山氏の全国秘境駅ランキング150位。200位ある中で北海道にある秘境駅の中では最下位…嬉しいのか悲しいのよく分からなかった。
詳しくは当該項目参照。
2017年3月4日のダイヤ改正に伴い廃駅になった。


今後の計画

新千歳空港新駅案

新駅案ではあるが、空港支線を複線にして本線へ吸収するため頭端式の現駅を廃止し、双方向へ行き来可能な駅を新たに作るという結構な大工事である。
千歳線は北海道屈指の過密路線だが、信号設備が追いついておらず車両もそれに比して少なくそれらを改善する費用もない。
しかしこちらであれば国から補助が出るため、それで賄えるというのが理由である。
実現すれば室蘭本線・石勝線への列車も空港アクセスが担えるため、空港アクセス列車を大幅に増加することができる。
平行路線となる現本線は、貨物線や新千歳空港駅に止まらない列車で使う予定である。


北海道日本ハムファイターズ新球場アクセス新駅

北広島駅から1キロほどのところに新球場「エスコンフィールド北海道」最寄りの請願駅を設ける計画。
エスコンフィールド北海道はファイターズの本拠地となる上、札幌ドームでライブができないという一流アーティスト達によるコンサート需要も満たせ、周辺に数多くの商業・レジャー施設を誘致するとあって相当な乗降客数が見込まれる。
そしてJR北海道による検討・調査の結果、外側2線を通過線、千歳駅側に引き上げ線1線を設けた1面4線の駅を最短で2028年春の開業を目指して建設することが発表された。
新球場開業には結局間に合わないので、それまでは北広島駅を改修して対応させるとのこと。



追記・修正はuシートに乗りながらお願いします。


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  • 新空港駅にアニメイトができたことは…… -- 名無しさん (2016-01-03 13:18:36)

#comment

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/721.jpg 日時:2016/01/03
*2 JR北海道の路線で全線電化されたのは当線以外では海峡線、非電化区間が廃止という形で全線電化となった路線は江差線(現:道南いさり火鉄道線)、学園都市線(札沼線)がある
*3 2016年3月まではそれぞれ列車名に「スーパー」を冠していた。

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